この記事で分かること
- 「家を買うのはバカ」と言われる6つの理由
- 家を買う人が選んでいる本当のメリット
- 業界17年のプロが本気で計算した中古マンション10年保有の収支
- 「家を買うのはバカ」が当てはまる失敗パターン
- 賃貸に向く人・持ち家に向く人の見分け方
著名インフルエンサーのセリフの真意から、プロが現場で見てきた成功・失敗パターン、そして自分はどちらを選ぶべきかの判断基準まで、業界17年の不動産エージェントが本音で解説します。
あなたは、「家賃がもったいないとか言って家を購入するバカって頭悪いよね」というセリフを聞いたことはありませんか?著名な経済系のインフルエンサーがよく言うセリフです。
しかし、このセリフの是非はおいておいたとしても、このセリフはある意味で、住宅に関する考え方に一石を投じるものではあります。
そこでこの記事では、業界歴17年以上に渡り、賃貸や住宅売買など、幅広い業務に携わり、数千人にもなるお客様の賃貸や売買に関わってきた現役の不動産エージェントでもある私が、このセリフから考えられる意義や、住宅に対する正しい認識について解説します。
この記事を読むことで、ご自身が賃貸にすべきか、持ち家を買うべきかの指針になります。
もし家を買うか、賃貸の方がいいのか迷っているのであれば、ぜひ最後までお読みください。

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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「家賃がもったいないとか言って家を購入するバカって頭悪いよね」と言われる理由

まず初めに、なぜ「家賃がもったいないとか言って家を購入するバカって頭悪いよね」と言われるのか。
その理由について、解説していきます。
この理由には、住宅を購入しようか迷っている方にとっても、気づきが多いものとなっています。
資産価値の下落リスク
家を購入するということは、資産を買うということになります。
不動産は物価だけではなく、相場環境などの影響を受けており、資産価値の不確実性があります。
そして現在は、都心部を中心に相場が上昇をしていて、一般的に「上がりすぎ」「今が高値」なんて考えられていること多いです。
さらに、相場を考慮せずとも、そもそも資産価値として築年数が経過すれば、資産価値としては下落するので、なぜそんな資産価値が下がるものを、わざわざ買うのかという考え方があります。
ライフプランに合わせて住み替えることができない
次に、持ち家を持つということは、ライフプランによって自由に住み替えたり、移動することができないという考え方です。
現代は、一昔前と比較して、変化の激しい時代であり、そもそも1箇所に住み続けるなんてあり得ない、という考え方です。
持ち家なんかは持たずに自由に引っ越したりできたほうがいいのではないか。
確かに人によっては、そのような価値観の人もいると思います。
自然災害リスクがある
持ち家は、自然災害のリスクに晒されるというリスクもあります。
日本は災害大国で、地震・水害など、リスクを考えればキリがありません。
そんな自然災害リスクがある中で、被害を受けたら損失が大きな家を買うなんてバカだ、という考え方です。
住宅ローンに縛られる
家を買う人の大半は、住宅ローンを利用します。
住宅ローンは長期間に渡り支払っていくもので、経済状況やご自身の収入などによって、思い通りにいかないこともあるかもしれません。
そんな時に賃貸であれば気楽だが、住宅ローンを持つと、住宅ローンに縛られてしまうという考え方です。
初期費用が高い、所有コストがかかる
家を買う時には、家そのものの価格以外にも、決して安くはない諸費用を払う必要があります。
また固定資産である家を買うことで、土地や建物に固定資産税がかかります。
諸費用は賃貸でもかかりますが、家を買うほどかかることはありません。
また固定資産税も賃貸ではかかりません。
修繕費などのランニングコストがかかる
その他にも、家を買うと、定期的なリフォームや、マンションであれば修繕積立金などのランニングコストがかかります。
