この記事を読むことでわかること
- 1階の部屋のメリット・デメリット
- 1階の部屋が後悔しやすい理由
- 1階でも購入しても大丈夫な条件
マンションを探している中で、1階の部屋が売りに出されていた時に、あなたはどのように感じますか?
人によって感じ方は様々ですが、そもそも検討外という方もいれば、内容によっては検討できる、という方もいらっしゃると思います。
1階の部屋は高層階の部屋と比較すると、価格が安く設定されていることもあり、ハイグレードなマンションであっても比較的手が届きやすいという特徴があります。
一般的にマンションは1階から階数が上がるにつれ、価格が上がっていきますが、実際の住みやすさと価格が連動するとは限りません。
そこでこの記事では、マンション購入で1階の部屋が後悔しやすいと考えられる理由と、メリット・デメリット、そして1階の部屋でも買ってもいい条件などについて解説していきます。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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マンションの1階の部屋のメリット
まずはマンションの1階の部屋のメリットを見ていきます。
メリットはどちらかというと、住む前に感じるものであることが多いというのが特徴です。
下の階への音を気にしなくてもいい
1階の部屋を選ぶ方で、最も多いのはこの理由ではないでしょうか。
特にお子様が小さいご家庭で、お子様が走り回ったりして、階下の人に迷惑がかからないか考えるのが嫌という方は多いと思います。
実際、1階であればそのようなことを考えなくてもいいので、上から音があっても我慢できるが、自分がよその家に迷惑をかけたくないという考え方の方には最適です。
専用庭がついていることが多い
1階の部屋に全て専用庭がついているわけではないものの、専用庭がついている物件が多いのではないでしょうか。
マンションでありながら、一戸建てのような感覚が味わえるのは非常に魅力的だと思います。
人によっては、専用庭で趣味を楽しむこともできます。
ただし専用庭がある部屋の場合、通常の管理費に加えて、専用庭の利用料がかかることが一般的です。
価格が他の階の部屋と比べて安い
冒頭の解説にもありましたが、マンションは通常1階から階数が高くなるにつれ、価格も上がっていきます。
なので、1階の部屋は他の部屋と比べて価格が安く、その分、築年数が浅いマンションを選んだり、立地が良いマンションを選ぶことができるなど、予算にゆとりが出やすいというメリットがあります。
専用駐車場付きの部屋もある
1階の部屋では、専用庭から外に出られるようになっていて、外に出たら専用駐車場がついている部屋もあります。
このような部屋であれば、いちいちマンションのエントランスに回らないくても、自身の住戸に出入りできるので、非常に便利です。
例えば、スーパーで買い物をして重い荷物があったとしても、車からそのまま住戸に荷物を運ぶことができるので、導線も優れていますし、小さなお子さんなどがいれば、尚のこと利便性が高いでしょう。
エレベーター待ちがない
1階の部屋であれば、他の階のようにエレベーター待ちをする必要がありません。
すぐに外に出られるので、高層階のように外に出ることが億劫になることもないですし、忘れものをしてもすぐに取りに帰ることができます。
また震災などで、電気が止まってしまっても、外からの出入りに影響が少なくて済みます。
マンションの1階の部屋のデメリット
メリットが一通り理解できたところで、次はデメリットについて解説をしていきます。
メリットはどちらかというと、イメージが先行しているところもありますが、デメリットは実際に住んでみて、事前に把握していないと後悔に繋がりやすいポイントと言えます。
日当たりが悪い
1階の部屋は、日当たりが悪くなりやすいというデメリットがあります。
周りの建物の影響を最も受けやすいということもありますし、外から見えないように、目隠しが設置されていることも多く、その目隠しが日当たりを遮る形になってしまうこともあります。
日当たりが悪いと、夏は涼しくなるかもしれませんが、冬は寒くなります。
断熱効率が悪い
マンションの最上階も、日光を直接浴びることになるため、エアコンが効きにくいなど、断熱効率が悪いと言われていますが、1階の部屋も断熱効率が悪いと言われています。
