この記事で分かること
- 身の丈を超えた購入で苦労している人の割合と住宅ローン破綻率
- 多くの人がやってしまう間違った予算の考え方
- マンション購入は年収の何倍が目安なのか
- 年収別のマンション購入予算の目安
- 返済負担率と「借入可能額」「返済可能額」の違い
- 2026年の金利環境が予算に与える影響
- 本当に身の丈にあった予算を逆算する方法
「マンションは年収の何倍まで」「返済負担率は何%まで」といった目安をよく見かけますが、実はその数字だけで予算を決めてしまうことが、住宅ローンで苦労する最大の原因です。本文では、不動産業界歴17年でファイナンシャルプランナーでもある私が、世間の目安の正しい使い方から、本当に無理のない予算の逆算方法までを解説します。
都市部を中心に、マンション相場が上昇している現在、マンション購入にあたり、無理なく住宅ローンを支払っていける予算がいくらになるのか、気になる方が増えてきています。
いくら良いマンションを購入できたところで、その予算が身の丈を超えていたとしたら、その後の生活は住宅ローンを返すために働くような、非常に厳しい現実が待っています。
マンションを購入する理由は人それぞれですが、根本的な理由は「家を買って暮らしを豊かにしたい」という考えに集約されるのではないでしょうか。
この記事では、マンション購入で身の丈にあった予算はどうやって決めるべきか?
その正しい考え方と方法について詳しく解説していきます。
この記事を最後まで読んでいただくと、身の丈にあった予算の考え方と、実際に予算を計算する方法について理解できますので、マンション購入をお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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身の丈を超えたマンション購入で苦労している人の割合
住宅ローンを借りるのであれば、誰であっても予算については慎重に検討するはずです。
当たり前ですが、住宅ローンを返すにあたり苦労はしたくないですよね?
実際に住宅を購入した方が、住宅ローンの家計に与えている影響について、実態を教えてくれるデータがあります。
新築マンション購入者の住宅ローンの負担感
中古マンション購入者の住宅ローンの負担感
このグラフは、国土交通省が家を購入して1年以内の人に無作為で送るアンケート「令和4年度住宅市場動向調査報告書」の結果の一部です。
この調査では様々な項目について、アンケートを集計しているのですが、その中に住宅ローンが家計に与える影響のデータがあります。
アンケート内で、住宅ローンが家計に与える影響について以下の4つで答えてもらっています。
- 非常に負担感がある(生活必需品を切りつめるほど苦しい)
- 少し負担感がある(ぜいたくはできないが、何とかやっていける)
- あまり負担感はない(ぜいたくを多少がまんしている)
- 全く負担感はない(家計にあまり影響がない)
本来であれば3か4を目指すべきなのですが、実態はというと、1と2を合わせて半分以上の方が、住宅ローンが家計に悪影響を与えていると答えています。
1はマンションを買って1年以内であるにもかかわらず、すでに生活必需品を切り詰めるほど苦しいと答えていて、かなり危険な状況です。
そして2についても、今はなんとかやっていけているが、将来お子さんの教育費が増加する時期や老後に家計が厳しくなる予備軍です。
身の丈を超えたマンション購入で住宅ローン破綻する人は50人に1人
フラット35を運営している住宅金融支援機構が公表している「統合報告書2023」によれば、2022年の住宅ローン破綻率は3.05%となっています。
これは100人に3人の割合ですが、民間の金融機関の方が、フラット35と比較すると、審査自体が厳しいので、フラット35と民間金融機関の住宅ローン破綻率を合わせると、おおよそ2%ほどになると推測されます。
つまり、50人に1人は住宅ローン破綻をしている計算になります。
この数字が多いかどうかは人によって感じ方は、個人によって様々だと思いますが、1つ知っておいた方がいいことがあります。
それは、この数字は氷山の一角に過ぎないということです。
どういうことかというと、住宅ローンを支払えなくなるということは、家族の家が無くなることを意味しますので、他の支出を犠牲にしてでも住宅ローンを優先して支払う傾向があります。
実際、他のローンに比べて住宅ローンは破綻率が少ないと言われているのは、こういった背景もあるからではないでしょうか。
つまり、実際破綻してしまう人は余程のことで、表には出てこないが、住宅ローンで生活がギリギリの人はかなり多いのではないでしょうか。
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絶対にやってはいけない、間違った予算の考え方
それではなぜ、住宅ローンを組むときに身の丈を超えないように慎重に検討をしているはずなのに、このような結果になってしまうのでしょうか。
