この記事で分かること
- 中古マンション購入から決済までの住宅ローンの全体フロー
- 事前審査・本審査でチェックされる3つの項目
- 住宅ローンの審査で落ちる原因と回避策
- 自営業者・個人事業主の住宅ローン審査の特殊性
- 信用情報機関3社の照会方法と事前チェックの仕方
- 中古マンションでも使える住宅ローン控除の条件
- 築年数が住宅ローンに与える影響(耐用年数・借入期間)
- 中古マンション購入にかかる諸費用の内訳
- 購入から引き渡しまでにかかる現実的なスケジュール
- 金融機関の選び方(メガバンク・ネット銀行・フラット35)
- 業界17年の不動産プロだけが知る、事前審査を最大限に活かす交渉術
中古マンションの住宅ローンは、流れと審査の勘所を押さえておけば、決して怖いものではありません。本文では業界17年の不動産プロの目線で、銀行員が教えてくれない裏側の事情や、本審査で落ちないための実務ポイントを、具体例を交えながら解説していきます。
中古マンションを購入する際、ほとんどの方が住宅ローンを利用することになると思います。ですが多くの方は初めての経験であり、わからないことが多いのではないでしょうか。
住宅ローンの手続きのタイミングを逃したり、準備が足りなかったりして、せっかく見つけた最高の物件が買えなくなってしまうケースもあります。そうならないためにも、中古マンションを購入する際に必要な住宅ローンのノウハウや流れを不動産のプロの目線からお伝えします。

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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中古マンションの購入を考えたら準備しておきたいこと

中古マンションの購入を考えたらまず何をすればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。物件探しなのか、物件の見学なのか、周辺相場のリサーチなのか。しかしまずすることは物件探しではなく、資金計画を立てることです。そして住宅ローンに向けた準備をすることが重要です。その理由を解説していこうと思います。
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無理なく支払える予算を把握する
銀行で借り入れする金額はいくらにすればいいのか、限度額いっぱいで組んでも問題ないのか。住宅ローンの金額で迷われる方に向けてお伝えしたいのが、銀行の住宅ローンを借りられる金額が、あなたにとって最適な住宅ローンの金額ではないということです。
借りられる金額と無理なく支払える金額は違うということを覚えておいてください。銀行の審査で通る目いっぱいの金額で住宅ローンを組んでしまうと、後々毎月の返済で苦しい生活を強いられることもあります。
子供の教育にかかるお金、マイカーローン、出産の予定等様々なライフイベントを考慮したうえで、返済金額を決定する必要があります。また、マンションの場合管理費や修繕積立金、駐車場費用等が住宅ローンの返済費用にプラスされますのでその分も考慮が必要です。
正しい予算の求め方は、あなたが過ごしたい人生に必要な支出を計算して、収入の予測を割り出し、そこから住宅支出を逆算して割り出すことです。この計算ができるのが、ファイナンシャルプランナーが提供するライフプランニングです。中古マンションの購入を考え始めたら、まずお金の戦略をたてることから始めることが、中古マンション購入で失敗しないための秘訣です。
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融資に必要な書類をそろえておく
住宅ローンの準備とは具体的にどのような書類が必要となるのでしょうか。何も知らないまま、土壇場になって慌てて揃えるのではなく、前もって準備をしておくのが理想的です。
銀行によって必要な書類は違いますが、こちらでは基本的に必要な書類をお伝えします。住宅ローンの契約を進めるにあたって様々な書類が必要になります。中には役所まで足を運ばなければいけない書類や、勤務先に用意してもらわなければならない書類もあります。そのためあらかじめどのような書類が必要になるか把握しておきましょう。
事前審査時
- 源泉徴収票の写し
- 本人確認書類の写し(免許証など)
- 健康保険証の写し
- 認印(銀行によっては実印のところも)
- 物件資料
本審査時
- 上記の資料にプラスして
- 住民票
- 印鑑証明書
- 実印
