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浅築の中古住宅・中古戸建てでも失敗することがある⁉


中古住宅・中古戸建ての中でも浅築と呼ばれる、築年数の浅い物件は中古市場でも非常に人気があります。その理由のひとつに、「そこまで古くないわりに新築よりも安い」ということが考えられます。

しかしそんな人気で安心感のある浅築の中古住宅でも注意しなければ失敗していまうこともあります。そこで実際によくある失敗事例を見ながら、どんなところに気を付けていけばいいのかをまとめました。この記事を読むことで、どんなことに気を付けて物件を探せばいいのかが分かるようになります。

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浅築よばれる中古住宅・中古戸建ては大体何年くらいまで?

浅築は大体何年くらいまでが該当するのでしょう?ここでは明確な基準のある新築価格と比べて、人によって年数が変わる浅築(築浅)の期間の定義を考察しています。

明確な基準のある新築

新築の明確な基準は建築後1年以内で未入居の物件であることと定義されていることです。新築を定義しているのは品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)と公正競争規約(不動産の表示に関する公正競争規約)です。

品確法では「新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く)をいう」とあります。同様に公正競争規約では「新築 建築後1年未満であって、居住の用に供されたことがないものをいう」と書かれています。

つまり建築後1年以内で、尚且つまだ人が住んでいない物件を新築と定義されます。

人によって年数が変わる浅築

これに対し、浅築(築浅)は明確な基準がなく、人によって年数が変わるという特徴があります。そもそも浅築は中古住宅に含まれますが、中古と呼ぶのに年数がそれほど古くなっていないものを浅築(または築浅)と呼んでいます。

ネットで浅築または築浅というワードを検索すると分かりますが、「誰々にとって浅築(築浅)と呼べる基準は何年か」などと問うサイトがずらっと並びます。これらによると一般消費者のとっての浅築とは、およそ3年というのが最も多いようです。


(出典:SUUMOアンケート あなたにとって、「築浅」の基準は築何年まで?)

このアンケートでは、5年以内と3年以内で3分の2以上占めています。このことからおよそ5年くらいまでが、多くの方が浅築と感じる年数と言えそうです。

一方で不動産業者側や売却する立場になると、浅築と呼ぶ年数は前者と比べるとやや長く、10年以内を浅築と捉えるところも多くなります。

浅築の中古住宅でありがちな5つの失敗例

ここからは浅築(築浅)の中古住宅でありがちな失敗例を並べてみました。それぞれの失敗例を読んでいただき、買い急いで失敗しないように注意してください。

1.新築時からの欠陥

浅築の中古住宅でありがちな失敗例の中に、そもそも新築の時から欠陥住宅であったというものがあります。新築時からの欠陥が起こる理由として、建築時の施工ミスが考えられます。

住宅という商品の性質上、目に見えない欠陥の中には、気が付くのに時間がかかるものもあるという特性があります。それに最初の所有者が気が付かず、売りに出されている場合があります。

施工ミスは今に始まったことではなく、昔から多く発生しています。特に最近では職人の数も足りていない状態で、さらに分譲業者の中には、1人の現場監督が20から30もの現場を一度に管理していることもあります。

いくら類型的な現場が多い建売分譲の管理でも、一度に20から30に近い現場を動かすのですから、こうした状況では、当然のこととながらミスが起きやすく、浅築であっても、施工不良の中古住宅が出てくるわけです。

2.一定数の割合であるキクイムシ

ほとんどの戸建て新築住宅では、専門業者による防虫防蟻処理(工事)を行い物件を引き渡します。また住宅会社も防虫防蟻の10年か5年の保証かをつけて引渡しをするため、シロアリ被害は少なくとも5年以内の浅築中古住宅ではほぼ見られませんでした(ただし、全く見られないという意味ではありません)。

ところが一部のハウスメーカーや工務店で、使用する合板に広葉樹合板を使っている物件からキクイムシの被害が出ていることが報告されており、裁判に発展する事案も出ているようです。

キクイムシの被害が現れた原因のひとつとして、キクイムシが好むとされる広葉樹合板を一部のハウスメーカーが常用していることが挙げられています。戸建住宅に使う合板は、現在ほとんどの会社で、F☆☆☆☆(通称:Fフォースターという)のマークが入った構造用合板・針葉樹合板が使われています。

少なくとも「フォースター」の構造用合板(針葉樹合板)には、キクイムシが必要とする卵を産みつけるのに適した「導管」がありません。そのため裁判沙汰になった有名な住宅メーカーも、今後の対策として構造用合板(針葉樹合板)を使うと明言しているようです。

それよりなぜそのメーカーは広葉樹合板を使い始めたのでしょう。考えられることは、単にコストダウンのためというものですが、本当にコストダウンの為だとしたら、ヒラタキクイムシの被害を再び国内に持ち込んだ責任は重いはずです。

キクイムシは一度発生すると、使った広葉樹合板を張り替えない限り、完全には止まらないと言われています。つまりキクイムシ被害を抑えるには、場合によっては全面的な住宅の建て替えが必要になってきます。

国内では少なくともしばらくは、一定の割合でキクイムシの被害は、実際に浅築物件でも見かけます。

キクイムシの被害を避けるためには、物件を注意深く見てみましょう。キクイムシ自体は夜行性なので見ることはできませんが、床や窓枠などの木部をよく見ると、小さい穴がたくさん空いていたり、その周りに木くずのような粉が付いていれば、ほぼキクイムシがいると考えてください。