その理由は、予算の考え方が間違っているからです。
多くの人がやってしまいがちな間違いは、予算を考えるときの順番です。
例えば、ご自身の将来得られるであろう収入があったとします。
間違えがちなパターンは、まず先に住宅を購入することで住宅支出が決まり、その後で、残った収入で教育支出や老後支出、その他支出を賄おうとするから足りなくなるのです。
正しい考え方は、将来得られるであろう収入から、先に教育支出や老後支出、その他支出を計算し、逆算して残った予算を住宅の予算とします。
つまり、将来にわたっていくら収入が得られそうで、いくら支出が必要になるか、全く計算できていない状態でマンション購入を決めてしまっても、身の丈にあった予算なのかどうか、分かるはずもないのです。
身の丈にあったマンション購入の予算を計算する方法
それでは無理のない予算はどうやって計算していけばいいのか。
それはライフプランニングシミュレーションを行うことです。
身の丈にあったマンションの予算がわかる唯一無二の方法です。
むしろ、これ以外の方法はありません。
ライフプランニングシミュレーションは、ファイナンシャルプランナーなどがサービスとして提供しているもので、専用のシステムを利用してシミュレーションをしていきます。
システムにはこれから得られるであろう収入の予測を計算することができ、支出についても現在の生活費や将来の生活費、またお子様の教育方針などから支出の総額を計算し、無理のない予算を逆算的に計算していくことができます。
私が企画運営している全国の不動産エージェントが探せるサイト「HOUSECLOUVER」では、無料会員登録をしていただくと、ご自身でライフプランニングシミュレーションを行うことができるシステムを無料で利用できます。
下記の参考動画のように、最初はナビゲーション機能を使って、質問に答えていくことで、今考えている予算の危険度がわかります。
そしてその質問に答えてできたライフプランを元に、さらに詳しく数字を触って無理のない予算を計算してくことができます。
このライフプランニングシミュレーションが優れている理由は、例えば奥様が、お子様の成長に合わせて仕事時間をセーブしたいと考えたときに、収入を減らした上で無理なく支払っていける予算はいくらだろう、と前提条件を変えながら、予算を計算していくことができることです。
実際に私も自身の仲介サービスで、このライフプランニングサービスを提供していましたが、このような質問が非常に多くありました。
このシステムでは、ご自身の将来設計をしながら、その将来設計にあった予算を算出していくことができるのです。
非常に便利なシステムで無料で利用できますので、マンション購入で身の丈にあった予算が知りたい方は、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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マンション購入の予算は年収の何倍が目安なのか
ここまで「正しい予算はライフプランニングで逆算する」とお伝えしてきましたが、世間でよく使われる目安についても触れておきます。
マンション購入の予算を考えるとき、昔から「年収の何倍まで」という言い方がよく使われます。かつては年収の5倍程度が一つの目安とされていましたが、近年の価格高騰によって、首都圏では年収の6倍から7倍で購入する人も珍しくなくなっています。
ただし、ここで必ず知っておいてほしいのは、年収倍率はあくまで「これくらいまでなら借りられる」という上限に近い目安であって、「無理なく返していける額」ではないということです。年収倍率だけを根拠に予算を決めてしまうのは、前章でお伝えした間違った予算の考え方そのものになりかねません。
年収別のマンション購入予算の目安
年収倍率をもとにした、ざっくりとした予算の目安は次のとおりです。あくまで上限に近い簡易的な目安として、ご覧ください。
- 年収300万円の場合、借入の目安はおよそ1,800万円から2,100万円
- 年収400万円の場合、借入の目安はおよそ2,400万円から2,800万円
- 年収500万円の場合、借入の目安はおよそ3,000万円から3,500万円
- 年収600万円の場合、借入の目安はおよそ3,600万円から4,200万円
- 年収700万円の場合、借入の目安はおよそ4,200万円から4,900万円
繰り返しになりますが、これらは「借りられる上限」に近い数字で、教育費や老後の備えを考慮した「無理なく返せる額」とは別物です。同じ年収でも、お子さんの人数や教育方針、共働きかどうか、車の保有などによって、安全な予算は大きく変わります。だからこそ、前の章でお伝えしたライフプランニングでの逆算が欠かせないのです。
返済負担率と「借入可能額」「返済可能額」の違い
予算を考えるうえで、もう一つ知っておきたいのが返済負担率です。
返済負担率とは、年収に占める年間の住宅ローン返済額の割合のことです。銀行の審査では、返済負担率が30%から35%程度まで貸してくれることが多いのですが、これはあくまで銀行が「貸せる」と判断する上限です。
