建物の安全性を知るうえでも必須とされるホームインスペクション。建築士等の専門家が住宅の目に見えない部分まで建物診断をしてくれるサービスです。
中古住宅を買う場合は建物の不具合箇所を事前に把握することができるので、購入する前に行うのが一般的です。
そこで疑問となるのが「どのタイミングでインスペクションをするか」というところだと思います。
契約前なのか、それとも契約後に行うのか、どちらがいいのかこちらで解説していきます。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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理想的なタイミングは契約前
契約前と契約後、それぞれの場合のメリットデメリットはこちらです。
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契約前にインスペクションを行う場合のメリット
- インスペクション結果で大きな欠陥が見つかった場合、契約しなくて済む
- インスペクション費用を資金計画に組み込むことができる
インスペクションにより契約前に欠陥が分かれば、契約をしなくても済みます。これが契約後だと解約するにも費用がかかりますし、手続きも煩雑になります。
事前に費用がわかるため、住宅ローン利用時にたてる資金計画にあらかじめ組み込むことができるのもメリットの一つです。
契約前にインスペクションを行う場合のデメリット
- 約前のインスペクションを嫌がる売主もいる
- スケジュールがかなりタイトになる
- 契約しない場合はインスペクション費用だけかかることになる
売主は物件を購入して契約してくれる人を早く見つけたいと考えています。そのためインスペクションをする期間を待ち、結果としてその買主が買わない判断をした場合は大きな機会損失となってしまいます。
また、契約前に行う場合は物件の申し込みをしてすぐに手続きを進めていかないと、契約までにインスペクション結果を得ることができません。
住宅ローンの事前審査や契約に向けての準備と並行して、インスペクションの手続きも合わせて進めなければいけません。
インスペクションの結果契約しない場合は、インスペクション費用だけかかる結果となってしまいます。一般的にインスペクション費用は10万円前後となっています。
関連記事「インスペクションの費用はどれくらい?買主と売主のどっちが負担する?」
契約後にインスペクションを行う場合のメリット
- 売主の理解も得やすく、時間にも少し余裕がある
- 契約後でも瑕疵担保に該当するのであれば補修費用がでる
すでに契約が済んでいるため、売主もインスペクションを行うことに対して寛容になります。また、契約前に比べて時間があるので手続きをゆっくり進めることができます。
契約後とはいえ瑕疵担保に該当するような欠陥に対しては売主に補修費用を徴求することができます。
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契約後にインスペクションを行う場合のデメリット
- もし重大な欠陥があり契約を解除する場合、手付解除となり費用がかかる
- タイミングによっては違約金を支払わなければならない可能性も
契約時に買主は売主に対して手付金を支払うこととなります。そして契約後に買主が契約解除する場合は、その手付金を売主に渡したまま放棄しなければなりません。
手付解除できる期間にも期限があり、例えば引渡し直前になって解約となる場合は別途違約金を支払うことになる可能性もあります。
契約を解除する可能性を考えると、理想的なのは契約前にインスペクションを行うのが最善策といえるでしょう。
しかし契約前の場合はインスペクションをせずに即購入したいという他の買主が見つかった場合に、物件をとられてしまうリスクもありますので注意が必要です。
契約時に迫られる選択
インスペクションを契約前にするのか、契約後にするのかは多くの方が迷うポイントでもあります。
契約前にインスペクションをすればインスペクション結果をもとに契約を判断することができ、場合によっては価格交渉の材料にもすることができます。
一方でインスペクション費用をかけたのに他の方にとられてしまうと、費用だけかかったうえで物件も購入できないという二重苦を味わうことになります。
契約後にインスペクションをすれば他の方に物件をとられることもなく、リフォーム箇所や修繕箇所も事前に判断することができます。しかし契約を解除する場合に手付金の分費用がかかってしまうことと、契約に費やしてきた時間と労力が全て水の泡になってしまうのがリスクです。
結局のところ絶対的な正解はなく、それぞれのメリットデメリットを踏まえたうえで判断することが求められます。
インスペクションの結果をもとに契約する時は手付解除に
「インスペクションの結果契約をやめる場合、お金が必要なの?」
インスペクションにより欠陥が見つかった場合でも、契約後であればそれは手付解除になってしまいます。
手付解除とは売主が手付解除する場合は受領した手付金と同額を追加で買主に支払い、買主が手付解除する場合は支払った手付金を放棄することで契約を解除する方法です。
手付金は物件の1割が相場とされているため、インスペクション費用も含めると大きい金額を失うこととなってしまいます。
2020年4月の民法改正によって流れが変わるかも
2020年4月に民法改正が行われることで、より売主の責任が重くなります。
今までは隠れたる瑕疵に対して責任を負っていた売主が、これからは全ての欠陥に対して責任を負うようになります。
また、瑕疵があった場合には、今までの損害賠償や契約解除のほかに補修費用の請求や代金減額請求ができるようになります。これにより買主の立場が大きく向上することが予想されます。
そうなると買主はより一層物件に対しての質を重要視するようになり、事前に契約時に物件の状態について確認しておくことが売主にとってもリスク回避となるため、今後インスペクションがより一層広がっていくことと考えられます。
リスクを避けるためにも経験豊富な不動産エージェントを
インスペクションを行う場合には、売主の理解とインスペクションのスムーズな段取りが必要不可欠です。
両者の間に立つ仲介会社の力量によって買主がその物件を購入できるか、できないかが左右されるポイントといっても過言ではないでしょう。
経験豊富でインスペクションの知識もある不動産エージェントに頼むことで、安心した住まい探しをしていきましょう。
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宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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