この記事を読むことでわかること
- マンションの建替えの目安となる築年数
- 建替えの現状と課題
- 建替えにかかる期間や流れ
- どんなマンションを購入すべきか
中古マンションを購入して、時間が経ったときに、建替えとかはどうなるんだろうと気になったことはないですか?
筆者も実際に営業をしている中で、数は多くないものの、お客様から
「中古マンションってどれくらい住めるの?」
「将来的に建替えとかってどうなるんですか?」
といった、中古マンションの行末や、建替えについて聞かれることがあります。
今はまだ先のことに感じるかもしれませんが、建替えに関する知識を持っておくことは、マンションをいつまで保有するか、また売却のタイミングを考えるなど、出口戦略を考える上でも非常に重要になってきます。
この記事では、マンションがいつ頃から建替えを検討するのか、また実際建替えに至るまでの流れや期間、建替えが成功するマンションの特徴や要因について幅広く解説していきます。
またこの記事を読むことで、逆算的にどんなマンションを購入すればいいのかも分かりますので、これからマンション購入をお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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マンション建替えの目安となる築年数
まずマンションの建替えの目安となる築年数について解説していきます。
マンションの耐用年数と築50年マンションの特徴
マンションの耐用年数には3つの種類があります。
「法定耐用年数」「物理的耐用年数」「経済的耐用年数」です。
「法定耐用年数」は、税務上の耐用年数で、鉄筋コンクリートであれば47年とされています。
法定耐用年数は、実際のマンションの寿命には関係がなく、税務上、経費を計算するときに使う数字です。
次は「物理的耐用年数」ですが、これはその名の通り物理的な寿命をさし、マンションそのものの寿命と考えられます。
マンションの寿命に関しては色々な意見がありますが、最もポピュラーなものは、120〜150年というものです。
これは、国土交通省から公表された論文において「鉄骨鉄筋コンクリート造及び鉄筋コンクリート造の構造体の耐用年数は、 鉄筋を被覆するコンクリートの中性化速度から算定し中性化が終わった ときをもって効用持続年数が尽きるものと考える。鉄筋コンクリート部材 の効用持続年数として、一般建物(住宅も含まれる。)の耐用年数は120 年、外装仕上により延命し耐用年数は150年。」と公表されたことが理由です。
実際、鉄筋コンクリート造の建物には「KN日本大通ビル」といった、1911年に建設され110年以上経った現在も、現役のオフィスビルとして活躍しているような建物もあります。
マンションの物理的な寿命については、より詳しくまとめた記事があるので、そちらも合わせてご参照ください。
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そして最後に重要となるのが「経済的耐用年数」です。
分かりにくい言葉だと思いますが、現在における築50年の中古マンションを例にすると分かりやすいです。
現段階で築50年の中古マンションが建てられたのは1973年前後となりますが、1970年頃に住宅金融公庫ができて、マンションでも住宅ローンを利用できるようになり、市場に大量のマンションが供給された時期になります。
そのころの間取りは、すべて和室だった状態から洋室の部屋が出てきた頃ですが、まだ和室の部屋が多く、さらに部屋は四角く狭いため、現代のニーズには合っているとは言えません。
また建築技術的にも、まだ耐震基準がようやくできた頃で、コンクリートも薄く、エレベーターがない物件も多く、現在のニーズに合わないことから、売却をしようとしても、なかなか売ることができなかったりと、市場で求められる仕様と全く違っています。
つまり「物理的耐用年数」が実際に「住むことができる」寿命であり、「経済的耐用年数」は「快適に住むことができる、住みやすい」と世間で考えられる寿命ということになります。
ですから、築年数が古い、築50年を超えるような中古マンションでは、「経済的耐用年数」はすでに寿命を過ぎていると考えることができます。
マンションの建替えの目安の築年数は?