物件価格に加えて、さらにランニングコストがかかるので、「家賃が安くなるからといって家を買うのはバカだ」という論理には一理あります。
賃貸であれば、そのようなコストはかからないので、実際の生活も豊かになると考える人たちも一定数いるのも事実です。
家を買う人たちの意見

ここまで、家を買う人たちを否定するような意見を紹介してきました。
しかし日本は、持ち家を推進する国であり、徐々に減ってきてはいるものの、まだまだ持ち家派が主流です。
それでは家を買う人たちは、どんな目的で、どんな気持ちがあって家を買うのでしょうか。
持ち家は資産になる
まず家を買うことの一番の理由に上がるのが、持ち家は「資産」になるという考え方です。
賃貸では、毎月支払う家賃は、大家さんの収入にはなるものの、部屋を借りている人にとっては完全な支出であり、貯蓄はもちろん、資産にはなりません。
しかし持ち家であれば、住宅ローンの金利は支出になるものの、元本部分は、資産に置き換えられていると考えられます。
それこそ、賃貸は何も残らないが、持ち家は住宅ローンが払い終われば自分のものになります。
資産はさまざまな活用方法があり、自己利用だけでなく、賃貸や売却など、ご自身のライフプランに沿って活用することで、より暮らしを豊かにできるツールにもなります。
リフォームなど、物件に対する自由度
賃貸と違って、持ち家には自由度が高いメリットがあります。
賃貸では、基本的に所有権はなく、大家さんから借りているだけなので、室内を自分で勝手にリフォームすることはできません。
例えばエアコンが元々ついている物件であれば、自分でエアコンを変えたいと思っても、大家さんが修理といえば修理になりますし、交換となっても自分が欲しいタイプのエアコンが導入されるわけではありません。
持ち家であれば、リフォームやリノベーション、設備の選択や使い方など、所有者が自由に決めることができます。
この自由度も持ち家の大きなメリットです。
子どもに資産を残せる
そして資産は引き継がれるものになりますので、子どもに資産を残すことができます。
資産は、引き継いだ子どもがそのまま利用したり、売却したりすることができ、子どもへ経済的なメリットを残すことができます。
「親として子どもに何か残してあげたい」という親心を叶えてくれます。
世帯主に何かあった時の保険になる
また、住宅ローンに付帯される団体信用生命保険があることで、世帯主に万が一のことがあった場合でも、残された家族は住む場所を確保することができます。
保険として考えても非常に割安であり、親として、一家の大黒柱として、何かあったときに残された家族のことを考えたときに、大きな安心があります。
老後の安心感
そして資産があり、そこに住むことができるということは、老後の安心感にもつながります。
長寿命化が進んでいる現代において、「長生きするリスク」なんて言葉も聞かれるようになりました。
長生きのリスクとは、長生きすることによって、生活費がかかり、貯蓄を減らしてしまい、最終的に生活が困窮してしまうというものです。
しかし持ち家があれば家賃はかかりませんので、年金で収入が減ったとして、生活ができる安心感があります。
また、高齢になるとなかなか賃貸が借りられにくくなることもあり、持ち家があることが老後の安心感に大きく貢献してくれます。
社会的な信用・マイホームを持つという満足感
持ち家を持つことに対するメリットは物質的なことだけでなく、精神的なメリットもあります。
それは社会的な信用を得られたり、マイホームを持つという満足感やステータスなど、気持ち的なメリットも多くあります。
こだわりのある我が家を自慢したいというニーズも多く、インスタグラムなどを見ていると、家のアカウントがかなり多いことに気がつくと思います。
自己満足と言われればそれまでかもしれませんが、ご自身は満足できていることには変わりありません。
これは賃貸にはない持ち家のメリットと言えるのではないでしょうか。
「家賃がもったいないとか言って家を購入するバカって頭悪いよね」は本当か?

