この記事を読むことでわかること
- マンションの階数によるメリット・デメリット
- あなたにとって買ってはいけない階数
- あなたにとって最適な階数の考え方
マンションの購入を検討する中で、何階の部屋が良いのだろうと思うと同時に、住んではいけない階数はあるのだろうかと、疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
マンションの階数は一般的に1階から階数が高くなるごとに価格が上がっていきます。
しかし、階数が上がって価格が高くなることと、住みやすさの価値は連動しません。
そこで、この記事ではあなたにとって、最適な階数と、住んではいけない階数はどこなのかを見極める方法について解説していきます。
これからマンションの購入をお考えの方は、マンションの階数選びで後悔しないためにも、ぜひ最後までご覧になってください。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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マンションの階数は大きく4つに分類される
まずはマンションの階数について話をしてく前に、マンションの階数を大きく以下の4つに分類して解説をしていきます。
またマンションの規模にもよりますが、低層マンションやタワーマンションの両方の特徴についても解説していきます。
最上階
まずはマンションの最上階です。
マンションの中でも最も価格が高いとされ、新築マンションでも競争率が高く、早く売れていきます。
低層マンションであっても、タワーマンションであっても、最上階は一つになります。
高層階(高層マンションやタワーマンション)
高層マンションやタワーマンションならではの高層階です。
具体的にはマンション全体の階数の半分以上の階数のことを指します(例えば30階建てのマンションであれば15階以上)。
ちなみに、低層マンションに高層階は存在しませんので、高層マンションやタワーマンション独自の階層となります。
マンションの低層階(低層マンションは中層階)
高層マンションやタワーマンションでは、低層階。
低層マンションでは、最上階と1階以外の中層階にあたります。
マンションの1階
こちらも最上階と同様、低層マンションと高層マンション・タワーマンションであっても、1階は一つになります。
しかし、高層マンションやタワーマンションでは、1階はエントランスや共有施設が入っており、そもそも1階の部屋自体が存在しないマンションもあります。
マンションの階層における、それぞれのメリット・デメリット
それでは、4つに分けたマンションの階層における、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
それぞれの比較がしやすいよう、相対的なメリット・デメリットについても列挙していきます。
最上階のメリット・デメリット
最上階のメリットは、
- 眺望と風通し・日当たりの良さ
- 上の階層がなく、騒音問題が少ない
- プライバシーが確保されている
- 資産価値が高い・売りやすい
- ステータス性が高い
- ゴキブリや害虫の問題が少ない
などが上げられます。
一方でデメリットは、
- 販売価格が高い
- 地震の時に揺れが大きくなりやすい
- 夏場が暑く、エアコンが効きにくいことも
- 低層マンションの場合は屋上から侵入しやすいなど、防犯上のリスクも
- エレベーターの待ち時間が長い
- 風が強く、ベランダに洗濯物や布団を干せないことがある
- 携帯電話の電波が入りにくいことがある
- 水圧が弱くなることもある
- 最上階などに室外機がまとめられていると騒音を感じることも
- 災害時に電気が止まると、水道やエレベーターが使えなくなり、生活に大きな支障が出る
などが上げられます。
最上階のより詳しいメリット・デメリットや、後悔しやすいポイントについては以下の記事に詳しくまとめてありますので、気になる方は合わせてご参照ください。
こちらもCHECK
マンションの最上階はやめた方がいい?メリット・デメリットと後悔しないためのポイント
続きを見る
高層階(高層マンション・タワーマンション)のメリット・デメリット
高層マンションやタワーマンションの高層階は、最上階ではないものの、似たようなメリットとデメリットがあります。
具体的なメリットは、
- 眺望と風通し・日当たりの良さが確保されやすい
- 資産価値が最上階ではないものの高い・売りやすい
- ステータス性が最上階ほどではないものの高い
- ゴキブリや害虫の問題が少ない
- 最上階や1階と比較して断熱性は高い
一方でデメリットは、
- 販売価格が最上階ほどではないものの高い