ここで、単純に築年数が50年を超えるとマンションの建替えの築年数になると言うわけではありません。
特に2000年を境に、マンションの構造は、近代的な設備やバリアフリー性、そしてコンクリートの厚みや機密性など、一気に現代化しています。
室内の床の色などは、流行り廃りがあるので、その時々で合う合わないことはありますが、今の時点での築50年のマンションと、2000年以降のマンションが築50年になるのとでは、全く意味合いが変わってきます。
2000年以降のマンションは完成を迎えている状況で、今のように「経済的耐用年数」が4〜50年で寿命を迎えるというようなことは無いのではないでしょうか。
個人的な見解ですが、今後は、「経済的耐用年数」は徐々に「物理的耐用年数」に近づいていくものと考えています。
老朽化マンション 3つの再生選択肢
老朽化したマンションの再生の選択肢は、建替えだけでなく、他にもいくつかの方法があります。
具体的な老朽化したマンションの再生選択肢としては、
- 大規模修繕
- 建替え
- マンション敷地売却
この3つが挙げられます。
大規模修繕
大規模修繕には、一般的な資産維持保全を目的としたものと、共用部などの大きな変更も含む一棟全体のリノベーションなども含まれます。
特に一棟全体のリノベーションは、建替えと比較して、構造躯体など、利用できるところは再利用するため、比較的安価で実施することが出来ます。
リノベーションにより、耐震補強や現在の需要に合う形にすることで、経済的耐用年数をさらに伸ばすことも可能です。
一般的な資産維持保全を目的とした大規模修繕工事は、過半数の議決権で、可決できます。
しかし、一棟リノベーションのような共用部に著しい変更が伴う場合は、4分の3以上の賛成が必要とされています。
建替えは5分の4以上の賛成が必要となるため、建替えよりもハードルは低い改修方法となります。
また、この大規模修繕工事であれば、現在積み立てている修繕積立金をそのまま活用することができます。
ちなみに、建替えについては修繕積立金を利用すことができません。
これは国土交通省が定めた「マンション標準管理規約」において、修繕積立金の建替えへの流用が禁止れているからです。
建替えの時は、修繕積立金は清算して所有者に返還されるのです。
それまでの修繕積立金を活用できる一棟リノベーションと、修繕積立金が一旦全て清算されて、一から計画を立案して資金計画を改めて立てる必要のある建替えでは、一棟リノベーション(大規模修繕)の方が実施のハードルは低いと感じます。
建替え
建替えには、大規模修繕(一棟リノベーション)と比較しても、賛成が全体の5分の4と、全体の議決権の8割以上の賛成が必要となり、ハードルは高くなります。
また先述した通り、建替えでは、これまで積み立ててきた修繕積立金を利用することはできません。
しかし、マンションを建替えることで、一棟リノベーションよりも費用はかかりますが、その分資産価値の向上も高くなります。
また一棟リノベーションはどうしても、元の構造躯体を利用するため、いくら大幅な改修を行なったとしても、現在の需要に合わないこともあり得ますが、建替えは新築マンションとして生まれ変わることができます。
また従来の所有者は、費用の負担は発生するものの、普通に新築マンションを購入するよりも、はるかに安い金額で新築マンションに住み直すことができます。
実施におけるハードルや、建替えにかかる費用などについては後述しますが、マンションの行末として最も理想的なのが、建替えとなります。
マンション敷地売却
従来は、ここまで解説してきた、大規模修繕もしくは建替えだけが選択肢でしたが、2014年に耐震性が不足するマンションの解消を促進する観点から、マンション建替法が改正され、マンション敷地売却制度が創設されました。
これによって、選択肢が増え、マンション再生の可能性が高まりました。
マンションの建替え事業では、現マンションをその場所で建替えることを基本としています。
しかし、マンション敷地売却では、現マンションを一括で第三者に売却し、そこで得られた売却益を所有者で分配するというものです。
分配金を受け取って、マンションの所有者は、別の場所で生活をしていくというものです。
こちらも実施にあたり、5分の4の賛成が必要になりますが、実施が想定されるケースとして、耐震改修ができないことや、既存不適格状態によって建替えをしても、現在の床面積を満たせないなどが考えられます。
またこの制度自体は、耐震性不足の認定が必要となるため、1981年6月以前の旧耐震基準のマンションが対象となると考えられます。
一方で、注意点として、耐震性不足の認定を受けるということは、対外的に公表されるため、資産価値に大きな影響を及ぼします。
ですので、いろんな選択肢を考慮した上で、所有者の合意形成を図り、慎重に物事を進めていくことが必要になります。
マンションの建替えは進むのか?
