このところ不動産市場では、全体から見た比率は比較的小さいながらも、中古住宅・中古戸建ての取り引きが活況を呈しているようです。そこでこの記事ではその状況を受け、改めて中古戸建てが好調な理由について解説しています。ご自分の住まいの計画に中古住宅・中古戸建てを候補と考えている方には、ぜひご一読をおすすめします。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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中古住宅・中古戸建てを選ぶ人が増えてきている
中古住宅・中古戸建てを選ぶ人が増えているといのはどういうことなのか。実際のデータを見てみましょう。
(出典:「2018年フラット35利用者調査/調査結果」|住宅金融支援機構)
このグラフを融資区分の割合で比率の伸びが最も高いのは中古住宅という結果が出ています(中古住宅の割合が前年度比3.6ポイント増)。あくまでフラット35が融資した対象物件ではあるものの、全国くまなく利用されているので、全体的な傾向はつかめるのではないかなと思います。
全体的な傾向として、割合は低いものの、中古戸建ての対前年度の伸び率は中古マンションをやや上回っています。
逆に落ち込みが著しいのは注文住宅(土地付・建替計)で、実際の取り扱い件数を見ると、特にその減少が顕著です(下図参照)。10年後には市場が半分に縮まるとも噂される注文住宅ですが、その翳りはすでに始まっている模様が読み取れるでしょう。
物件種別 | 2017年度 | 2018年度 |
注文住宅 | 13,632件 | 11,792件(-) |
土地付注文住宅 | 24,837件 | 22,655件(-) |
新築建売住宅 | 15,760件 | 17,001件(+) |
新築マンション | 8,181件 | 7,849件(-) |
中古戸建て | 6,044件 | 7,248件(+) |
中古マンション | 9,510件 | 11,135件(+) |
合計 | 77,694件 | 77,680件 |
(出典:「2018年フラット35利用者調査/調査結果」|住宅金融支援機構)
低調な新築部門に比べ、好調なのは中古部門です。この傾向は、今後もしばらくは続きそうです。
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中古住宅・中古戸建てが選ばれる7つの理由
それでは、なぜ中古住宅・中古戸建てが選ばれるのでしょうか?その代表的な7つの理由をご紹介します。
1.そもそも価格が安いから
住宅取得者から中古住宅・中古戸建てが選ばれているのは、なんといっても価格の安さではないでしょうか。一方、中古マンションでは相対的には中古住宅・中古戸建てに比べ割高になります。
(出典:「2018年フラット35利用者調査/調査結果」|住宅金融支援機構)
このグラフを見ると、融資区分別所要資金のページでは、マンション→土地付注文住宅→建売住宅→注文住宅→中古マンション→中古戸建の順に所要資金は少なくなります。つまり中古戸建てが最も安い物件種別なのです。
こうしたデータ(先の融資区分の伸びを含め)からも、中古住宅・中古戸建てが“価格の安さ”から選ばれていると考えられます。
2.価格の落ち幅が少ない
2番目に言えることは、中古戸建てはある一定の価格まで下がると、その後の落ち幅は少なくなります。
この場合の「ある一定の価格まで下がる」とは一概には言いにくいですが、ひとつの目安にすると良いのが築20年前後の戸建てです。
現在から20年前の住宅というと1999年から2000年にあたりますが、当時の戸建住宅のクオリティは決して低いのもではありませんし、そのなかには性能についても、ある程度考えられているものが見つかります。
またインテリアコーディネイトについて、ちょうどこの時期から軽い色調に変わり、ウッディでナチュラルなものが好まれ始めます。そのため物件にもよりますが、極端な古臭さは然程気になりません。
さらに築20年を過ぎたあたりで、木造の戸建ては資産価値がこれ以降はあまり下がらないか、下がってもたかが知れているレベルになります。そのため販売価格もそう簡単には動きません。つまり築20年の戸建ては、価格の落ち幅が比較的少ないのです。
こうしたことからも、中古戸建てはこれから買い時の時期に突入したと考えて良いでしょう。
3.マンションと違って管理費がかからない
中古住宅・中古戸建てはマンションとは違い管理費はかかりません。これはマンションは管理会社が共有部の資産を管理しているからです。これは戸建てにはない、マンション独自の特徴です。
たとえば中古住宅では、庭やエントランスの手入れや掃除を全て自分しなければいけません。細かな部分ですが、吹き抜けの電球の交換も業者に来てもらうか、自分で交換できるとこは自分でやることになります。
マンションはこれらの事を全てマンションの管理会社に任せています。その代わり戸建ての所有者には、マンションのような管理費の負担はありません。したがって全部自分でやってしまえる人なら、その方はおそらく“戸建て向き”です。
4.駐車場の料金がかからない
また戸建てはマンションのように、駐車場の料金がかかりません。戸建ての場合、敷地は原則としてすべて所有者の持ち物になりますが、マンションでは駐車スペースや設備機械は共用部として、管理会社で管理しているからです。
