注意
この記事は2024年1月に更新されています。最新の税務情報については国税庁、もしくは税務署にてご確認ください。
2024年、住宅ローン減税に改正がありました。
これまでも住宅ローン減税においては、消費税増税のタイミングでの控除期間延長、面積要件の緩和など、ことあるごとに改正がされてきました。
そこでこの記事では、2024年に改正された住宅ローン減税の内容を、体系的に解説していきます。
これから住宅購入をお考えの方は、ほとんどの方が関係してくる内容となりますので、ぜひ最後まで一読ください。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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2024年、住宅ローン減税改正で何が変わった?
2024年の住宅ローン改正では、これまでの内容から拡充される内容が追加されました。
2023年までに公表されていた住宅ローン減税の内容が以下になります。
この内容が、2024年に以下のように拡充されました。赤字で記載されている箇所が改正箇所です。
※買取再販物件とは、不動産会社が中古物件を買い取って、リフォームなどをして再販をする物件のことを言います。
そして、今回新しく出来たキーワードが「子育て世帯・若者夫婦世帯」です。
この条件に当てはまる世帯は、2023年までと同様の住宅ローン減税(主に新築住宅と、高機能な買取再販物件)が利用できるようになりました。
子育て世帯・若者夫婦世帯とは?
今回新しく出てきた用語ですが、国土交通省の解説を抜粋すると
①年齢19歳未満の扶養親族を有する者
②年齢40歳未満であって配偶者を有する者、又は年齢40歳以上であって年齢40歳未満の配偶者 を有する者
とされています。
また上記の年齢については、入居日(確定申告を受ける対象年)の12月31日時点における年齢とすることが想定されています。
一定の性能基準を満たさない新築住宅に注意
環境対策の一環として、一定の性能基準(長期優良住宅・低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅)を満たさない新築住宅は、住宅ローン減税が利用できなくなります。
ただし上記条件を満たさない物件であっても、2023年12月31日までに建築確認を受けた住宅は2023年までの内容が適用されます。
これから新築住宅を購入する予定の方は、必ず「建築確認を受けたのはいつか」「一定の性能基準を満たすのか」。
この2点を必ず確認するようにしましょう。
買取再販物件における注意点
先述した表は、新築と中古住宅が混在していてやや誤解を招きやすい表記となっていますので、特に注意が必要な買取再販物件について、追加で解説します。
こちらの表を見ていただくと、2024年と2025年については上限2000万円・控除期間10年となります。
こちらについては2024年も変更はありません。
図は最新のものがなかったので、以前のものを使用しています。
一定の水準を満たす買取再販物件については、令和6年度 国土交通省税制改正概要の図をご参照ください。
住宅:住宅ローン減税 - 国土交通省
国土交通省のウェブサイトです。政策、報道発表資料、統計情報、各種申請手続きに関する情報などを掲載しています。
www.mlit.go.jp
その他注意すべき改正内容
今回の改正では、控除率以外にも様々な改正があります。
ここからはそんな改正内容をまとめていきます。
所得要件の引き下げ
2000万円以下とされています。
新築住宅・買取再販の床面積緩和要件
新築住宅の場合、面積が50平米以上でないと住宅ローン減税は適用されませんが、40平米以上に緩和される処置が延長されています。
注意点として、面積が広告などに使用される建築基準法の面積でなく、不動産登記法の基準となる登記簿上の面積となることです。
建築基準法の面積は壁の中心から面積を測る壁心と呼ばれる面積で、登記簿上の面積よりも広くなります。
ですから登記簿上で40平米ギリギリの物件は対象外となる可能性もありますので必ず謄本の面積がどれだけになるのかを確認するようにしましょう。
また年間の所得が40平米以上50平米以下の場合は、先述の所得要件よりさらに厳しい1000万円以下という要件もついています。
中古住宅の築年数要件
登記簿の建築年で昭和57年(1982年)1月1日以降の建築が確認できれば適用されます。
また登録免許税の税率軽減や、贈与税の非課税枠の利用についても同じ条件が適用されます。
住宅取得資金の贈与税の非課税措置の延長
父母、祖父母などの直系尊属から、住宅取得などのための資金を贈与する場合、省エネ等などの質の高い住宅では1000万円、その他の住宅については500万円が非課税となります。
こちらは2026年までの延長となります。
質の高い住宅要件
新築住宅 | ①断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上 ※令和5年末までに建築確認を受けた住宅又は令和6年6月 30日までに建築された住宅は、断熱等性能等級4又は 一次エネルギー消費量等級4以上 ②耐震等級2以上又は免震建築物 ③高齢者等配慮対策等級3以上 |
既存住宅・増改築 | ①断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級4以上 ②耐震等級2以上又は免震建築物 ③高齢者等配慮対策等級3以上 |
質の高い住宅の証明として、住宅性能評価証があげられますが、既存住宅の場合、新築時に発行されているものは利用できません。
直近で発行されている既存住宅性能評価証である必要がありますのでご注意ください。
面積要件
登記簿面積で50㎡以上
ただし合計所得金額が1,000万円以下の受贈者に限り、40㎡以上50㎡未満の住宅についても適用できるとされています。
旧耐震物件についてはこれまで通り
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一方で旧耐震住宅と呼ばれる住宅については、これまで通り基本は全ての税制優遇は不適用となります。
適用を受けるためには、現行の耐震基準を満たすことの証明(耐震基準適合証明書など)が必要になります。
必ず税務署に確認をとりましょう
最後に注意点ですが、これらの要件やご自身が適用されるかどうかは、必ず税務署に確認を取るようにしてください。
私自身も経験がありますが、公表されている文面だけ読んでいると勘違いすることがあります。
不動産業者も税務においてはプロではありませんので、説明を受けていたとしても必ずご自身でも確認を取るようにしましょう。
大きな改正がされた2024年の住宅ローン減税改正ですが、ここで解説したことをぜひ押さえておきましょう。
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宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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