1階の部屋は、地面に接しているため、地面の温度の影響を受けやすいです。
夏は比較的涼しく過ごすことができますが、冬は地面の冷気の影響で、なかなか部屋が温まりにくいということがあります。
また冬場は地面の温度と室内の温度差が他の部屋よりも大きくなりやすいことから、結露も出やすいと言われています。
湿気が多くカビやすい
1階の部屋は風通しが悪く、湿気が多くなりやすい部屋です。
湿気が溜まるということは、カビが繁殖しやすい環境となるので、壁紙などがカビやすいです。
特に結露が出やすいこともあって、カビはかなり発生しやすくなります。
虫やゴキブリなどが侵入しやすい
1階の部屋は地面と接しているため、虫やゴキブリなどが室内に侵入しやすいというデメリットがあります。
虫やゴキブリが苦手な方は多くいらっしゃると思いますが、「オウチーノ」がマンションの居住者に対して行ったアンケートでは意外な結果が出ていたいので、その結果を共有します。
ゴキブリ | 蚊 | 蜘蛛 | |
---|---|---|---|
1~2階 | 3.39回 | 7.46回 | 4.59回 |
3~5階 | 3.61回 | 15.21回 | 8.43回 |
6~10階 | 1.28回 | 8.06回 | 4.06回 |
11階~ | 0.07回 | 5.54回 | 0.21回 |
このアンケート結果を見ると、ゴキブリ・蚊・蜘蛛の全ての項目で1〜2階よりも3〜5階が最も遭遇率が高いことが分かります。
ただし、そうは言っても高層階よりは、遭遇率が高いことには変わりがありません。
水害に弱い
水害リスクの高い立地では、マンションであっても1階の部屋は浸水する可能性が高くなります。
浸水することのデメリットとして、実際の生活に支障が出たりすることもありますが、それ以外にも資産価値が大きく毀損するリスクがあります。
不動産の取引において、契約前に行う重要事項の説明において、過去の事故歴や災害歴は告知をすることになっています。
つまり事故歴が有りとなってしまうので、将来売るときに、かなり価格が落ちてしまうリスクがあります。
また火災保険でも、通常2階以上の部屋であれば「水害不担保」とすることができますが、1階の場合、水害リスクがある立地の場合、水害に対する保証をつける必要があるため、保険料も高くなります。
ちなみに昨今は、水害の被害が増えていることもあり、水害が保険料率は上昇しており、水害補償の有無で保険料は、そこそこ変わります。
プライバシーや防犯面に不安がある
1階の部屋はどうしてもその場所から、外から見えやすいこともあり、プライバシーが保たれにくいデメリットがあります。
また1階ということもあり、窓から空き巣などが入りやすいので、防犯面にも不安があります。
特に女性の一人暮らしの場合、不安を感じることが多いのではないでしょうか。
エレベーターを使わなくても管理費や修繕積立金の負担はある
エレベーターを使わずに生活できる1階の部屋ですが、毎月徴収される管理費や修繕積立金には、エレベーターの保守メンテナンスにかかる費用も徴収されます。
これは管理規約で、管理費や修繕積立金は全体の費用を、各部屋の面積で按分して負担すると定められているからです。
致し方ないところではあるものの、エレベーターの保守メンテナンス費を負担しなければいけないのは、なんとなく納得しづらいのではないでしょうか。
マンションの1階の部屋を購入して後悔する理由
ここまでマンションの1階の部屋のメリット・デメリットを解説した上で、マンションの1階の部屋にして後悔する理由について解説していきます。
デメリットをしっかり把握していなかった
おそらく一番多いであろう、後悔する理由だと思います。
多少考えてはいたものの、メリットの方に意識が行ってしまいがちで、実際住んでみたら、デメリットがご自身の価値的に合わなかったというケースです。
1階の部屋を購入して、後悔しないためには、まずはメリット・デメリットについてしっかり把握した上で、デメリットの方がどうしても我慢できないとならないか、今一度確認するようにしましょう。
実は1階でなくても音の問題はそこまで気にならなかった
これからマンションを購入する方にとって、従前の住まいは賃貸物件であることが大半だと思います。
アパートや賃貸専用のマンションなどは、分譲マンションと違い、収益性を重視するため、コンクリートの厚みなど、生活の快適性につながる投資を削減する傾向があります。
