この記事で分かること
- 住宅ローンの審査に落ちる主な理由
- 審査に落ちた後にまずやるべきこと
- フラット35の審査に落ちたときの対策
- 審査に落ちても手付金が戻る仕組み
夢のマイホームのために避けては通れないのが住宅ローンの審査ですね。
どんなに頑張って物件を探しても、どんな理想の物件が見つかっても、住宅ローン審査が降りなければ買うことができません。
住宅ローン審査に落ちた場合、通常はなぜ落ちたかという理由を聞くことはできません。
しかし住宅ローンに受かりやすい方と落ちやすい方がいるのも事実です。
住宅ローン審査のポイントを押さえておけば、少しでも審査の通過率を上げることができます。こちらではそんな方法をお伝えしていきます。

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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審査に落ちやすいポイントを押さえて賢く回避

住宅ローン審査は銀行ではなく保証会社が行います。そのため住宅ローンの窓口である銀行に審査状況を聞いても明確な回答をもらえず、なんで落ちたのか正確な理由を知ることはできません。
かといって一か八かで住宅ローン審査を出して、運に任せるのかというと、それでは審査に落ちる確率が高くなります。
住宅ローン審査にはキーとなる審査項目があり、ポイントをしっかり押さえておけば審査の通過率はあがります。
住宅ローン審査を無事に通過するためにも、どのような要素が原因となって審査に落ちるのか、こちらで学んでおきましょう。
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住宅ローンに落ちやすい項目は?

住宅ローン審査にはいくつもの審査ポイントがあります。このキーとなるポイントが何なのか、そしてどうすれば審査に通る確率があがるのかをこちらで説明します。
個人信用情報
個人信用情報(通称個信)について耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
住宅ローン審査に落ちる理由として一番大きな理由の一つが、この個人信用情報に関するポイントです。
そもそも個人信用情報とは
- 個人のクレジットカードやローン等についての情報
- 契約内容や支払い内容、残高等についての詳細
- 主にクレジット会社等からの情報が記載されている
簡単にいうと個人のクレジットカードやローンの支払いがきちんとされているか、過剰な借り入れがないか等をチェックする情報です。
ここで一番気を付けたいのが「返済の遅れ」です。
返済日に指定口座に入金されていないと、それは「延滞」とみなされてしまいます。
この「延滞」が度々ある人や、長期に渡って「延滞」していたことがある場合、高確率で住宅ローンの審査は通りません。
個人信用情報はすべての金融機関で共有されるので、その場合どの金融機関に審査を出しても同じく通りません。
そしてやっかいなのがこの「延滞情報」はすぐには消えません。一般的には延滞解消から5年以上たたないと消えないため、長くローンを組めない状態にもなってしまいます。
現在の自分の信用情報については自分で調べることができます。
現在「全国銀行個人信用情報センター」「CIC」「JICC」という3つの信用情報機関があり、費用はかかりますがインターネット上や郵送、窓口等の方法で調べることができます。
事前に確認しておくことももちろんですが、現在借り入れがある場合は絶対に延滞しないように気を付けましょう。
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団体信用生命保険に加入できない(健康状態)
住宅ローンを組むのに健康状態で引っかかってしまう方も実は結構多いです。
住宅ローンになぜ健康状態がかかわるのかというと、「団体信用生命保険」への加入が必須だからです。
団体信用生命保険とは
- 債務者に万が一のことがあった時、住宅ローンが全額支払われ清算される
- 民間の金融機関で住宅ローンを組む場合は加入が必須
- 加入のためには告知が必要
フラット35以外の住宅ローンの場合は加入が必須です。そして加入のためには現在や過去の健康状態についての告知が必要となってきます。
そこで注意が必要なのが現在だけではなく過去の通院歴や手術歴なども告知する必要があるのです。
告知内容には過去3カ月以内の通院や過去3年以内の既往歴や病歴を記入する欄があります。その中には脳内出血や心筋梗塞、糖尿病なども含まれており、何に該当すると確実に落ちるとは言い切れないのが事実です。