それでは、話をマンションの建替えに戻して、現在のマンションの建替え実施状況はどうなっているのか、また問題点や建替えの可能性を見る上でのポイントなどについて解説していきます。
マンション建替えの実施状況
マンションの建替えですが、実はそこまで進んでいないのが現状で、国土交通省のデータによれば、実際に建替えられたマンションの数は、2022年4月時点で270件(22,200戸)にとどまっています。
同時期でのマンションのストック数は685.9万戸とされていますので、建替えがされた割合は、およそ0.3%と非常に少ない状況です。
また2021年時点で築40年以上のマンションは115.6万戸(全体の約17%)ですが、30年後の41年後には425.5万戸と、現在の3.7倍に急増する見込みです。
現在や今後の状況を考えれば、マンションの建替えはもっと進むべき課題ですが、なかなか進展しないのはなぜでしょうか?
次からは、マンションの建替えが進みにくい原因について解説していきます。
マンション建替えのハードル
マンションの建替えがなかなか進まない理由として、賛成が5分の4以上が必要になるというハードルと、費用面でのハードルがあります。
両者は密接に絡み合っているのですが、マンションの建替えには、平均で1戸あたり1500万円ほど、今現在は建築費の上昇により1900万円ほどかかると言われています。
若い世帯であればともかく、高齢者にとってこの支払いは決して負担が軽いものではなく、結果として採決の際に反対に回り、5分の4というハードルがクリアされないということになります。
なので、将来的にマンションの建替えを促進させる上で欠かせないのが、「決議で5分の4以上の同意」という要件の緩和になってきます。
現在日本政府でも、老朽マンションの建替えを促進するために、この要件の緩和を検討しています。
おそらく今後はこの要件も緩和され、実施も増えていけば事例も増えていき、マンションの建替えもより進むのではないかと期待されます。
建替えの成功可能性を見極めるポイント
次にマンションの建替えがうまくいくかどうかを見分けるポイントについて解説します。
建替えが上手く行きやすい条件とは、1戸あたりの負担額が小さくなることです。
マンションの建替えで、ただ単に建替えるだけでは、建替え費用の負担が、現所有者に行ってしまうので、現実的ではありません。
しかし建替えの時に、余分に部屋を作ることが出来ると、その部屋を外部の人に販売することによって管理組合の収益とし、一部屋あたりの負担額を下げることができるのです。
つまり、戸数を今よりも増やすことができるのか、そして販売額が高くなるのか、この2点で建替えの可能性が決まるといえます。
まず戸数を今より増やすことができるのか、という点ですが、現在国としても古いマンションの建替えを促進させるため、耐震性の不足など「要除去マンション」として認定がされれば、容積率の緩和を受けることができます。
容積率とは?
