この記事で分かること
- 私がおすすめする築年数と、その6つの理由
- 築年数ではなく「建てられた時代」で判断すべき理由
- 建てられた時期ごとの特徴とおすすめ度
- 築年数の判断で分かれた実例3つ
- 中古マンションはいつまで住めるのか
- 築年数と資産価値、住宅ローン控除の関係
- 中古マンションで買ってはいけない時期
中古マンションを検討するときに、あなたであれば何を選択の指針とするでしょうか。価格と立地はもちろんですが、築年数も中古マンション選択における大きな要因となるのではないでしょうか。
実際、営業の現場で私もお客様から「築何年くらいの中古マンションがいいですか?」とか、「築15年のマンションって15年後どうなんですか?」といった築年数に関する質問をよく受けます。
結論からお伝えすると、築年数は重要な基準ではありますが、大事なのは「建てられた時代・時期」で判断することなのです。このポイントを押さえておくことで、中古マンションの選び方が変わります。なぜなら築年数に関わる話は、すべて「建てられた時代・時期」で考えることで、その本質を捉えることができるからです。
そのうえで「では結局、築何年を選べばいいのか」と聞かれたら、私は2000年代前半と答えています。理由は次の6点です。
- 立地が良く、部屋が広いものが多い
- ドットコムバブルの崩壊で景気が悪く、土地代も建築費も安かった時期に建てられている
- 2000年を境に近代的なマンションが完成し、古臭さがない
- 二重床・二重天井・外梁・エコ性能といった基本性能が一気に向上した
- 管理の年数が経っていて実績があるため、調査の精度もそれなりに高い
- 価格がある程度落ちてきていて、損をしにくく価値が残りやすい
ただし、これはあくまで傾向の話です。同じ時期に建てられたマンションでも、立地と管理の状態でまったく別物になります。
実際、私は築9年の物件を買った方の住み替えを担当したこともあれば、築古の物件を調べたうえで購入され、3年以上経った今も満足されている方もいらっしゃいます。この記事の後半で、その実例もお話しします。
実際に、この話をお伝えすると、大袈裟かもしれませんが「目から鱗」と感激される方もいらっしゃいます。そこでこの記事では、なぜ中古マンションは築年数ではなく、建てられた時期で判断したほうがいいのか?そして狙い目の時期や、買ってはいけない時期、その納得の理由と資産価値の関係性についてまとめました。中古マンションのおすすめの年代やポイントを手っ取り早く知りたい方は、目次の「まとめ」をクリックしてください。
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宅地建物取引士、2級FP技能士、ホームステージャー2級
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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なぜ中古マンション購入は築年数でなく、建てられた時代や時期で判断すべきなのか?

中古マンション購入で築年数を気にする方は多いのですが、なぜ建てられた時代や時期で判断すべきなのでしょうか。それは、マンションというのは、単純に築何年だから云々というものではなく、建てられた時期や時代によって特徴が大きく変わるからです。
例えば、土地相場が高く円安で建築材料や人件費も高騰している時期に建てられたマンションと、土地相場が安く円高で建築材料も安く人件費も安い時期に建てられたマンションでは、その性質が全く異なることはご理解いただけると思います。
前者の時代背景であれば、少しでも多くの方でも買えるようにグレードを落としたり部屋を狭くしたりして、少しでも安く収まるようにします。一方で、後者であればグレードをアップし、部屋も広くして、なおかつ駅前の優良な立地を、手頃な価格で確保しやすいという特徴となります。
時代の背景で考えるのであれば、築年数という基準は時間が経てば変わるものですし、今時点で築20年が良いと言われていても、10年後に築20年が良いとは限らないということになります。
つまり、中古マンション購入では建てられた時代や時期からマンションの質を理解することで、本当の買い時の中古マンションや買ってはいけない時期の中古マンションの判別がつくようになります。