フラット35を利用する場合は加入が任意であるため、団信を理由に審査に落ちた方はそちらを利用するケースが多いです。
しかしもしもの時に備えなるべく健康状態を保ち、団信への加入ができるよう健康状態には気を付けておきましょう。
消費者金融からの借り入れ
消費者金融からの借り入れをしているかたといって確実に審査に落ちるわけではありません。しかし審査に落ちる可能性は高くなります。
なぜかというと住宅ローンの審査では債務者の返済能力をみます。つまりすでに金利の高い借り入れをしていることは、返済能力を見る上で大きなマイナスとなるからです。
また、銀行担当者に言わなければばれないと思い隠そうとする人もいますが、これは全く意味がありません。なぜなら個人信用情報にすべて記載されているからです。
もし現在消費者金融から借り入れをしているならば、包み隠さずに金融機関に伝えましょう。そしてできることなら事前に完済できると、住宅ローン通過率は高くなります。
返済比率
住宅ローンの審査で年収や月々の給与等を聞かれると思いますが、それは審査する上の返済比率にあてはまるかどうかを調べるためなんです。
返済比率とは
- 年収に対して年間の返済額がどのくらいの割合になるのか(年収400万円、年間返済額80万円の場合、返済比率は20%)
- 金融機関にもよるが、一般的に返済比率が30%~35%が上限となる
この返済比率の中には住宅ローンだけではなく全ての借り入れが含まれます。つまり他で車のローンやカードローンの返済額があると、それと住宅ローン返済額を合わせた金額で計算することになります。
住宅ローンを組む前に、できるだけ既存の借り入れを減らしておくことが、審査通過率を高くしていきます。
勤続年数が短い
勤続年数が短いことも、審査をするうえではマイナスの要素になります。
なぜなら金融機関は将来にわたっての安定的な返済能力を求めているからです。
勤続年数が短いと金融機関からの信用度という部分がどうしても低くなってしまいます。
そのため新卒すぐの人や、転職して期間が経っていない人の将来の安定性を判断することが難しいとされてしまいます。
しかし勤続年数が短いからといって審査に通らないわけではありません。キャリアアップや前向きな転職であることを説明すれば、金融機関側の信用も得られます。
それでもなかなかうまく説明できる自信がない場合、金融知識や経験のあるエージェントに相談し、それから金融機関へ説明するのも一つの手だとは思います。
雇用形態
雇用形態によって条件は異なりますが、住宅ローンを借り入れできるのは正社員だけではありません。
「契約社員や派遣社員だと住宅ローンを借りられない。」
このような勘違いをしている人もたまに見かけますが、結論としては間違いです。
契約社員や派遣社員といった非正規雇用の人でも住宅ローンは借り入れができます。
しかしその場合正社員とは少し条件が変わってくるのが一般的です。
契約社員の場合
- 勤続年数1年以上が目安
- 1年以上あれば正社員とほぼ同条件で借り入れが可能なケースも
正社員と比べて契約社員は働く期間が決まっています。そのため金融機関の審査ポイントである「将来にわたる安定的な返済」を判断するためにどうしても年数が必要なんです。
ですが1年以上の勤続があれば正社員とほぼ同じ条件での借り入れができるケースもあります。
派遣社員の場合
- 勤続年数3年以上が目安
派遣社員の場合は契約社員よりも少し勤続年数が多く必要となります。
3年以上勤続していれば、正社員や契約社員と同様の条件で借り入れできることもあります。
パート・アルバイトの場合
- 勤続目安はないが、できるだけ長いほうがよい
- 給与明細等が必要
パート・アルバイトでも借り入れが不可能というわけではありません。ですが安定した返済を示すために様々な書類や資産背景が必要となってきます。また、利用できる商品が限られるため選択肢が限られています。
注意しておきたいのが、都市銀行や店舗型の銀行は非正規雇用の方に対しての審査が厳しい傾向にあります。例え勤続年数が長くても審査を通過できない場合も多いのが現実です。
そういった時に利用したいのがフラット35。こちらは国の機関と民間の金融機関が合わさっている商品であり、人に対する審査は民間の金融機関よりも間口が広く設けられています。
ただし反対に物件に対する審査は厳しいので、購入物件をよく見極めて選ぶ必要があります。
関連記事「住宅ローンでフラット35を利用するときのメリットとデメリット」
対象物件が融資条件を満たしていない
住宅ローンの審査は借り入れする人だけではなく、物件の審査もあります。
