時間がない人向け:「家を買う時代は終わった」の真実
「家を買う時代は終わった」の真実
- 持ち家派はまだ67.5%と圧倒的多数。賃貸派は17.4%、どちらにも当てはまらなないは15.1%
- 「家を買う時代は終わった」と言われる主な理由は、建築費・土地価格の高騰と住宅ローンへの心理的プレッシャー
- しかし日本は持ち家政策の国。住宅ローン減税・被災時のローン減免制度・支払条件の変更制度など、賃貸にはない優遇措置がある
- 持ち家の最大のメリットは老後の住宅支出を減らせること。賃貸は一生家賃が続く
- 賃貸は高齢になると入居審査が厳しくなるリスクもある
- 不動産はインフレ資産。インフレ時は家賃も上がるが、不動産も上がる。インフレ時代こそ住宅支出に差がつく
- 結論:家を買う時代は終わっていない。ただし「正しい物件選び」をしなければ賃貸の方が良かったという結果にもなりうる
この記事を読むことでわかること
- 持ち家派と賃貸派の割合と変化
- 持ち家のメリットとデメリット
- 賃貸派が考えるデメリットを補う日本の制度
昨今、ライフスタイルの多様化により、昔のように「夢のマイホーム」といった概念は薄れつつあると言われています。
昭和の頃のように、大学を卒業して会社に入って、年功序列で給料が上がっていく。そんな時代では、住宅すごろくと言って、賃貸から始まり、結婚をしてマンションを購入、そして最後は郊外に戸建てを買って「上がり」とされていました。
しかし現在は時代が変わり、終身雇用も崩壊、所得も上がらないばかりか税金や社会保険料が増大し、手取り収入はむしろ減っています。そんな中で人々の持ち家に対する考え方も大きく変わって当然です。
そこでこの記事では、現代の持ち家を取り巻く状況や、持ち家のメリット・デメリットについて考えていきたいと思います。

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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家を買う時代が終わった!は本当か?

家を買う人が減ってきている。そんな実感を持っている人も多いかもしれません。また持ち家に対して否定的な発言をする著名人も増えてきました。
実際、人々の意識がどのように変わってきているのか。2023年に実施された宅地建物取引業協会のアンケート「住宅居住白書」があるので、そちらを元に解説していきます。
持ち家派が減り、賃貸派が増えていきている
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出典:2023年「住宅居住白書」
これについては随分前から言われていることですが、実際のアンケート結果によると、
- 持ち家派:67.5%(前回調査より−10.4P)
- 賃貸派:17.4%(前回調査より−4.7P)
- どちらとも言えない:15.1%
(持ち家、賃貸の両方が減少しているのは、新しく「どちらとも言えない」の回答が新設されたため)という結果でした。
持ち家派の理由トップ3は、
- 家賃を払い続けることが無駄に思えるから(56.8%)
- 落ち着きたいから(37.4%)
- 老後の住まいが心配だから(35.3%)
一方で賃貸派のトップ3は、
- 住宅ローンに縛られたくないから(45.3%)
- 税金や維持管理にコストがかかるから(34.3%)
- 不動産を所有しない身軽さが良いから(29.4%)
理由を見るとそれぞれのメリット・デメリットが反映されているなという感じがしますが、時代の流れとして、持ち家の方がまだまだ圧倒的に多いものの、賃貸派の方や様子見と考えられるような人が増えてきているのが現在の状況です。
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家が高すぎて買えない時代になってきている
もう一つ、ここ最近の傾向から、都心部を中心に、家の相場が上がり、なかなか一般の家庭では手が届かなくなってきていることも考えられます。
このチャートは主要都市における中古マンションの相場の推移になります。
これを見ても、いかに家の値段が上がってきていることが分かると思います。
しかも家の相場は今のところ下がる要素はほとんど見つからず、家を買いたくても買うことを諦めた人もいるのではないでしょうか。
家を買うということのハードルが以前より上がっているのは、私の感覚としても間違いなく、さらに家はこれから余る時代なので、物件選びについての難しさも出てきています。
