この記事で分かること
- 不動産の「商談中」とはどういう状態か
- 商談中でも横取り(割り込み)されることがある理由
- 商談中の物件を自分が横取りできるのか
- 気に入った物件を横取りされないための対策
- 「商談中」と「成約済」の違い、商談中の期間
- 「商談中」が囲い込み・おとり広告で実態と違うこともある
「良い物件が見つかって商談中となったけれど、別の購入者が現れて横取りされてしまった」ということは、不動産取引においてあり得る話です。
せっかく購入したいと思える物件に出会えても、横取りされてしまうと非常に悲しいですよね。
そこで今回は、どんなときに商談中の物件が横取りされるのか、注意点や対策について業界17年のプロが解説します。
この記事のポイントを手っ取り早く知りたい方は、目次の「まとめ」をクリックしてください。

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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物件や土地の商談中とはどんな状況をいう?

不動産取引において、物件の購入を決めてから引渡しまで様々な手続きや契約を経なければなりません。
まず、欲しいと思う物件を見つけたら「申込書」や「買付証明書」を記入します。
これは、売主に対して「私はこのような条件で購入したいです」という意思表示を行う書面です。
その後、売主との条件交渉に入り、条件がまとまると、次は契約に入ります。
申し込みと同時に行う事前審査に問題なければ、契約の締結へと進む段取りとなります。
しかし実際のところ、不動産売買契約を締結しない限りは物件を真の意味で押さえていることにはなっていません。
したがって、商談中とは「購入申し込みが入っている」という状況のことを示しています。
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不動産契約は基本的には自由の原則がある
不動産に限りませんが、誰と契約するのかは基本的に自由の原則があります。
契約の条件が合わないと思えば契約をしない自由が売主・買主双方にあるということです。
そのため、不動産売買契約を締結して手付金を支払うところまで行わなければ、物件の横取りもあり得るということです。
売主は自由に買主を選ぶことができる
買主側がたくさんの物件から吟味して購入する物件を決めるように、売主側も自由に買主を選ぶことができます。
不動産取引では、実際に契約を結ぶまでに時間がかかります。
契約を締結するまでの間に、売主にとって良い条件の人から買付が入れば、その人と契約をしても問題はないのです。
基本的には1番手、2番手という順番がありますが、この順番通りに受け付けなくても、極端な話を言ってしまえば3番手の人と契約をしても構わないのです。
商談中なのに横取りされるとき