金融機関の融資条件を満たしていない物件だと、いくら本人の属性がよくても審査を通ることができません。
中古物件の場合、物件の担保評価が低くみられてしまい、結果として住宅ローン審査に影響してしまうことが多くあります。日本では古ければ古いほど建物の評価が低くなり、20年を超えるとほぼ建物の評価はなくなってしまいます。
また、中古物件の場合、昔の建築基準で建てられている物件や違反建築で建てられた物件なども紛れています。金融機関は違法な物件に対して住宅ローンを貸し出すことはまずありません。
物件選びの際にこういった事実に気が付き、物件をしっかりと見極めることが審査を通りやすくすることにつながります。
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住宅ローンの審査に落ちた後にまずやること
住宅ローンの審査に落ちてしまうと、「もう家は買えないのか」と落ち込んでしまう方がとても多いです。
ですが、審査に落ちたからといって、すぐに諦める必要はありません。
落ちた理由を正しく見極めて、次の一手を打てば、通る可能性は十分に残っています。
ここでは、私が実際にお客様にお伝えしている手順をご紹介します。
まず落ちた理由を推測する
住宅ローンの審査は、窓口である銀行ではなく保証会社が行うため、落ちた理由を銀行に聞いても「総合的な判断です」としか教えてもらえないのが実情です。
まずはこの記事の前半でご説明した落ちやすい項目(個人信用情報・返済比率・勤続年数・健康状態・物件の担保評価など)のうち、自分に当てはまりそうなものを冷静に振り返ってみてください。
心当たりを絞り込むことが、次の対策の出発点になります。
自分の信用情報を開示して確認する
心当たりがはっきりしないときは、信用情報を自分で取り寄せて確認する方法があります。
クレジットカードやローンの利用・返済の記録は、CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター(KSC)という信用情報機関に登録されていて、本人であれば数百円から千円程度で開示請求ができます。
過去の延滞や、いわゆる「異動」の記録が残っていないかを実際に見ておくと、原因の特定がぐっと進みます。(出典:株式会社シー・アイ・シー)
短い期間に何社も申し込まない
審査に落ちると焦ってあちこちに申し込みたくなりますが、これは逆効果になりがちです。
ローンやクレジットの申込記録は、CICの場合で申込日から6ヶ月間、信用情報機関に登録されます。
短期間に何社も申し込むと「よほど資金繰りに困っているのでは」と見られ、かえって印象を悪くすることがあります。
申し込みは1社から2社に絞り、落ち着いて進めるのが得策です。(出典:株式会社シー・アイ・シー)
借入条件や物件を見直す
返済比率がオーバーしていたことが原因なら、借入希望額を下げる、頭金を増やす、返済期間を延ばす、車のローンやカードローンなど他の借り入れを先に完済する、といった見直しで通る可能性が上がります。
本人の属性ではなく物件の担保評価が原因になっているケースもあるため、その場合は物件そのものを見直した方がよいこともあります。
審査基準の違う金融機関を当たる
住宅ローンには全国一律の審査基準がありません。
融資するかどうかは各金融機関がそれぞれの基準で判断しているため、A銀行で落ちてもB銀行やフラット35なら通る、ということが実際によくあります。
落ちた1社にこだわらず、基準の違う先を当て直すのが、遠回りに見えて一番の近道です。
フラット35については、次の章で詳しくご説明します。
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フラット35の審査に落ちる理由と対策
銀行の住宅ローンに落ちてしまった方に、私がよくおすすめするのがフラット35です。
フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する全期間固定金利の住宅ローンで、銀行独自のローンとは審査で見るところが少し違います。
ここを知っておくと、銀行がダメでも道が残ることがあります。
銀行とフラット35は審査基準が違う
フラット35の大きな特徴は、勤続年数や雇用形態が申込要件として明記されていないことです。
銀行では勤続年数の短さや、契約社員・自営業といった雇用形態がネックになりやすいのですが、フラット35は収入の安定性を主に年収と返済負担率で見るため、勤続1年未満や転職直後でも申し込めるケースがあります。
そのため、勤続年数や雇用形態が理由で銀行に落ちた方でも、フラット35なら通る可能性が残ります。
