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「中古マンションは買うな」7つのリスクと後悔をしないための注意点

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この記事を読むことでわかること

  • 中古マンションは買うなと言われている理由
  • 中古マンションにまつわるリスクと後悔
  • 中古マンション購入で失敗しないための方法

「中古マンションは買うな」というタイトルの記事を読んでいるあなたは、きっとこんな風に考えているのではないでしょうか?

  • 「中古マンション購入後に後悔しないために、どのようなリスクがあるかを詳しく知りたい」
  • 「新築との比較で中古マンションのデメリットを確認したい」
  • 「資産価値の下落を心配している」
  • 「中古マンションを購入してどんな後悔をしている人がいるのか」
  • 「中古マンションの表目的には分からない、潜在的な欠陥や問題を知りたい」

大きな買い物になりますので、慎重になるのも当然ですし、不安や悩みを持つことも当然です。

私は、この「中古マンションは買うな」という言葉は、実際に中古マンションを購入して後悔した人の話や、漠然とした不安や悩みから来た言葉ではないかと考えています。

しかし、ただ単にネガティブな言葉というだけでなく、この言葉には中古マンションに対するリスクに関する示唆が多く含まれているのではないでしょうか。

そこでこの記事では、なぜ「中古マンションは買うな」と言われるその理由と、その理由に対する真実について解説をしていきます。

この記事を読むことで、中古マンションのリスクを正しく把握することができ、またそのリスクへの対応策、そして新築と比較した中古マンションのメリット・デメリットについても理解できるようになります。

また私は実際に中古マンションを扱う立場ではありますが、真実を正しく理解してもらうためにも、忖度なしに中立的な立場で解説をします。

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中古マンションは買うなと言われる7つの理由

中古マンションは買うな

なぜ「中古マンションは買うな」と言われるのか。

その理由について、よく言われているものをまずは解説していきたいと思います。

1.中古マンション相場が高いから損をする

中古マンションは買うな

今この記事を書いているのは2024年8月となりますが、中古マンション相場は2013年に決まった東京オリンピックの開催と、日銀の量的緩和をきっかけに上昇し始めました。

当初は東京オリンピックが終われば相場が崩れる崩れないという論争も活発でした。

しかし東京オリンピックが開催される年初に発生した新型感染症によって、中古マンション相場は崩れるのではないかと考える方もいたようですが、結果として相場は一段高に。

そのような相場の中で中古マンションを購入するのは、やはり下落リスクがあるので、中古マンションは買うなと言われているのではないかと思います。

2.中古マンションは負債である

中古マンションは買うな

「賃貸vs持ち家」論争に行き着く話ではありますが、世の中には賃貸を推進し、持ち家派を貶めるような発言をする方も一部いらっしゃいます。

中には「家を買うやつは⚪︎カ」なんてかなり過激なものもあります。

理由として「損をするに決まっているから」「自由に動けなくなる」など様々なものがありますが、そもそも中古マンションに限らず家は買うものではないという論理です。

また中古マンションを購入して住むということは、収入が得られることはなく、住宅ローンを支出するという意味で負債であるという考え方もあります。

3.中古マンションは長く住めない

3つ目の理由として、よく言われているのは、中古マンションの寿命についてです。

マンションの寿命については、様々な見解や研究結果、データもあるのですが、よく見られる数字は「47年」「60年」といった数字です。

この数字が真実だとすると、中古マンションはすでにそれなりに築年数が経っていますので、住むことができる期間はそこまで長くないという理由です。

せっかく高いお金を払って買っても長く住むことができないということはリスクとして考えられます。

4.中古マンションの耐震性に不安がある

中古マンションは築年数によっては古いものもあるので、耐震性が低く安全性に問題があるという考え方です。

新築マンションやそこまで築年数が経っていない物件はともかく、流通している中古マンションの大半は耐震性に不安があると考えられていることが理由です。

5.中古マンションは新築に比べて質が悪い

中古マンションは建てらた時期が古く、今の新築マンションと比較して、質が悪いと考えられている風潮があります。

新築マンションの方が、造りも最先端で質が最も良いと考えている人もいます。

6.中古マンションは資産価値が低い

中古マンションは新築マンションと比較して価格が安いので、資産価値が低いと考えられているという理由です。

実際中古マンションは新築マンションと比較すると価格が安いので、資産価値はその分低いという発想です。

7.修繕積立金などのコストが高い

中古マンションは新築マンションと比較して、修繕積立金のコストが高く、ランニングコストが高いと考えられている理由です。

例えば、新築マンションは毎月の修繕積立金が数千円のものもありますが、中古マンションだと数万円というものまであります。

住宅ローンとは別でかかる費用なので、出来るだけランニングコストは高いものは避けたいという考え方です。

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中古マンションは買うなは本当か?理由に対する本当のところ

