この記事で分かること
- 新築戸建ての立地の失敗が取り返しがつかない理由
- 失敗しやすい立地の条件(自治体・居住誘導区域・駅距離・災害リスク)
- 立地以外で多い新築戸建て購入の失敗
- 失敗しない立地(土地)の選び方の手順
新築戸建ての立地の失敗とは、建物は建て替えやリフォームで直せても、土地の場所だけはあとから変えられないために起こる、取り返しのつかない後悔のことです。不動産の価値は9割が立地で決まると言われ、立地を間違えると、住みにくさだけでなく将来売れない「負動産」を抱えるリスクもあります。この記事では、不動産業界歴17年の現役エージェントである私が、失敗しやすい立地の条件と、後悔しない土地の選び方を解説します。
注文住宅、分譲住宅に関わらず、新築の一戸建てを求めるときには立地条件を真剣に検討しなくてはなりません。親から譲り受けた土地に建てる場合はともかく、自ら土地を探すのであれば、慎重にも慎重を期して動くべきです。
「買い物に便利」だとか、「小学校までたったの200mならいいかな」などの要因も大事ですが、もっと多角的な観点から土地を吟味しないと一生涯後悔することになりかねません。
土地探しをするからには徹底的に精査するのに加えて、専門家に相談するという手もあります。とにかく安易な決定をするのは避けてください。

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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新築戸建ての立地で失敗が取り返しがつかない理由

新築戸建てには、一般的に「新築プレミアム」という販売業者の利益や広告費などが販売価格に含まれていて、中古になった瞬間に購入価格から2〜3割ほど値を下げるというものがあります。
新築戸建てはこの「新築プレミアム」を考慮した上で、資産価値を考え購入していかなければいけません。しかし、ここ最近は地価が安いところでの分譲住宅が増えていて、見た目の価格が安いこともあり、販売も好調です。
しかし販売が好調であっても、プロからしてみたら、明らかに将来の資産価値が見込めないエリアや地域であり、そんなところにある新築戸建てをかってしまって本当に大丈夫なのだろうかと心配になります。
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不動産の価値は立地が9割
不動産シンクタンクの東京カンテイの公表したデータによれば、不動産の価値の9割が立地で決まるそうです。間取りであったり設備などといった多くの人が気にしそうな条件は1割程度しかありません。
この9割のうち、広域の立地が6割を占めます。広域の立地とは広い意味での立地のことで、「どこの街にすむのか」ということが考えられます。そして、残りの3割が狭域の立地、つまり駅からの距離であったり、周辺の施設であったりします。
つまり、資産価値の9割を占める立地で失敗してしまうということは、ただでさえ資産価値的には不利な新築戸建てで、もっと不利になりかねないということになります。
もしあなたが、一生そこに住むつもりだからといっても、本当にその考え方で大丈夫でしょうか?ここからは新築戸建てで失敗する立地条件と、物件選びを間違えてしまうとどんなリスクがあるか考えていきたいと思います。
新築戸建てで失敗する立地条件

自治体が破綻する可能性が高い
2014年に発表された「消滅可能性都市」は全国で896の自治体が消滅する可能性があるとされ、東京都豊島区も含まれていたことから随分話題になりました。⇒ 実際の消滅可能性都市はこちら
ほとんどの方がここまで考えていないと思います。しかし、人口減少社会に向かう日本においては、破綻する自治体が多数出てくるのは避けられないのではないでしょうか。
破綻した自治体として有名なのは北海道の夕張市でしょう。財政破たんに陥り、そこへ当時30歳の東京都の派遣職員が市長に名乗り出たという経緯があります。
結果的には何とか回復基調に戻したわけですが、そこに至るには行政サービスを徹底的に削り、無駄と思われるものを排除し、市民にも我慢に我慢をお願いした結果です。
この過程で、税金や公共サービスの対価が高騰し、税収の主な担い手である若い世代は外へでていき、残ったのはすぐに移動できない高齢者ばかりという負のスパイラルに陥りました。回復基調にあるとはいえ、今でもなお水道料金が日本一高い自治体として有名です。