容積率とは、土地の面積に対する建物の床面積に対する割合です。
例えば、1000坪の土地があり、容積率が200%の場合、2000坪までの延べ床面積の建物を建てることができます。
容積率が高くなればなるほど、土地に対して大きな建物を建てられるようになります。
つまり旧耐震基準のマンションなどでは、もともと容積率が目一杯で建てられていても、この緩和措置を受けることで、より大きなマンションを建てることができ、余った部屋を販売することで建替えを促進させようとしています。
また建替えが成功する、もう一つの大きな要因として、販売できる部屋の価格が高いということが上げられます。
つまり、立地がいいということが条件になるということです。
その他にも、管理組合の総会などで、建替えについての議論がどれだけされているのかも、管理組合の建替えに対するスタンスを把握する上で、重要な判断ポイントになると思います。
これまで筆者が調査してきたマンションの中には、将来の建替えに備えて別途、解体費を積み立てている組合もありました。
このようなマンションは、価値に気づく人も少ないかもしれませんが、実は非常にお宝マンションである可能性も高く、何よりそのお宝具合に気が付くためのプロのサポートが必要になります。
これから中古マンションを探す方は、ぜひ担当者探しから始めるようにしましょう。
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マンション建替えの検討から実施までの流れ
ここからはマンションの建替えの検討から、実施までの流れと、それぞれのステップでどんなことをやっていくのかについて、解説します。
マンション建替えの4ステップ
まず、マンションの建替え事業の進め方の全体像をご覧ください。
マンション建替えのステップと簡単な内容、そしてそれぞれにかかる期間についてまとめてあります。
木からは、一つ一つのステップについて、詳しく解説していきます。
ステップ①:検討段階
まず一番初めの段階で、管理組合が専門家を交えて、建替えを検討すべきかを協議するために、区分所有者に向けた勉強会や説明会などを実施します。
建替えには、他の大規模修繕(一棟リノベーション)や場合によってはマンション敷地売却なども比較検討することや、建替えの場合の容積率の獲得など、検討内容が多岐に渡り、尚且つ専門性も高くなります。
さらに検討段階から計画段階での期間も長くなることが大半ですので、継続性を維持するため、通常の理事会とは別の検討組織を設けます。
またサポートを受ける専門家についてですが、一言で専門家と言っても様々で、管理全般はもちろん、建物や法律に関する知識も備えている必要があります。
他にも区分所有者の立場に立っての計画立案や事業化、そして合意形成のアドバイスなどができるなどのスキル・経験が必要になります。
具体的には再開発プランナーやマンション建替えアドバイザー、最近ではマンションディベロッパーも多く建替え事業に参入してきています。
ディベロッパーは、マンション建築や建替えの成功例が多いところや、中立的な立場でアドバイスしてくれる人を選ぶようにしましょう。
そして検討をしてみて、具現化ができそうであれば、次の計画段階に進んでいきます。
ステップ②:計画段階
ステップ①の検討段階の次は、ステップ②の計画段階に移行します。
ここでは具体的な計画を進めていくために、マンションの所有者で合意形成を進めていく期間となります。
まずはステップ①の検討組織から、検討段階で得られた結果や内容から、その内容を区分所有者に周知します。
その際に、建替えの必要性や計画、構想などを、区分所有者にわかりやすく説明していきます。
そして理事会に対して「建替えの決議に向けて計画の検討を行なっていくべき」と提議をします。
もちろん、この提言は大規模修繕工事になることもあれば、マンション敷地売却となることもあります。
ここから区分所有者への周知とともに合意形成を目指していくことになります。
そして、一定以上の合意形成が得られたら、理事会は管理組合にマンションの建替えを提議します。
これを「建替え推進決議」と言い、建替えを計画することの合意決議となります。
さらにそこから管理組合における計画組織を設置し、専門家や事業者を選定、非賛成者への対応、関係地方公共団体や周辺住民との協議などを進めていきます。
最後に、俗にいう建替え決議を行う、議決権の5分の4以上の賛成をもって、マンションの建替えが決まります。
ここでは説明を簡潔にしていますが、それでもやるべきことの多さを感じていただけるのではないでしょうか。
ステップ③:実施段階
建替えの決議が終わったら、今度は建替えに向けた実施段階に入っていきます。
まず、参加組合員を5人以上を選定し、建替え合意者及びその議決権の3/4以上の同意を得た上で、建替え組合を設立します。
この建替え組合の設立には、定款や事業計画が必要となり、設立にあたっては都道府県知事による認可を得る必要があります。