次からは、中古マンションが建てられた時代・時期ごとの特徴について解説していきます。また合わせて買っていい時期とそうでない時期がわかるように「おすすめ度」もご紹介していきます。
「買ってはいけない物件」を避ける確実な方法は、中立の立場の担当者に見極めてもらうことです。ハウスクローバーで無料会員登録すると、審査を通過した担当者に無料で相談できます。
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中古マンションが建てられた時期ごとの特徴とおすすめ度

早速、建てられた時代・時期ごとの特徴とおすすめ度を解説していきます。
注意してほしいのは、あくまで全体的な傾向であり、すべての物件にあてはまるわけではなく、最終的にはマンションごとに個別に判別していきます。個別性は立地と管理状況によって判断します。詳細はこちらの記事もあわせてご覧ください。
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1975~1982年 おすすめ度
1975~1982年(昭和50年から57年)ころまでは猛烈な勢いでマンションが建築されました。いわゆる大量供給時代ですが、このころのマンションはコンクリート壁厚も薄く、水道管もさびが出やすい銅管を使用しています。
また1981年6月に建築基準法が改正され、耐震基準が大きく変わりましたが、建築計画の確認や実際の建築に時間のかかるマンションでは、この時期は旧耐震基準となります。
旧耐震基準のマンションは壁厚も12cmと遮音性能も低いものが主流でした。壁の厚みは、遮音性やマンションの寿命に影響します。また、今のような気密性があるわけでもありませんでした。
室内の広さもそこまで重視されておらず、エレベーターのない低層マンションも多く存在します。エリアによってはかなり安い価格で売りに出ているので、立地と値段で割り切ってしまえれば、それはそれでアリなのかもしれません。
1983~1987年 おすすめ度
時代は進んで1983年以降から1987年ころまでは、質も向上しました。建築基準法が改正されて、新耐震基準と呼ばれているマンションに変わっていった時代です。
耐震基準が改正されたことにより、コンクリート厚が15cmや20cmのものが増えてきて、長寿命化や遮音性能の向上に寄与していくようになります。
また、水道管にも塩ビのものが見られるようになり、構造躯体の強度だけでなく、設備面においてもメンテナンス性が向上していきます。
1988~1991年 おすすめ度
1988年以降はバブル期を迎えます。年号でいえば、昭和末期から平成初期になりますが、マンションも豪華絢爛なものが増え、都心の一等地では億ションが珍しくなくなってきました。ヴィンテージマンションと呼ばれる物件も多く存在する年代です。
一方で、価格が高騰しすぎたため、一般サラリーマン世帯では購入が難しくなったこともあり、ファミリー型マンションは郊外へと移動していったのもこのバブル時期になります。
1992~1994年 おすすめ度
1992~1994年(平成4年〜平成6年)にかけてはバブル崩壊後の時期にあたるので、豪華絢爛な仕様のマンションは激減し、供給量そのものもかなり減りました。
ですから、物件数そのものも少ないことに加えて、価格を抑えるために間取りや面積を絞っていった傾向にありました。
1995~2000年 おすすめ度
バブル崩壊の最悪期を過ぎるとマンションにも変化の兆しが現れます。快適性を求めたマンションが出始めて、再びマンションブームの到来を感じた時代でした。
天井も高くなり、水道管も腐食が少なくその他のトラブルも少ない新素材が使われるようになったのが、1995~2000年(平成7年〜平成12年)にかけての時代でした。
この時代までは、洗面所やキッチンなどの水回りの配管を通すために、部分的に床が嵩上げされており、段があったり、室内に梁が残されている工法が多くあります。
2001~2006年 おすすめ度
そして2000年4月(平成12年4月)に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(通称:品確法)によって、マンションの品質の底上げが図られ、質が向上しました。階下への騒音を軽減する二重床が一般的になったり、食洗機がつき始めた時代になります。
