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住宅ローンの仮審査に通って本審査に落ちることってある?


家を買うために住宅ローンを申し込むと、「この方に融資しても問題ないか」と、銀行が審査を行います。

この審査は仮審査と本審査の2段階があり、仮審査通過後に本審査が行われます。

1つの審査を終えてももう1つの審査も受けなければならないのはドキドキしますが、仮審査をクリアしても本審査で落ちることはあるのでしょうか?

また仮審査と本審査では、どんな項目を審査しているのでしょうか?

今回は、気になる住宅ローンの仮審査と本審査に関する疑問点と回答をご紹介します。

住宅ローンの仮審査に通っても、本審査に落ちることはある

住宅ローン 仮審査

まず、住宅ローンは仮審査に通っても本審査で落ちることがあるのかどうか、という点に対する回答ですが、これは「YES」です。

ただ、仮審査を通過したほとんどの方は本審査もクリアしているため、仮審査に通ったけれど本審査には通らなかった方の割合はあまり高くありません。

しかし数は少ないといえども、なぜ仮審査は通ったにもかかわらずその後の本審査で通らない方がいるのか、その理由は仮審査と本審査の違いです。

関連記事「住宅ローンの審査に落ちた!?どんなことが考えられる?」

 

仮審査と本審査の違い

住宅ローンの仮審査と本審査ですが、いずれも申し込んだ銀行が行っていると思っている方はいませんか?

実は、仮審査と本審査は実施する機関が異なるのです。

仮審査は住宅ローンを申し込んだ銀行が行いますが、本審査は保証会社が行います。

なお保証会社とは、住宅ローンの名義人が万が一返済できなくなった時、名義人に代わって銀行へローンの残額を支払ってくれる会社のことです。

そして仮審査では、名義人が収入に対して何にどのくらい返済しているのか(返済比率)、これまで返済に遅れがあったかどうかの個人信用情報などが審査項目となります。

一方で本審査は、仮審査でチェックした内容に間違いはないかに加え、名義人本人の健康状態や担保となる物件の価値などより厳しい審査項目が設けられていて、審査期間も仮審査より長くかかります。

※仮審査期間…長くても1週間くらい、本審査期間…2~3週間程度。

そのため、仮審査では無事クリアできても本審査で引っかかってしまい、落ちるケースが発生するのです。

関連記事「住宅ローンで銀行と保証会社の関係と保証料について」

 

仮審査に通って本審査に落ちる5つのケース

住宅ローン 仮審査

続いては、仮審査に通っても本審査で落ちる可能性が高い、下記5つのケースをご紹介します。

  • 仮審査で出てこなかった遅滞情報などが出てくる
  • 仮審査後、転職をしている
  • 仮審査後、新しく借り入れをした、返済に遅れた
  • 対象物件が違法建築であった
  • 健康状態が悪かった(団体信用生命保険に加入できない)

仮審査で出てこなかった遅滞情報などが出てくる

保証会社も銀行と同じく個人信用情報を調べますが、閲覧する情報機関が異なるケースがあります。

機関が違うと記録されている個人信用情報も異なり、銀行が確認したデータにはなかった信用情報を保証会社が見つけると、仮審査時になかった遅滞情報としてマイナスの評価を受けてしまうのです。

また、一般的に過去の遅滞情報は5年までとされていますが、保証会社独自で過去の取引履歴など、銀行の担当者もあまり知りえない情報を持っていることもあります。

仮審査後、転職をしている

住宅ローンの融資条件には、名義人の勤務先や勤続年数・雇用形態・年収なども重要な審査項目に含まれています。

そのため、もし仮審査後に転職をした場合は当然ながら勤続年数がリセットされるため、審査に大きな影響を及ぼします。

独立やステップアップのために転職を考えている方は、本審査を通過するまでは転職を控えることをおすすめします。

仮審査後、新しく借り入れをした、返済に遅れた

これは「仮審査で出てこなかった遅滞情報などが出てくる」と少し似ていますが、仮審査後の新たな借り入れや遅滞情報も、しっかり個人信用情報に記録されます。

特に新たな借り入れは、その分だけ返済比率を高めてしまうため、本審査ではマイナス評価されてしまう可能性が高いのです。

個人信用情報の記録は、仮審査・本審査ともに重要性が高い項目と位置付ける銀行や保証会社は多いです。

そのため、本審査が終わるまでの新たな借り入れや遅滞の発生が起きないようにご注意ください。

対象物件が違法建築であった

住宅ローンを申し込む際は、購入する物件に対して担保がかけられますが、万が一審査対象の物件が違法建築物に該当して担保の価値がないとみなされると、融資を受けられる可能性が低くなります。

なお違法建築物に該当するのは、以下のような物件です。

  • 既定の建ぺい率や容積率を超えている
  • 接道義務違反である
  • 建築確認を取らずに建てられている、建築確認図面とは違う設計で建てられている
  • 法令違反である
  • 完成当初は建築基準を満たしていたものの、その後違法な増改築がされている