このような持ち家にメリットがあっても、「家賃がもったいないとか言って家を購入するバカって頭悪いよね」というセリフを言う方がいるということです。
そのセリフを言う人たちに対する反論をしてみたいと思います。
ここで紹介する考え方や制度は、多くの人が知らないこともありますので、ぜひ参考にしてください。
住宅ローン減税で初期費用は削減できる
住宅ローン減税は一定の条件を満たす住宅を取得したときに受けられる、税制優遇です。
10年間、もしくは13年間、一定の金額が年末調整で戻ってくるという制度です。
住宅ローンの条件や所得などによっても変わりますが、10年間で140〜280万円もの税金が戻ってきます。
戻ってくる税金の原資は、所得税や住民税です。
賃貸に住んでいる人も平等に収めている税金ですが、住宅取得者だけが得をしている制度です。
日本が持ち家政策をとっている国で、基本的には持ち家の方が有利になるように制度設計がされています。
この住宅ローン減税は、本来の目的は金利の負担を軽くすることとなっていますが、金利が低い環境では、金利の負担分だけでなく、諸費用も削減できるほどの金額になります。
賃貸と比較して、取得時の諸費用が高いと言われがちな持ち家ですが、住宅ローン減税を考えると、賃貸とそこまで差はないのではないかと考えられます。
選ぶ物件次第で、住宅支出は削減できる
確かに持ち家は、年数が経つごとに資産価値が下がります。
しかし資産価値の目減りが少ない物件においては、例え資産価値が下がったとしても、同じような物件に賃貸で住み続けた場合と比較すると、住宅支出が削減できます。
比較しやすいように、中古マンションを購入したときと、同程度の物件に賃貸で住んだ場合を例にあげます。
中古マンション購入と賃貸の比較
とある都市部のマンションの部屋で3LDKのお部屋があります。
売買価格(成約事例)は4000万円です。
これを賃貸で住み続けた場合と比較していきます。
購入時の前提条件として、住宅ローンを30年、金利が1.5%で固定とします。
この場合の月々の支払額は138,000円になります。
このほかに修繕積立金や固定資産税などの所有コストがかかります。
(管理費については所有・賃貸どちらにもかかる費用ですので、ここでは割愛します)
これらの所有コストを月々にならすと合計で月3万円となります。
一方で賃貸でこちらの部屋を借りた場合は、同マンションの同じ間取りの部屋での成約事例によると、月々の家賃が18万円です。
これらを比較すると、月々のランニングコストは以下のようになります。
| 住宅コスト | |
| 購入した場合 | 168,000円/月 |
| 賃貸した場合 | 180,000円/月 |
購入をした方が住宅コストは安上がりになることがわかります。
次に10年後に売却したケースをシミュレーションしていきます。
仮にこのマンションが10年後に3,500万円で売れたとします。
所有している10年間にかかったコストは以下のようになります。
| 10年間の所有コスト | |
| 利息 | 約517万円 |
| 修繕積立金・固定資産税 | 約360万円 |
そして住宅ローンの残債は、当初の4,000万円からおよそ2,860万円まで減っています。
10年間の収支を計算すると、以下のようになります。
| 売却損 | 500万円 (4000万円-3500万円) |
| 支払い利息 | 517万円 |
| 所有コスト | 360万円 |
| 10年間の住宅支出 | 1,377万円 |
ちなみに3,500万円で売却しているので、住宅ローンの残債を支払っても手元に640万円が残る計算になります。
これは貯金と同じ効果があります。
持ち家が資産として考えられるのはこのようなケースです。
ちなみに資産価値がある家を買うということは、万が一途中でローンが返せない状況になったとしても、住んでいる家を売ることで一旦リセットすることができるというメリットもあるのです。
次に、購入した時の住宅支出と、賃貸でこのマンションに住み続けた場合の住宅支出を比較すると以下のようになります。
| 購入時の住宅支出 | 1,377万円 |
| 賃貸時の住宅支出 | 2,160万円 |
| 差額 | 783万円 購入した方がお得になる |
中古マンションを購入した方が、10年間の住宅支出は783万円もお得になるということになります。
分かりやすいように、10年間で期間を区切りましたが、所有期間が長くなればなるほど、住宅支出の差は大きくなります。
失業や収入減のリスクは、持ち家でも賃貸でも変わらない
失業や、病気、親の介護など、さまざまな要因によって収入減に見舞われることがあります。
賃貸派の意見として、そのようなケースに遭遇したときであっても、賃貸であれば自由に引っ越すことができるというものがあります。
これに関して私は少し懐疑的な意見を持っています。
なぜ懐疑的な意見を持っているかというと、失業などにより収入が減ったときは、賃貸も借りにくくなるからです。
基本的に賃貸も保証会社の審査があります。
失業をしていたり、予期せぬことが起こって収入が減っている時は、賃貸の審査も厳しくなり、通らないこともあります。
また持ち家であったとしても、先述したような資産価値が下がりにくい物件を選べていれば、一旦家を売却してリセットをすることもできます。
つまり、予期せぬ出来事が起こり、家計が苦しくなった時は、賃貸の方が良さそうに思えても、実際は持ち家の方が有利になることがあるのです。
住宅ローンの方が賃料よりも支払いへの自由度が高い
もし一時的に生活が苦しくなったとして、支払いについて相談するとき、持ち家と賃貸では、どちらが融通がきくと思いますか?
