中古住宅の購入を考えている方の多くは、リフォームすることを前提にしているのではないでしょうか。しかし「いつ見積をとればいいの?」「どの段階でリフォーム業者に頼めばいいの?」と思われる方も多いでしょう。
中古住宅のリフォームは購入する前からしっかりと準備しておかないと、資金計画に大きなずれが生じてしまったり、入居のタイミングが大幅に遅れてしまったりとトラブルになるケースもあります。そうならないためにも、こちらでわかりやすく解説させて頂きます。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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掘り出し物が見つかりやすい中古住宅・中古戸建て
中古住宅は中古マンションと比べて、掘り出し物が見つかりやすい物件です。掘り出し物が見つかる大きな理由は、中古住宅の「建物の価値」に対しての評価に非常に変動があるからです。
中古住宅の建物の価値とはどのように決まるかというと、一般的には「築年数」によって大きく決まります。これはどういうことかというと、当時3000万円で建てた家も、1000万円で建てた家も20年近くたつと家の評価がほぼないものとみなされてしまうのです。
もちろん建築構造や建築素材、メンテナンス状態等によって評価は変わってくるのですが、一番の要素は築年数による価値の減少となります。したがって築年数により安売りされていた物件が、実は評価額以上の、まだ価値のある物件というケースがあります。
近年そういった物件を探しだして、ご自身でリフォームする方は徐々に増えてきています。しかしいざ物件を見つけたとしてもリフォームの知識がないと、結果的に予想以上の費用がかかったり、手続きの際にトラブルが起きることもあります。
そうならないためにもまずはリフォームの流れ、必要な準備等についてしっかり勉強していきましょう。
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中古住宅・中古戸建て購入時にリフォームをするときは流れを理解しておく
中古住宅の購入時、リフォームはいつ見積をとっていつ申請するのか。こういったタイミングを理解していないまま不動産の取引を進めていくと、住宅ローンの手続きが進まなかったり、理想としていたリフォームができなくなってしまったり、後々トラブルになってしまうケースもあります。
また、購入と同時にリフォームをするのか、そうではないのかによっても手続きの流れが変わってきます。ここでは中古住宅・中古戸建て購入時にリフォームするときの流れや注意点をわかりやすく説明していきます。
中古住宅・中古戸建て購入とリフォームを同時に行うときの事前準備
中古住宅を購入し、引き渡しが終わってからゆっくりとリフォームをする人もいれば、購入と同時にリフォームを行いすぐに住みたいという方もいます。では後者の場合、どのような準備が必要となってくるのでしょうか。
まずはリフォーム資金も含めたうえでの資金計画を立てることです。
リフォームをゆっくり進めたい方は、物件の引き渡し後にリフォームローンを利用し進めていく形になりますが、リフォームを同時に行う場合は住宅ローンに含めることができます。
そのため、リフォーム資金を含めたうえでどのくらいの予算で借入をするのか。総合的な資金を決めておくことが大切です。
そしてポイントとなるのは不動産エージェントへの相談です。きちんとしたリフォームの知識がある不動産業者に相談することで、リフォームが可能な物件、そして希望としているリフォームができる物件を一緒になって探してくれます。
購入と同時にリフォームを行う際には、住宅ローンの事前審査の際にリフォーム資金の見積も必要となります。しかしそういった不動産エージェントにあらかじめ相談することで、リフォーム資金の概算見積の手配等も素早く対応してもらえ、すぐに住宅ローンの事前審査を出すことができます。
リノベーションなどデザイン性が強いものは、あらかじめ業者を探しておく
一般的なリフォームではなく、デザイン性が強いリノベーションや住宅性能向上のリノベーションを希望されている方は、あらかじめ希望のリノベーションができる業者を探しておきましょう。でないと購入してから思った通りのリノベーションができなかったり、予算が足りなくなってしまったりと不測の事態に陥ることもあります。
リフォームの相談ができる不動産エージェントを探す
