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マンション管理計画認定制度とは?認定マンションを買うメリットとデメリットを解説

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この記事で分かること

  • マンション管理計画認定制度とは何か
  • 認定の対象になるマンション
  • 認定基準が買う人にとって何を保証しているのか
  • 認定を受けるメリットと、見落とされがちなデメリット
  • 申請費用と有効期間
  • マンション管理適正評価制度との違い
  • 認定がないマンションは避けるべきなのか

中古マンションを探していると、物件情報に「管理計画認定マンション」と書かれているものに出会うことがあります。

国の制度で認定を受けている、という意味です。

ここで多くの方が迷います。

認定があると何がいいのか。認定がないマンションは、やめておいたほうがいいのか。

制度を説明しているページは国や自治体にたくさんありますが、そのほとんどは管理組合が申請するための手続き案内です。

買う側から見てどう受け止めればいいのかを書いたものは、ほとんどありません。

業界歴17年の私が、買う人の目線で解説します。

 

マンション管理計画認定制度とは、管理組合の運営を自治体が認定する仕組み

マンション管理計画認定制度は、一定の基準を満たすマンションの管理計画を、地方公共団体が認定する制度です。

根拠になっているのはマンション管理適正化法で、令和4年度から始まっています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/keikakunintei.html)。

申請するのは管理組合です。

建物の造りや設備の良し悪しを評価する制度ではありません。

管理組合がきちんと運営されているか、修繕の計画とお金の裏づけがあるか。

そこを見る制度だと理解してください。

認定の対象になるマンション

対象は、いわゆる分譲マンションです。

1人の所有者が全戸を持っている賃貸マンションは対象外になります(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/kanri/02kanrikeikaku-seido/)。

認定するのは、そのマンションが所在する地方公共団体です。

市の区域にあるマンションは市へ、町村の区域にあるマンションは都道府県へ申請します。

築年数や戸数の制限はありません。

認定基準は、買う人が知りたかった条件そのもの

ここが本記事でいちばん読んでいただきたいところです。

認定基準は5つの分野に分かれています。福岡市が公表している内容で見ていきます(出典:福岡市「福岡市マンション管理計画認定制度」https://www.city.fukuoka.lg.jp/jutaku-toshi/jigyochosei/life/soudan/kanri_nintei.html)。

1. 管理組合の運営

  • 管理者等が定められていること
  • 監事が選任されていること
  • 集会が年1回以上開催されていること

総会が毎年開かれていて、会計をチェックする監事がいる、ということです。

当たり前のようですが、これができていない管理組合は実際にあります。

2. 管理規約

  • 管理規約が作成されていること
  • 災害等の緊急時や管理上必要なときの専有部の立ち入り、修繕等の履歴情報の管理等について定められていること
  • 管理組合の財務・管理に関する情報の書面の交付について定められていること

3つ目は買う人にとって直接効いてきます。

財務や管理の情報を書面で出すことが規約に定められている、という条件です。

つまり認定マンションは、管理の情報が出てきやすい状態にあると考えられます。

3. 管理組合の経理

  • 管理費と修繕積立金等について明確に区分して経理が行われていること
  • 修繕積立金会計から他の会計への充当がされていないこと
  • 直前の事業年度の終了の日時点における修繕積立金の3か月以上の滞納額が全体の1割以内であること

2つ目は、修繕のために貯めたお金を日常の管理費に流用していない、という意味です。

3つ目の「3か月以上の滞納が全体の1割以内」は、判断の物差しとして非常に使えます。

国が「ここまでなら適正」と置いた線だからです。

認定を受けていないマンションを検討するときも、この1割という数字を目安にできます。

4. 長期修繕計画の作成及び見直し等

  • 長期修繕計画が「長期修繕計画標準様式」に準拠して作成され、その内容と修繕積立金額について集会で決議されていること
  • 長期修繕計画の作成または見直しが7年以内に行われていること
  • 計画期間が30年以上で、かつ残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれるように設定されていること
  • 将来の一時的な修繕積立金の徴収を予定していないこと
  • 計画期間全体での修繕積立金の総額から算定された平均額が、著しく低額でないこと
  • 計画期間の最終年度において、借入金の残高のない長期修繕計画となっていること