中古マンションは買うな

ここまでに「中古マンションは買うな」と言われている、よくある理由について列挙しましたが、いかがでしょうか?

中には「当然だと思うが何か違うの?」なんて考えてらっしゃる方もいるかもしれません。

ここからは、それぞれの理由に対するリスクや、正しい考え方について解説していきます。

中古マンション相場が高いから損をするというのは、半分は本当で半分は間違い

中古マンションは買うな

「中古マンションは買うな」と言われる1つ目の理由に挙げた、「中古マンションは相場が高いから損をする」という内容についてですが、確かにこの記事を書いている現在、中古マンション相場はかなり高騰しています。

特に東京都内はその傾向も高く、相場が崩れたら損をすることもあるでしょう。

ここに関しては異論はありません。

しかし、かつて日本が経験したようなバブルと現在は様相が違っています。

何が違うのかというと、かつてのバブルは全ての不動産相場が上昇していましたが、今の状況は全ての不動産相場が上昇しているわけではありません。

都心部では上昇をしているものの、地方の不動産相場は下落しています。

つまり今の不動産は格差が出てきています。

これは私の考え方でもあり、多くの不動産業者が同じように考えていることなのですが、今後は全ての不動産が同じような動きをするのではなく、個別で下がりにくいものもあれば、下がりやすいものも出てきます。

そこで相場の影響を受けやすいものとそうでない中古マンションの特徴について解説します。

相場の影響を受けやすい中古マンションの特徴

中古マンションは買うな

写真はイメージです

相場の影響を受けやすい中古マンションの特徴というのは、相場が下がった時に一緒に価格が下がりやすい、もしくは相場以上に下がるという中古マンションのことです。

私が考えるその特徴とは、

  • 周辺に競争相手が多い中古マンション
  • 投資マネーが多く流入しているエリアにある中古マンション
  • 他の中古マンションと比較して条件の悪い中古マンション

です。

詳しく解説していきます。

周辺に競争相手が多いエリアにある中古マンション

周辺に競争相手が多いというのは、再開発エリアなどで同じような時期にマンションがたくさん建設されたエリアにある中古マンションのことを言います。

相場が上がっている時は、供給(売り物件の数)と需要(買いたい人の数)のバランスが取れているので、特に問題にはなりません。

しかし相場が下がる時は、売り物件があったとしても買いたいと思う人の数が減るので、少ない買主候補をたくさんの中古マンションで奪い合う構図になります。

中には売り急ぐ人も出てくるでしょう。

他の中古マンションよりも安い価格で売りに出されて、それが成約すると、相場がつられて下がっていきます。

再開発などでマンションが一気に建築されたエリアや、大規模マンションで常に売り部屋があるような中古マンションは相場の影響を非常に受けやすく、下がりやすい特徴であると考えられます。

投資マネーが多く流入しているエリアにある中古マンション

今の中古マンション相場がここまで高くなっている原因の一つに、投資マネーが多く流入していることが挙げられます。

日本の量的緩和で、市場のマネー流通量が増え、余ったお金が株や不動産に流れました。

そして世界で同時発生した新型感染症の時には、世界中の中央銀行が市場のマネー流通量を増やし、景気の悪化を防ごうとしました。

その結果、余ったお金が株や不動産に流れ、さらに一段高となりました。

相場が下がるということは、このお金の逆流することになりますので、投資マネーが多く流入しているエリアやタワーマンションなどは売り物件が出やすい状況になります。

エリアによっては、周辺に競争相手も多く、投資マネーが多く流入しているという両方の特徴を満たしているところもあるので、この2つの条件を満たす中古マンションは相場が下がった時にかなり影響を受けると考えられます。