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持ち家のメリット・デメリットを考えてみる

ここで改めて持ち家のメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。
持ち家のメリット
持ち家のメリットは、老後の住宅支出を減らすことができること。そして、持ち家は資産になるということです。
資産とは、あなたに何かがあったときに守ってくれるものであり、あなたの暮らしをより豊かにするためのものです。もちろん全ての物件が資産になる時代ではないですが、持ち家を活用して暮らしを豊かにすることができます。
その方法論や考え方については以下の記事も併せて参照ください。こちらの記事を読むと、住宅を活用して可処分所得を増やして暮らしを豊かにする方法がわかります。
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持ち家のデメリット
持ち家のデメリットは容易に引越しができなくなることです。家を買うと諸費用もかかりますし、住宅ローン減税である程度、戻ってくることを考慮しても、最低でも5年は住み続けないと損をすることが多くなると思われます。
また住宅ローンを支払続けなければいけないという心理的なプレッシャーもあります。
日本では持ち家の方が優遇される
日本は持ち家政策をとっている国ですので、賃貸と比べると法制度も含め、持ち家の方が優遇されている一面もあります。ここからは実際にどのような政策・法律があるのかを解説していきます。
住宅ローン減税
住宅ローン減税で戻ってくるお金の原資は「税金」です。賃貸の方も同じように払っている税金から家を買った人だけが戻ってくるというものです。
最近は毎年末の住宅ローン残債の1%から0.7%までに減ったものの、それでも諸費用分くらいは戻ってきます。ただし中古住宅では住宅ローン減税が利用できない物件もありますので注意が必要です。
住宅ローン減税の詳しい解説はこちらの記事を参照ください。
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被災などによるローンの減免制度
まだまだ知らない人も多く、利用が進んでいないという欠点はあるものの、賃貸にはない法制度です。内容としては住宅ローンを組んでいる住宅が自然災害などで被災した場合、一定の条件の元、住宅ローンが免除されるという制度です。
東日本大震災の時に、津波で家が流され住宅ローンだけが残っていた人が多く、そういった人たちの救済策として特別法として制定されました。そして熊本地震の時に法制度化されました。ローンが無くなるばかりでなく、信用情報にも傷がつかないので、生活再建に欠かせない制度です。
賃貸派の意見として「天災が起こった時に家を所有していることがリスクになると思うから」というデメリットは全部とは言わないまでも、ある程度解消してくれる制度ではないでしょうか。
ちなみにこの制度は、住宅ローンだけでなく個人が契約者となっている事業用のローンや車のローンなどにも適用されますので、ぜひ知っておくと良いでしょう。
住宅ローンの支払条件の変更
法制度化されたものではありませんが、金融庁が全国の金融機関に対して、債務者(お金を借りている人)から返済に関する相談があれば、相談に乗るよう通知を出しています。
もともとリーマンショック時に特別法として制定された「金融円滑化法」と呼ばれる法律が根拠となっていたのですが、この特別法の期限が到来した後も、基本的にこの姿勢を継続する方針を各金融機関は表明しています。
この制度により、住宅ローンを借りていて、急な経済環境の悪化などで支払に支障が出ると考えられる場合、住宅ローンの支払条件の変更などに応じてくれます。
賃貸ではこのような制度はなく、急な経済環境の悪化時などでは、審査の問題や引越し費用がネックになることも多いですが、住宅ローンの支払条件を変更できるのは大きなメリットになるのではないかと思っています。
家を買うメリットはまだまだ大きい
このように、持ち家のデメリットに注目されることも増えてきてはいますが、国もそれなりの対応をしていて、正しい知識を持ってどちらがいいかは改めて判断したほうがいいのではないかと思います。
特に減免制度は、金融機関も積極的に案内をしていなかったことが大きな問題になりました。今の世の中は正しい知識を持っているかどうかで大きく変わる時代です。
