「家はあっても土地がない。」
これは、マイホームを検討している多くの方が直面する、現実的な大問題です。住宅展示場への来場者データを見ても、土地を探している方の比率は、10年前と比較しても大きく上昇しています。
土地をお持ちの方には関係ありませんが、ここでは土地から探さなくてはいけない方へ、プロである専門家がそのコツや失敗しない土地選びの注意点をわかりやすく解説していきます。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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土地選びでありがちな失敗
家を建てるときに地盤補強費が別途必要になった
珍しいケースではありません。土地を下見しただけでは絶対にわからないのが地中の状況です。建物を建築すると相当な荷重が地面に掛かるわけですが、その重さに耐えられえないと建築業者が判断すれば、それに応じた地盤補強費を請求されます。
「そんなこと素人にわかるはずないでしょう?」
ごもっともな話です。一般の方はもちろんですが、私たちプロでも表面を見ただけでは判別不可能です。
「この土地の地盤調査は済んでいますか?」
「ここの地歴はどうなっていますか?」
少なくともこの2点を購入前にしっかり確認してください。地盤調査が済んでいれば、何らかの報告書なりデータがあるはずなので開示してもらいましょう。
また、地歴の確認も重要。平たく言うと「ここの土地は以前どんな状態でしたか?」ということ。場合によっては池を埋め立てた土地かもしれませんし、雨の日には水はけが悪い土地かもしれません。
もちろん池だからと言ってダメとは断言できません。だからこそ、しっかりとした地盤補強などの対応策がとられているかも確認してほしいのです。
地歴を確認するには、「今昔マップ」が便利です。
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週末の夜になると隣地の公園で若者が騒いでうるさい
こんなところを買ってしまったら大失敗。隣が公園だと「家は建たないし日当たりもいいわね!」となりがちですが、このような問題が発生する危険性もあることを認識しましょう。
この危険性を少しでも排除するには、気に入った土地を週末の夜に様子見に行くことでしょう。あなたに積極性があるならば、近隣の方に聞き込みをしても十分に価値があると思います。
若者が騒ぐという問題以外にも、夜になると犬の遠吠えがするとか、夜に限って前の道をトラックやダンプが頻繁に走ってうるさいなどの失敗事例は山ほどあります。
土地選びで失敗しない注意点
建物に予算を割いて、土地の予算がなくならないように
土地を探すうえで必ず押さえておきたいのが、災害リスクや立地適正化計画についてです。災害リスクは水害はもちろんのこと、軟弱地盤であれば地震のときに、揺れや液状化の被害に見舞われるリスクが高くなります。
また立地適正化計画とは、少子高齢化で人口減少時代に、自治体が効率的に公共サービスが提供できるように、住宅を集めるエリアや会社や工場を集めるエリアに線引きしていく計画のことです。
日本全国で多くの自治体が実際に計画に取り組んでおり、計画がはじまって4年半後の2018年8月時点ですでに420もの自治体が取り組んでします。そしてこれは地方の話だけではなく、東京23区を除く7大都市でも計画は進行しています。
この線引きで、住宅を集めるエリアや会社や工場を集めるエリアのどれにも当てはまらないエリアも出てきていますが、これは将来的に公共サービスが行き届く保証のないエリアです。
土地の価格が安いのは、それなりの理由があってのことです。不動産の売主は少しでも高く売りたいと考えるのが常ですから、基本市場には割安の物件はありません。
建物の予算を重視するあまり、不動産の資産価値の9割が土地と言われるなか、災害リスクや売りたくても売れなくなるリスクのある土地を購入してしまわないようにしましょう。
特にハウスメーカーや工務店は、建物の受注金額を増やしたいという考えがありますので、建築業者だけでなく、不動産業者の話も聞きながら、土地選びで失敗しないようにしましょう。
大体の間取りと広さをイメージしておく
4LDKで広さはごく普通でいい。外観もこだわりはないのでどんな形でも構わない。予算は可能な限り抑えたい。“どんな形でも構わない”は言い過ぎかもしれませんが、あなたが仮にこんな要望を持った方だとします。