他の中古マンションと比較して条件の悪い中古マンション

中古マンションに限らず、不動産は個別性が非常に強い商品と言われており、条件が良いものほど需要はありますが、他の中古マンションと比較して条件の悪い中古マンションは、売りづらく相場の影響を受けやすいと考えられます。

他の中古マンションと比較して条件が悪いとなりやすい物件の特徴は、

  • 災害リスクが高い立地の中古マンション
  • 周辺に好ましくない施設がある立地の中古マンション
  • 半地下の部屋
  • スキップフロアの中古マンション
  • メゾネットの部屋
  • 旧耐震基準の中古マンション
  • 総戸数が少なく高さがある中古マンションor総戸数が少なく自主管理
  • 立地適正化計画の居住誘導区域外
  • 定期借家権つきの中古マンション
  • ランニングコストが高い、もしくは高くなりそう
  • 定期的な修繕工事がされていない
  • 利便性が悪い立地

などが挙げられます。

この条件についての解説は別の記事に詳しくまとめてありますので、そちらも合わせてご参照ください。

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相場の影響を受けにくい中古マンションの特徴

中古マンションは買うな

逆に相場の影響を受けにくいと考えられる中古マンションの特徴には、以下のようなものがあります。

  • 周辺に競争相手が少ない、希少性のある中古マンション
  • 投資マネーがあまり流れていない、住宅エリアなどにある中古マンション
  • 他の中古マンションと比較して条件の良い中古マンション

それぞれを詳しく解説していきます。

周辺に競争相手が少ない、希少性のある中古マンション

古くからある人気エリアなどにある中古マンションが持っている特徴です。

ほとんど空いている土地がなく、新築マンションが立ちにくく、尚且つ人気のあるエリアのマンションは、例え相場が下がる局面でも欲しいと考える人がいるため、相場の影響も少なくなると考えられます。

投資マネーがあまり流れていない、住宅エリアなどにある中古マンション

また実際に住む人がマンションを購入し、あまり投資向けの購入者が少ないエリアも、相場の影響は出にくいと考えられます。

住宅エリアでは、物件価格に対してそこまで賃料も取れないため、投資家は積極的に購入をしません。

なので実際に住む人が多く買うエリアでは、投資マネーが流れない分、相場が上昇した時もそこまで大きく上昇しませんが、相場が下落した時も大きく下落はしません。

実際リーマンショック時の相場を見ても、住宅エリアでは相場はほとんど変わっていませんでした。

一方で商業地や都心部で大きく価格が下がったため、相場は下がりました。

相場はあくまで平均であるということがよく分かるエピソードかと思います。

他の中古マンションと比較して条件の良い中古マンション

他の中古マンションと比較して条件が良い中古マンションも相場の影響を受けにくいと考えられます。

角部屋や眺望が優れている部屋、既出した価値が落ちやすい条件に当てはまらない物件などが、特徴として挙げられます。

相場が下がることへの考え方

中古マンションは買うな

相場が下がるということは、買った時から価格が下がるということですので、なんとなく損をするイメージがあり、「中古マンションを買うな」ということを言われる理由についても理解はできます。

ただし相場が下がっても、影響を受けにくい中古マンションもあり、なるべく価格が下がりにくい中古マンションを選んで購入するということは、結果として賃貸よりも住宅支出を減らすことができ、暮らしを豊かにできる一面もあります。