住宅や施設などを建てる時は、国が定めた法律や自治体ごとの条例に則った建築物でなければいけませんが、それを違反していると分かっていて融資をする銀行も保証会社もありません。

購入予定の中古住宅や中古マンションが違法建築物でないかどうかを見極めるには、その物件の建築確認済証や検査済証があるかを確認します。

古い物件だと検査済証や建築確認済証がなくなっていることもありますが、その場合は図面や現地を確認して、違反建築物でないかどうか判断します。

増築されている物件の場合、10㎡を超える増築は工事前に改めて建築確認を取らなければいけません。

しかし、建築確認を怠っている、もしくは確認を取ったものの違う内容で工事が行われていた場合は違法建築物に該当するため、本審査で落とされてしまうのです。

なお、建築基準法は過去何度か改正が行われており、中古住宅の中には今の建築基準を満たしてはいないものの、当時の基準はきちんと満たしていた物件もあります。

そうした物件は違法建築物ではなく「既存不適格物件」に該当し、場合によっては融資を受けられる可能性があるため、住宅ローンを申し込む前に銀行や不動産エージェントに相談しましょう。

健康状態が悪かった(団体信用生命保険に加入できない)

団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンの名義人がローンを返済中、万が一死亡もしくは重度の障害を負ってしまって返済不能となった場合、名義人に代わって残債を完済できる生命保険のことです。

団体信用生命保険のメリットは、返済不能になった時に残ったローンを完済してもらえるだけでなく、「保険」なので新たに保険会社へ返済しなくても良い点です。

※保証会社は一時的に肩代わりしてくれるだけなので、銀行への返済義務がなくなっても保証会社へ立て替え分を返済しなければならない。

しかし、団体信用生命保険はとても頼れる生命保険ですが、名義人ご本人の健康状態によっては加入を断られてしまうケースがあります。

団体信用生命保険の加入可否の審査項目も多岐にわたり、保険会社によって異なる部分もありますが、ほとんどの審査で共通しているのは以下の項目です。

  • 告知日(団体信用生命保険加入用の書類に必要事項を記入する日)から3ヶ月以内に、医師から治療や投薬を受けたことがあるか
  • 告知日から3年以内に、指定の病気に関する手術、2週間以上にわたる医師の診察・治療や投薬を受けたことがあるか
  • 手足や指の欠損、または機能障害があるか

ただし上記の項目に該当していても、どんな病気やケガをしたのか、重症度合い、現在の症状など詳細と照らし合わせることで、団信の審査をクリアできる可能性はあります。

団体信用生命保険に加入できない可能性を恐れて事実を伝えないことは、告知義務違反とみなされてしまうのでおすすめできません。

仮に加入できても、いざという時に保険金が支払われない恐れもあるので、健康状態で伝えづらい事実があってもきちんと告知しましょう。

関連記事「フラット35の事前審査で「留保」とはどんな結果?」

 

ローン特約における注意点

住宅ローン 仮審査

住宅ローンの本審査に落ちてしまうと、せっかく見つけた希望物件を買うための資金が用意できず、売買契約を結べません。

しかし不動産の売買契約は、仮審査が終わって本審査が始まる前に行われるため、本審査に落ちて融資が受けられないと売主も買主も困ります。

そこで売買契約時に盛り込むべき条件が、住宅ローン特約です。

住宅ローン特約とは、買主が住宅ローンの審査に通らなかった場合、売買契約を無条件で解除できるというルールです。

通常、住宅ローンの審査落ちが理由で売買契約を解除することは買主都合でのキャンセルなので、買主が支払った手付金は戻りません。

しかし住宅ローン特約を売買契約書の中に盛り込んでいれば、審査落ちで契約解除になっても手付金は買主に戻されるため、買主が受けるダメージが少なくなります。

ただし住宅ローン特約は、あくまで買主ご本人に非がないと認められるケースで利用できる救済措置です。

たとえば、買主が住宅ローンの申し込みをしなかった、審査に必要な書類の提出を怠ったなど、明らかに買主に非があるケースでは住宅ローン特約を利用できずに契約解除となり、手付金も戻りません。

 

事前に不動産エージェントと情報を共有しよう

住宅ローンは大きな金額が動くため、融資する側も慎重に審査を行います。

虚偽なくきちんと申請していれば本審査も通りやすくなりますが、「もしかしたらこの項目で引っかかる可能性があるけれど、大丈夫だろうか?」と、不安に思うことも多いでしょう。

関連記事「住宅ローン審査が通りやすい銀行・審査が厳しい銀行は?」

そうした不安を払拭し、自信をもって住宅ローンの審査に臨むためには、不動産エージェントとの情報共有が大切です。

住宅ローンの審査に詳しい不動産エージェントに相談すると、気になる項目をクリアするための対策などを教えてもらえるので安心です。

中古住宅やマンションを購入の際は、ぜひ住宅ローンの相談にも強い不動産エージェントに相談しましょう。

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