この6つは、買う人にとって価値の高い条件が並んでいます。

計画が30年以上あって、その中に大規模修繕が2回以上入っている。

途中で「一時金を1戸あたり50万円集めます」という前提になっていない。

そして計画の最後に借金が残らない。

中古マンションを買うときに不安になることが、そのまま条件になっています。

5. その他

  • 組合員名簿・居住者名簿を備え、1年に1回以上は内容の確認を行っていること
  • 市のマンション管理適正化指針に照らして適切であること
  • 防災計画の作成や防災訓練など、防災に向けた取組みを実施していること

なお、5つ目の分野には自治体が独自に定める基準が入ります。

そのため、細かい条件は自治体によって少しずつ違います。

認定を受けるとどうなるか

国土交通省は、認定のメリットとして次の4つを挙げています(出典:前掲)。

  • マンションの管理の適正化
  • マンションの市場における適切な評価
  • 管理計画認定マンションに対する優遇措置(住宅金融支援機構)
  • マンション長寿命化促進税制(固定資産税額の減額)

金銭面の中身を具体的に見ていきます。

住宅金融支援機構の優遇

福岡市の案内によると、次の優遇があります(出典:前掲)。

  • フラット35の金利を年0.25%引下げ(当初5年間)
  • マンション共用部分リフォーム融資の金利を年0.2%引下げ
  • マンションすまい・る債の利率を上乗せ

買う人に直接効くのは、1つ目のフラット35です。

認定マンションを買ってフラット35を使うなら、当初5年間の金利が年0.25%下がります。

3,000万円を35年で借りた場合、当初5年間の負担が数十万円単位で変わってきます。

住宅ローンを検討している方は、金額を必ず試算してください。

固定資産税の減額(マンション長寿命化促進税制)

こちらは、管理組合と既に住んでいる区分所有者に効く制度です。

適用されるには、次の要件をすべて満たす必要があります(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制の要件」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001881019.pdf)。

  • 築20年以上が経過している
  • 総戸数が10戸以上である
  • 過去に長寿命化工事(外壁塗装等工事、床防水工事、屋根防水工事)を行っている
  • 管理計画認定マンションであること(令和3年9月1日以降に修繕積立金の額を管理計画の認定基準まで引き上げたこと)、または長期修繕計画について助言・指導を受けた管理組合であること
  • 長寿命化工事が令和5年4月1日から令和9年3月31日までに完了したこと

減額されるのは、工事完了の翌年度の建物部分の固定資産税額です。

減額幅は6分の1から2分の1の範囲内で、市町村の条例で定められます。

対象は居住用部分で、1戸あたり100平方メートル相当分までです(出典:前掲)。

ここで注意していただきたいのが、4つ目の要件です。

「修繕積立金の額を管理計画の認定基準まで引き上げたこと」と書かれています。

つまり、税の減額を受けているマンションは、修繕積立金を上げた実績があるということになります。

デメリットと、買う人が見落としがちな点

制度を紹介するページの多くはメリットしか書いていません。

買う立場では、次の点も知っておいてください。

認定基準に合わせて修繕積立金が引き上げられている場合がある

認定基準には、修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと、計画の最終年度に借入金の残高がないことが含まれています。