- 住民税課税決定通知書
- 物件に関する書類(売買契約書、重要事項説明書等など)
- その他銀行より請求される書類
住民票や印鑑証明書は基本的に発行してから3か月以内のものが有効とされる場合が多いです。取得時期には注意しながら用意を進めましょう。
物件に関する書類は不動産売買契約後に手に入る書類なので、不動産会社の担当に確認しながら進めていくほうがいいです。実際には条件等によって必要書類が変わる場合がありますが、上記の書類は基本的に必要となってくるものです。
最低でも事前審査に必要な書類についてはあらかじめ用意しておき、すぐに事前審査の申し込みをできる準備を整えておきましょう。
個人信用情報をチェック
個人信用情報について、一度は耳にしたことがある方もいるかもしれません。個人信用情報とは、簡単にいえばクレジットやローンについての過去の取引に関する情報のことです。クレジット会社が顧客の信用を判断するための情報となっています。
そして銀行で住宅ローンの審査をする際に、必ず照会をする情報です。こちらもあらかじめご自身で事前にチェックしておくと、安心して住宅ローンの審査に臨むことができます。
個人信用情報でよくない履歴があると、クレジット会社からの信用がなくなってしまい、新しく借入をする際に大きな壁となってしまいます。つまり住宅ローンの借り入れができなくなってしまう可能性があります。
信用情報機関は国内にシー・アイ・シー、全国銀行個人信用情報センター、日本信用情報機構の3つがあります。そしてそれぞれクレジットカード会社、銀行、消費者金融等加盟している情報機関が違います。
開示の方法は情報機関により違いがありますが、例えばシー・アイ・シーだとインターネット・郵送にて手続きができます。定められた方法によって開示手続きを事前に済ませ、内容を確認することで安心して住宅ローンの手続きに進みましょう。
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自営業者の場合は、赤字や過大経費を解消
自営業者と会社員では住宅ローンの審査の基準が違います。では一体どのような点が違うのでしょうか。
会社員の場合は給料の総年収、自営業者の場合は所得といって、総収入から経費を引いた金額が審査の基準になります。ここが会社員の方と自営業者の方の一番大きな違いになります。そのため自営業者の方は、確定申告書の内容で可能な部分についてあらかじめ準備を済ませていくほうがいいでしょう。
自営業者の場合は年収から経費を引いた所得が審査材料となります。また、確定申告書については銀行ごとに見方が違います。例えば過去3年間のうち最も所得が低い年を基準として審査するケースや、過去3年間の平均所得と直近の所得を比べ低い方を基準とするケースもあります。つまり赤字の申告書に対してはかなり厳しい見方をされてしまいます。
そのため経費を抑え、申告書の所得を高く準備しておくことが、住宅ローンの審査の重要なポイントとなります。
中古マンションを購入するときの住宅ローンの流れ

住宅ローンの準備はしたけれど、いつ審査をすればいいのか。今後どのような手続きが必要になるのか。審査のタイミングや手続きについて不安になる点も多々あると思います。ここで住宅ローンの流れと、必要となる手続きやタイミングについてお伝えしていきます。
中古マンションを探し始める前に事前審査を通しておこう
住宅ローンの事前審査はいつのタイミングですればいいのでしょうか。一般的には気に入った中古マンションを見つけて購入申し込みを出すタイミングで事前審査に出すことが多いですが、可能であれば物件を探し始める前に事前審査をしておくとよいでしょう。
物件探しはとても時間がかかります。ネットで調べ、現地を見て、物件の中を見学して、また違う物件を見て、の繰り返しです。そしてやっと最高の物件を見つけ、その後に住宅ローンの審査をはじめたとします。もしそこで審査に落ちてしまったら、また一から探し直すことになります。これでは今までに使った時間と労力が無駄になってしまいます。
その他にも、人気物件の場合、一度に何件か購入申し込みが入ることもあります。売主や売主側の仲介業者によって変わりますが、購入申し込みを出した順番と合わせて事前審査が通っている順番になることもあります。前もって事前審査を通しておけば、交渉上有利になることもあります。
事前審査をしたからといって費用がかかったり、必ず審査を通した銀行で融資を受けなければいけないわけではありません。物件資料は不動産会社に協力してもらい、サンプルの資料を頂き審査を進めましょう。事前審査の結果は早ければ3日~5日程で出ます。