- 最上階ほどではないものの、地震の時に揺れが大きくなりやすい
- エレベーターの待ち時間が長い
- 風が強く、ベランダに洗濯物や布団を干せないことがある
- 携帯電話の電波が入りにくいことがある
- 水圧が弱くなることもある
- 災害時に電気が止まると、水道やエレベーターが使えなくなり、生活に大きな支障が出る
などが挙げられ、最上階特有のメリット・デメリットがなくなっているものの、「最上階ほどではないものの」というメリット・デメリットが多くあることがわかると思います。
低層階(低層マンションは中層階)のメリット・デメリット
次に高層マンションやタワーマンションでは、低層階。
低層マンションでは中層階のメリット・デメリットを解説していきます。
理解が進みやすいように、最上階と高層階と比較した相対的なメリット・デメリットについても記述します。
まずメリットは、
- 最上階や高層階よりも価格は控えめ(高層・タワーマンション)
- 共有施設がある場合は、コストパフォーマンスが高い(高層・タワーマンション)
- プライバシーが確保されている
- 最上階や1階と比較して断熱性は高い
- 携帯電話が繋がりにくくなることが少ない
- エレベータの待ち時間は短くなる
- 震災などでエレベーターが止まっても階段で上り下りができる
- 地震の時でも揺れが高層階と比較して揺れが少なくて済む
一方でデメリットは、
- ゴキブリや害虫の問題が意外とある
- タワマンカーストがあり、最上階や高層階の住人から下に見られる
- 上から降りてくるエレベーターが混雑していて乗れないこともある
などが挙げられます。
ゴキブリや害虫の問題が意外とあるというデメリットが気になる方がいるかもしれません。
「オウチーノ」が実施したマンション内におけるゴキブリ・蚊・蜘蛛の遭遇率についてのアンケートがあるのですが、実際の結果をまとめたものが以下の表になります。
ゴキブリ | 蚊 | 蜘蛛 | |
---|---|---|---|
1~2階 | 3.39回 | 7.46回 | 4.59回 |
3~5階 | 3.61回 | 15.21回 | 8.43回 |
6~10階 | 1.28回 | 8.06回 | 4.06回 |
11階~ | 0.07回 | 5.54回 | 0.21回 |
これを見ると、意外にも1〜2階よりも、3〜5階が、すべての害虫において遭遇率が最も高いという結果になっています。
1階のメリット・デメリット
最後に1階の部屋のメリット・デメリットについて解説していきます。
メリットは、
- 下の階への音を気にしなくていい
- 専用庭がついていることが多い
- 価格が他の階と比べて最も安い
- 専用駐車場付きの部屋もある
- エレベーター待ちがない
などが挙げられます。
一方でデメリットは、
- 日当たりが悪い
- 地面に接しているため、断熱効率が悪い
- 湿気が多くカビやすい
- 虫やゴキブリなどが侵入しやすい
- 水害に弱い
- プライバシーや防犯面に不安がある
- エレベーターを使っていなくても、管理費や修繕積立金の負担がある
などが挙げられます。
1階の部屋のマンションの詳しいメリット・デメリットや後悔しやすいポイントについてまとめた記事もありますので、気になる方は合わせてご覧ください。
こちらもCHECK
マンション購入で1階は後悔しやすい!?メリット・デメリットと買ってもいい部屋の条件
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それぞれの階数に最適な価値観
それではそれぞれの階数において、最適な価値観について解説します。
最上階の部屋が最適な価値観
最上階の部屋が最も合う価値観は、希少性やステータス性を求める価値観です。
デメリットが決して少なくはない最上階ですが、それを考慮してもメリットの方が上回る価値観の人であれば、最適な階数と言えるのではないでしょうか。
高層階(高層・タワーマンション)の部屋が最適な価値観
高層階が最適な価値観は、最上階ほどの希少性やステータス性は求めないものの、そこそこのステータス性が得られることとを求める価値観に合います。
最上階でなくても、回数が高くなるほどステータス性は高くなります。
またタワーマンションなんかだと、高層階と低層階でエレベーターが別れていることもあり、高層階にステータスを感じる方にとっては、価値観が合うと思います。
その他にも、最上階特有の断熱効率は改善しますが、タワーマンションの高層階や角部屋ともなると、日当たりが強く、断熱効率は最上階ではないものの、夏場は非常に暑くなることが考えられることも注意しておきましょう。
低層階(低層マンションでは中層階)の部屋が最適な価値観
