この記事で分かること
- 土地だけで住宅ローンは組めるのか
- 土地を先に購入するときのローン(土地先行融資・つなぎ融資)の違いと選び方
- 土地を先に押さえる方法と購入のタイミング
- 土地から購入して家を建てるときのローンの流れと審査の注意点
土地を先に購入して家を建てる場合、住宅ローンは「土地と建物がセット」であることが前提のため、土地だけを通常の住宅ローンで買うことは原則できません。そこで使うのが、土地先行融資やつなぎ融資といった仕組みです。
この記事では、不動産業界歴17年の現役エージェントである私が、土地を先に買うときのローンの流れ、土地先行融資とつなぎ融資の違いと選び方、審査で気を付けるポイントまで解説します。

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
▶︎▶︎ このエージェントに相談する ◀︎◀︎
公式LINE@に友だち登録すると
住宅ローンは土地と建物セットが前提
多くの金融機関では、土地のみのローンは貸してくれないこともあります。これは金融機関があくまでも「住宅」ローンとして位置付けているからです。
土地のみでは人は生活できません。必ず建物が必要です。こうした理由から土地のみのローンは成立しにくくなっています。住宅ローンは土地と建物がセットであることを覚えておきましょう。
土地だけで住宅ローンは組める?土地を先に押さえる方法とタイミング
「気に入った土地が見つかったけれど、まだ建てる家は決まっていない。土地だけ先にローンで買えるの?」という疑問はとても多いです。
土地だけでは通常の住宅ローンは使えない
前述のとおり、住宅ローンは土地と建物がセットで、最終的にそこに住むことが前提です。そのため、建物の計画がない「土地だけの購入」には、原則として通常の住宅ローンは使えません。
それでも土地を先に買いたい場合に使うのが、後で詳しく説明する土地先行融資やつなぎ融資です。これらは「いずれその土地に家を建てて住む」ことを前提に、土地の代金を先に融資してもらう仕組みです。なお、純粋に土地だけを取得する(家を建てない)目的では、金利の高い「フリーローン」や「不動産担保ローン」などになり、住宅ローンのような低金利は使えません。
土地を先に押さえる方法
良い土地はすぐに売れてしまうため、見つけたら早く確保したいところです。土地を押さえる流れは中古住宅などと同じで、購入の意思を示す購入申込書(買付)を提出し、売主と条件がまとまったら売買契約を結び、手付金を支払います。
このとき必ず確認したいのが、住宅ローン特約(融資が承認されなかった場合に契約を白紙に戻せる特約)を付けられるかです。土地先行融資やつなぎ融資の事前審査を通したうえで契約に進むと安心です。
土地購入のタイミング
土地は「良い土地に出会えたタイミング」で動くのが基本ですが、家を建てる以上、建築会社やおおよその建物プラン・総予算の見通しが立ってから土地を契約するのが理想です。土地だけ先に決めてしまうと、後から建物の予算が膨らみ、総額が予算オーバーになることがあるためです。土地と建物の総予算を先に把握しておきましょう。
-
住宅購入に失敗しないための仕組み|ハウスクローバー
詳細はこちら
土地を先に購入する時はどんなローンになる?