外観に特段の希望がなく、かつ予算をなるべき押さえたいのならば、家の形は総2階住宅(サイコロ形状)を私ならば勧めます。この形が建物面積に対してもっとも狭い土地で建築できるからです。この要望に加えて一般的な4LDKという要素を加味すると、おおよそ30坪程度の住宅でいけるはずです。
これから計算すると、建物のサイズは一辺が7m程度。用途地域などの条件は無視しますが、この場合に必要な土地は100㎡強あればなんとかなると思います。つまり、建物の大きさなどを事前にイメージできれば、土地探しの目安がある程度たつことになります。
この方とは逆に建物に対する要望が色々ある方は要注意。気にいった土地を慌てて購入したものの、いざ住宅会社と設計の打ち合わせになったら「土地の横幅があと1mあればなんとかなったのですがね・・・」と言われれば後悔先に立たずですよね。
学校や商業施設まで実際に歩いてみる
「小学校まで徒歩5分なら近いね!」
物件概要書にはこう書いてあっても、実際に歩いてみることが大事です。土地選びで失敗しないための必須事項と考えましょう。歩いてみたら交通量が予想以上に多く、そのうえ通学路が抜け道になっているなどのケースもよく耳にします。距離だけにごまかされないでください。
また、女の子がいる場合には、防犯面のチェックも必要。不審者が潜むような場所が多くないかに加えて、街灯のチェックもしたいところでしょう。このように学校や施設などにまで実際に歩いてチェックすることも、土地選びに失敗しない重要なポイントとなるのです。
土地を探し始める前にしておきたいこと
利害関係のない第三者に相談する
いわゆるセカンドオピニオンというものですね。昔はこのような機関を耳にすることはありませんでしたが、セカンドオピニオンという言葉が世に知られるようになってからは、様々な業界で注目を浴びるようになってきました。
土地選びも同じです。ネットで検索すればいろいろな相談窓口が出てきますので、吟味をしたうえで相談をしてみるのも手だと私は考えます。
建物の要望を事前整理する
前項で少し触れましたが、建物に対する要望や希望を整理して、どの程度の大きさになるかを把握することが土地選びに失敗しない注意点と言えます。
また、建物だけではありません。新築後に大型犬を飼うとしましょう。この犬を庭で走り回らせたいとの希望があれば、あまりに狭い土地では役不足。庭の広さも考慮した土地選びが必要になってきます。
また、今は軽自動車1台であっても、もう1台買うかもしれないし大型車への買い替えも考えられます。お客さん用の駐車スペースを欲しくなるかもしれません。
要望の事前整理とはとても大事なポイント。東京のある会社では、セカンドオピニオンとして最高で40万円の相談料を設定しているほどです。
ここに相談した方を私は取材したことがあるのですが、ご夫婦とも「最初は少し高いかな? と思ったけど、この金額を出す価値は十分にあった!」とのこと。セカンドオピニオンの重要性を肌で感じた機会でした。
要望に優先順位を付ける
土地に対する要望はいろいろとあるでしょう。
- 東南の角地は絶対に譲れない
- 坂の上は不可
- 大型スーパーが徒歩圏に欲しい
- JRの駅まで徒歩10分以内
ただ、すべての要望を満たす土地を見つけるはほぼ不可能。これはどんなにお金があっても同じこと。ここで大事なのは要望に対する優先度です。
例えば名古屋の八事近辺で土地を探しているとしましょう。お金はたくさん持っているのですが、大型スーパーまで徒歩10分圏内で坂がなくて八事駅までも徒歩5分圏内がいい、となると場所は限られてしまいます。
ある土地を紹介されたものの「坂が多いのがネックだな・・・」となったとしましょう。ただ、すべてを満たすのは至難の業。名古屋大学の前を通って本山に抜ける道もダラダラとした上り坂ですが、八事にこだわるならば目をつむらざるを得ない場合もあります。
いかがでしょうか。土地を所有していない方は、土地探しからスタートしなくてはなりません。しかし、その土地選びで失敗してしまったら、すべての計画は崩壊してしまいます。そのためにも、ここまでの内容を熟読され、可能な限り実行してください。土地選びで失敗しないことを願っております。
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宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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