不動産会社の中にもリフォームについて全く知識のない担当や、流れや手続きを理解していない担当もいます。そういったエージェントに相談してしまうと、想定していたリフォームができなかったり、予算がオーバーしてしまったり、結果的に理想の家に住むことができなくなってしまうこともあります。
そのためリフォームも含めたうえで相談できる不動産エージェントを見つけることで、スムーズに、そして希望通りのリフォームを進めていくことができます。
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リフォーム代金を前提とした資金計画を立てる
リフォームを前提として考えている方は、リフォーム代金もしっかり含めた総額で資金計画をたてましょう。そうでないと後々資金不足等になってしまうケースがあるからです。
では物件が見つかってからの手続きは、実際どのような流れになるのでしょうか。こちらで解説していきます。
具体的に検討したい中古住宅が見つかったら
では具体的に物件が見つかった場合、どのように手続きを進めればいいのでしょうか。実際の流れと注意点をお伝えしていきます。
リフォームの見積もりを取る
リフォームの見積はいつ、どのように取ればいいのでしょうか。リフォームの見積は物件が見つかったあと、リフォーム業者に直接依頼もしくは不動産エージェントに相談しましょう。
リフォームの概算見積時には、物件の資料が必要となります。基本的には物件の販売図面を付けて希望のリフォーム内容を伝えれば、概算の見積は取得できます。まずはリフォームの可能性がある箇所全てをリフォームした場合で、最大のケースでの見積を取得しておきましょう。
購入申し込みをする
人気の物件はすぐに他の人から購入申込が入ってしまう可能性があります。できるだけ早い段階で、購入申し込みをして希望の物件をおさえましょう。そのためにはリフォームに対する準備も重要になります。
住宅ローンの事前審査を出す
「住宅ローンの手続きをもう始めるの?」「契約してからじゃないの?」と思われるかたもいることでしょう。実際は、住宅ローンの事前審査は契約前に済ませておきます。
住宅ローンの流れについては、関連記事「中古マンションを購入するときの住宅ローンの流れをおさらい」も合わせてご参照ください。
購入と同時にリフォームをする場合、住宅ローンの事前審査時にリフォームの見積が必要となります。そのため、上記でお伝えしたように早い段階で見積を依頼し取得しておきましょう。
注意点としましては、リフォーム見積は最大の金額で取得しておくことです。住宅ローンの審査で承認が下りた後に金額を減額することは可能です。しかし増額する場合は再度審査を通さなければならなくなるからです。
インスペクションの手配をする
インスペクションとは第三者の建築士等による住宅診断を行うことです。これにより建物の現状を把握することで、必要な工事・不要な工事を検討することができます。
インスペクションをしないと、不要な補修や工事をすることになったり、また必要な工事が後から判明し予算が増えてしまったりすることがあります。事前に手配をし、リフォーム時に何が必要な工事かをしっかりと理解しておくことが大事です。
しかし引き渡し前にインスペクションをする場合は、物件の所有者がまだ売主になります。そのため売主とインスペクション業者の日程調整や、売主の許可等が必要になります。
不動産エージェントに間に入ってもらうことで、スムーズに手続きを進めていくようにしましょう。
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中古住宅の契約が終わったら
契約が終わった後はどのような手続きを進めればいいのか。リフォーム業者とどのような打ち合わせをすればいいのか。こちらで解説していきます。
最終的な工事内容を決めていく
リフォーム業者と具体的にどのような設備・仕様にしていくか詳細の内容を決めていきます。実際にモデルハウスで仕様を確認したり、機能性やデザインについて打ち合わせしていくと思ったより時間がかかってしまうことが非常に多いです。
しかし詳細の内容が確定しないとリフォーム会社と「請負契約」を結ぶことができません。住宅ローンを進めていく中でこの「請負契約書」が必須となります。
住宅ローンの本審査までに請負契約書が必要になる
リフォームをする場合、住宅ローンの本審査までに必要となる書類が発生します。それが請負契約書です。ではこちらが何なのか、そしてどうすれば手に入るのかを説明していきます。
請負契約書とはリフォーム会社とリフォームの内容・金額・工期等に係る契約書のことです。こちらは上記で記載したように、リフォーム内容の詳細まで確定していないと結ぶことができません。