土地だけでは金融機関はローンを組んでくれないことがわかりました。しかし土地を先に購入して注文住宅を建築するケースもあります。建築条件付の土地取引も一般的です。
こうした場合はどのようなローンになるのでしょうか。こうした土地取引に備えて金融機関は土地先行融資とつなぎ融資といった手段を用意しています。
土地先行融資
土地先行融資はまず土地建物全体の融資審査を受けます。土地の売買契約などで融資が必要であれば、その分を先行して融資してもらうのです。
そして建物が完成して建物代金を融資で賄う必要が生じたタイミングで建物部分の融資を受けます。土地建物の融資枠は最初の審査の段階で確保してあるため、建物部分の融資を受ける段階では大掛かりな審査は必要ありません。
つなぎ融資
つなぎ融資は融資が必要になった都度、お金を借りる融資の形態です。まず土地代金が必要になったら土地代金分の融資を受けます。
建物の完成前に手付金や中間金が必要となればそれもその都度融資を受けます。そして建物が完成した際に本審査を受けるのです。建物が完成した段階で融資を受け、これまでのつなぎ融資を返済するシステムとなります。
資金需要のたびに融資を受けられるのでまとまった金額が何度も必要な場合には便利な融資です。一方、つなぎ融資の金利は通常の住宅ローンよりも高めに設定されています。その分金利負担が大きくなるのがデメリットです。
-
登録情報からあなたに最適な金融機関を選んでくれるサービス
詳細はこちら
土地先行融資とつなぎ融資、どちらを選ぶ?
土地を先に購入するときの方法として、土地先行融資とつなぎ融資の2つを紹介しましたが、それぞれにメリット・デメリットがあります。どちらを選ぶかの判断材料を整理します。
土地先行融資
土地分を住宅ローン(本融資)の一部として先に実行し、後から建物分を実行する方法です。
メリットは、最初から住宅ローンの金利が適用されるため、つなぎ融資より金利が低く抑えられること。デメリットは、取り扱う金融機関が限られること、土地と建物で2回に分けて融資を実行する分、契約や登記の手間・費用がかかる場合があることです。
つなぎ融資
建物が完成して住宅ローンが実行されるまでの間を「つなぐ」ための短期の融資です。土地代金だけでなく、着工金・中間金など、住宅ローン実行前に必要なお金にも対応できます。
メリットは、支払いのタイミングに柔軟に対応できること。デメリットは、金利が住宅ローンより高めで、別途事務手数料もかかること、最終的に住宅ローンが実行されるまでの一時的な負担になることです。
どちらを選ぶか
金利をできるだけ抑えたいなら土地先行融資、着工金や中間金など建築途中の支払いが多く柔軟さを求めるならつなぎ融資、というのが基本的な考え方です。ただし、どちらを使えるかは金融機関や商品によって異なり、そもそも対応していない銀行もあります。利用できる金融機関と条件を、早い段階で確認しておくことが大切です。
-
登録情報からあなたに最適な金融機関を選んでくれるサービス
詳細はこちら
土地を購入して建物を建てる時のローンの流れ

分譲マンションや建売住宅などの建物部分が完成している場合のローンと違って、土地取得と建物取得のタイミングが異なる融資は複雑になります。ここでは土地先行融資とつなぎ融資のローンの流れについて詳しく見ていきます。
土地購入時に計画も提出
土地先行融資もつなぎ融資も土地購入段階でどのような建物を建てるのか計画を立てておきます。そしてこの計画を審査の際に金融機関にも提出します。
この段階では建物の詳細な計画は決定していなくても構いません。設計段階で設備を追加したり、不要な部分を削ったりすることは一般的です。
建物部分を少し割高に見て融資枠を少しだけ大きめにとっておくとよいでしょう。土地先行融資の場合はこの段階で本審査となります。
土地購入前後に建物の詳細設計へ
土地購入と前後して建物の詳細設計に入ります。土地を購入すると土地先行融資、つなぎ融資のいずれでもローンがスタートします。
アパートなどに住んでいる場合には家賃とローンの二重払いの状態となります。この期間はなるべく少ないほうが有利です。詳細設計が終われば建築がスタートします。つなぎ融資の場合は手付金や中間金も借りることが可能です。
建物完成後建物ローンを申請
建物が完成したら住宅メーカーや工務店に残金を支払う必要があります。いずれの融資でもこのタイミングで建物支払いのための融資を受けることになります。
土地先行融資の場合、元々建物も含めた全体の融資枠が確保されているため融資が迅速に実行されます。つなぎ融資の場合は借り換えによって一旦つなぎ融資を返済する形です。
そして土地建物一体としての融資を新規に契約します。土地先行融資とつなぎ融資は建物完成後にはお互い類似した融資形態ですが、建物完成前の融資形態が若干異なります。
こちらもCHECK
-

土地購入から新築、入居までの流れをおさえておこう
続きを見る
土地を先に購入するときのローン審査で気を付けることは?

