「きれいで、新しいおうちに住みたい」「やっぱり買うなら最新の設備がついた新築じゃないと」そう思い新築マンションを選ぶ方も多いと思います。
もちろん新築マンションは誰も入ったことのない部屋で、設備も最新のものが採用されていて、部屋も全てがまっさらで魅力的です。
しかし今新築マンションの人気は下がっています。そしてそこには新築マンションを選ばないほうがいい理由があります。こちらを読めば新築マンションに潜む危険と、買ってはいけない理由がわかります。
新築マンションはなぜ買ってはいけないのか。その理由の要点をすぐに知りたい方は、目次の「まとめ」をクリックしてください。
新築マンションは買ってはいけない?
新築マンションといえば、かつては誰もが憧れを持ち、中古マンションに比べても断然人気がありました。きれいな部屋に、最新の設備、充実した共有施設ともちろん魅力的な部分はたくさんあります。
ではなぜ新築マンションを買ってはいけないのか。その理由をここからお伝えしていきます。
価格が高騰している
近年新築マンションの人気が落ちている理由のひとつに、この価格の高騰があります。新築なので中古より高いのは当然ですが、問題なのはその差が大きくひらいていることです。
値上がり理由としては都心の土地価格の値上がりが大きく影響しています。一般的に新築マンションは立地や生活利便性を考え、都心に多く建てられます。そのため都心の土地価格が上昇するにつれて、マンション自体の販売価格も高くなります。
また土地価格以外にも、オリンピックや再開発によって人手が不足し、建築費が高騰しています。つまり土地価格高騰と建築費高騰の影響を受けているのが今の新築マンションなのです。
そして、新築マンションを買える人が増えたことも理由の一つとなっています。住宅ローンの金利が低くなり、昔に比べて審査の間口も広がり、今まで手の届かなかった新築マンションを購入できる人も増えました。そのため売主が価格を下げることなく、買主を集めることができるため、相場が高止まりしている感もあります。
部屋は狭く、グレードは低く
このような背景から、ニュースでも見かけるように新築マンションの価格は、一般家庭ではなかなか手が届かない価格水準となっています。
一部のプレミアム物件を除いて、一般家庭の方に少しでも手が届きやすい価格水準に抑えようと、ここ最近の新築は一昔前とくらべ、部屋は狭くなり、グレードは落ちています。
こういったマンションが中古市場に売りに出された場合、比較的安価にマンションをつくることができた時代のマンションと比べるとどうしても見劣りしてしまいます。そしてそれは価格にダイレクトに反映します。
新築プレミアム
新築プレミアムとは、新築マンションの販売価格と実際の資産価値の間にある差のことを指しています。
新築マンションの販売価格には、広告費や宣伝費、販売会社の利益等が計上されています。新築マンションの値段が高いのは、ただ新しいから価値があるというわけではなく、そういった様々な費用が価値に上乗せされているからなのです。
ではなぜここにリスクがあるかというと、もし今後購入した新築マンションを売ることになった時、購入した時の値段と全然違う値段で取引されることが多いからです。
新築マンションは一般的に引き渡しを受けた時点で、中古マンションとなります。そして一般的には中古マンションとなった時点で相場で判断されるようになるので、2割~3割近く価格が落ちる傾向にあります。
悪く言えば、新築マンションは買った時点で損をしているともいえるのです。
もちろん土地価格の変動や、そのマンションの人気等により購入時より高くなるケースもありますが、相場が上昇した現在では、そういったことは非常に稀なケースです。
いい条件の立地が余っていない
マンションの売りは立地です。マンションを選ぶ際に、駅から近く、便利な場所であることはとても重要なことです。しかし今都心でいい立地はとても少ないのが現状です。
なぜならいい立地にはもうすでに物件が建てられているからです。また駅前の土地が残っていても、最近ではマンションよりもホテルやオフィスビルに取られています。
そのため新築マンションを建てようと思うと、実はもういい土地がなく、少し中心街から離れた土地に建てられることが多いです。
しかしこういった少し離れた土地や、利便性に少し劣る場所にあるマンションを購入してしまうと、結果的に資産価値が低い物件を手に入れてしまうことになる可能性が高いです。
モデルルームとの落差
「狭いし、高級感もないし、モデルルームと全然違う」
こういったモデルルームと実際の物件の落差でとても後悔をするケースが実は多く見られます。
モデルルームを見に行くと、高級感があってとても広々としていてきれいで、とても魅力的な空間が広がっています。
しかしモデルルームとはその部屋を最高の空間に作るプロが、隅から隅まで作り上げた空間なのです。
例えば部屋の広さについて。モデルルームはインテリアのプロが作り上げており、そこにある家具や設備は部屋を広くみせるためにサイズの小さいものが使われていることが多いです。
そのため実際に住んで生活雑貨や家具を置くと、とても狭く感じてしまいます。