結果として音の問題が発生しやすく、特に木造のアパートなどは、隣で何をしているか音でわかってしまうくらいの物件もあり、音について慎重になっていることがあります。
しかし分譲マンションは賃貸物件と比較して、質が全く異なりますので、実際住んでみると想定していたよりも、全く隣や上の部屋の音が聞こえないということは良くあることです。
また築年数が比較的新しいものの方が、コンクリートの厚みがある傾向もあり、それはそのまま防音性にもつながるので、音の問題だけを気にして1階を選ぶというのであれば、比較的新しい築年数のマンションの2階以上の部屋を探してみるのもありだと思います。
専用庭を思った以上に使わない、蚊が大量に発生する
専用庭は、一戸建てのような気分を味わえるパーソナルスペースに思えますが、実は2階からは丸見えで、さらに声などの音は上に登っていくので、会話は丸聞こえだったりします。
もちろんバーベキューなどもできません。
また手入れなども面倒で、購入当初、想定したよりも全然使わないという話はよく聞きます。
その他にも、専用庭には植栽がされていることも多く、そこから大量の蚊が発生するなど、後悔する人が多いと言われています。
将来売却しようと思っても売却に時間がかかる
ここまで解説してきたデメリットの多さから、1階の部屋を敬遠する人もいます。
将来売却するときに、人気が集まりやすいほど早く売却できますし、価格も高く売れやすいです。
しかし1階の部屋の場合は、そもそも対象外とする方も多いことから、そもそもの購入希望者数が少なく、売却に時間がかかったり、価格が下がりやすい傾向があります。
マンションの1階の部屋を購入しても後悔しないための条件とは?
メリットよりも、デメリットが多い論調になってしまいましたが、最終的には価値観によります。
しかし、実際に住んでみてさまざまなデメリットもあるため、1階を購入するのであれば、以下の条件を満たした部屋を探すと良いでしょう。
水害のリスクがほぼない立地
最も重要なことですが、マンションの1階の部屋を購入するのであれば、水害リスクの著しく低い、もしくはほぼ可能性がないような立地を選ぶようにしてください。
被災による直接的な損失は保険でカバーすることもできますが、それに伴う資産価値の低下など、間接的な損失が非常に大きくなります。
角部屋、かつ彩光がしっかり取れていること
1階の部屋であれば、中部屋よりも角部屋に的を絞った方がいいと考えられます。
角部屋であれば、彩光が取れやすいことと、風通しが良くなることが期待できます。
ただし角部屋で、外に人が歩くスペースがあったりする場合、防犯性やプライバシーに影響がありますので、実際に現地を見るときに、室内だけでなく、部屋の周りも歩くなどして状況を確認するようにしましょう。
1階の部屋として適正な価格かどうか
1階の部屋は他の部屋と比較して安価です。
実際どれくらいの価格差があるのか。
参考までに、私が1階の部屋を査定するときは、マイナス査定をするのですが、そのマイナスの数値は5%です。
その他の条件によっても変わりますが、目安にはなるのではないでしょうか。
担当者に他の部屋の売却事例や、周辺の売却事例を調べてもらい、1階の部屋として適正な価格を確認するようにしましょう。
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マンション購入で、1階の部屋で後悔しないためにも、正しい知識を
1階の部屋は、他の部屋とは全く違い特徴があり、メリットもあればデメリットもあります。
その分、価格が安く購入できるという点も大きなメリットです。
ただし、イメージが先行するメリットだけでなく、実際住んでからのイメージをしっかりすることで、デメリットも含めて暮らしていけるかどうかを考えるようにしましょう。
特に1階の部屋を購入する場合は、災害リスクや周辺の環境も、他の階数の部屋よりも注意して見る必要がありますので、物件探しの際は、ハッキリと良し悪しを意見してくれるような担当者を探してから、マンション探しを始めると良いのではないでしょうか。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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