夕張市の現状については、こちらの記事が参考になります。
⇒ 「夕張市破綻から10年「衝撃のその後」若者は去り、税金は上がり…」
夕張市は代表的な事例ですが、都市部にもこのような危険自治体はたくさんあります。山奥などの僻地にある自治体の中には「限界集落」と呼ばれる地域がどんどん増えています。もう少しだけ人口が減ると、その集落を維持できないという人口減少地域です。
「その手の田舎には住まないから関係ないよ」というあなたにも注意が必要です。都市部であっても、昼間人口が多いので気づきにくいのですが、夜になると塩を引くように人がいなくなるのです。人口が減少すると、行政サービスをはじめとして民間資本も引き揚げ始めます。
このように、都会や田舎に関わらず自治体が破綻や減衰する可能性のある自治体が、全国あちこちに出現するのです。このような自治体に土地を求めるのは絶対に避けなくてはなりません。
居住誘導区域外
居住誘導区域とは、都市再生を図るため、住民を誘導すべき地域とされる区域のことをいいます。2014年に政府が都市再生特別措置法を施行し、来たる人口減少社会に備え、効率的な公共サービスを提供するために、全国の自治体に「立地適正化計画」の作成を呼び掛けました。
立地適正化計画とはコンパクトシティの考え方で、人が住むところを意図的に線引きして誘導することで、公共サービスの効率化を図ろうというものです。
行政側としては、人口減少時代において区域内でバラバラに住まれるとサービスを提供しづらくなるので、意図的に設定した区域に集中して住んでほしいのが本音なのです。
つまり、この区域外に住んでしまうと、行政サービスはおろかその他の民間施設などへの距離が遠くなる可能性が十分にあるので、可能な限り居住誘導区域の中に土地を求めるべきでしょう。
これも地方都市だけの話ではなく、日本の7大都市においても東京都以外はすべてその計画の実施や公表をすでに行っております。
ちなみにすでに居住誘導区域外として認定されているところにも新築戸建てはたくさん建っています。知らなかったでは済まされません。
駅からの距離が遠い
これはわかりやすいでしょう。駅から遠い土地はその不動産価値は下がります。これは賃貸マンションでも同じことですね。駅から遠ければ遠いほど家賃は下がっていくのです。
東京の田園調布といえば、関西の芦屋と並ぶ超高級住宅街です。ただ、最寄りの東急線田園調布駅の周辺は驚くほどに何もありません。商業施設もほぼ皆無。古びた小さな駅舎がポツンと建っているだけの立地です。
ここに住む人たちは、駅からの距離をあまり気にしません。基本は車で移動するので、駅をあまり使わないからです。ただ、このような地域は極めて特殊な事例です。一般的には駅近の土地が好まれますし、将来的に売却することになれば当然ですが駅近の方が高く売れます。
災害リスクが高い

最後は命にかかわる問題です。近年は災害が多く発生しており、あえて災害リスクが高い土地を買うことだけは絶対に避けたいと言えるでしょう。
①がけ崩れの危険性
毎年のように起こるがけ崩れによる災害。広島の豪雨もすさまじいものがありましたが、同様の災害は毎年のように発生しますし今後も防ぎきれないでしょう。
土地を求めるにあたっては、このような危険地域はやめるべきだと私は思います。紹介された土地を下見するときに、背面が崖になっていたらすぐに調べてください。
調べ方は簡単です。インターネットで自治体のホームページに飛べば、ハザードマップがあるはずなのでじっくり読み込んでください。
②洪水の危険性
中部地方のある県とさせていただきますが、とある不動産会社が分譲地を売り出しました。私は社長と面識があるのですが、この分譲地が開発された時「この地域はたまに水につかる場所だったような気がするな」と思いすぐに調べたことがあります。
案の定この記憶は当たっていたのですが、その数年後に水害級の災害がありこの地域は見事に水につかってしまったのです。
件の分譲地も床下浸水となったのですが、水が引いた後も基礎の下に入り込んだ水がなかなか引かずに基礎に使っている木材に腐りが出て大変だったと聞きました。
③液状化の危険性