その他にも室内の段差がなくなりバリアフリー性能が向上し、外梁工法が普及し、室内も広く利用できるようになりました。
またこの時期はそこまで土地価格や建築費が高くなかったため、駅近で質の良い中古マンションが多く建てられた時期です。さらにこのころのマンションは大規模修繕が一度終わっているため、管理組合の財務状況の判断がしやすいというメリットもあります。
この時代から、現代のマンションがスタートしたと言われており、立地・質ともに優れたマンションが多く建てられた時期で、私がおすすめする時代・時期の一つです。
私が個人的に一番おすすめするのが、この時期です。冒頭でも書きましたが、理由をもう少し詳しくお伝えします。
まず、時代背景です。この頃はドットコムバブルが崩壊した直後で、景気が悪い時期でした。景気が悪いということは、土地代も建築費も安いということです。同じ予算で、より良い立地に、より広い部屋を作れた時期にあたります。
次に、性能です。2000年を境に、マンションは近代的なものに変わりました。二重床・二重天井が入り、外梁工法で室内が広く使えるようになり、エコ性能も上がりました。この時期を境に、間取りや設備の古臭さがなくなります。実際に室内を見ていただくと、今の新築と大きく変わらないと感じられる方が多いです。
そして、管理です。築20年を超えていると、大規模修繕を1回、物件によっては2回終えています。計画どおりに工事ができたのか、いくらかかったのか、お金は足りているのか。実績が数字で残っているので、調査の精度が高くなります。私は管理組合の財務調査を3,000件以上行ってきましたが、実績のない築浅よりも、実績のある築20年前後の方が、将来を読み違えにくいというのが実感です。
最後に価格です。新築時からある程度価格が落ちているので、買ったあとにさらに大きく下がりにくく、価値が残りやすい。損をしにくい時期だと考えています。
ちなみに、管理組合の財務調査は中古マンション購入における、最重要ポイントの一つです。詳細は、以下の記事をご参照ください。
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2007~2008年 おすすめ度
そして2007~2008年(平成19年〜20年)頃になると、マンションのミニバブルと呼ばれる現象が起きました。世界的な景気上昇と同時に、日本でもバブルの再来を彷彿とさせるような好景気が訪れます。
しかし結果的には直後のリーマンショックで沈静化してしまうのですが、価格急騰によって面積を狭めたり仕様を落としたりするなどの対策が取られたのが、この時期のマンションです。
2009~2013年 おすすめ度
リーマンショックからの4~5年は日本経済全体が落ち込むどん底時代でした。しかし、土地の仕入れが安くできたのに加えて、一時期70円台まで進んだ円高により輸入品が安く手に入ることとなり、良質なマンションが極めて多く建築された時代になります。
また東日本大震災によって災害意識が高まり、制震・免震装置が取り入れられたマンションが増えた時期でもあります。ここ最近では、1回目の大規模修繕工事が終わっているマンションも多く、管理組合の財務調査の精度も上がってきていることから、おすすめ度は☆5つです。
2014年~現在 おすすめ度
2014年以降から今に至るまでは再び建築コストの増大によって、価格がじりじりと上昇してきました。東京オリンピック開催の決定や、日銀の量的緩和、そして新型コロナ禍や円安による物価高を反映し、今の新築マンション価格は都内だけ見ればバブル崩壊前と並ぶ価格帯となっています。
総じて今の新築は価格が高騰して、一般の方にとって手が届きにくい水準にまであがっています。そこで少しでも安く抑えられるように、部屋を狭くしグレードを下げています。
また好景気の時は、オフィスやホテルが用地取得のライバルとなるため、そもそも良い立地の土地が少なくなる中、さらに獲得競争が激しくなり、駅から離れたマンションも増えてきます。
新築からしばらくの間はいいかもしれませんが、中古マンションとして市場に出たときの競争力としては弱いため、物件にもよりますが、長く住みたいと考えているのであれば、そこまでおすすめはしていません。