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インフレ時代こそ持ち家が有利になる理由
「家を買う時代は終わった」という議論で見落とされがちなのが、インフレと不動産の関係です。
不動産はインフレ資産です。つまり物価が上がれば、不動産の価値も上がります。実際に日本でもここ数年、物価上昇に伴って不動産価格は上がり続けています。
ここで重要なのは、インフレ時に持ち家と賃貸で住宅支出に大きな差がつくということです。
賃貸の場合、インフレに伴って家賃も上がります。大家さんも物価上昇に合わせて家賃を値上げしていきますので、賃貸で住み続ける限り、この値上がりから逃れることはできません。
一方で持ち家の場合、インフレ下では不動産価格も上がります。つまり周りの物価や家賃が上がっていく中で、持ち家と賃貸の住宅支出は大きく開いていきます。
さらに、持ち家の資産価値自体もインフレに伴って上がっていきます。ローンの残債は変わらないのに、物件の価値が上がっていく。これは結果的に資産が増えていることを意味します。
逆に賃貸の場合、いくら家賃を払い続けても資産は一切残りません。インフレで家賃が上がるほど、その「掛け捨て」の金額が増えていくことになります。
現在の日本は長らく続いたデフレから脱却し、インフレ基調に転じています。こうした経済環境の中で、持ち家か賃貸かを判断するのであれば、インフレに対する防衛手段としての持ち家の役割も、ぜひ頭に入れておいていただきたいと思います。
賃貸を続けることのリスクも知っておく
「家を買う時代は終わった」と考えて賃貸を続ける選択をする方もいますが、賃貸にもリスクがあることを知っておいてください。
一生家賃を払い続ける負担
賃貸は住んでいる限り家賃を払い続けなければなりません。持ち家であれば住宅ローンを完済すれば住居費は大幅に下がりますが、賃貸にはその「終わり」がありません。特に老後、年金収入だけで家賃を払い続けるのは、家計にとって大きな負担になります。
高齢者は入居審査が厳しくなる
あまり知られていませんが、高齢者は賃貸住宅の入居審査が厳しくなる傾向があります。孤独死のリスクや収入の不安定さから、大家や管理会社が高齢者の入居を敬遠するケースは少なくありません。
将来的に住む場所に困るリスクがあることは、賃貸を選ぶ際に頭に入れておくべきポイントです。
家賃は上がることもある
「持ち家は固定資産税がかかる」というデメリットはよく指摘されますが、賃貸も家賃が上がることがあります。特に都心部では相場の上昇に伴い、更新時に家賃が値上げされるケースが増えています。持ち家の住宅ローンは固定金利であれば返済額が変わりませんが、賃貸の家賃はコントロールできません。
持ち家と賃貸、どちらを選ぶべきかの判断基準
最終的にどちらを選ぶかは、あなたのライフプランや価値観次第です。以下の判断基準を参考にしてみてください。
転勤や引っ越しの可能性はあるか
数年以内に転勤や引っ越しの可能性が高い場合は、賃貸の方が柔軟に対応できます。逆に、ある程度定住する見込みがあるなら、持ち家を検討する価値があります。
家族構成は安定しているか
結婚・出産などのライフイベントが控えている場合、住む場所や間取りの条件が変わる可能性があります。家族構成がある程度固まっていれば、持ち家の方が長期的にメリットが大きくなります。
老後の住居をどう考えるか
老後に年金収入だけで家賃を払い続けることに不安を感じるなら、早めに持ち家を購入してローンを完済しておく方が安心です。一方、十分な貯蓄があり老後も賃貸で問題ないと判断できるなら、無理に家を買う必要はありません。
資産形成に住宅を活用したいか
正しい物件選びをすれば、持ち家は資産として暮らしを豊かにしてくれます。売却して住み替え資金にしたり、将来の選択肢を広げるツールにもなります。ただし物件選びを間違えると資産価値が大幅に下がるリスクもあるため、プロの力を借りることが重要です。
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自身のライフプランで判断する
結局のところ、持ち家と賃貸のどちらが正解かは、将来の収入・支出・ライフイベントを踏まえて個別に判断するしかありません。ライフプランニングシミュレーションを行うことで、ご自身にとっての最適な選択が見えてきます。