実は住宅ローンの方が支払いの融通が利きます。
これは金融庁の意向で、ローンを借りている人から支払いに関する相談があったときは、必ず相談に乗るよう、金融機関に通知が出ているからです。
正確には、2008年のリーマンショック後に「金融円滑化法」という法律が制定され、今ではその法律はありませんが、その基本姿勢は変えないようにお達しがあり、各金融機関はその姿勢を変えていません。
この姿勢によって、一時的な支払いのストップや返済額の減額など、金融機関は柔軟に応じてくれます。
一方で賃貸はどうでしょうか。
生活が一時的に苦しいから、「賃料の支払いを待ってください」と大家さんにお願いして、聞き入れてもらえるでしょうか。
基本的には応じてくれない大家さんがほとんどです。
なぜなら大家さんも賃料から銀行への支払いや、メンテナンス費用などのランニングコストを捻出しているからです。
このように、持ち家(住宅ローン)は自由度が低く、賃貸の方が柔軟に対応できると考えているかもしれませんが、実は持ち家の方が自由度が高いなんてこともあります。
災害リスクで住宅ローンが残ってしまった場合の救済制度
持ち家にとって、災害リスクは大敵です。
このような災害リスクがあるからこそ、持ち家に及び腰になっている人もいるくらいです。
実は、この災害リスクにおいても、持ち家の方にとって有利な仕組みがあるのです。
この制度の正式名称は「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」といい、地震や津波などで家が滅失して、住宅ローンだけが残ってしまった場合に、一定の財産を手元に残したうえで、残ったローンの減額や免除を受けられる仕組みです。
しかも、個人信用情報に金融事故として記録が残らないため、被災された方は、生活の再建がしやすくなります。
これは法律ではなく、金融機関などによる民間の自主的なルール(ガイドライン)です。2011年の東日本大震災を機に作られた仕組みをもとに、2015年に自然災害全般を対象とする現在のガイドラインが策定され、2016年4月から適用が開始されました。
ちなみにこのガイドラインは、住宅ローンだけでなく、自動車ローンや個人事業主の事業用ローンなどにも適用できます。
このような仕組みによって、災害リスクから持ち家を守る制度も確立されているのです。
「家賃がもったいないとか言って家を購入するバカって頭悪いよね」が当てはまるケース

ここまで、家を買うことのメリットを解説してきましたが、場合によっては本当に「家賃がもったいないとか言って家を購入するバカって頭悪いよね」に当てはまってしまうケースもあります。
私は、どちらかといえば、このセリフに100%反発することはなく、納得している部分もあります。
なぜなら、家を買った方が正解かどうかは、ケースバイケースとなるからです。
ここからは失敗パターンについて詳しく解説していきます。
「賃貸の方がマシ」な物件を買ってしまう
持ち家の最も失敗なパターンは、「賃貸の方がマシ」となるような物件を買ってしまうことです。
具体的には資産価値の下落が著しい物件です。
先ほどの、とある都市部の4000万円の中古マンション購入と賃貸を比較してみましょう。
仮に4000万円で購入した物件が、10年後に売却したら2,500万円で売れたというケースを考えてみます。
同じように、18万円の賃料と比較すると、毎月の住宅コストと所有コストは変わりません。
| 住宅コスト | |
| 購入した場合 | 168,000円/月 |
| 賃貸した場合 | 180,000円/月 |
| 10年間の所有コスト | |
| 利息 | 約517万円 |
| 修繕積立金・固定資産税 | 約360万円 |
しかし、住宅支出を比較すると、
| 売却損 | 1,500万円 (4000万円-2500万円) |
| 支払い利息 | 517万円 |
| 所有コスト | 360万円 |
| 10年間の住宅支出 | 2,377万円 |
という計算結果になり、それぞれの差額を比較すると、買った方が損だったことが分かります。
| 購入時の住宅支出 | 2,377万円 |
| 賃貸時の住宅支出 | 2,160万円 |
| 差額 | 217万円 購入した方が損に |
しかもこの場合、2,500万円で売却しても住宅ローンが2,860万円残っていますので、売却分との差額360万円を一括で支払うことができなければ、銀行が抵当権を外してくれないので売ることができません。
支払いが厳しくなって売却をしようとしても、売りたくても売れない状況になってしまうのです。