「地震が起きない土地を買いましょう」と本来は言いたいのですが、災害大国の日本に住む以上これは無理な話です。地震発生の危険性を数値で表したデータはあるのですが、現状ではほぼあてにならないのも周知の事実。
こういう状況で考えたいのは、液状化現象の可能性がある土地はなるべく避ける、という自衛策です。
東日本大震災の時ですが、千葉県の浦安市でこの問題が注目されました。また、直近では北海道地震の際に札幌市の清田区で液状化現象が起きました。
地震そのものへの対策は建物構造で抗えますが、地盤自体が液状化してしまっては手も足も出ません。厳密には柱状改良など多額のお金をかけて地盤改良をすればそれなりに対応はできるのですが、そこまでするケースは極めてまれですし費用も掛かってしまいます。
このように万が一の液状化被害を避けるには、地盤が強固な場所を購入するか、最悪でも埋め立て地を避けるという対応策が考えられます。
また、造成地なども要注意です。一般的な平地の造成地は問題ないのですが、崖を切り崩して造成した土地は、敷地によっては弱いところがあります。
切り土部分ならばまだ良いのですが、盛り土と呼ばれる処理をされた土地は、基本的には避けたいところです。万が一の大地震で地盤が崩れる可能性を否定できません。
④津波のリスク
もう一つ、地震関係になりますが、東日本大震災のときに津波の恐ろしさに世界中が恐怖しましたが、東日本に限らず日本のいたるところに津波のリスクはあります。
家族の命を守るためのものでもありますから、なるべく津波リスクの低いエリアを選ぶか、やむを得ず津波リスクのある立地を購入するときは、普段からの防災意識をしっかり持つようにしましょう。
この津波のリスクについても、自治体のハザードマップにて確認が出来ます。ぜひ確認するようにしてください。
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立地以外で多い新築戸建て購入の失敗
立地が最も取り返しのつかない失敗ですが、実際には立地以外でも後悔の声は多くあります。立地と合わせて、次のような点にも注意しておきましょう。
予算オーバー・資金計画の甘さ
新築戸建ては、土地代と建物代に加えて、外構(駐車場・フェンス・庭)や諸費用、引っ越し・家具家電などで予想以上にお金がかかります。建物にこだわるうちに総額が膨らみ、住宅ローンの返済が苦しくなるのはよくある失敗です。土地・建物・諸費用・外構まで含めた総予算を、ライフプランから逆算して決めましょう。
間取り・生活動線の失敗
コンセントの位置や数、収納の不足、家事動線の悪さ、思ったより狭い部屋など、間取りの後悔も多いです。図面だけで判断せず、実際の生活をイメージしながら検討することが大切です。
建築会社・施工品質の見極め不足
注文住宅では、どの建築会社に依頼するかで品質も価格も大きく変わります。価格の安さだけで決めず、実績や保証、担当者の対応で選びましょう。
日当たり・騒音・隣人など周辺環境
南向きでも前面に高い建物が建つと日が入らない、幹線道路や線路の騒音、隣家との距離が近い、といった環境面の失敗もあります。これらは後の「立地の選び方」で触れる現地確認で防げます。
これらは立地ほど致命的ではないものの、住み心地に直結します。とはいえ、最優先はやはり立地です。次の章で、失敗しない立地(土地)の選び方を手順で見ていきましょう。
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失敗しない立地(土地)の選び方の手順
ここまで挙げた失敗を避けるために、土地を選ぶときの確認手順を整理します。この順番でチェックすれば、立地の大きな失敗はかなり防げます。
1. 自治体の将来人口を確認する
まず、その土地がある自治体の将来人口の予測を確認します。人口が大きく減る自治体は、税収減で公共サービスが低下し、不動産も値下がりしやすくなります。人口が維持・増加する見込みのエリアを選ぶのが大前提です。
2. 居住誘導区域・市街化区域かを確認する
自治体の立地適正化計画で、その土地が居住誘導区域に入っているかを確認します。区域外はインフラ維持の保証が将来的に弱く、避けた方が無難です。あわせて市街化調整区域でないか(再建築や利用に制限がないか)も確認します。
3. ハザードマップで災害リスクを確認する