融資形態には土地先行融資とつなぎ融資があることがわかりました。ではこれらの融資審査を受ける際にはどんな点に気をつければよいでしょうか。
また必要とする資金、スケジュールも大事になってきます。融資は30年や35年と長期間付き合っていかなくてはなりません。ローンで苦しまないように注意点をしっかりと押さえましょう。
どれだけの資金が必要か?
まずは必要となる資金の総額を把握します。不動産の売買や新築住宅の建築には土地価格や建物価格だけでは足りません。仲介手数料、登記手数料といった諸経費、不動産取得税など避けて通れない経費もあります。
また、新しい生活を始めるために家具や家電品、カーテンやカーペットといった日用品も必要になります。資金にはこうした付随する費用もいれて計算をしましょう。万一忘れると後で苦労することになります。
自分の融資限度額と支払可能額がどれほどか?
金融機関がどれくらいの金額まで貸してくれるかが重要となります。年齢や収入によっては、審査の結果自分の望む融資額まで貸してもらえないこともあります。
金融機関の担当者に確認してみましょう。また融資限度額とは別に自分の支払可能額も考えましょう。支払可能額は年収の5倍までとか、月々の手取り額の25%までといった目安が示されています。
これはあくまでも平均的な支払可能額です。これらを基準に自分の収入や家族構成などを勘案してどれくらいの支払いに耐えることができるかを考えましょう。
-
無理のない予算か、リスク度をAIが判定してくれるサービス
シミュレーションしてみる
手持ち資金がいくらあるか?
手持ち資金の額によってローンの金額も決まってきます。手持ち資金は頭金にもでき、不動産の諸経費の支払いにも何にでも転用可能です。
手持ち資金が多いほうが便利なのは言うまでもありません。この手持ち資金には自分や家族の資金以外にも親からの援助も含まれます。
手持ち資金は出来る限り活用したほうがよいのですが、使い過ぎには注意が必要です。子どもの教育資金などの将来的に使用することが決まっているお金はなるべく手を付けないようにしましょう。
つなぎ融資が利用できるか
つなぎ融資が利用できるかも大事です。つなぎ融資が使えると建物の手付金や中間金なども融資でカバーすることができます。借りる側には便利なつなぎ融資ですが、もちろん注意点も。
まずは金利が高くなるので支払いは大きな負担となります。また、建物完成時には借り換えが必要になるので手続きが煩雑です。こうした点に注意すればつなぎ融資は有効な方法になります。
土地や建物決済のスケジュール
決済のスケジュールを確認していつ頃、どれくらいのお金が必要になるか把握しておきましょう。土地と建物を別々のタイミングで購入する場合、土地の手付金、土地の残金、建物の手付金、建物の残金が必要です。
これとは別に建物の中間金が必要になる場合もあります。タイミングよくお金を準備できるようにスケジュールを立てましょう。
こちらもCHECK
-