中古マンションの築年数は新しければいいわけではない

このようにマンションは築年数が新しければいいというわけではありません。既述したように、直近の新しいマンションは価格高騰の影響を強く受けているため、価格に見合った内容かどうかには疑問が残ります。
また現在の新築マンションは、好立地で高価格に振り切ったものと、駅から離れた立地のものとに二極化も進んでいます。新築マンションが絶対にいけないというわけではありませんが、その質と内容をしっかり見極める必要があります。
ケース1:築9年のマンションを買ったのに、音の問題で住み替えた
築9年のマンションを購入された方が、音の問題に耐えられず住み替えることになり、私がその住み替えを担当しました。
原因は建物の性能ではありません。投資用として保有されている部屋が多い物件だったことです。
賃貸で住んでいる方は、所有している方と比べるとマナーの面で気にされないことが多く、生活音のトラブルが起きやすくなります。建物が新しくても、住んでいる人の構成でこうなります。
住み替え先は、都心部ではなく少し郊外の、広めのファミリー向け2LDKが多い物件にしました。結果は大正解でした。
築年数が浅いことと、快適に暮らせることは別の話です。その物件にどういう人が住んでいるかは、図面にも広告にも書かれていません。
ケース2:築古で積立金が安く不安だったが、調べたら健全だった
築古のマンションで、室内がリノベーション済み、立地も良く魅力的な物件がありました。
ただ、管理費と修繕積立金が安く、将来値上げされるのではないかと不安があったため、管理組合の財務を調査しました。
結果は、非常に安い工事費で運営できているマンションだと分かりました。安いから危ないのではなく、安く回せる管理ができていたということです。
その方は納得して購入され、3年以上経った今も非常に満足されていて、お知り合いのご紹介もたくさんいただいています。
「積立金が安い=危険」ではありません。危ないのは、安い理由を調べないまま買うことです。調べれば見分けられます。
ケース3:築浅・狭い・駅から遠いは、10年を超えると一気に売れなくなる
築年数が浅いマンションは人気があります。ただ、相場や建築費が上昇してから建てられたものが多く、部屋が狭いものが目立ちます。
そこに駅から遠いといった条件が重なると、どうなるか。
築浅のうちはまだ売れますが、築10年を超えたあたりから一気に売れにくくなります。
新しさで買ってもらえる期間が終わったあと、残るのは立地と広さと管理です。そこに強みがないと、買い手が見つからなくなります。
築浅かどうかだけでなく、立地と、将来の管理費・修繕積立金がどこまで上がるかを見込んでおかないと、あとで後悔することになります。
逆に、古くてもランニングコストを安く運営できているマンションは、普通に売れていきます。
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中古マンションはいつまで住める?寿命の目安
中古マンションを検討する際に「あと何年住めるのか」は誰もが気になるポイントです。
国土交通省の調査によると、鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションの物理的な寿命は117年と推定されています。つまり、適切な管理と修繕が行われていれば、築50年・60年でもまだまだ住み続けることは可能です。
よく混同されるのが「法定耐用年数47年」ですが、これは税務上の減価償却計算に使われる数字であり、マンションの寿命とは全く関係ありません。耐用年数を超えたからといって住めなくなるわけではないので、この点は安心してください。
ただし、管理が行き届いていないマンションは寿命が大幅に短くなる可能性があります。購入前に管理組合の財務状況や修繕履歴を必ず確認するようにしましょう。
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中古マンションの築年数と資産価値の関係
次に築年数と資産価値の間には、どんな関連性があるのでしょうか。
Line chart. Data table with 8 rows and 3 columns follows.