正直これだけ中古マンション相場が上がってしまっているので、これからさらに上がることや全く下がらないということは考えにくい状況です。

しかし、下がると言ってもその度合いによって、中古マンションは買ってもいいのか買わない方がいいのかは分かれます。

それこそ、価値が下がりやすい中古マンションを買うのであれば、賃貸の方がいいというのが私の考え方です。

ですから中古マンションを買ってもいいかどうかは、物件次第です。

家を買って暮らしを豊かにする考え方についてまとめた記事もありますので、合わせてご参照下さい。

中古マンション購入を検討しているのであれば、必ず一読はしてほしい内容です。

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相場が下がるのを待つのもあまりお勧めはしない

また相場が下がるかもしれないので、少し様子を見るという方もいらっしゃいますが、基本この方針はあまりお勧めしていません。

理由として、そもそも相場は思惑通りに動かないこと、そして下がるのを待っている間の家賃を考えると本当に得かどうかということがあります。

相場はあくまで結果論であって、予想通りに動くことはありません。

東京オリンピックや新型感染症の時などがそうです。

この時は、多くの専門家も下がると予想していましたが、その予想は全く当たりませんでした。

また相場が下がるのを待っている間に発生する家賃もバカになりません。

思惑通りに動いたとして、仮に3年待ったとした場合の家賃を計算してみてください。

家賃を考えれば、相場がかなり下がらないとメリットがないことに気がつくと思います。

もしあなたが中古マンションを購入したいと考えているのであれば、その時が買い時でもありますので、相場についてはあまり考えすぎない方がいいと思います。

それよりもいかに価値が下がりにくそうな中古マンションを探すことに注力した方が、よほど現実的で効果的だと思います。

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中古マンションが負債となるかは物件次第

中古マンションは買うな

次に「中古マンションは買うな」と考えられている2つ目の理由、「中古マンションは負債である」という考え方についてですが、中古マンションに限らず、家が負債であるかどうかは物件次第です。

一部の著名人が発信している、「中古マンションは貸さないと収入を得られないから、自分で住んでいる限り負債である」という考え方は、確かに事実ではあります。

しかしその考え方自体、単純に損益の話をしているだけであり、家計の資産バランスを考慮していません。

自分たちで住むので、収益を生むことはありませんが、家計の資産バランスを考えたときに、資産になっているのか、負債になっているのかどうかで判断すべきです。

つまり収益で判断するのではなく、資産価値で判断するということです。

例えば、負債となる中古マンションは、価値が落ちやすいマンションで、下の図のように文字通りバランスシートでは負債になります。

中古マンションは買うな

資産価値が下がりやすい家を買うと、住宅ローンの残債(負債)が減るよりも、家の資産価値が早く落ちるため、資産バランスを見るとマイナスとなる

資産価値が下がりやすい中古マンションを買ってしまうと、家を売ろうとしても、住宅ローンの残債が残ってしまうため、差額分を現金で支払わないと売ることができません。

このような中古マンションを買ってしまうのであれば、確かに「中古マンションは負債である」ということになります。

一方で、資産価値が下がりにくい中古マンションではどのようになるでしょうか。

同じように図示したものが、以下になります。

中古マンションは買うな

資産価値が下がりにくい家を買うと、住宅ローンの残債(負債)が時間が経つにつれ物件価値よりも早く減少していき、差額は純資産として考えられる

資産価値が下がりにくい家を売却した場合、純資産の部分は現金として戻ってきます。

このことは、貯金をしていたことと同じ意味になり、また結果として住宅支出を大きく圧縮できています。

つまり、中古マンションが負債となるかどうはかは物件次第ということがご理解いただけると思います。

少し会計的な解説で難しいかもしれませんが、大切な考え方なのでぜひ覚えておくようにしてください。

中古マンションは長く住めない、も物件次第

次に「中古マンションは買うな」と考えられている3つ目の理由である、「中古マンションは長く住めいない」ということについてですが、これも物件次第であると考えています。

そもそも、マンション寿命が「47年」や「60年」と言われている理由があります。

47年は、税制上の耐用年数のことで、事業用として購入する場合、確定申告するときに取得費を経費として計上できる年数のことです。

実際の寿命が反映されたものではありません。

また60年という数字ですが、これは現在マンションの滅失登記(解体された後に建物が無くなったことを登記するもの)から算出した耐用年数です。

現在滅失登記がさらたマンションは建築が始まった初期のもので、コンクリートに配管が全て埋められているなど、マンションそのものよりも設備の寿命が先にきたことによる解体です。

今のマンションは躯体と設備を分けていることが一般的なので、躯体であるコンクリートが劣化しない限りは寿命がなくなるわけではありません。

またコンクリートの寿命については100年とも150年とも言われていて、コンクリートの強度を維持するための大規模修繕工事が定期的にされているかどうかがマンション寿命の分かれ目になります。