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気になる物件が見つかれば、商談と同時に事前審査
銀行の借入条件は、物件によってかわります。そのため気になる物件が見つかれば、その段階でその物件資料を使い事前審査を通します。契約が終わり次第すぐに本審査を受けられるように、事前審査はできるだけ早い段階で済ませておきましょう。物件資料に関しては、不動産会社に協力してもらえるとスムーズに進められます。
中古マンションの契約が終われば、本審査
契約が終わればいよいよ次は本審査となります。本審査では事前審査とは違いもっと細かい部分まで審査をすることになります。事前審査では返済能力についての審査が主の部分になりますが、本審査では担保となる物件や、本人の健康状態について等についても細かく審査が行われます。
銀行の担当者より必要書類の案内がありますので、それに従って必要書類をそろえていきましょう。本審査は銀行によりますが大体1~2週間程度かかります。足りない資料があると審査が止まってしまい、全てのスケジュールが後ろ倒しになってしまう可能性もあります。
特に契約書に融資特約といって、本審査で落ちてしまった場合、期限内であれば白紙撤回できる特約がつきますので、期限内に回答を得られるように前倒しで準備を進め、早めに本審査手続きに進むようにしましょう。
本審査のタイミングで、団体信用生命保険の告知書を記入します。事前に健康に不安がある際は担当者に知らせておきましょう。内容によっては金利が上乗せになる緩和型とよばれるタイプのものや、最悪団体信用生命保険がなくても借りられる金融機関に変更する可能性もあるからです。
本審査が承認になれば、銀行と金銭消費貸借契約
本審査が通過すれば次は銀行と金銭消費貸借契約を結ばなければなりません。この金銭消費貸借契約についてはあまり耳にしない言葉だとは思いますが、簡単にご説明すると、「銀行とのお金の貸し借りの契約」になります。契約書の中には返済期間や利息、返済条件について等が記載されています。
この金銭消費貸借契約手続きによって、金融機関に購入する不動産を担保として差し入れる契約「抵当権設定契約」が結ばれることになります。抵当権設定契約とは、もし住宅ローンの返済ができなくなった場合に、その物件を金融機関に競売にかけられてしまう、という契約です。
そして金銭消費貸借契約時にいつ住宅ローンを実行するかも確定することになります。不動産会社の担当と物件の引き渡し時期等について打ち合わせをしてから契約に進みましょう。
またこの銀行との金銭消費貸借契約の際に、新住所の住民票と印鑑証明書の提出を求められます。特段理由がない限りは、事前に移しておいた方が手続き的には楽です。すぐに住民票を動かすことができないときは、早めに銀行の担当者に相談するようにしてください。
物件の引渡しを受けると同時に住宅ローンが実行
住宅ローンのお金が入ってくるのは物件の引き渡しと同時になります。物件の決済・引き渡しは通常銀行にて行います。というのも司法書士が登記移転書類を確認してからでないと、銀行は住宅ローンを実行することができないからです。
そのため銀行にて売主・買主のいる前で司法書士が書類を確認し、確認が終わり次第住宅ローンが実行される流れとなります。実際にはご自身の口座に銀行から住宅ローンの金額が振り込まれ、そこから売主の口座に振り込むので現金が目の前で動くわけではありません。
住宅ローンでよく受ける質問

住宅ローンについて様々な疑問があると思います。その中でも質問が多い事項についてお答えしていきます。
事前審査をして売買契約。あとから銀行を変えるのアリ?
事前審査を一度したら、その銀行で住宅ローンを組まないといけないのでは。そう思われるかたも多いですが、結論からお話するとアリです。なぜなら事前審査をしたからといって銀行と契約したわけではありませんし、違約となるわけでもないからです。
ただし銀行によって事前審査の基準は違いますので、銀行を変えたことにより事前審査を通らなくなる可能性もあります。その場合は再度違う銀行で事前審査を受けなおさなければならず、時間と労力を浪費することになってしまいます。
そのため事前審査の段階で複数の銀行にあらかじめ審査を通しておき、契約後に事前審査を通過した銀行の中から選ぶのが効率的です。ただし事前審査に出す金融機関が多すぎると審査に悪影響があるので、2、3行くらいにしておくとよいでしょう。
本審査で落ちてしまったらどうなるの?