これを満たすために、認定の前後で積立金を引き上げた管理組合は珍しくありません。

管理としては健全な方向ですが、買う側から見れば月々の負担は上がります。

認定マンションを検討するときは、積立金の月額が周辺相場より高くないかではなく、その水準が計画に見合っているかを見てください。

高いこと自体は、悪い話ではありません。

認定は建物の品質や工事の出来を保証するものではない

認定されるのは「管理計画」です。

外壁の劣化具合、給排水管の状態、工事の施工品質は審査されません。

計画とお金の裏づけがあることの証明であって、建物が良いことの証明ではありません。

有効期間は5年で、更新が必要

認定の有効期間は、認定を受けた日から5年間です(出典:東京都マンションポータルサイト・前掲)。

期間が過ぎれば、改めて更新の申請が必要になります。

物件情報に「認定マンション」と書かれていても、認定がいつ取られたものかを確認してください。

申請には総会の決議と費用がかかる

手続きは、集会での決議から始まります。

そのあと事前確認申請、事前確認適合証の発行、認定申請、認定通知書の発行という流れです(出典:国土交通省・前掲)。

手数料は自治体によって違います。

東京都の町村の区域では、オンライン申請が4,100円、紙による申請が29,000円です(出典:東京都マンションポータルサイト・前掲)。

これは自治体に払う手数料で、公益財団法人マンション管理センターの事前確認を受ける場合は、別に費用がかかります。

マンション管理適正評価制度との違い

名前が似ているうえに目的も近いため、混同されやすい2つの制度です。

大きく違うのは、運営している主体と、評価の出し方です。

マンション管理適正評価制度は、一般社団法人マンション管理業協会が運営しています(出典:マンション管理業協会「マンション管理適正評価制度」https://www.kanrikyo.or.jp/evaluation/)。

評価は6段階で、星の数によって示されます。

5つのカテゴリー、30項目について、協会指定の講習を修了した管理業務主任者またはマンション管理士が評価します。

有効期間は、登録が完了して公開された日から1年間です。

整理するとこうなります。

  • 管理計画認定制度:地方公共団体が認定。基準を満たすかどうかの合否。有効期間5年
  • 管理適正評価制度:マンション管理業協会が評価。星の数による6段階。有効期間1年

合否で見たいなら認定制度、程度を知りたいなら評価制度、という違いです。

両方を取得しているマンションもあります。

認定がないマンションは、避けたほうがいいのか

ここが一番よく聞かれる質問です。

私の答えは、避ける理由にはならない、です。

認定を受けているマンションは、2026年7月末時点で4,215件です(出典:株式会社RIAコア・ブレインズ「管理計画認定マンション一覧(2026年7月末)」https://ria-corebrains.co.jp/archives/24747。公益財団法人マンション管理センターの管理計画認定マンション閲覧サイトを同社が集計したもの)。

制度が始まって4年で、この数です。

全国のマンションの数から見れば、認定を受けているほうがまだ例外だということになります。

認定がない理由は、管理が悪いからとは限りません。

申請には総会の決議が必要で、資料を揃える手間も費用もかかります。

そもそも制度を知らない管理組合も、まだたくさんあります。

ですから、こう考えてください。

認定がある場合は、基準を満たしていることが確認できたので、その分の確認作業を省ける。

認定がない場合は、自分で確かめる必要がある。

避けるかどうかではなく、確かめる手間が変わるだけです。

令和9年4月からは、新築の時点で認定を取れるようになる

国土交通省は、令和9年4月1日の施行に向けて、分譲事業者が適切な管理計画を作成し、管理組合の管理者等に引き継ぐ仕組みを導入するとしています。

分譲の時点で、分譲事業者が管理計画認定を申請できるようになる予定です(出典:国土交通省・前掲)。

これが動き出すと、新築マンションでは認定が付いているのが当たり前になっていきます。

そのとき問題になるのは、既存の中古マンションとの差です。

認定を取れる管理組合と、取れない管理組合の違いが、そのまま資産価値の差として見えるようになる可能性があります。

中古を検討している方は、この流れを頭に入れておいてください。

結局、自分で確かめるしかない部分が残る

認定制度は、管理組合の運営が基準を満たしているかどうかを教えてくれます。

ただし、認定があってもなくても、あなたが買おうとしているそのマンションについて、次の問いには答えてくれません。

その積立金の水準で、この先30年もつのか。

認定基準にある「修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと」は、あくまで一般的な水準との比較です。

エレベーターが何基あるか、機械式駐車場があるか、外壁の面積がどれくらいか。

そうした個別の条件によって、必要な金額は大きく変わります。

判断するには、そのマンションの資料から数字を拾い、これから必要になる金額を積み上げて、今の積立ペースと突き合わせるしかありません。

私がこの問題を放っておけなくて作ったのが、買っていいマンション診断です。

重要事項調査報告書や長期修繕計画などの資料をアップロードすると、AIが数字を読み取り、修繕積立金が30年後にどうなるかをシミュレーションして、A〜Eで判定します。

認定の有無にかかわらず、そのマンション固有の数字で確かめられます。

 

認定があってもなくても、積立金が足りているかは資料をアップロードするだけで確かめられます。
→ マンションの管理状態をA〜Eで判定する(買っていいマンション診断)

