店舗がなく手続きを全てインターネットや郵送を通してできる利便性のよさと、店舗型の銀行に比べて低水準の金利を提供しているのがネット銀行です。
近年多くの人が都市銀行や地方銀行等の金融機関ではなく、ネット銀行を選ぶような傾向にあります。
しかし金利の低さだけに目がいってしまうと、ネット銀行を利用する際の注意点を見逃してしまい、結果的に損をしてしまう可能性があります。
この記事ではネット銀行に申し込むときの注意点をわかりやすく解説していきます。
一般の銀行とはその仕組みや制度が違うネット銀行について、よく知識を蓄え、注意点を理解しましょう。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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ネット銀行と一般的な銀行の違い
ネット銀行と一般的な銀行の違いは主に以下のとおりです。
- ネット銀行は基本的に店舗がない
- 手続きは全てオンラインか郵送
- 店舗がない分金利水準が低い
通常銀行は店舗があり、書類手続きは店舗に足を運んで行います。
しかしネット銀行の場合は店舗がないため、書類のやりとりや審査も全て郵送やオンラインで手続きすることになります。
また、店舗がない分経費を削減できるので、その分金利が安いというのも特徴の一つです。
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ネット銀行の住宅ローンに申し込むときの7つの注意点
手続きが簡易で金利水準が低く、人気のあるネット銀行ですが、申し込む際には注意が必要です。
ネット銀行だからこそ気を付けるべき点があり、よく理解していないと損をしてしまったり、後悔することになります。
ここからはネット銀行に申し込む時の7つの注意点について解説していきます。
審査が厳しくなる傾向に
通常の銀行は、住宅ローンを貸し出しする際に「保証会社」を利用します。
保証会社とは、万が一債務者が返済できなくなった場合に、銀行に対して代わりに債務を返済してくれる機関のことを指します。
しかしネット銀行は保証会社がありません。そのため保証料がかからず、保証料の代わりに事務手数料を支払うのですが、担保となる保証会社がないため審査が厳しくなります。
審査の際に自己資金が多く必要となったり、審査結果が減額回答となるケースが多いのが特徴です。
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本審査に時間がかかる
住宅ローンの本審査の手続きに時間がかかるため、急ぎの場合は注意が必要です。
ネット銀行の場合、住宅ローン審査手続きも全て郵送やオンラインで行います。
そのため、審査書類の郵送の手間や、郵送にかかる日数等も考慮すると、通常の銀行での本審査よりも時間がかかってしまいます。
また、書類の追加提出や再提出などが発生すると、それだけで数日~1週間程手続きが遅れてしまう可能性もあります。
売主が急いでいる場合等は、あらかじめ入念な準備をしておき、スケジュールに余裕をもって準備を進めなければなりません。
繰り上げ返済する場合は損になることも
通常の銀行で繰り上げ返済をする場合には、保証会社に支払った保証料が期間に応じて返金されます。
しかしネット銀行の場合は保証料がなく、代わりにネット銀行に支払っている事務手数料は返金されません。
保証料より事務手数料の方が元々安いのですが、繰り上げ返済による返金分を加味すると、結局あまり変わらないという結果になることもあります。
全くかえってこない事務手数料に支払うより、返金の可能性がある保証料を支払ったほうが得になるかは、考えどころでしょう。
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住宅ローンで繰り上げ返済や一括返済する予定があればネット銀行は不向き!?
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書類の不備が発生しやすい
通常の銀行の場合は、審査手続きから住宅ローンの本契約手続きまで全て店舗に足を運んで、銀行担当者の面前で行います。
そのため書類の記入ミス等もなく、必要書類も事前に銀行担当者とやりとりをしながら進めていくので、書類での不備が起こりにくいのです。
しかしネット銀行の場合は全て自分で用意し、郵送で送るため、どうしても書類の不備が発生しやすくなります。
一度不備が発生すると、再度書類を集めて返送するだけで数日から1週間程かかってしまうので、手続きの遅れが発生することが多くなっています。
ネット銀行を利用する際には必ず書類の不備やもれがないか念入りに確認すること、スケジュールを前倒しに進めて余裕を作っておくことが必要となります。
旧耐震の物件は基本NG
旧耐震や特殊な物件の場合、ネット銀行の審査を通過するのは厳しくなります。
なぜなら担保評価としてみるのが難しくなってしまうからです。
ネット銀行は保証会社がない分、人の審査も物件の審査も慎重に行います。
もし物件が旧耐震だと、市場の資産価値が低く、もし債務者が返済できない時の担保としては不十分です。
そのため物件を選ぶ際には物件が旧耐震かどうか、担保評価を得られる物件なのかを事前に見極める必要がでてきます。
つなぎ融資などが利用できない
つなぎ融資とは、住宅の引渡時よりも前に借入ができる融資のことを指します。
ネット銀行だとこのつなぎ融資などが利用できないのが注意点になります。
通常の住宅ローンは、物件を引き渡す時に実行されて、お金が借主に振り込まれるかたちになります。
一方のつなぎ融資は注文住宅等を建てる際に、引き渡しよりも前に融資金を借入することができる制度なのです。
注文住宅の場合は引き渡し時のみならず、着工時や中間金など、引き渡し前に支払わなければならない費用がいくつかあります。
合計で数百万円と、全て現金で揃えるとかなりの大金になってしまうため、これらの支払いで使える融資がつなぎ融資となります。
注文住宅を検討している方は、ネット銀行だとつなぎ融資が使えないので、金融機関をよく選ぶ必要があります。
事前審査の精度が低いことも
ネット銀行の事前審査では、個人信用情報のチェックがなく、簡易的に行われているところが多くあります。
個人信用情報の審査は通常の金融機関だと最も重要な要素の一つとされており、この項目だけで住宅ローンの否決が決まってしまいます。
しかしネット銀行の事前審査では返済比率や、簡易的な情報のみで行われているため、本審査に入ってから個人信用情報の審査を行うところが多いのです。
そのためネット銀行の事前審査で通過しても、本審査で落ちる確率が他の銀行と比べて高いです。
個人信用情報は個人でもオンラインや郵送で調査することができますし、店舗型の銀行に事前審査を申し込んで確認するのも一つの手です。
メリット・デメリットを理解した上で、上手に活用しましょう
便利で金利も安いネット銀行ですが、金利の安さからあまりよく理解せずに住宅ローンを組んでしまう人も多くいるのが事実です。
しかし事務手数料の高さや物件審査の厳しさ、書類手続きへの細かい注意など、気をつけるべき点はしっかりと抑えるようにしましょう。
金融機関選びや物件の見極めについては不動産エージェント等、不動産のプロにあらかじめ相談しておいたほうが、安心して手続きを進めていけるでしょう。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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