その場合は他の銀行での事前審査からもう一度やり直す形になります。本審査が通過しないと手続きは先に進みませんので、できるだけ早く、再度違う銀行での手続きを進める必要があります。
また落ちてしまった理由によっては、金融機関を変えても結果は変わらないこともあるので、不動産エージェントとよく相談するようにしてください。
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本審査で落ちるのはどんな時?
事前審査では通過したのに、なぜ本審査で落ちてしまうのか。何が原因となってしまうのか。そういう疑問を持たれる方も多いと思います。それでは大きな要因となる事象について解説していきます。
事前審査の内容と本審査時の内容が大きく違う場合
例えば事前審査と本審査の間に転職したとか、事前の申し込み内容と状況が大きく変わっている場合は、本審査で落ちてしまうことがあります。
事前審査通過後に新たな借り入れをした場合
例えば住宅購入前にマイカーローンを使い車を購入している場合、銀行はその借入を加味した上で借入可能金額を算出します。そのため事前審査時には承認されていた金額が本審査時におりない可能性があります。
またこのケースでは買主に過失があると考えられるため、融資特約の対象とならないので、事前審査から本審査が終わるまでは、新たな借り入れやキャッシングはしないようにしましょう。
団体信用生命保険に加入できなかった場合
通常の銀行ローンでは団体信用生命保険への加入が義務づけられています。団体信用生命保険とは、住宅ローン返済中に万が一のことがあった場合に保険金によって残りの住宅ローンが全て弁済される制度のことです。
加入するためには告知書に記入し、審査を受けなければなりません。そこで虚偽の報告をしたり、過去や現在の病気により審査が通らない場合は住宅ローン自体も組めないということになります。こういった場合は、緩和型と呼ばれる団体信用生命保険に加入するか、団体信用生命保険が必須でない金融機関で申請をしなおすことになります。
中古マンションでも使える住宅ローン控除の条件
住宅ローンを組んで中古マンションを購入する場合、忘れてはいけないのが住宅ローン控除です。中古マンションでもこの制度を活用すれば、毎年支払う所得税・住民税から一定の金額が戻ってくる仕組みになっています。
中古マンションで住宅ローン控除を受けるための主な条件
中古マンションで住宅ローン控除を受けるためには、新築とは異なる条件をクリアする必要があります。代表的な要件は次のとおりです。
- 自分が住むための住宅であること(投資用は対象外)
- 床面積が50㎡以上であること(合計所得金額1,000万円以下の方は40㎡以上に緩和)
- 住宅ローンの返済期間が10年以上残っていること
- 取得後6ヶ月以内に入居し、控除を受ける各年の年末まで住んでいること
- 登記簿上の建築日付が昭和57年(1982年)1月1日以後の住宅であること(新耐震基準)
- 上記に該当しない場合は「耐震基準適合証明書」「住宅性能評価書(耐震等級1以上)」「既存住宅売買瑕疵保険」のいずれかを取得すること
旧耐震基準のマンション(1981年5月以前の建築確認)を購入する場合は、耐震基準適合証明書の取得などが追加で必要になります。書類取得には1〜2週間以上かかることもあるので、内覧の段階から不動産会社に確認しておくと安心です。
控除額の目安
控除額は「年末時点の住宅ローン残高 × 0.7%」で計算されます。控除期間は、中古マンションの場合は原則10年間です(省エネ性能の高い住宅は13年間)。
ただし、控除の対象となる住宅ローン残高には上限があります。省エネ基準などを満たさない一般的な中古マンションでは、この上限が2,000万円のため、年間で最大14万円・10年間で最大140万円程度が還付の目安となります。省エネ基準を満たす住宅などは、この上限が引き上げられます。
注意したいのは、住宅ローン控除はあくまで「払った税金を上限とした還付」だという点です。所得税が少ない方は控除の枠を使い切れない場合があります。共働きでペアローンを組む選択肢も含めて、住宅ローンの組み方を検討するときに同時に考えておきたいポイントです。
築年数が住宅ローンに与える影響
中古マンションの場合、新築と決定的に違うのが築年数による住宅ローンへの影響です。築年数が古くなるほど、借入条件が厳しくなることを覚えておく必要があります。