もし支払い状況が逼迫していてこの差額分を支払うことができない場合、任意売却や最悪の場合、競売ということにもなりかねません。
正直このような物件を購入するのではあれば、「家賃がもったいないとか言って家を購入するバカって頭悪いよね」の通りで、賃貸の方がマシだったということになります。
このように、購入する物件によって、暮らしが豊かになるか、それとも貧しくなるかが大きく変わってしまうのです。
維持管理コストが高い物件を買ってしまう
また資産価値にも連動しますが、維持管理コストが高い物件も問題です。
例えば戸建てであれば、管理状況が良くない中古戸建てを買ってしまうことや、中古マンションであれば、修繕積立金が不足して、大幅な値上げや一時金の徴収などといった憂き目に遭う物件です。
これらは見る人が見れば、しっかり見極めることもできるのですが、一般的な不動産会社は売ることが目的で、買っていい物件かどうかを見極めてアドバイスをしてくれる担当者は、ほんのごく一部です。
そもそも買って良い物件とそうでない物件の見極めすらもできない不動産業者が大多数です。
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「家賃の支払いと同じ金額で家が購入できる」を真に受ける
不動産会社のホームページや物件情報サイト、新築マンションのチラシなど、至る所で「家賃の支払いと同じ金額で家が購入できる」というキャッチコピーを見かけます。
この記事を読んでくれている聡明な読者の方であれば、そんなキャッチコピーを真に受けることはないと思いますが、それでもそのキャッチコピーを真に受けて、勢いで家を買ってしまう方も一定数います。
持ち家にするのか、賃貸にするのか、それぞれの注意点を熟慮の上、ご自身で納得できる判断の上で、どちらにするか選んだ方であれば特に問題はないのですが、総じてこのようなキャッチコピーを真に受けて、勢いとノリで住宅を購入した方は、失敗している確率が高いと言えます。
実際に私の元にはいろんな相談者がいらっしゃいますが、中には、勢いで新築マンションを契約して引き渡しも間近になって、色々熟慮した結果、後悔して売りたいというものもあります。
依頼を受けて売りには出したものの、結局希望の金額で売ることはできず、泣く泣くその新築マンションに住み続けることになりました。
住宅購入は大きな買い物で、リスクもあります。
それだけに賃貸のようなノリと勢いはいただけません。
賃貸に向く人と持ち家に向く人
ここまで「家を買うのはバカ」と言われる理由、家を買うメリット、そして失敗パターンまでお伝えしました。
それでは結局、あなたは賃貸と持ち家のどちらに向くのでしょうか。
ここでは、業界17年の経験から、賃貸を選んだほうが良い人と持ち家を選んだほうが良い人の見分け方を整理します。
賃貸に向く人
以下の項目に複数該当する方は、賃貸を選んだほうが向いているといえます。
- 転勤や転職など、住むエリアが固定されない可能性が高い人
- 結婚や出産で家族構成が大きく変わる予定がある人
- キャリアの中盤で、ライフプランがまだ定まっていない人
- 地方都市や過疎エリアで、将来の資産価値に大きな不安がある人
- 家賃補助の充実した会社員で、自己負担が極端に少ない人
- 住宅ローンの返済期間にプレッシャーを感じる人
なぜなら、ライフプランが流動的な場合、家を買ってしまうとフレキシブルな対応が難しくなり、暮らしの選択肢が狭まってしまうからです。
持ち家に向く人
一方、以下に該当する方は、持ち家を選んだほうが向いているといえます。
- 住むエリアが10年以上は固定される見通しがある人
- 住宅ローンの返済負担率が手取りの20%程度に収まる予算で家を買える人
- 資産価値が下がりにくい物件を見極められる、または良い不動産エージェントに相談できる人
- 子どもに資産を残したいという気持ちがある人
- 老後に家賃の支払い負担を残したくない人
- 住宅ローン控除や減免制度などの優遇制度を最大限活用したい人
特に「資産価値が下がりにくい物件を選べるか」が、持ち家を選ぶうえで最も重要な判断ポイントとなります。
なぜなら、本記事の中で解説した10年保有のシミュレーションのように、選ぶ物件によって「783万円お得」にも「217万円損」にもなりうるからです。
どちらか判断に迷う場合
賃貸か持ち家か、自分で判断がつきにくい場合は、信頼できる不動産エージェントに相談するのが近道です。
なぜなら、ご自身のライフプランや家族構成、収入、希望エリアなどを踏まえて、無理のない予算と、選ぶべき物件種類の方向性を一緒に整理してくれるからです。