(筆者が案内時に撮影)

3.カビや腐食

続いて戸建ての浅築物件のトラブルで比較的多いのが、カビや腐食の問題です。なぜ浅築物件でもカビや腐食の問題が多いのかというと、家の換気が適切に行われていないことがこの問題の主な原因と考えられます。

勘のいい方なら、築年数が浅い物件では、すでに24時間の換気システムが作動しているのではないか?と感じるかもしれません。しかし、日本では換気システムの正しい理解が遅れているのが現状です。

戸建てを中心に浅築物件を探していると、建売住宅で分譲された物件の多くは、大体が第3種の換気システムを採用しているケースが多いかと思います。

ちなみに日本の換気システムは

  • 第1種換気システム(吸気・排気とも機械式。ダクト換気、ダクトレス換気に大別)
  • 第3種換気システム(自然吸気・機械排気)

の大きく2つに分類でき、換気システムは2時間に一回、家全体の空気の入れ替えを行なっています。

そして2003年ごろから使用が義務化された換気システムですが、換気システムを用いる大前提として、住宅の気密性は相当隙間面積(C値)が1.0以下でなければ、換気システムが正常に機能しません。それにもかかわらず、日本ではC値の測定を全棟で義務化していません。実施しているのは一部の工務店とハウスメーカー数社のみ)

特に3種換気システムは住宅の気密性がより高くなければならないのですが、値段が安くて済むため、3種換気システムを使っているのが現状です。こういった背景により、浅築物件でもカビや腐食によるトラブルが散見されます。

これならかえって、住宅を高気密・高断熱化しないほうが、地域によってはトラブルの件数は減るかもしれません。

日本では「通風」という考え方があり、窓換気をすれば換気システムは止めてもいいと判断している向きもあるようです。

4.空き家の期間が長い

いくら建物が新しくても、空き家の期間が長い家は、通常より建物の劣化が早く進みます。とくに中古住宅・戸建て物件を探している方は注意するべきでしょう。

また、よく言われるのは給排水管の劣化ですが、最近の浅築物件の屋内給排水は架橋ポリエチレン管を使ったヘッダー工法が主流です。そのため水に関する劣化はほとんど感じなくなりました。

ただ、空き家の期間が長い家は空気の入れ替えがされておらず、湿気やカビにはより注意しなければなりません。また電気を止めている家がほとんどということもあり、新しくても換気システムは作動していません。よってカビの繁殖による仕上げ・構造材の腐朽も気になります。

5.違法建築

浅築物件で該当するケースが少ないのですが、ちょくちょく見かけるのが、違法建築とばれる状態の中古住宅です。

一概にどれが違法建築と特定はできませんが、違法建築の家で多いのは、増改築を繰り返す過程で建築基準法令違反を犯し、建ぺい率や容積率をオーバーしてしまうこなどを言います

ただし中には、建築当初から容積率をオーバーする物件もありますので、浅築でも違法建築の家は十分考えられます。

違法建築の家がなぜいけないかというと、違法建築が建築図面に残ったままでは、住宅ローンなどの融資が否決されてしまう可能性があるからです。このため違法建築の場合は、浅築の中古住宅であっても、避けたほうが無難です。

なお、違法建築と似たものに既存不適格物件があります。

既存不適格物件とは建築時に適法であった建物が、事後に定めた法令で違法となる物件のことで、どちらかというと浅築の中古住宅では該当するケースは比較的少ないと言えます。

ただし言葉として、違法建築と既存不適格物件は覚えておくと良いでしょう。

浅築の中古住宅は、新築住宅と変わらないクオリティの物件が割安で入手できるのが魅力です。ただし注意して物件を精査しないと、かえって厄介な物件を掴まされてしまう可能性があるので十分注意したいものです。

実際のところ、浅築の中古住宅でも安心できない理由は、コストダウンの名のもと、業界では納入してはいけない部材を使ったり、性能に関する理解が低かったりといった、住宅業界全体の責任が根底にあります。

そのため、中古住宅の売買を仲介する業者にも、建物のクオリティを的確に判断できる力がこれまで以上に必要です。特に近年ではインスペクションに対する期待も高まっていることから、その方面にも強い人材が求められて来るでしょう。ぜひとも失敗しないためにも、インスペクションにも対応できる不動産エージェントを選びましょう。

またユーザーも浅築だからと安易に過信せず、内覧時に注意して物件を見学し、疑問に感じる部分があれば率直に不動産エージェントに尋ねてみましょう。

まとめ

この記事のポイントをまとめておきます。

  • 新築ははっきりとした基準がありますが、浅築(築浅)に明確な基準がありません。そのため人によって浅築に該当する年数は違ってきます。
  • 築浅にありがちな失敗例【その1】人手不足と業界構造が招く欠陥住宅。
  • 築浅にありがちな失敗例【その2】業界全体の換気システムに対する知識不足。
  • 築浅にありがちな失敗例【その3】建築法規に対する認識不足、などがあります。
  • 浅築であっても安易な過信は禁物。インスペクションに強い不動産エージェントを選ぼう。

中古住宅はある程度仕方ないとしても、新築からそれほど年数が経過していない浅築は、とかく安心と思われがちです。しかし必ずしも、これに該当しない物件があるということは肝に銘じておきましょう。

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