そのような意味で物件次第と考えています。

マンションの寿命や長く住むことができる中古マンションの選び方について解説した動画もあるので、合わせて参照いただくと理解が深まります。

中古マンションの耐震性に不安があるのは旧耐震物件と軟弱地盤

次は、4つ目の理由で挙げていた「中古マンションの耐震性に不安がある」という考え方についてです。

中古マンションは古いので、耐震性に不安があると考える方もいますが、マンションの耐震基準は1981年6月の建築基準法改正以来、変わっていません。

1981年5月以前のマンションを総称して旧耐震物件、1981年6月以降のマンションを総称して新耐震物件と呼ばれています。

この建築基準法改正以降の中古マンションは、基本的に今の新築と同じ耐震基準で建てられていますので、中古マンションだから耐震性に不安があるというのは正しくはありません。

また比較的新しいマンションであっても、外壁の修繕が適切に行われておらず、コンクリートの亀裂などから雨水が侵入し、鉄骨が錆びて強度を失ったマンションは、地震で大きな損害を被ることがあります。

また地震による被害は耐震基準だけでなく、地盤によっても被害が変わると言われています。

以下の表は東日本大震災の時における、宮城県のマンションの被害状況をまとめたものになります。

中古マンションは買うな

出典:東京カンテイ「東日本大震災 宮城県マンション 被害状況報告」

中破以上の新耐震基準も比較的多いことがわかります。

データを調査した東京カンテイによれば、新耐震基準のマンションであっても、地盤によっては被害が大きくなると結論づけています。

つまり中古マンションだから耐震性に問題があるわけではなく、立地によって変わるということです。

中古マンションでも建築時期によっては新築よりも質がいい

中古マンションは買うな

5つ目の理由として挙げた「中古マンションは新築に比べて質が悪い」という考え方ですが、実はこれについても「新築=質が高い」という誤った認識です。

マンションの質を考えるときは、築年数よりも建てらた時期で判断すると正しく理解ができます。

例えば、今の新築マンションは土地相場が高く、建築資材も円安の影響で高く、さらに人件費も高いので、少しでも一般の方でも買えるようにグレードを落としたり、部屋を狭くするなどして、価格を抑えています。

一方で2000年代前半やリーマンショック以降〜2012年くらいまでは、土地相場も安く円高で建築資材も安く、さらに建築費も安く済んだため、比較的好立地で、質やグレードが高く、部屋も広い物件が多い時期に建った中古マンションは、今の新築と比較してもグレードは高いと言われています。

このようにマンションは建てられた時代背景によって質やグレードは変わるため、中古マンションが一概に質が悪いわけではありません。

むしろ時代によっては今の新築マンションよりも質が良い中古マンションはたくさんあります。

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中古マンションの方が資産価値は高い

6つ目は「中古マンションは資産価値が低い」という考え方です。

実際の営業現場で、このようなセリフを聞くこともありましたが、中古マンションは新築マンションよりも安いため、資産価値的に低いとみられることがあるそうです。

しかしその考え方は間違っています。

そもそも資産価値が高いということはどういうことか。

それは、買った時と売った時の価格差が小さいということです。

何も買う時の価格が高ければいいという訳ではありません。

いくら購入した時に価格が高くても、売るときに価格が大きく下落していたら、それは資産価値は低いと考えることができます。

では新築マンションと中古マンションではどちらの方が資産価値が高いのでしょうか。

下のグラフは新築から築年数ごとの価格の推移を表したものになります(物価や相場などの要因は排除したものです)

マンション 売却 築 年数

参考:東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏不動産流通市場(2019)

買った時と売った時の価格差が低いほど資産価値が高いのであれば、価格が下げ止まる築26〜30年頃が資産価値的には最も有利であることがわかります。

ちなみに新築マンションは築26〜30年に向けて徐々に価格を下げていき、長期で保有するとおよそ3分の1まで価値が落ちます。

このように買う時の価格だけでなく、将来の価格まで考えると、どんなマンションが価値が高いかが見えてくると思います。

ただし、これもあくまで平均の数字ですので、個別の物件によって差が出るということは言うまでもありません。

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修繕積立金などのコストも物件による

7つ目は「中古マンションの方が、修繕積立金などのコストが高い」という考え方についてです。

確かに新築マンションと比較して、中古マンションは修繕積立金が高いものが多いです。

理由は、現在のマンションのほとんどが、修繕積立金の積立方式が、新築時が安く年数が経つにつれ徐々に高くなっていくという「段階増額積立方式」が採用されているからです。