次に、現在のマンションの管理組合を解散し、それまで積み立てられていた修繕積立金を持分に応じて、その時の所有者に分配します。
ちなみに全員が建替えに賛成していて、尚且つ全員の同意があれば、修繕積立金の残額を建替え組合に引き継がせることも可能です。
そして建替えに不参加となる所有者への売渡請求を実施し、管理組合で不参加者の持分を買い取っていきます。
次に新マンションにおける住戸選定(位置決め)を行っていき、旧マンションから新マンションへの権利返還を行なっていきます。
そして権利変換計画に対して決議をとり、建替え参加者の中で、4/5以上の同意を得る必要があります。
この時、住戸選定に納得ができずに、反対する方は、この時点で再度売渡請求をすることができるようになります。
建替えが決議されていても、最後に比較的揉めやすい権利変換においても、4/5以上の同意が必要であるため、説明会や個別面談を積み重ね、合意形成をしていくプロセスが重要になります。
最後にマンションから退去し、一時入居先へ引っ越しをしていきます。
ステップ④:工事施工
マンションから全ての所有者が退去したら、解体から始まり、新しいマンションの建築を始めていきます。
建替えにかかる期間は、新しく建築するマンションの規模によって大きく変動します。
また工事施工中に新しい部屋の売り出し募集をかけ、実際に販売活動をしていきます。
そして新マンションの建築が完成してから、それぞれ事前に割り当てられていた部屋へ入居をしていきます。
ここまで最低でも5年以上、実際に合意形成の期間なども長めに見積もると10年近くかかるプロジェクトになります。
その間にやることも多く、マンション建替えにおける所有者の負担は決して軽いものではないことがご理解いただけると思います。
建替えが予想される中古マンションを狙うという戦略はありか?
たまにインターネットの記事を見ていたりすると、「建替え目的で古いマンションを買うのもあり」という記述は発言をされているものを見かけますが、私個人的にはリスクがあると思っています。
確かに古いマンションを低価格で購入し、実際に建替えが実施されれば、結果としてかなり安い費用で新築マンションを購入することができるので、そのような考えを持つ方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ここまで見てきたように、実際に建替えに至るまでには、非常に長い時間と、たくさんのハードルを超えていく必要があります。
立地が良く、容積率に余裕があって、戸数を今よりも増やせる可能性が高いマンションを狙う手もありますが、それでも反対する方がどれくらいいるか分からない中で、建替え目的で購入をするのは賢明な方法ではないように感じます。
もちろん中には、建替えに向けて早い段階から住人同士で話し合い、解体費用を別途積み立てているようなマンションであれば、非常に魅力的ではありますが、欲しいと思える物件かどうかを基準に探すようにしていただくことをお勧めします。
ただ、ここまでで解説してきたように、建替えが成功するための、必要最低条件は立地がいいことです。
資産価値においても立地は重要ですが、建替えにおいても重要な要素ですので、マンション購入は立地選びに気をつけるようにしましょう。
また管理組合の内情を調べるためには、スキルや経験の高い担当者の存在が欠かせません。
ハウスクローバーでは、全国の優良な担当者が探せるサイトとなっておりますので、ぜひご活用ください。
マンションの建替えの築年数の目安は?費用や期間、成功のための要因のまとめ
最後にここまで解説をしてきた、マンション建替えに関する内容をまとめておきます。
マンション建替えの築年数の目安
マンションによりますが、一般的には「経済的耐用年数」を超えたあたりからが目安になると思われます。
マンションの建替え費用
マンションの部屋を増やすことができれば費用は安くなるが、最近では建築費も高騰しており、1戸あたり1,500〜2,000万円が目安になる
マンションの建替えにかかる期間
最低でも5年、長ければ10年以上かかるようなケースも
マンション建替えの成功の要因
マンションの所有者が当事者意識を持ち、いかに早い段階から協議をできるか。また立地やマンションの部屋を増やすことができるかなど、様々な要因によって決まっていきます。
ここまで解説してきたことを参考に、これから購入する中古マンションにいつまで住むのか?
そして住み続けるのであれば、いつくらいから建替えの議論が出そうなのか、などをしっかり検討して、出口戦略をある程度考慮して中古マンション探しをしていくようにしましょう。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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