| 新規登録 | 成約単価 | |
|---|---|---|
| 〜築5年 | 123 | 105.21 |
| 〜築10年 | 105.55 | 93.76 |
| 〜築15年 | 90.9 | 79.86 |
| 〜築20年 | 86.23 | 74.01 |
| 〜築25年 | 74.18 | 61.91 |
| 〜築30年 | 55.23 | 44.57 |
| 築31年〜 | 52.07 | 38.98 |
このグラフはレインズの成約データをもとに作成したもので、築年数ごとに価格がどのように推移するか図示したものになります。
このグラフを見るとわかるように、新築からマンション価格は徐々に下落していき、築30年ほどで下げ止まりますが、新築の時と比較すると、およそ半分以下まで下がっています。
資産価値は購入するときの価格よりも、買った時と売った時の差額が小さければ小さいほど高い(住宅支出が削減される)と考えられますので、新築マンションが必ずしも資産価値が高いという考え方は正しくはありません。
また、このグラフを見たときに、人によっては「15年前の中古マンションでも新築時よりも値段が上がっているのに」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
その実感は正しいもので、そのような状況が起こっているのは相場が上がっているからです。既出のグラフはあくまで物価や相場が変わらないという前提となっており、少し違和感を覚えるかもしれません。
相場や物価を考慮しないで考えるためには、例えば築20年の中古マンションで平米単価が65万円の時、このマンションが仮に新築時も平米単価が65万円であったとしても、今の物価や相場で同じものをもう一度新築したら、平米単価は95万円になるという捉え方をすると正しく理解ができます。
不動産市場は常に動いているので、今後どのように相場が変わっていくのか、現在のマーケット情報についてもある程度把握しておくようにしましょう。
実務の感覚でお伝えすると、売るときに効いてくるのは築年数そのものよりも、次の3点です。
まず、旧耐震かどうか。旧耐震は住宅ローンがつきにくいので、売るときに買い手が限られ、苦労する傾向があります。
次に、立地とランニングコストです。ある程度古くても、立地が良く、管理費・修繕積立金を安く運営できているマンションであれば、損をすることは少ないです。
逆に、築浅でも部屋が狭く駅から遠いマンションは、損をしやすいというのが実感です。買った時点では新しさが評価されますが、その評価は年々薄れていきます。
つまり出口を決めるのは「築年数の新しさ」ではなく、立地 × 管理 × ランニングコストです。
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修繕積立金の適正額を知っておく
中古マンション購入を検討する際に、修繕積立金がいくらなのかは必ずチェックすべきポイントです。
国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定)では、修繕積立金の目安が、建物の規模ごとに専有床面積1㎡あたりの月額で示されています。
地上20階未満のマンションでは、建築延床面積が5,000㎡未満で平均335円/㎡・月、5,000〜10,000㎡未満で252円、10,000〜20,000㎡未満で271円、20,000㎡以上で255円です。
地上20階以上のいわゆるタワーマンションは、外壁の修繕に特殊な足場が必要になるなどの理由から、面積で分けずに平均338円/㎡・月と別枠で示されています。
例えば専有面積70㎡の部屋であれば、建築延床面積5,000㎡未満のマンションで月額約23,500円、5,000〜10,000㎡のマンションで約17,600円が平均的な水準ということになります。
ただし事例のばらつきは大きく、ガイドラインでは平均値とあわせて「事例の3分の2が包含される幅」も示されています。5,000㎡未満であれば235〜430円/㎡・月です。平均から外れているからといって、それだけで不適切と判断されるわけではありません。
なお、この目安に機械式駐車場の分は含まれていません。機械式駐車場があるマンションでは、別途加算して考える必要があります。
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国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定)7ページ
これよりも大幅に安い場合は、将来的に大幅な値上げや一時金の徴収が行われる可能性があります。逆に高すぎる場合は、過去に大きな修繕トラブルがあった可能性や、管理会社に工事費を取られ過ぎているとも考えられます。
修繕積立金の金額だけでなく、長期修繕計画の有無と内容、修繕積立金の残高もあわせて確認しておきましょう。
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住宅ローン控除の築年数要件
中古マンションを購入する際に見落としがちなのが、住宅ローン控除の適用要件です。
住宅ローン控除を受けるためには、建築日が1982年(昭和57年)1月1日以降の物件であることが条件の一つです。つまり新耐震基準に適合していることが求められます。
旧耐震基準の物件でも、耐震基準適合証明書を取得すれば控除を受けられるケースはありますが、手間とコストがかかるため注意が必要です。
住宅ローン控除は年末のローン残高の0.7%が所得税から控除される制度で、中古住宅の場合は最大10年間適用されます。購入前に控除の対象になるかどうか、不動産エージェントに確認しておきましょう。
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中古マンションの狙い目は築何年?
