生活するうえで一番大事な部分といえば水回り。物件選びの際にキッチンや浴室、トイレなど水回りを入念にチェックして選ぶことはとても大切です。
しかし水回りの目に見えない部分である「給排水管」についても、よく確認しておかなければいけません。
例えば給排水管が不具合を起こして故障してしまうと、お風呂も料理もトイレも全て遮断されてしまいます。
住宅と同じように給排水管にも寿命があり、必要な時期に必要なメンテナンスをすることで長く安心して利用することができるのです。
この記事では中古マンション購入時に気を付けるべき給排水管の注意点を解説していきます。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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色々ある配管の種類と寿命
「給排水管ってどれも同じじゃないの?」
普段なかなか給排水管についての情報も耳にしないため、正直どんな違いがあるかわからない人も多いのではないでしょうか。
実は給排水管にも様々な種類があります。
- 水道用亜鉛メッキ鋼管
- 水道用硬質塩ビライニング鋼管
- ステンレス鋼管
昭和30年~40年代のマンションで最も多く使われていたのが水道用亜鉛メッキ鋼管です。
水道水の塩素消毒や水温により亜鉛が溶けることによって赤水が発生するため、15年~20年が寿命といわれています。
昭和40年以降から利用されており、現在ある中古マンションの多くで利用されているのがこの水道用硬質塩ビライニング鋼管。亜鉛が溶ける心配等はないのですが、継ぎ目部分に腐敗が生じることもあり、寿命は20年~30年が目安です。
中でも一番寿命が長いのがステンレス鋼管です。水温25度前後の常温であれば100年もつともいわれています。
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中古マンションの構造にも注意が必要
給排水管のメンテナンス工事をするときに非常に重要なのがマンションの構造です。
マンションの配管構造には大きくわけて2種類のタイプがあります。
- 床スラブ貫通配管
- 床スラブ上配管
床スラブ貫通配管の場合、共有部分である下階の天井上の部分から、専有部分である床スラブを貫通して配管がきています。給排水管工事を行う場合に専有部分だけではなく共有部分の許可が必要になるため、申請手続きや工事が煩雑になってしまいます。
一方の床スラブ上配管の場合は専有部分である床スラブの上から給排水管が通っているため、自身の都合で給排水管工事をすることができます。
ちょっとした構造の違いで、工事やメンテナンスする時の手間と費用が大きく変わってしまいます。
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専有部分の配管の注意点
給排水管の工事をする際には壁や床を一度取り壊して、工事後にまた復旧させる大掛かりな工事が必要となります。
給排水管工事だけのために壁や床を壊して戻すのは少しもったいないですよね。
そこで多いのがリフォームやリノベーションをする際に合わせて工事してしまうという方法です。
水回りの間取りを変えたり、電気の配線を変えるなどのリフォームと一緒にすれば、とても効率がいいですね。
また、リフォーム済み物件の場合は給排水管の交換や工事をしたのかをよく確認しておきましょう。
表面だけきれいに仕上がっていても、給排水管がとても古く、すぐにでも交換が必要なケースもあります。
給排水管の工事も含めると結局高くついてしまったなんてことにもなりかねません。
共有部分の配管の注意点
給排水管のメンテナンス工事は、マンションの維持管理をするうえでとても重要です。
したがってマンション選びをするときには、給排水管のメンテナンス状況や、交換費の積み立てや計画がきちんとなされているかを確認しましょう。
築30年のマンションで給排水管のメンテナンスが一切行われていない場合、明らかに管理に問題があります。さらに積立金が不足していると、一時徴収金として工事の際に支払うことになるかもしれません。
管理組合の資料の中に長期修繕計画や、今までの工事履歴に関する資料が通常は保存されています。マンションは管理をみて買えといわれるほど、マンション全体の管理状況は重要です。事前によく確認するようにしましょう。
見えないリスクにもしっかり注意を
リフォーム済みやリノベーション済み物件の場合、ついついきれいな室内に目がいってしまいますが、大事なのは目に見えない部分です。
給排水管といった設備部分もそうですし、マンションの管理状況等、見えないけれど重要な部分を見落とさないことが、将来の豊かで安全な暮らしにつながります。
そういった細かな見落としがちな部分を見落とさないためにも、不動産のプロの目を使って、安心な住まい選びをしていきましょう。
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宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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