ハウスクローバーでは、賃貸と持ち家どちらが良いかを含めて、ライフプランニングシミュレーションが無料で利用できるサービスを提供しています。
判断の材料として、ぜひご活用ください。
「家賃がもったいないとか言って家を購入するバカって頭悪いよね」にならないために

家を買って暮らしを豊かにする人もいれば、一方で家を買ったことによって「家賃がもったいないとか言って家を購入するバカって頭悪いよね」と揶揄されてしまうような状況になってしまう人もいます。
家を購入することで、暮らしを豊かにするために、どんなことに気をつければ良いのでしょうか。
ノリと勢いで家を買わない
この記事をここまで読んでくださっている方は、ノリと勢いで家を買うことはしないとは思いますが、不動産会社の魅惑的なキャッチコピーに惑わされることなく、ご自身にとって家を買うことが正解となるように、しっかり調べた上で判断するようにしましょう。
もちろん、ノリと勢いで家を買っても後悔していない人もいますが、運任せにはしないようにしましょう。
賃貸と持ち家のメリット・デメリットをしっかり把握した上で、ご自身にとって最適な判断をするようにしてください。
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無理のない予算を把握してから家を買う
無理のない予算を把握することのスタートは、あなたのライフプランから無理のない予算を計算していくことです。
多くの人が正しい予算の把握をせずに住宅購入をしてしまっています。国土交通省の「住宅市場動向調査」では、住宅ローンの返済に負担を感じている人(「非常に負担感がある」と「少し負担感がある」の合計)が6〜7割にのぼります。さらに、変動金利かつ融資率の高いローンを組むなど、金利上昇に弱い「破綻予備軍」が3割程度にのぼるという民間の分析もあります。
住宅は大きな買い物ですので、お金の失敗は取り返しがつきません。
無理のない予算を把握するためには、ライフプランニングシミュレーションを行いましょう。
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資産価値が下がりにくい物件を選ぶ
住宅購入の成功は、どんな物件を購入するかに尽きます。
これからの日本は人口減少社会において、家は余っていきます。
しかしそんな中においても全て一律に資産価値が下がるのではなく、価値が残る物件と、無価値化していく物件に二極化していきます。
先述しましたが、選ぶ物件によっては、確実にあなたの生活に豊かさをもたらしてくれますが、選ぶ物件を間違えてしまうと「賃貸の方がマシだった」なんてことになりかねません。
不動産業者の担当者選びがポイント

物件選びにしろ、予算や住宅ローンにしろ、家を買うには身につけるべき知識も多く、また知っているのと実際にできることは全く違います。
多くの方にとって、住宅購入は頻繁に経験するものではないので、知識がないのは仕方がないことです。
しかし玉石混交の不動産マーケットにおいて、買ってはいけない物件を正しく見分けることは、絶対外してはならない最重要事項です。
そこでお伝えしたいのが、住宅購入において最も大切なポイントは、不動産業者の担当者選びであるということです。
極論を言ってしまえば、担当者選びさえ間違えなければ、高品質なコンサルティングを受けながら、あなたの住宅購入を成功に導いてくれます。
一方で担当者選びをしなかったり、不動産情報サイトから問い合わせした業者がそのまま担当者になるというような運任せでは、失敗のリスクが高くなります。
そもそも不動産業者は売ることが目的の業者が大半で、本当にあなたの利益を考えて動いてくれる担当者はほとんどいません。
これは日本の不動産業界が、物件競争ばかりしていて、サービス競争が全くといって良いほど存在してこなかったことが要因です。
そんな中でどうやって優良な担当者を探せるのか。
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他にも、無理のない予算や、物件探しの自動化など、家探しに欠かせないサービスが全て一つになっています。
費用は、物件が成約した際にかかる仲介手数料のみで、サービス料やコンサルティング料はかかりません。
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よくある質問(家を買うのはバカ?のFAQ)
Q1. 「家を買うのはバカ」というのは本当ですか?