土地購入で失敗しないための選び方、11のポイント
続きを見る
住宅ローン控除と土地の関係
土地を先に購入する場合に見落としがちなのが、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)との関係です。
住宅ローン控除は建物に対する制度というイメージがありますが、一定の要件を満たせば、土地の取得にかかる借入金も控除の対象に含めることができます。
ただし、土地分を控除の対象にするにはいくつかの条件があります。代表的なのは、土地を取得してから一定期間内(おおむね2年以内)にその土地の上に住宅を新築して住むこと、土地の借入金にも抵当権が設定されていることなどです(出典:国税庁 タックスアンサーNo.1225)。
つまり、土地だけ先に買って何年も建物を建てずに放置すると、土地分が控除の対象から外れてしまう可能性があります。土地を先に購入する場合は、建築のスケジュールも含めて、控除の要件を満たせるかを事前に確認しておきましょう。
控除の要件は年度の税制改正で変わることもあるため、最新の条件は国税庁の情報や、金融機関・税理士に確認するのが確実です。
-
全国の担当者が探せる、住宅購入に失敗しない仕組み|ハウスクローバー
詳細はこちら
土地を先に購入するときのチェックリスト
土地から購入して家を建てるときは、次のポイントを確認しておきましょう。
- 土地だけでは通常の住宅ローンが使えないこと(土地先行融資・つなぎ融資で対応)を理解しているか
- 土地と建物を合わせた総予算を、先に把握できているか
- 利用したい金融機関が、土地先行融資またはつなぎ融資に対応しているか確認したか
- 土地先行融資とつなぎ融資、自分の支払いスケジュールに合うのはどちらか検討したか
- 土地の売買契約に住宅ローン特約を付けられるか、事前審査を通したか
- つなぎ融資を使う場合、金利や事務手数料などの追加コストを確認したか
- 土地分も住宅ローン控除の対象にするための要件(取得後一定期間内の建築・居住)を確認したか
- 土地探しと住宅会社探しを並行し、信頼できる担当者に相談できているか
まとめ
最後に土地を先に購入して、あとから新築する時の住宅ローンの流れや審査についての注意点についてまとめておきます。
- 住宅ローンは土地と建物セットが前提
- 土地先行融資とつなぎ融資の2種類がある
- つなぎ融資は、手付金や中間金などの支払いにも対応できるが、金利が高め
- 土地の審査と一緒に建物の審査も行う
- 資金計画をしっかり立てておくことが重要
これらのことを踏まえて、土地探しや住宅会社探しを行うようにしてください。
-
不動産担当者・エージェントが探せる|ハウスクローバー
詳細はこちら

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
▶︎▶︎ このエージェントに相談する ◀︎◀︎
よくある質問
Q1:土地だけで住宅ローンは組めますか?
原則として組めません。住宅ローンは土地と建物がセットで、最終的にそこに住むことが前提だからです。土地を先に買いたい場合は、土地先行融資やつなぎ融資を使います。家を建てない純粋な土地購入では、金利の高いフリーローンや不動産担保ローンになります。
Q2:土地先行融資とつなぎ融資の違いは何ですか?
土地先行融資は、土地分を住宅ローン(本融資)の一部として先に実行する方法で、金利が低いのが利点です。つなぎ融資は、住宅ローン実行までの間を一時的につなぐ短期の融資で、着工金・中間金にも対応できる反面、金利が高めです。どちらを使えるかは金融機関によります。
Q3:良い土地を先に押さえるにはどうすればいいですか?
中古住宅などと同じく、購入申込書(買付)を出し、条件がまとまったら売買契約を結んで手付金を支払います。必ず住宅ローン特約を付けられるか確認し、土地先行融資・つなぎ融資の事前審査を通してから契約に進むと安心です。
Q4:土地購入のローンでも住宅ローン控除は使えますか?
一定の要件を満たせば、土地の借入金も控除の対象に含められます。ただし、土地取得から一定期間内(おおむね2年以内)に建物を建てて住むことなどの条件があります。土地だけ買って長期間建てないと対象外になることがあるため、建築スケジュールも含めて確認しましょう(出典:国税庁)。
Q5:土地を先に買うときの審査で気を付けることは?
土地だけでなく建物まで含めた総額で審査されるため、土地と建物を合わせた資金計画を立てておくことが重要です。融資限度額・手持ち資金・つなぎ融資の可否・土地と建物の決済スケジュールを、早い段階で金融機関や担当者と確認しておきましょう。









素晴らしい仕組み
30代男性