築年数が借入期間に影響する
マンションは構造上の法定耐用年数が47年(鉄筋コンクリート造の場合)と定められており、銀行はこの耐用年数を意識して借入期間を判断します。一般的には次のような考え方が多いです。
- 「耐用年数 - 築年数」を借入可能期間の目安とする
- 築20年であれば、47年 - 20年 = 27年が借入期間の上限となるケースがある
- 築年数によっては希望の35年ローンが組めず、月々の返済額が増える
ただしすべての金融機関がこの計算式を採用しているわけではありません。築古マンションでも35年ローンを認める金融機関もあるため、複数の銀行に当たることが大切です。
築古マンションは担保評価が下がる
築年数が古くなるほど、銀行から見た物件の担保価値も下がります。担保評価が物件価格を下回ると、その差額分はローンが組めず自己資金で補う必要が出てきます。「物件価格は3,000万円なのに、担保評価が2,500万円しかつかず、500万円を頭金で用意しなければならない」というケースが実際に起こります。
築40年以上の物件を検討している方は、購入を決める前に必ず金融機関に物件の担保評価を確認してもらうとよいです。
フラット35で築古マンションを買う場合
フラット35で中古マンションを購入する場合、原則として「適合証明書」が必要になります。適合証明書は、住宅金融支援機構の定める技術基準(耐震性・劣化対策など)を満たしていることを証明する書類で、物件検査を受けて取得します。
ただし、機構が事前に技術基準への適合を確認した「中古マンションらくらくフラット35」の対象マンションであれば、物件検査が省略でき、手続きがスムーズに進みます。物件検査が必要な場合は数万円程度の検査費用がかかり、技術基準を満たさない物件はフラット35の対象外となります。
築古物件を狙う方は、対象マンションかどうかを早めに確認するとともに、フラット35以外の選択肢(民間金融機関の住宅ローン)も並行して検討しておくと安全です。
中古マンション購入にかかる諸費用
中古マンションの購入では、物件価格以外にもさまざまな諸費用が発生します。住宅ローンの計画を立てるときは、この諸費用も含めて資金計画を考える必要があります。
中古マンション購入時の主な諸費用は次のとおりです。
- 仲介手数料(物件価格の3% + 6万円 + 消費税が上限)
- 印紙税(売買契約書・金銭消費貸借契約書に貼付)
- 登記費用(所有権移転登記・抵当権設定登記、司法書士報酬を含む)
- 住宅ローン事務手数料・保証料(銀行により大きく異なる)
- 火災保険料・地震保険料
- 固定資産税・都市計画税の精算金(売主と日割り計算)
- 修繕積立基金(一部マンションのみ)
- 引越し費用・家具家電購入費
合計すると、物件価格の6〜10%程度を諸費用として見ておく必要があります。3,000万円のマンションなら180万〜300万円が目安です。
諸費用の一部は住宅ローンに組み込める(諸費用ローン)金融機関もありますが、その分借入額が増えて返済が重くなるため、できるだけ自己資金で用意するのが理想です。
頭金を入れるか、フルローンで組むかの判断は、自己資金の余力と毎月返済額のバランスで決めます。手元資金を全て頭金に入れてしまうと、入居後の生活費や予備費が不足するリスクもあります。私の経験上、手元には少なくとも生活費6ヶ月分程度の現金を残しておくことをおすすめしています。
中古マンション購入から引き渡しまでのスケジュール感
「中古マンション購入の流れ」で検索する方が一番気になるのが、購入から引き渡しまでにどれくらいの期間がかかるのかという点だと思います。業界17年の経験から見えてきた、現実的なスケジュール感をお伝えします。
中古マンション購入の標準的なスケジュールは次のような流れになります。
- 資金計画・事前審査の準備:1〜2週間
- 物件探し・内覧:1〜3ヶ月(人によって大きく変わる)
- 購入申し込み〜売買契約:1〜2週間
- 本審査・金銭消費貸借契約:2〜3週間
- 物件決済・引き渡し:契約後1〜2ヶ月
物件を探し始めてから引き渡しまでの全体期間としては、早い方で3ヶ月、平均で4〜6ヶ月、じっくり探す方で半年〜1年というのが目安です。物件探しの期間が人によって大きく変わるため、全体期間にも幅が出ます。