一概に正しいとも、間違いとも言えません。
なぜなら、家を買うことが「正解」になるか「失敗」になるかは、選ぶ物件と購入時の判断によって大きく変わるからです。
業界17年の経験から見ると、資産価値が下がりにくい物件を、無理のない予算で買えた人は「買って良かった」となるケースが多く、逆に資産価値の下落が著しい物件を勢いで買ってしまった人は「賃貸の方がマシだった」となる確率が高くなります。
Q2. インフルエンサーが言う「家を買うな」は正しいですか?
「働いているうちは賃貸、シニアになってから持ち家」といった意見にも、一理あります。
特に、人口減少の影響が大きい地方都市や過疎エリアでは、将来の資産価値が大きく下がる可能性があるため、慎重な判断が必要です。
一方で、都心部や、駅近で人気エリアの物件を見極めて買えるのであれば、若いうちに家を買ったほうが、住宅ローン減税や減免制度などの優遇を最大限活用できるメリットもあります。
つまり、「家を買うな」と一律に判断するのではなく、ご自身の住むエリア・物件の見極めができるかどうかで判断するのが正解と言えるでしょう。
Q3. 賃貸と持ち家、結局どちらが得なんですか?
お金の面だけで言えば、適切な物件を選んで長期保有できるなら、持ち家の方がお得になる傾向があります。
本記事の中でも、中古マンションの10年保有のシミュレーションで783万円お得になるケースをご紹介しました。
ただし、選ぶ物件を間違えると、逆に賃貸より217万円損するケースもあるため、「お金の面で必ず得」とは言い切れません。
また、お金の面以外(住み替えの柔軟性、リフォームの自由度、社会的信用など)も含めて総合的に判断する必要があります。
Q4. 「家賃の200倍の法則」とは何ですか?
「家賃の200倍の法則」とは、月家賃の200倍を、その物件の購入相場として見る業界の目安です。
例えば月15万円の家賃の物件なら、購入価格は15万円×200=3,000万円程度が同等の物件価値、ということになります。
もし購入価格が3,000万円より大幅に高ければ、賃貸の方がお得な可能性があり、逆に3,000万円より大幅に安ければ、購入の方がお得な可能性があります。
ただし、この法則はあくまで簡易的な目安ですので、最終的な判断は本格的なシミュレーションで行うことをお勧めします。
Q5. 持ち家を買って後悔する人はどんな人ですか?
業界17年の経験から見ると、持ち家で後悔する人の典型的な3パターンは以下のとおりです。
まず、ノリと勢いで物件を決めてしまい、ライフプランや無理のない予算を考えなかった人です。
次に、資産価値の下落が著しい物件(管理状況の悪い中古、修繕積立金が不足しているマンションなど)を、見極めずに買ってしまった人です。
最後に、「家賃の支払いと同じ金額で家が購入できる」というキャッチコピーを真に受けて、現実のランニングコストを把握せずに購入した人です。
これら3パターンに当てはまらなければ、後悔の確率は大幅に下がります。
Q6. 賃貸と持ち家、長期(50年)で比較するとどうなりますか?
50年スパンの一般的なシミュレーションでは、持ち家の方が1,000万円〜2,000万円ほどお得になる試算が多く見られます。
なぜなら、賃貸は50年間家賃を支払い続けるのに対し、持ち家は35年で住宅ローンが完済し、その後は管理費や固定資産税などの少額負担のみとなるためです。
ただし、これも前提条件(家賃額、物件価格、金利、修繕費)によって大きく変わるため、ご自身のライフプランと希望物件で個別にシミュレーションすることが大切です。
Q7. 災害で家がなくなった場合、住宅ローンはどうなりますか?
災害で家が滅失して住宅ローンだけが残ってしまった場合、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン(自然災害債務整理ガイドライン)」を活用することで、一定の生活資金を手元に残したうえで、残ったローンの減額や免除を受けられる可能性があります。
これは法律ではなく、金融機関などによる民間の自主的なルールで、2011年の東日本大震災を機に作られた仕組みをもとに、2015年に策定され、2016年4月から適用が開始されました。
しかも、個人信用情報に金融事故として記録が残らないため、生活の再建がしやすくなります。
意外と知られていない仕組みですが、災害大国の日本で持ち家を持つうえで、知っておきたい大切な情報です。











素晴らしい仕組み
30代男性