マンションではさらに、バイクや自転車を置く場所にも料金が掛かって来るところもあります。これが大抵の中古住宅なら、狭くても車一台ぐらい置けるスペースが確保しています。もちろん将来的に台数が増えそうだと言うなら、それに応じた中古住宅を探せば済みます。
5.取り壊したり、修繕が自由
戸建ての場合、所有者の采配で、自由に建物を取り壊したり修繕が行えます。
しかしマンションの場合は、住人が共有しているので、修繕をするにしろ建て替えをするにしろ、所有者で決議をしていかなければなりません。
管理状況が優良で、財務状況も良ければ、選択肢も多く決議をしやすいですが、修繕積立金が不足する場合は決議が難航することもありえます。
戸建てには、このようなリスクはなく、所有者次第でいかようにもできることが、メリットでもあるのではないでしょうか。
6.隣や下の階など気にしなくていい
中古戸建てはマンションと比べて、生活音など、隣戸や上下階の住戸など気にしなくても良い点もメリットです。
これはマンションは基本的に集合住宅の一つで、どんなに遮音性が優れた構造でも、隣戸や上下階の音はお互いに配慮して生活しなければなりません。
戸建ては住まいが世帯毎に独立していますので、隣家の音は相当うるさくない限り、響くほどの騒音にはなりません。
生活音が気になる方なら、戸建ての静かさは捨てられない魅力でしょう。
7.物件によっては住宅ローン控除も使える
中古戸建てでも、条件によっては住宅ローン控除が使えます。住宅取得に住宅ローンを使おうと考えている方には、ある意味で朗報でしょう。
ただし、住宅ローン控除は国が進める減税制度ですが、これに該当するには、規定の築年数以内の中古住宅か、築年数を越えた場合は一定の耐震性が認めれた場合に限られます。
この場合の規定の築年数とは、
- 非耐火建築物(木造の戸建て等、軽量鉄骨造を含む)は築年数が20年以内
- 耐火建築物(マンション等)は25年以内
のものを対象とし、これを超える中古住宅は、一定の耐震性が認めれた場合に該当してきます。
中古住宅・中古戸建ては掘り出し物が見つかりやすい
一概に言えることではありませんが、中古住宅・中古戸建ては掘り出し物が見つかりやすいと言われます。
ただ、掘り出し物とはお買い得品のようなものです。つまり相場の応じて価格が形成される傾向が強い不動産市場では、品質以上に価格が安い物件はなかなか市場には出て来ません。
それでも中古住宅・中古戸建てが比較的掘り出し物が見つかりやすいと言われるのは、実は中古戸建てが正しく評価されていない面があるからです。
例えば、木造の中古住宅の場合、築20年にもなれば、建物の資産価値は「ゼロ」で土地価格だけで売りに出されていることがあります。
しかし中には管理状態が良く、利用価値が高いと思われる物件も混ざっていて、まさに玉石混交と言われるのがこの中古住宅です。ただし、玉石混交を見分けるには、それなりの経験や知識が必要になります。
また現在は、中古住宅の評価基準がこの利用価値も加味するように変わってきている過渡期で、本格的に中古戸建ての評価基準が変わると、掘り出し物と出会えるチャンスは当然少なくなります。その意味では、今がまさに掘り出し物と巡り会える絶好のチャンス時期かもしれません。
取扱い難易度も高い
中古住宅・中古戸建ては、数ある物件種別の中でも取り扱い難易度が特に高いといわれています。そのため、不動産仲介業者の中には中古住宅の取り扱いをしない(もしくは出来ない)ところも多くあります。特にこの傾向は都会で多く見られるようになります。
中古住宅の見極めには、不動産だけでなく建築や税制の知識も必要になりますし、一度きりの取引で失敗しないようにするためには、取り扱い実績や経験も必要になります。
知っていることと出来ることの違いが最も大きいのも、中古住宅の特徴といえます。
それでも価格が安く、掘り出し物が見つかりやすいのであれば、一戸建てをお考えの方なら、ぜひ中古住宅は検討したいところだと思います。
納得できる物件探しは不動産エージェント選びがポイント
このような状況もあり、中古住宅・中古戸建ての購入には、高度な知識と経験を兼ね備えた不動産エージェントを選ぶことが何よりも重要になってきます。
それは記事にもある通り、物件の個別性が高く、その割に掘り出し物が見つかりやすいと言われる中古戸建ての需要が高まっているからです。
また中古といえど、築年数要件を満たすか、またこれを超える物件については規定の耐震診断に合格することで、住宅ローン控除をはじめとする減税制度が受けられます。
その他、より安全な取引を行うための「インスペクション」と呼ばれる住宅検査が普及し始めるなど、中古住宅を取り巻く環境も大きく変わってきています。
それだけに建物についても的確な方法性を手早く打ち出せる、優秀な不動産エージェント選びがポイントになるのではないでしょうか。
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まとめ
この記事のポイントをまとめてみました。
- 市場では中古住宅・中古戸建ての販売推移が好調。
- 中古住宅・中古戸建ては比較的価格も手頃で価格も下がりにくい。
- 中古住宅・中古戸建ては管理費や駐車場などのランニングコストがかからない。
- マンションと比べて戸建ては取り壊し・建て替えが自由にできる。
- 物件によっては住宅ローン控除などが使える。
五輪以降も戸建ての住宅ストックは確実に増えて来ます。そのため場所さえ間違わなければ、引き続き良い物件が選べるチャンスが、中古戸建てには広がってくるのではないでしょうか。
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