ここで一番重要なのは、売買契約後から引き渡しまでの期間は売主との合意で決まるという点です。売主が現在住んでいる「居住中物件」の場合、売主の引越し先が決まるまで引き渡し日が確定しないことが多く、契約から引き渡しまで2〜3ヶ月かかるケースもあります。
退去時期に余裕を持ちたい方や、住宅ローン控除のために年内入居を狙う方は、契約のタイミングを逆算して動く必要があります。
中古マンションの金融機関選びの観点
中古マンションの住宅ローンを組むとき、どの金融機関を選ぶかは月々の返済額に大きく影響します。主な選択肢と特徴は次のとおりです。
- メガバンク(三菱UFJ・三井住友・みずほ):金利は競争力あり、対面相談が可能、審査は比較的厳しめ
- ネット銀行(auじぶん銀行・住信SBI・楽天など):金利が最も低い傾向、手続きはオンライン、審査は機械的で柔軟性に欠ける場合あり
- 地方銀行・信用金庫:地域密着で個別事情を汲んでくれる、金利は若干高め
- フラット35(住宅金融支援機構):全期間固定金利、団信任意加入、適合証明書が必要
築年数の古い中古マンションでは、メガバンクで断られたけれどネット銀行で通った、フラット35なら長期固定で組めた、というケースもあります。1行で諦めず、事前審査は最低でも2〜3行に出すことを強くおすすめします。
また、変動金利と全期間固定金利のどちらを選ぶかも大きな判断ポイントになります。金利が低いうちは変動金利の方が返済額を抑えられますが、将来の金利上昇リスクを取ることになります。自分が金利上昇に耐えられる返済比率かどうかを冷静に確認してから決めましょう。
中古マンション購入・住宅ローン手続きのチェックリスト
中古マンション購入時に、住宅ローンで失敗しないためのチェックリストを段階別にまとめます。スマホで開いて1つずつ確認しながら進めてみてください。
事前審査の前にチェック
- ファイナンシャルプランナーなどに相談してライフプランを作った
- 月々の返済額の上限を決めた(手取りの25%以内が目安)
- 自己資金から諸費用分(物件価格の6〜10%)を確保した
- 個人信用情報(CIC・KSC・JICC)を開示して確認した
- マイカーローン・カードローン・リボ払いの残債を整理した
- 自営業の場合は直近3年の確定申告書をそろえた
- 源泉徴収票・健康保険証など事前審査の必要書類をそろえた
売買契約の前にチェック
- 事前審査を最低2〜3行で通した
- 物件の築年数と借入可能期間を金融機関に確認した
- 中古マンションの住宅ローン控除の要件を確認した
- 旧耐震の場合は耐震基準適合証明書の取得が可能か確認した
- フラット35を使う場合は適合証明書が取得できる物件か確認した
- 売買契約書に融資特約(白紙解除特約)の条文が入っていることを確認した
決済の前にチェック
- 本審査の必要書類を期限内に提出した
- 団体信用生命保険の告知書を正確に記入した
- 諸費用(仲介手数料・登記費用・火災保険など)の支払い方法を確認した
- 固定資産税・管理費の精算額を売主と確認した
- 引越し日・住民票異動・公共料金の手続きを段取りした
- 引き渡し当日の銀行・司法書士・売主・買主の集合場所と時間を確認した
住宅ローンは備えあれば憂いなし
住宅を安心して購入するためには、住宅ローンの手続きをいかにスムーズに進めるかが非常に大きなポイントとなります。書類や時間が足りなくなって慌てたりしないよう、事前に不動産エージェントと情報を共有しながら進めていくようにしましょう。
中古マンションの住宅ローンは、流れと審査のポイントさえ押さえておけば決して難しいものではありません。事前審査を早めに、複数行で。書類は前もって。個人信用情報は事前にチェック。この3つを守るだけで、本審査で慌てるケースは大きく減らせます。
業界17年の経験から見てきたのは、住宅ローンで失敗する方の多くが「タイミングを逃した」「銀行を1行しか試さなかった」「諸費用を計算に入れていなかった」という同じパターンに陥っているということです。逆に言えば、これらを事前に潰しておけば、住宅ローンは中古マンション購入の心強い味方になります。
物件の決済日まではいくつもの手続きが並行して進みますが、不動産エージェントと連携して一つひとつ確実に進めていけば、必ずゴールにたどり着けます。
信頼できる不動産担当者を探すなら