国や自治体のハザードマップで、洪水・土砂災害・津波・液状化などのリスクを確認します。特に土砂災害特別警戒区域などは住宅ローンや建築に制限がかかることもあります。
4. 駅距離・周辺の利便性を確認する
駅やスーパー、学校、病院までの距離と、実際の通いやすさを確認します。人口が減るエリアほど、駅近など利便性の高い立地でないと将来売りにくくなります。
5. 前面道路と接道を確認する
土地が建築基準法上の道路に2m以上接しているか(接道義務)を確認します。満たしていないと再建築ができないため、土地の価値が大きく下がります。
6. 現地を時間帯・曜日を変えて見る
昼と夜、平日と休日では、街の雰囲気・交通量・騒音・人通りが変わります。図面や日中だけの内見では分からない点があるので、複数のタイミングで現地を歩いて確認しましょう。前面の空き地や駐車場に将来建物が建つ可能性も確認しておくと安心です。
新築戸建ての立地で失敗しないためのチェックリスト
土地を決める前に、次のポイントを確認しておきましょう。
- その自治体の将来人口は維持・増加の見込みか(大きく減らないか)
- 居住誘導区域内か、市街化調整区域でないか
- ハザードマップで洪水・土砂災害・液状化などのリスクを確認したか
- 駅・スーパー・学校・病院までの距離と通いやすさを確認したか
- 前面道路に2m以上接道し、再建築できる土地か
- 昼夜・平日休日で現地を歩き、騒音・日当たり・周辺環境を確認したか
- 前面の空き地や駐車場に、将来建物が建つ可能性を確認したか
- 土地・建物・諸費用・外構を含めた総予算が無理のない範囲か
- 立地以外(間取り・資金・建築会社)の失敗対策も考えているか
- 土地の調査までしてくれる信頼できる不動産エージェントに相談できているか
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売るだけでなく、しっかり調査をしてくれる不動産エージェントを選ぼう
いろいろと脅かしてしまいましたが、それくらい土地探しには慎重になってほしいということです。いくら素晴らしい家を建築しても、土地の立地条件が悪ければ、それは大失敗のマイホームとなってしまうのです。
そうならないためにも、土地選びは専門家である不動産エージェントへの相談をお勧めします。
残念ながら売るだけの不動産業者が存在するのも事実。物件の良い部分だけをアピールするのではなく、悪い部分もしっかりと指摘してくれる不動産エージェントを選ぶようにしましょう。
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よくある質問
Q1:新築戸建てで立地の失敗が取り返しがつかないのはなぜですか?
建物は建て替えやリフォームで直せますが、土地の場所だけはあとから変えられないからです。不動産の価値は9割が立地で決まるとも言われ、立地を間違えると、住みにくさに加え、将来売れない・値下がりする「負動産」を抱えるリスクがあります。
Q2:失敗しやすい立地の条件は何ですか?
将来人口が大きく減る自治体、居住誘導区域外、市街化調整区域、駅から遠く利便性が低い立地、ハザードマップで災害リスクが高い土地などです。これらは住みやすさだけでなく、将来の資産価値にも大きく影響します。
Q3:立地以外で新築戸建ての購入によくある失敗は?
予算オーバーや資金計画の甘さ、間取り・生活動線の失敗、建築会社・施工品質の見極め不足、日当たり・騒音・隣人など周辺環境の見落としが代表的です。土地・建物・諸費用・外構まで含めた総予算で考えることが大切です。
Q4:失敗しない土地の選び方を教えてください。
自治体の将来人口→居住誘導区域・市街化区域か→ハザードマップ→駅距離・利便性→接道(再建築可否)→現地を昼夜・平日休日で確認、という手順でチェックします。図面や日中だけで判断せず、複数のタイミングで現地を歩くことが重要です。
Q5:土地探しは自分でやるべきですか、プロに相談すべきですか?
自分でも情報収集は大切ですが、人口予測・居住誘導区域・接道・災害リスクなどは専門知識が必要です。売ることだけを優先せず、土地の調査まできちんと行ってくれる信頼できる不動産エージェントに相談すると、取り返しのつかない立地の失敗を防ぎやすくなります。








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