また、モデルルームは一番おすすめの部屋のタイプが使われています。実際に購入を考えている部屋のタイプとは全然違うため、部屋の空間は別物です。
部屋の明るさや風遠しなど、もちろん住環境も全く違います。モデルルームには光が差し込んでいたが、購入した部屋は全く違うなんてこともあります。
モデルルームを見ながら注意することは、自分の購入したい部屋との違いを理解しておくこと、そして部屋の中の設備やインテリアが有料オプションのものなのか、などをよく考慮し、一度で決めてしまうことは決してしないことです。
ただ、やはり実物をみていない状態で理想の住まいを探すという点ではなかなか難しいところではあります。
完成して入居するまで、どんな住民がいるか分からない
長く快適に住み続けていくうえで、周りにどんな人がすんでいるかはとても重要です。実際隣人や、マンション内での人にまつわるトラブルは本当に多いです。
そのためにも住まい探しの際は、周りの人についてよく調べてから決めていきたいところです。
しかし新築マンションの場合、実際に住み始めるまでどんな方が周りに住むかがわかりません。
つまりここはもう運という部分になってしまいます。もちろんいい人に囲まれればいいですが、そうでない場合、長く付き合っていかなければなりません。
管理組合の状況がどうなるか分からない
新築マンションは良くも悪くも全てが新しく始まります。新しい部屋、新しい住民、そして新しい管理組合。
中古マンションであれば管理組合が今までどのような管理をしてきたのか、管理組合の書類や住民等からの調査でわかります。
しかし新築マンションの場合は全くわかりません。つまりものすごいいい管理体制で、安心・安全に管理されていくのか、それともそうでないのかが現状わからないということです。
この管理についての状況が、今後のマンション自体の価値にも大きく影響してきます。管理状態の優れたマンションは将来的にも価値が残りますが、そうでない場合は資産価値として下落の一途をたどってしまいます。
新築マンションの価格予想をしてみよう
これまで新築マンションの資産価値というポイントについていくつかお話してきましたが、ピンとこない方は実際に新築マンションの価値がどのくらい下落していくものなのかを調べてみるのがいいでしょう。
例えばある一定のエリアで同じような条件の中古マンションをポータルサイトでいくつか探してみましょう。そして築年数と新築時の価格を比較してみると、大きな差があることがおわかりいただけると思います。
こうやって時系列で物件を見比べることで、新築マンションを購入したあと、5年後、10年後、15年後の価値がどのようになっていくかも合わせて見えてきます。
価格推移を見る時のポイントですが、部屋の広さが物件によって様々なので、平米単価でみると分かりやすいと思います。
中古マンションで賢くリスク回避を
最新の設備、共有施設、そして新品の部屋と、とても魅力のある新築マンション。一方で新築プレミアムや、実際に物件や住民、管理組合の運営状況を見て選ぶことができないといった点でリスクもあります。
そんな中、今市場でも人気がでてきているのが中古マンションです。新築と比べ価格も市場の相場にあわせた実際の資産価値で取引されていますし、実際にどんな管理状況で、どんな人が周りに住んでいるかも当然わかります。これらは長く快適に生活していく上で、必ず知っておきたいことですね。
また新築マンションに比べて、中古マンションの方が多くの選択肢があります。また立地も比較的いいところにあって、良質な中古マンションも増えてきています。
しかし不動産の特性といえるのですが、一つ一つの物件全てが違ってきます。そのため一つ一つよく調べ、買ってはいけないマンションを買わないようにしなければいけません。
そのためにも不動産のプロである、知識と経験を兼ね備えた不動産エージェントを見つけ、一緒になって物件選びをすることが、失敗しない中古マンションの選び方になります。
新築マンションならではの様々なリスクを避け、豊かな暮らしをするためにも、中古マンションという選択をしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
最後に新築マンションを避けた方がいいと思われる理由についてまとめておきます。
- 新築マンションは価格が高騰、部屋は狭くなりグレードを落とした物件が増えている
- 新築プレミアムにより、価格の下落に見舞われやすい
- そもそもいい立地が余っていない
- モデルルームを見て購入するしかないが、ギャップがある
- 入居するまでどんな住民が住んで、どんな管理になるか分からない
- 新築からの価格推移は、近隣の中古マンションを見ると予測がつく
- 中古マンションで賢くリスク回避を
これらのポイントを押さえて、後悔のないマンション購入をするようにしてください。
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宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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