ここまで解説してきた内容をもとに、狙い目の築年数はというと、2001年〜2006年の中古マンションです。次に2009年〜2013年の中古マンションです。築年数で言えば、2026年時点で、築20年〜25年の中古マンション。そして、築13年〜17年の中古マンションが狙い目といえます。
ただしこの築年数帯は、まだ価格が高いので、無理な予算で購入することは避けるように注意しましょう。
もし予算が合わない場合は、エリアを見直すことをおすすめします。
広さや立地を求めるのであれば、私は都心から少しずらしたエリアをご提案しています。実際、最初は都心部を希望されていた方でも、いろいろ見た結果、神奈川・埼玉・千葉の物件を購入される方は多いです。
築年数を無理に妥協して条件の悪い物件を選ぶより、エリアを一つずらして、立地と管理の良いマンションを選ぶ方が、結果的に満足度も出口も良くなります。
私が企画運営しているハウスクローバーでは、無理のない予算がシミュレーションできますので、ぜひそちらもご利用ください。
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旧耐震の中古マンションは避けた方が無難
日本は世界有数の災害大国です。とくに地震は東日本大震災以降、日本全土が活性期に入ったのではないかという学者の見解も発表されました。また、想定された大地震発生地域とは全く異なる空白地域にも大きな地震が頻発しています。
こう考えると、中古マンション購入時の重要選択基準の一つとして、マンションの耐震性に着目するのは絶対条件となります。そこで悩むのは「耐震性の強いマンションはどうやって見分けるのだろうか?」となりますよね。もちろん新しければ新しいほど劣化していないので、地震には強いという理屈は成り立ちます。
ただ、単純な築年数よりももっと重要な判別方法があるのでご紹介します。1981年(昭和56年)6月を境に建築物の耐震基準が大幅に向上しました。
結論からお伝えすると、これより後の中古マンションを探すようにしてください。この1981年6月以降に建築確認申請が下りたものは全て新耐震基準となり、現在においても同じ基準が適用されています。
一方で、1981~1983年の物件でも、これ以前に建築確認申請が下りたものは旧耐震基準で建築されているのです。1978年(昭和53年)に発生した宮城県沖地震が発端となり法律が改正されたのですが、地震に対する備えを考えると旧耐震ではなく新耐震マンションを購入するべきだと私は思います。
また旧耐震のマンションは住宅ローンがおりにくい金融機関が増えてきていますので、将来の資産性という意味でも、よほど管理組合の状況がよかったり、耐震改修工事をしていない限りおすすめはできません。
なお、私自身がお手伝いしているお客様で、旧耐震のマンションを購入される方はほとんどいません。私が勧めていないからです。
理由は耐震性だけではありません。旧耐震は住宅ローンがつきにくいため、自分が売るときにも苦労します。買い手がローンを組めなければ、その分だけ買える人が減ります。安く買えたつもりが、出口で詰まってしまうということが起こります。
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中古マンションで買ってはいけない時期は?