というのも一度請負契約を結び、住宅ローンの審査が下りた後に再度請負契約を変更することになるとまた住宅ローンの審査を通さなければならないからです。そのため前倒しで打ち合わせを進め、早めに請負契約を締結し住宅ローンの手続きが進められるようにしていきましょう。
リフォームは引渡しが終わってから
リフォーム工事はいつのタイミングで始まるのか。それは契約後ではなく、引き渡しが終わってからになります。引き渡しまでは物件の所有者は売主になります。そのためリフォームの工事等を進めることは原則できません。
したがって引き渡し・決済が終わって鍵をもらってから工事が始まることになります。リフォーム後すぐに入居を考えている場合は、引き渡し後のリフォーム工事の期間をよく加味した上で計画をたてておきましょう。
住宅ローンの決済は中古住宅とリフォームが別々に決済される
通常決済時に住宅ローン金額は全額振り込まれることになりますが、リフォーム資金については別に決済されることになります。
というのも金融機関としては、先にリフォーム分まで決済して振り込んでしまうと、リフォームが終わるまでの期間に違う用途に使われてしまう可能性を考えているからです。
また建物代金と同時に決済されても預金担保としてお金が動かせないようにロックが入るところもあります。
特に大規模なリフォーム・リノベーションで、工事費用が多額になる場合、着工金などを請求されることもあります。銀行のスケジュールや建築業者との打ち合わせをしっかりしておくようにしましょう。
中古住宅・中古戸建て購入のリフォームで検討してみたいこと
中古住宅のリフォームにおいて、減税や税金の控除等が受けられる場合もあります。こちらではそういったメリットが発生するリフォームについてご紹介していきます。
耐震性能向上リフォーム
古い建築物で耐震基準を満たしていない建物等の耐震性を向上することで、所得税の減税等が受けられる場合があります。例えば「耐震改修リフォームの所得税減税」制度の場合。控除対象額(最大250万円)を上限として、1年間対象額の10%が所得税額より控除されます。
こういった制度を利用する場合には基本的に耐震リフォームを行った際に証明書等が必要になります。そのため、事前にリフォーム会社に相談したうえで工事を行う必要があります。その他にも、都道府県や市町村によって様々な制度があり、条件等も違いますので、あらかじめ役場や税務署等に確認する必要があります。
また耐震改修工事は、災害リスクを低減するだけでなく、現行の耐震基準を満たす基準の工事を行うことで、住宅ローン控除や贈与税の非課税枠を利用できるようになるなど、制度面でも様々なメリットがあります。
特に2000年6月以前に建築確認を受けた物件については、耐震性能向上リフォームもぜひ検討してみるようにしてください。
エコ性能向上リフォーム
省エネ住宅等、環境にやさしい住宅へのリフォームを行うことで受けられる控除や減税などもあります。
「2019省エネ改修補助金」や「エネファーム設置補助金」、「次世代住宅エコポイント」「長期優良住宅化リフォーム補助金」等様々な制度があります。
制度によっては最大で数十万~数百万円の助成金を受けることもできます。制度によって様々な条件がありますので、もし検討する場合は事前に要件をよく確認して進めるようにしていきましょう。
またエコ性能を向上させることで、暮らしやすく光熱費も安く済んでランニングコストも安くなるので、初期投資として考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
中古住宅を購入する大多数の方がリフォームを前提として考えていると思います。しかしリフォームの手続きはタイミングを間違えると銀行とのトラブルや、不動産取引の遅延などにつながってしまう場合もあります。
住宅ローン・リフォーム手続き・不動産購入手続きというこの3つは全てつながっており、同時に進めていかなければなりません。
もちろん一人で全て完璧に進めていける方もいます。しかし安全・安心な取引を進めていく上では、リフォームに詳しい不動産エージェントに相談しながら進めていくほうがいいでしょう。
そのためにも親身になってくれて、尚且つ知識や経験もある信頼できるエージェントを選ぶことが大切です。
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ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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