フラット35で重視される返済負担率
フラット35ではっきり決まっているのが、総返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)の基準です。
住宅金融支援機構によると、年収400万円未満なら30%以下、年収400万円以上なら35%以下が基準とされています。
この返済負担率には住宅ローン以外の借り入れ(車のローンやカードローンなど)の返済額も含まれるため、他の借り入れが多いと基準を超えて落ちてしまうことがあります。(出典:住宅金融支援機構「フラット35」)
フラット35ならではの落ちる理由
一方で、フラット35には銀行にはない独自のハードルもあります。
それが物件の技術基準です。
フラット35を利用するには、住宅金融支援機構が定めた技術基準を満たしていることを示す「適合証明書」が必要で、検査機関などの検査を受けなければなりません。
この基準を満たさない物件(古い建物や一部の中古物件など)だと、本人の属性に問題がなくてもフラット35が使えないことがあります。
銀行では通るのにフラット35は物件で引っかかる、という逆のケースもあるということです。(出典:住宅金融支援機構「フラット35」)
審査に落ちた後の立て直しチェックリスト
- 落ちた理由に心当たりがあるか振り返った
- 信用情報(CIC・JICC・KSC)を開示して確認した
- 短期間に何社も申し込んでいないか確認した
- 借入希望額・頭金・返済期間を見直した
- 車やカードなど他の借り入れの完済を検討した
- 審査基準の違う金融機関やフラット35を検討した
- 不動産のプロに状況を共有して相談した
不動産エージェントと情報を共有しておくこと

住宅ローンの審査は一番慎重になる手続きであり、通過しないとせっかく見つけた住まいを買うことができません。
実際には金融機関が審査するので必ず通過する方法はありませんが、できる限りの準備をして通過しやすくすることは可能です。
そのためには金融知識や不動産知識が豊富なプロの目を使って、物件の見極めから住宅ローンの手続きまでを進めていくことをおすすめします。
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よくある質問
住宅ローンの審査に落ちたらどうすればいいですか?
まず落ちた理由を振り返り、信用情報を自分で確認したうえで、借入条件を見直して審査基準の違う金融機関やフラット35を当たるのが基本的な流れです。
1社に落ちても、他社なら通ることは珍しくありません。
審査に落ちた理由は金融機関が教えてくれますか?
具体的な理由は原則として教えてもらえません。
審査は保証会社が行い、総合的な判断とされるためです。
心当たりがない場合は、CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターに信用情報の開示請求をすれば、自分の記録を確認できます。
審査に落ちた後、どのくらい期間を空ければまた申し込めますか?
明確な決まりはありませんが、ローンやクレジットの申込記録はCICの場合で6ヶ月登録されます。
延滞などの「異動」情報は契約終了後5年ほど残るため、原因が信用情報にある場合は、記録が消えて状況が改善するまで待つ必要があります。(出典:株式会社シー・アイ・シー)
住宅ローンの審査に落ちたら、支払った手付金は戻ってきますか?
売買契約に「住宅ローン特約(融資利用の特約)」が付いていれば、期限内に融資が承認されなかった場合は白紙解除となり、手付金は返還され、違約金もかかりません。
ただし多くの契約は期限内に解除の意思表示が必要なため、否決が分かったら早めに不動産会社へ連絡してください。
銀行の審査に落ちても、フラット35なら通りますか?
可能性はあります。
フラット35は勤続年数や雇用形態が申込要件に含まれず、審査基準が銀行と異なるためです。
ただし長期延滞など信用情報の重大な問題は共通して影響し、物件が技術基準を満たさない場合は別の理由で使えないこともあります。
住宅ローンの審査に落ちたことは、家族や勤務先にバレますか?
審査に落ちた事実が金融機関から家族や勤務先へ直接通知されることはありません。
ただし本審査では勤務先への在籍確認が行われることがあり、契約手続きの過程で家族に知られる場面はあります。

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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