中古マンションの住宅ローンを通すには、銀行任せにせず、信頼できる不動産担当者と一緒に進めることが何より大切です。
物件によって借入条件は変わり、金融機関ごとに審査基準も違います。経験豊富な担当者がいるかいないかで、ローンが通るかどうか、金利の交渉ができるかどうか、引き渡しまでスムーズに進むかどうかが大きく変わってきます。
ところが日本の不動産業界では物件競争ばかりで、サービス競争がほとんど行われてこなかった経緯があり、本当にお客様の利益を考えて動いてくれる担当者を自力で見つけるのは簡単ではありません。
そこで活用していただきたいのが、私が企画運営をしているハウスクローバーです。
ハウスクローバーは、面談を通過した全国の優秀な不動産担当者のみを掲載しているマッチングプラットフォームです。私自身も現役のプロとして、掲載前に必ず面談を行い、良い担当者だけを選別しています。
エリア・得意物件・取扱実績・業界歴から、自分に合う担当者を選ぶことができます。さらに、無理のない予算を割り出すライフプランシミュレーションや、希望条件に合う物件の新着自動通知、マンション管理組合調査など、家探しに欠かせない機能が一つにまとまっています。
費用は、物件が成約した際の仲介手数料のみで、サービス料やコンサルティング料は一切かかりません。
中古マンションの購入を本気で考えはじめた方は、ぜひハウスクローバーをご活用ください。
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よくある質問
中古マンションは新築よりも住宅ローン審査が厳しいのですか?
中古マンションの方が新築よりも審査が厳しくなる傾向はあります。理由は担保評価が新築より低くなるためで、特に築年数が古い物件ほどこの傾向が強くなります。ただし審査基準は金融機関ごとに大きく違うため、1行で断られても他行では通るケースは多くあります。
築年数が古いマンションでも住宅ローンは組めますか?
築40年以上の物件でも住宅ローンを組むことは可能です。ただし借入期間が短くなる、担保評価が物件価格を下回る、フラット35では適合証明書が必要、といった条件が付くことが多いです。築古物件を狙う場合は、複数の金融機関に事前審査を出して条件を比較するのが鉄則です。
頭金なしで中古マンションを購入できますか?
頭金なし(フルローン)で中古マンションを購入することは可能です。ただし金融機関の審査は厳しくなり、金利も若干上乗せされる場合があります。また、諸費用(物件価格の6〜10%)は手元資金で用意する必要があるため、完全に手元資金ゼロでの購入は現実的に難しいです。
中古マンションでも住宅ローン控除は使えますか?
中古マンションでも住宅ローン控除は使えます。床面積50㎡以上(合計所得1,000万円以下の方は40㎡以上に緩和)、新耐震基準(1982年1月以後の建築)、ローン返済期間10年以上などの条件を満たすことが必要です。旧耐震の物件でも耐震基準適合証明書を取得すれば対象になります。
中古マンション購入から引き渡しまで、どれくらいの期間がかかりますか?
物件探しを始めてから引き渡しまでは、早い方で3ヶ月、平均で4〜6ヶ月、じっくり探す方で半年〜1年が目安です。売買契約から引き渡しまでは1〜2ヶ月程度ですが、居住中の売主の場合は引越し先の確保で時間がかかるケースもあります。
フラット35は中古マンションでも使えますか?
フラット35は中古マンションでも使えます。ただし、中古マンションの場合は原則として「適合証明書」が必要で、物件検査を受けて取得します。機構が事前に基準適合を確認した「中古マンションらくらくフラット35」の対象マンションであれば、物件検査は省略できます。技術基準を満たさない物件はフラット35の対象外となるため、フラット35を希望する場合は、対象になる物件かどうかを早めに不動産会社へ確認してください。
住宅ローンの事前審査は、何行くらいに出すべきですか?
事前審査は2〜3行に出すのが目安です。1行だけだと否決された時の予備がなく、5行以上に出すと信用情報に複数の照会履歴が残って審査に悪影響を与える可能性があります。本命の銀行と保険の銀行をバランスよく組み合わせて、複数の選択肢を持っておくのが安全です。









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