認定マンションを検討するときのチェックリスト

  • 認定を受けた年月を確認し、有効期間5年の残りを確認した
  • 認定の取得前後で修繕積立金の値上げがあったか確認した
  • 現在の管理費・修繕積立金の月額を確認した
  • 今後の値上げが総会で決議されていないか確認した
  • 長期修繕計画の計画期間と、残存期間内の大規模修繕の回数を確認した
  • 長期修繕計画の最終年度に借入金の残高がないか確認した
  • 建物全体の滞納額を確認し、3か月以上の滞納が全体の1割以内か確認した
  • 管理適正評価制度の評価も受けているか、受けていれば星の数を確認した
  • 認定がないマンションの場合、上記の項目を重要事項調査報告書と長期修繕計画で自分で確認した
  • 建物そのものの状態は、認定では分からないことを理解したうえで内覧した

まとめ

マンション管理計画認定制度は、管理組合の運営と修繕計画が基準を満たしていることを、地方公共団体が認定する制度です。

認定基準には、3か月以上の滞納が全体の1割以内、長期修繕計画は30年以上で大規模修繕を2回以上含む、計画の最終年度に借入金の残高がない、といった条件が並んでいます。

これは買う人が知りたかった条件そのものなので、認定があるマンションは確認作業を省けます。

一方で、認定は管理計画に対するものであって、建物の品質を保証するものではありません。

認定基準を満たすために積立金を引き上げている場合もあり、月々の負担が高めになっていることもあります。

そして認定を受けているマンションは、2026年7月末時点で4,215件です。

認定がないことは、まったく珍しくありません。

認定の有無で決めるのではなく、認定がなければ自分で確かめる、と考えてください。

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よくある質問

マンション管理計画認定制度の対象は何ですか

いわゆる分譲マンションが対象です。

1人の所有者が全戸を所有している賃貸マンションは対象外になります。

築年数や戸数による制限はありません。

申請するのは管理組合で、認定するのはそのマンションが所在する地方公共団体です。

マンション管理計画認定制度の申請費用はいくらですか

自治体によって異なります。

東京都の町村の区域では、オンライン申請が4,100円、紙による申請が29,000円です。

これは自治体に納める手数料で、公益財団法人マンション管理センターの事前確認を利用する場合は別に費用がかかります。

マンション管理計画認定制度のデメリットは何ですか

申請に総会の決議と手間と費用がかかること、有効期間が5年で更新が必要になることが挙げられます。

買う立場からは、認定基準を満たすために修繕積立金が引き上げられている場合があること、そして認定は管理計画に対するものであって建物の品質や工事の出来を保証するものではないこと、この2点を押さえておいてください。

管理計画認定を受けているマンションは何件ありますか

2026年7月末時点で4,215件です。

制度が始まったのは令和4年度なので、4年でこの数ということになります。

認定を受けたマンションは、公益財団法人マンション管理センターの管理計画認定マンション閲覧サイトで公開されています。

マンション管理計画認定制度はいつから始まりましたか

令和4年度から始まっています。

根拠になっているのはマンション管理適正化法です。

なお令和9年4月1日の施行に向けて、分譲時に分譲事業者が認定を申請できる仕組みの導入が予定されています。

マンション管理計画認定制度とマンション管理適正評価制度の違いは何ですか

運営する主体と、結果の出し方が違います。

管理計画認定制度は地方公共団体が認定するもので、基準を満たすかどうかの合否で決まり、有効期間は5年です。

管理適正評価制度は一般社団法人マンション管理業協会が運営するもので、5つのカテゴリー30項目を評価して星の数による6段階で示され、有効期間は1年です。

両方を取得しているマンションもあります。

管理計画認定を受けると固定資産税はいくら減額されますか

マンション長寿命化促進税制の要件を満たした場合、長寿命化工事が完了した翌年度の建物部分の固定資産税額が、6分の1から2分の1の範囲内で減額されます。

減額幅は市町村の条例で定められます。

対象は居住用部分で、1戸あたり100平方メートル相当分までです。

適用には、築20年以上、総戸数10戸以上、過去に長寿命化工事を実施済みであること、そして令和5年4月1日から令和9年3月31日までに工事が完了していることなどの要件があります。

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