(写真:釣り人のつった魚を横取りしようと様子をうかがう猫)
商談中なのに横取りされるときというのはどのような場面でしょうか。
ここでは、具体的な事例をご紹介します。
同じタイミングで、よりいい条件の買主がいる
横取りされる最も多いのが、購入のタイミングがほとんど同じで、もっと良い条件の買主が現れたとき。
他の人と商談中であっても、良い条件の買主を優先されることがあります。
購入希望金額は同じであったとしても、1人は金融機関でローンを組み、1人は全額現金で支払う場合や、残置物の撤去を希望している人と、そのままで良いという人などが、実際のケースとして考えられるでしょう。
買主がより良い物件を購入したいのと同じように、売主はなるべく良い条件の人と契約を結びたいと考えているのです。
価格交渉をして、契約前
他にも、申し込み時などで価格交渉を行っているケースなども考えられます。
例えば契約の前に、それよりも高い金額で購入したいという買主が現れることがあります。
契約を締結していれば覆りませんが、契約前の状況であれば物件は完全に抑えられているわけではありません。
そのため、売主がより良い条件の買主と契約を結ぼうと考えることがあります。
住宅ローンの事前審査が通っていない
住宅ローンを組んで物件を購入する場合、契約前に金融機関の事前審査を行います。
そして事前審査が通っていないと、まだ買えるかどうかがわかりません。
売主や仲介業者の中には、事前審査が通っている順に申し込みを受け付けるところもあります。
事前審査に時間がかかっている間に、事前審査が通っている買主が横取りをしていくということもあり得るのです。
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気に入った物件を横取りすることはできる?
それでは逆に、気に入った物件だけれど商談中という物件を横取りすることは可能でしょうか?
上記で解説したように、相手が契約前であれば横取りできる可能性はあります。
しかし、最終的に買主を決めるのは売主です。
相手より良い条件を出したとしても、売主の考えによっては断れることがあります。
また、売主側に仲介会社が入っている場合、仲介会社を通してやり取りを進めることになります。
したがって、元付業者の話の運び方次第というところもあります。
ただし相手が契約をしていなければ必ず横取りできるというわけではないので、注意しましょう。
気に入った物件を横取りされないためには?
物件を気に入って購入する意思を示したのに横取りされては、非常に悲しいですよね。
購入したい物件を横取りされないためには、いち早く契約を結ぶことです。
これに尽きます。
特に、価格交渉をしている場合は、物件の購入申し込みと同時に住宅ローンの事前審査の申し込みを行うなど、少しでも早く契約に結びつけられるように進めていきます。
物件を横取りされないためには、早く契約締結できるように動くことが何よりも大切です。
不動産エージェントとの密なコミュニケーションを
売主とのやり取りは、基本的に不動産会社を通して行われます。
したがって、不動産エージェントによって条件のまとめ方や話の運び方が異なります。
不動産の購入は多くの人にとって大きな買い物となりますから、信頼のできる不動産エージェント選びが非常に大切です。
そして、物件の横取りなどのトラブルがないように、不動産エージェントと密なコミュニケーションを取って購入後の話を進めていきましょう。
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「商談中」と「成約済」の違い
不動産サイトの物件情報では「商談中」のほかに「成約済」という表示も見かけます。この2つは意味が大きく違います。
商談中は、ここまでお伝えしたとおり購入の申し込みが入っている段階で、まだ売買契約は成立していません。条件次第では他の買主に決まることもあり、逆に申し込みが流れて再び買える状態に戻ることもあります。
一方、成約済は売買契約が成立した状態で、基本的にその物件を購入することはできません。「商談中」であれば、まだチャンスが完全に消えたわけではない、と考えてよいでしょう。
商談中の期間はどのくらい?長引くときの考え方
「商談中の期間はどのくらいか」「商談中が長いけれど待っていいのか」というご相談もよくいただきます。
商談中の期間に法律上の決まりはありません。一般的には、購入申し込みから売買契約までは数日〜2週間程度で進むことが多いですが、住宅ローンの事前審査に時間がかかっている場合や、売主側の事情で長引くこともあります。
商談中が長引いている物件は、1番手の話がまとまっていない可能性もあります。気になる物件であれば、2番手として申し込みを入れておき、1番手が流れたときに繰り上がれるよう備えておくのも一つの方法です。ただし確定はできないので、その物件だけにこだわって他を止めてしまうのは避けたほうがよいでしょう。
「商談中」は嘘のこともある?囲い込み・おとり広告に注意
「商談中と言われたのに、本当だろうか」と疑問に思う方もいます。実は、商談中という表示や説明が、実態と違うケースもゼロではありません。
一つは「囲い込み」です。売主から物件を預かった不動産会社が、自社で買主を見つけて売主と買主の両方から仲介手数料を得たいために、他社からの問い合わせに対して「商談中です」と伝えて内見や紹介を断る、というものです。本当は商談が入っていないのに断られている場合があります。
もう一つは「おとり広告」です。すでに成約済の物件を、集客のためにわざと掲載し続けるケースで、これは不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)や不動産の表示に関する公正競争規約で禁止されています(出典:消費者庁、不動産公正取引協議会連合会)。
こうした事態を個人で見抜くのは難しいため、信頼できる不動産エージェントを通じて、本当に商談中なのか、いつ頃結論が出そうなのかを確認してもらうのが確実です。
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賃貸の「仮押さえ」「審査中」でも横取りはある?
ここまでは購入(売買)の話ですが、賃貸でも「仮押さえしたのに横取りされた」「審査中に他の人に決まった」というご相談があります。
賃貸も基本的な考え方は売買と同じです。申し込みや仮押さえをしても、賃貸借契約を結び初期費用を支払うまでは確定ではありません。一般的には申し込み順に審査が進みますが、入居審査の結果や入金のタイミングによっては、後から申し込んだ人に決まることもあります。気に入った部屋は、申し込みと審査書類の提出を早く済ませることが大切です。
商談中の物件で後悔しないためのチェックリスト
気になる物件が商談中だったときは、次の項目を確認しておきましょう。
- その表示が「商談中」か「成約済」かを確認したか
- 購入の意思が固まったら、申し込みと住宅ローンの事前審査を同時に進めたか
- 価格交渉中は特に、早く契約に進められるよう準備したか
- 1番手か2番手か、いつ頃結論が出そうかを担当者に確認したか
- 本当に商談中か(囲い込み・おとり広告でないか)を信頼できる担当者に確認したか
- その物件だけに固執せず、並行して他の物件も検討しているか
まとめ
最後に物件の商談中に横取りされるケースや注意点などについてまとめておきます。
- 商談中は契約前の購入申し込みを提出しているとき
- 契約が成立していない限り、法的な縛りは商談にはない
- 売主は自由に買主を選ぶ権利がある
- 商談がまとまっていても、より高い金額で購入申し込みが入った場合は横取りされる可能性がある
- 事前審査が通っているかも重要な判断材料になる
- 価格交渉をしている場合は、なるべく早くに契約をする
- 不動産エージェントと密なコミュニケーションをとる
商談はプロであっても、かなり神経をすり減らす作業です。気に入った物件を横取りされたりしないように、状況を正しく把握しながら後悔しないようにしてください。

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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よくある質問
Q1:不動産の「商談中」とはどういう意味ですか?
購入の申し込みが入っている状態を指します。まだ売買契約は成立しておらず、条件次第では他の買主に決まることも、申し込みが流れて再び買えることもあります。契約・手付金の支払いまでは確定ではありません。
Q2:商談中の物件を横取り(割り込み)できますか?
相手が契約前であれば、より良い条件を出して横取りできる可能性はあります。ただし最終的に買主を決めるのは売主で、必ず横取りできるわけではありません。売主側の仲介会社の進め方にも左右されます。
Q3:商談中の期間はどのくらいですか?
法律上の決まりはありません。一般的には申し込みから契約まで数日〜2週間程度ですが、住宅ローンの事前審査や売主の事情で長引くこともあります。
Q4:「商談中」は嘘のことがありますか?
実態と違うケースもあります。他社の紹介を断るための「囲い込み」や、成約済なのに掲載し続ける「おとり広告」(景品表示法・公正競争規約で禁止)の可能性もあるため、信頼できる担当者に確認するのが安全です。
Q5:「商談中」と「成約済」の違いは何ですか?
商談中は申し込み段階で契約前のため、まだ購入のチャンスが残っています。成約済は売買契約が成立した状態で、基本的に購入できません。







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