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ライフプランと正しい物件選択

家を買うか賃貸にするか、どちらかを選ぶのであればライフプランや生活スタイルによって変えていく方がいいのではないでしょうか。特にお子様がいる場合は、そんなに頻繁に引っ越すことはできにくくなりますので、持ち家の方が向くと思います。
また資産形成においても持ち家にメリットがありますが、注意点としては「間違えた物件選びをしないこと」です。今後は人口減少により、資産価値が著しく下がる物件や無価値となる物件が多く出てきますので、物件選びを間違えてしまうと賃貸の方が全然良かったという結果にもなりかねません。
将来の資産価値の見極めはご自身だけでなく、プロの知見もフルで活用するといいでしょう。全国の不動産エージェント(不動産事業者の担当者)が探せるサイト「HOUSECLOUVER」では、事務局の面談を通過した優良な担当者があなたの資産価値のある家探しを手伝ってくれます。
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持ち家は上手に活用すればあなたの暮らしを豊かにしてくれる最高のツールにもなれば、あなたの人生を振り回す悪手になることもあり得ます。あなたにとって最適な暮らし方やライフスタイルについて今一度考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
この記事のまとめ
- 「家を買う時代は終わった」は一面的な見方。持ち家派はまだ67.5%
- ただし建築費・土地価格の高騰で、家を買うハードルは確実に上がっている
- 日本は持ち家政策の国。住宅ローン減税・被災時の減免制度・支払条件変更など、賃貸にはない優遇措置が多い
- 不動産はインフレ資産。インフレ時は家賃が上がるが固定金利のローン返済額は変わらない。持ち家の方がインフレに強い
- 一方で賃貸にもリスクがある。一生続く家賃負担・高齢者の入居審査・家賃の値上がり
- 持ち家vs賃貸は「どちらが正解」ではなく、ライフプランに合わせて個別に判断すべき
- 持ち家を選ぶなら「正しい物件選び」が最重要。間違えると賃貸の方が良かったという結果にもなる
よくある質問(FAQ)
Q. 家を買う時代は本当に終わったのですか?
終わっていません。2021年の宅建業協会のアンケートでは持ち家派が74.5%と圧倒的多数です。ただし賃貸派は前回調査より6.4ポイント増加しており、建築費の高騰やライフスタイルの多様化により、持ち家に対する考え方が変わってきているのは事実です。重要なのは「買うべきか」ではなく「自分のライフプランに合っているか」で判断することです。
Q. 持ち家と賃貸、生涯コストはどちらが安いですか?
条件によって大きく変わるため一概には言えません。持ち家は住宅ローン完済後に住居費が大幅に下がるメリットがありますが、固定資産税やメンテナンス費がかかります。賃貸は家賃が一生続きます。50年間で比較すると、多くのケースで持ち家の方が総コストは低くなる傾向がありますが、物件の選び方や住む期間によっても変わります。
Q. 家を買うべき人・賃貸のままでいい人の特徴は?
家を買うべき人は、ある程度定住する見込みがある方、老後の住居費を減らしたい方、資産形成に住宅を活用したい方です。賃貸のままでいい人は、転勤が多い方、ライフスタイルの変化が多い方、十分な貯蓄があり老後の家賃に不安がない方です。どちらが正しいということではなく、ご自身のライフプランに合わせて判断してください。
Q. 住宅ローンが払えなくなったらどうなりますか?
まずは金融機関に相談してください。金融庁の通知により、金融機関は返済条件の変更に応じる方針を取っています。返済期間の延長や一時的な返済額の減額などの対応が可能です。また、自然災害で被災した場合はローン減免制度もあります。いきなり家を取られるということはなく、まずは相談することが重要です。
Q. 今の時代、家を買うならどんな物件がいいですか?
人口減少が進む中、全ての物件が資産になる時代ではありません。資産価値を維持しやすい物件を選ぶことが重要です。具体的には、駅からの距離が近い物件、管理状態が良いマンション、将来的にも需要が見込めるエリアの物件を選びましょう。物件選びはプロの不動産エージェントの力を借りることをおすすめします。










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30代男性