先述した旧耐震基準(1982年以前)のマンションは基本的に買ってはいけない時期の一つになります。その他の年代で買わない方がいい時期のマンションは2018年以降のマンションです。
この時期に新築されたマンションはすでにお伝えしましたが、特に土地相場や建築費などが大きく上昇した時代に建てられたマンションです。これらのマンションは価格を抑えるために部屋を狭く、グレードを落としています。
築浅の状態であればまだ売却できますが、築年数が経つにつれて価格が下がりやすく、また立地も駅から離れたものも多いため、大きな損をしやすいマンションである可能性が高いと考えています。つまり短期所有であれば問題ありませんが、10年、20年と長く住もうと考えているのであれば、避けた方が無難です。
また管理組合の良し悪しの調査も精度が落ちるため、将来的な管理のリスクを排除することが難しい時期であるとも言えます。全てのこの時期のマンションが、損をするとは言いませんが、損をしやすいマンションが多いのは間違いありません。
この時期についても、私からお客様に勧めることはほとんどありません。
先ほどのケース3でお伝えしたとおり、築浅のうちはまだ売れますが、築10年を超えたあたりから一気に売れにくくなります。新しさで買ってもらえる期間が終わったとき、狭さと立地の弱さが残ってしまうからです。
もう一つ、管理の面でも不利があります。大規模修繕をまだ経験していないため、工事が計画どおりにできるのか、積立金が足りるのかを、実績から判断できません。調べようにも材料が少ないのです。
中古マンションは管理を見て買うべし

「マンションは管理を見て買え」という格言は不動産に関わる人間であれば一度は聞いたことがあるほど有名です。清掃や修繕状況はもちろんですが、将来の修繕計画がどうなっていくかという観点が欠かせません。今後の修繕の見通しは、管理組合の財務状況によって決まります。
比較的築年数が新しければ問題は出にくいですが、築年数が経つごとに修繕費用は増えていきますので、財務状況に不安がある中古マンションは将来修繕積立金の一時金の徴収や、毎月徴収される積立金の大幅な値上げなどの憂き目にあう可能性が高くなります。
将来のランニングコストが高くなること自体、出来れば遠慮したいところですが、売りに出すときも、こういった中古マンションは敬遠されます。ですから、中古マンションは立地や建築年などももちろん大事なのですが、今後は管理組合の財務状況も大きなポイントになってきます。
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不動産エージェントの力を借りて納得のいく買い物を
中古マンション購入の最終決断は、もちろんあなた自身です。しかし、その決断が後悔しない正しいものになるかどうかを左右するのが、第三者のプロによるアドバイスです。
不動産エージェントという言葉をご存知でしょうか。不動産のプロであり、マンション購入者へ第三者的な立場から公平なアドバイスをくれる人たちです。
一生に一度か二度の不動産購入。そんな大事な買い物をするのに「何となくこの物件でいいかな」ではリスクが高すぎます。
中古マンションに限らず不動産は個別性が非常に強い商品であるため、失敗しないためにも不動産エージェント選びは慎重に行いましょう。
ハウスクローバーは、全国の優良な担当者が探せるサイトです。その他にも、無理のない予算がシミュレーションできたり、物件探しの自動化が全て無料で利用できますので、ぜひご活用ください。
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まとめ
最後に中古マンションの築年数と建てられた時期についての注意点やポイントをまとめておきます。
- 中古マンションは築年数より建てられた時期に着目する
- おすすめの年代は2001~2006年、2009〜2013年に建てられた中古マンション
- ここ最近の新築は部屋が狭くグレードが下がっているため、おすすめ度は低い
- 旧耐震の中古マンションはよほどポジティブな条件がない限り避ける
- 買ってはいけないマンションの時期は、1982年以前と、2018年以降
- 築浅でも、投資用の部屋が多い物件は音のトラブルが起きやすい
- 修繕積立金が安い=危険ではない。安い理由を調べれば見分けられる
- 出口を決めるのは築年数の新しさではなく、立地×管理×ランニングコスト
- 中古マンションは管理を見て買うべし
- 失敗しない中古マンション選びは不動産エージェント選びから
これらのポイントを押さえてお得な中古マンション選びをするようにしましょう。
最後にもう一つだけ、お伝えしておきたいことがあります。
新築マンションの供給は、これから縮小していきます。そうなると市場では中古マンションが当たり前になり、築古であることも当たり前になります。
そのときに差がつくのは何かというと、立地と管理です。築年数が古いかどうかではありません。
築年数だけで選ばず、そのマンションが持っている本質的な価値で選んでください。それが、この記事で一番お伝えしたいことです。
よくある質問(FAQ)