実際に無理なく返していくためには、手取り収入の20%から25%程度に抑えるのが一つの安全圏とされています。額面年収ではなく、手取りで考えることがポイントです。
つまり、銀行が貸してくれる「借入可能額」と、あなたが無理なく返していける「返済可能額」は、まったくの別物です。借入可能額いっぱいまで借りてしまうと、住宅ローンを返すために生活を切り詰める展開になりやすいので、十分に注意してください。
2026年の金利環境と予算への影響
予算を考えるとき、2026年現在の金利環境も無視できません。
2024年3月に日銀がマイナス金利政策を解除して以降、住宅ローンの金利は緩やかに上昇傾向にあります。特に変動金利でローンを組む場合、今は返済できていても、将来金利が上がると返済額が増えるリスクがあります。
予算を決めるときは、今の金利で返せるかだけでなく、変動金利が1%から2%上昇しても返し続けられるか、という視点で余裕を持たせておくことが大切です。金利が上がりやすい局面だからこそ、上限ぎりぎりの借入は避けるべきです。
マンション購入の予算で後悔しないための確認リスト
予算を決める前に、次の項目を確認しておきましょう。
- 年収倍率や返済負担率の目安を「上限」として理解しているか
- 額面ではなく手取り収入をもとに返済額を考えているか
- 将来の教育費・老後資金を先に見積もり、残りから住宅予算を逆算したか
- 変動金利が1%から2%上昇しても返済を続けられるか試算したか
- 借入可能額ではなく、無理なく返せる返済可能額で予算を組んでいるか
- ライフプランニングシミュレーションで予算の安全性を確認したか
マンション購入は身の丈にあった予算を知るところから始めよう
マンション購入に限った話ではありませんが、住宅購入の基本は無理のない予算を知ることから始まります。
そもそも予算をしっかり把握していないと、どこのエリアでどれくらいの築年数のマンションを探せばいいのか、わからないと思います。
物件探しから始めてしまうと、身の丈にあった予算を無視して、間違った予算の考え方になってしまい、結果として住宅ローンで苦労する結果となってしまいます。
マンションを買って豊かな暮らしを実現するためにも、ぜひ身の丈にあった予算を知るところから始めましょう。
ハウスクローバーでは、無理のない予算をシミュレーションし、事務局にチェックや提案をしてもらえる無料サービスも備えています。
その他にも、物件探しの自動化や、全国の優良な担当者を探して相談をし、一緒にマンション購入を進めていくことができる、住宅購入に必要なサービスが全て一つになった、プラットフォームですので、ぜひご利用ください。
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宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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よくある質問
Q1:マンション購入は年収の何倍が目安ですか?
かつては年収の5倍程度が目安とされていましたが、価格高騰により近年は6倍から7倍で購入する人も増えています。ただし年収倍率は「借りられる上限」に近い目安であって、「無理なく返せる額」ではありません。年収倍率だけで予算を決めず、教育費や老後資金を踏まえた逆算で考えることが大切です。
Q2:年収500万円でいくらのマンションが買えますか?
年収倍率をもとにすると、借入の目安はおよそ3,000万円から3,500万円程度です。ただしこれは上限に近い簡易的な目安で、家族構成や教育方針、共働きかどうかによって無理のない予算は大きく変わります。実際の予算はライフプランニングで逆算して決めることをおすすめします。
Q3:返済負担率は何%までが安全ですか?
銀行の審査では返済負担率30%から35%程度まで貸してくれますが、これは「貸せる上限」です。無理なく返していくためには、手取り収入の20%から25%程度に抑えるのが一つの安全圏とされています。額面ではなく手取りで考えることがポイントです。
Q4:借入可能額まで借りても大丈夫ですか?
おすすめしません。借入可能額は銀行が「貸せる」と判断する上限であって、あなたが「無理なく返せる」額とは別物です。上限まで借りてしまうと、教育費がかさむ時期や老後に家計が苦しくなりやすいため、返済可能額をもとに余裕を持った予算を組んでください。
Q5:身の丈にあった予算はどうやって計算すればよいですか?
将来得られる収入から、教育費・老後資金・生活費などの支出を先に見積もり、残りを住宅予算とする「逆算」で考えるのが正解です。これを正確に行うにはライフプランニングシミュレーションが有効です。ハウスクローバーでは無料会員登録で、ご自身でライフプランニングシミュレーションを行えるシステムを無料で利用できます。







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