低層階の部屋が最適な価値観は、ステータスよりも利便性や、効率を考える方です。
特にタワーマンションでは、低層階になると価格も安くなりますし、ラウンジやジムなどの共有部については、最上階や高層階の人たちと同じように使うことができるので、コストパフォーマンスが良いと言えます。
1階の部屋が最適な価値観
高層マンションやタワーマンションにはあまり存在しない1階の部屋ですが、一般的なマンションには多く存在する1階。
他の部屋と違った特徴を、多く持つ部屋であるため、デメリットがそこまで気にならなく、それよりも費用を優先する価値観の人に合います。
小さなお子様がいる家庭だと、下の階の人に迷惑をかけずに済む、転落の事故などを心配しなくていい、お子様を連れてのお出かけが苦になりにくいというメリットがあるため、家庭の状況によっては最適となる価値観の人たちもいるでしょう。
それぞれの階数を買ってはいけない価値観
それでは逆に、それぞれの階数を買ってはいけない価値観を紹介していきます。
ちなみに、先ほどの階層ごとに合う価値観よりも、こちらの合わない価値観を優先した方が後悔は少なくなります。
最上階の部屋を買ってはいけない価値観
希少性も高く、ステータス性も高いですが、生活の利便性を考えるとやや劣る部分も多いのが、最上階の部屋の特徴です。
「マンションの価格と住みやすさが連動しない」という例えが最もしっくりくるのが最たる例で、生活の利便性を求める方には向きません。
特に高層マンションやタワーマンションの場合、エレベーターの待ち時間も長く、夏はエアコン代が非常に高くなり、地震や災害には滅法弱いので、生活の利便性を求める方は避けた方がいいです。
高層階の部屋を買ってはいけない価値観
高層マンションやタワーマンションの高層階の部屋は、デメリットも最上階と比較すれば随分軽減し、ステータス性は最上階とまでは行かないものの、それなりに保たれているので、バランスを重視する方には向きますが、逆に買わない方がいい価値観は、価格以外にはそこまで見つかりません。
予算さえ無理したものでなければ、比較的どの価値観の層にも合いやすい階数と言えるのではないでしょうか。
低層階(中層階)の部屋を買ってはいけない価値観
高層マンション・タワーマンションの低層階を買ってはいけない価値観の人は、ステータス性を求める方です。
利便性やコストパフォーマンスを求めて、あえて低層階を狙うのであれば問題ありませんが、低層階はやはり高層階以上の人たちに下に見られてしまう(もしなかったとしてもそう感じる)ことが多いので、ステータス性を求める方は、高層階以上を狙うか、高層・タワーマンションを検討から外すのも手です。
低層マンションの中層階(1階と最上階以外)は、比較的どの価値観の層にも合いやすい階数となり、買ってはいけない価値観の人も少ないのではないかと思います。
1階の部屋を買ってはいけない価値観
1階の部屋を買ってはいけない価値観の人は、極端に専用庭への期待が高い人です。
中古マンションを内覧する時や、新築マンションの完成パースでは、専用庭が持つ一戸建てのようなイメージに期待値も上がりますが、実際に住んでみると、専用庭は上の階から丸見えで、話し声もまる聞こえです。
もちろん、バーベキューなどはもっての外です。
また管理の手間や虫の多さから、実はあまり使っていないという人が多いため、庭でいろいろ楽しみたいという価値観の方は、いっそのこと戸建てを検討した方がいいと思います。
また結露するのが嫌だという方や、カビが発生しやすいことを「しょうがない」と思えない価値観の人もやめた方がいいと思います。
マンションで住んではいけない階数は人によって違う
マンションで住んでいけない階数は存在しますが、その階数は住む人の価値観によって答えは変わります。
繰り返しになりますが、マンションは一階から階数が上がるごとに価格が上がりますが、住みやすさは価格に比例しません。
それでも、階数が上がるごとに得られる一定の満足感もあり、人によって何を重視するかは価値観次第です。
ここに挙げたメリット・デメリット、そして価値観の合う合わないを参考に、ご自身にとって後悔のない階数選びをしていただければと思います。
そして、実際にマンションの部屋を探すときは、あなたやあなたの家族の価値観を把握した上で、最適なお部屋の紹介やアドバイスをしてくれる担当者から、マンション購入を進めるようにしましょう。
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宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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