つまり築年数が高くなればなるほど、修繕積立金は高くなっていくものが多いです。

ちなみに最初から将来かかるであろう修繕費を一定の金額で積み立てておく「均等積立方式」もありますが、最近のマンションではその割合は減っています。

中古マンションは買うな

出典:国土交通省「平成30年度マンション総合調査」

ただし、段階的に修繕積立金を上げていくとはいえ、値上げの上昇幅はマンションによって違います。

仮に同じような立地と築年数、同じ管理会社であったとしても、片方は1万から2万円くらいでも、もう片方は4万円を超えるものもあります。

新築マンションの場合、どちらのマンション(毎月の積立金が安くすむか、高くなるか)になるかは蓋を開けてみないとわかりませんが、中古マンションの場合、どちらのマンションであるかは分かります。

これは新築マンションにはない、中古マンションのメリットです。

購入するのであれば、安く収まる中古マンションの方がいいわけで、どうやって見分けるのかというと、管理組合の財務状況を調査します。

管理会社から取り寄せる書類から、将来の積立金の過不足を見極めていくのですが、この調査は不動産業者であってもできる人が限られています

調査自体が会社の決算書を読み解くようなものですので、積立金が多いとか、滞納金の有無などは、あまり関係がありません。

管理組合の調査ができる担当者から中古マンションを探さないと失敗しがちなポイントになります。

私自身もこれまで数千棟というマンションの調査をしてきていますが、この調査の結果「買わない方がいい」というマンションの割合は全体の3割ほどになります。

この数字を見ても、管理の調査をせずに中古マンションを購入することがいかにリスクかお分かりいただけるのではないでしょうか。

私が企画運営をしているハウスクローバーでは、私の管理調査のノウハウをシステム化し、ハウスクローバーに掲載されている不動産エージェントであれば、誰でも高いレベルで調査ができるようになっています。

「中古マンションは管理を見て買え」という格言があるくらい、最重要ポイントになりますので、中古マンションを検討している方は、ハウスクローバーの活用をお勧めしています。

もし、あなたが希望しているエリアに担当者が見つからない時や、すでに具体的な物件を検討しているけど、管理組合の財務状況の調査だけ依頼したいときは、下記のようなサービスもありますので、ご利用を検討してみてください。

管理費は古いマンションの方が安い傾向

余談ですが、修繕積立金と並んで発生するランニングコストに「管理費」があります。

これは管理会社に支払う報酬になるのですが、実は新しいマンションよりも古いマンションの方が安い傾向があります。

管理会社でも、ディベロッパー系列の管理会社が入っているマンションほどその傾向があります。

理由は、管理会社は昔の管理費から値上げをしたいが、修繕積立金と違い管理費の値上げはハードルが高く、管理会社を変えられてしまうリスクがあるので、新しいマンションへ価格を転嫁しているからです。

管理会社と管理組合の関係もなかなか闇深いものがあり、実際どんなことが起きているのか、参考になる動画も貼っておきますので、合わせて参考にしていただければと思います。

「中古マンションを買うな」のまとめ

中古マンションは買うな

ここまで「中古マンションを買うな」と言われる理由と実際のところを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

色々言われている理由はあり、真実っぽくも聞こえるのですが、話題やその言葉の過激性が先行されているようにも思えます。

結局のところ、中古マンションが買ってもいいかどうかは物件次第です

つまり、買っていい中古マンションであれば買ったほうが得ですし、買ってはいけない中古マンションを買うくらいなら賃貸の方がいいということです。

賃貸vs持ち家論争がずっと昔からありますが、私の結論としては詰まるところ物件次第であると考えています。

言葉にしていうのは簡単ですが、買ってもいい中古マンションと買ってはいけない中古マンションを見分けるのは簡単なことではありません。

しかも人生で最も大きな買い物と言われ、後戻りもできない買い物になりますので失敗は許されません。

もしあなたがこの記事を読んで、それでも中古マンションを買いたいと考えるのであれば、失敗しないためにも中古マンション選びをサポートしてくれる不動産事業者の担当者(不動産エージェント)をしっかり選ぶことが、何にも勝る対策となります。

全国の優良な担当者が探せるサイト「ハウスクローバー」をうまく活用しながら、あなたの中古マンション購入をより良いものにしていただけたらと思います。

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