Q. 中古マンションは築何年がおすすめですか?
私が個人的におすすめするのは2000年代前半(2001〜2006年築)です。理由は、立地が良く部屋が広いものが多いこと、ドットコムバブル崩壊後で土地代も建築費も安かった時期であること、二重床・二重天井・外梁などの基本性能が一気に向上した時期であること、大規模修繕を終えていて管理の実績が数字で読めること、そして価格がある程度落ちていて損をしにくいことです。次点は2009〜2013年築です。ただし同じ時期のマンションでも立地と管理でまったく別物になるため、最後は個別に確認してください。
Q. 築浅のマンションを買っておけば安心ではないですか?
築年数が浅いことと、快適に暮らせること・将来売れることは別の話です。投資用の部屋が多い物件では、建物が新しくても生活音のトラブルが起きやすくなります。また、相場と建築費が上がってから建てられたマンションは部屋が狭いものが多く、駅から遠いなどの条件が重なると、築10年を超えたあたりから一気に売れにくくなります。築浅かどうかだけでなく、立地と、将来の管理費・修繕積立金の見通しまで確認してください。
Q. 修繕積立金が安いマンションは危険ですか?
安いこと自体が危険なのではありません。危ないのは、安い理由を調べないまま買うことです。実際に、管理費と修繕積立金が安く不安だった築古マンションを調査したところ、非常に安い工事費で運営できている健全なマンションだった、という例があります。その方は納得して購入され、3年以上経った今も満足されています。逆に、値上げや一時金の徴収が近いのに安いままになっているケースもあります。金額の高い安いではなく、長期修繕計画と積立金の残高、これまでの工事実績を見て判断してください。
Q. 中古マンションは築何年まで住めますか?
国土交通省の調査では、鉄筋コンクリート造マンションの物理的な寿命は117年と推定されています。よく言われる「法定耐用年数47年」は税務上の数字であり、マンションの寿命とは関係ありません。適切な管理と修繕が行われていれば、築50年・60年でも十分住み続けることが可能です。
Q. 築30年のマンションはあと何年住めますか?
管理状態によりますが、適切に修繕されていれば物理的にはあと50年以上住むことも可能です。重要なのは管理組合の財務状況と長期修繕計画です。修繕積立金の残高が十分にあり、計画通りに修繕が実施されているマンションであれば、築30年でも安心して購入できます。
Q. 旧耐震のマンションは絶対にダメですか?
絶対にダメとは言い切れませんが、避けた方が無難です。旧耐震マンションは耐震性の不安だけでなく、住宅ローンが下りにくい金融機関が増えていること、住宅ローン控除が受けにくいこと、将来売却する際に買い手がつきにくいことなど、複合的なリスクがあります。よほど管理組合の状況がよく、耐震改修工事が済んでいない限り、おすすめはしません。
Q. 中古マンションの修繕積立金はいくらが適正ですか?
国土交通省のガイドライン(令和6年6月改定)では、建物の規模ごとに専有床面積1㎡あたりの月額で示されています。地上20階未満なら建築延床面積5,000㎡未満で平均335円/㎡・月、5,000〜10,000㎡未満で252円、10,000〜20,000㎡未満で271円、20,000㎡以上で255円。地上20階以上は平均338円/㎡・月です。専有70㎡なら、5,000㎡未満のマンションで月額約23,500円が平均的な水準になります(機械式駐車場がある場合は別途加算)。これより大幅に安い場合は将来の大幅値上げや一時金徴収のリスクがあるため、購入前に長期修繕計画と積立金の残高を必ず確認してください。
Q. 築年数が古いと住宅ローンは組めませんか?
築年数が古いからといって住宅ローンが組めないわけではありません。ただし、旧耐震基準(1981年6月以前)のマンションは審査が厳しくなる金融機関が増えています。フラット35では物件の適合証明書が必要で、旧耐震の場合は取得できないケースもあります。新耐震基準のマンションであれば、築40年超でもローンを組める金融機関は多くあります。














素晴らしい仕組み
30代男性