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マンションの修繕費はいくら?修繕積立金の相場・管理費との合計・値上げの見通しをプロが解説

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この記事で分かること

  • マンション修繕積立金の全国平均
  • ㎡単価ベースの相場
  • マンションの修繕費・修繕一時金・大規模修繕工事費の違い
  • 築年数別の修繕積立金の推移
  • 業界17年のプロが教える「3万円ライン」の購入判断軸
  • 修繕積立金がどこまで上がるか
  • 段階増額方式と均等積立方式の違いと選び方
  • 2024年6月改定の国交省ガイドライン
  • 値上げ実態
  • 建設工事費デフレーター 30%超上昇のインパクト
  • 修繕積立金が払えなくなった時の対処法と相談窓口
  • 値上げを抑制する管理組合の取り組み
  • タワーマンション・小規模マンションの修繕積立金の目安
  • 管理費とあわせた毎月の負担額
  • 修繕積立金が安いマンションの2つのパターン
  • 中古マンション購入時の修繕積立金チェックリスト

「マンションの修繕積立金っていくらぐらいが相場なの?」

「修繕積立金についてくわしく知りたい」

マンション購入時に修繕積立金の金額や将来的な上がり幅については、コスト面で気になる方も多いのではないでしょうか。

昨今では建築資材や人件費の上昇で、さらに修繕積立金が上がる可能性が高まってきています。

実際、マンションは築年数が進むと修繕箇所が増えるため、修繕積立金は徐々に上がっていくことが一般的です。

では、修繕積立金に相場はあるのでしょうか?

また相場があれば、いくらぐらいが妥当なのでしょうか?

この記事では、修繕積立金に関する基礎的な内容や相場、実際の積み立て方法について解説します。

さらに、国土交通省が発表している修繕積立金に関する指針についても、くわしくご紹介します。

この記事をお読みいただくことで、マンションの維持管理に欠かせない修繕積立金について深く理解できます。

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修繕積立金とは

マンション修繕積立金 相場

修繕積立金とは、建物のメンテナンスに関する費用や大規模修繕の費用を捻出するために積み立てを行っているお金のことです。

毎月一定の金額を所有者から徴収し、集めたお金は管理組合の口座に貯められ、工事が必要なタイミングに応じて使用されます。

なお、修繕積立金は築年数が進むほど上がります。

その理由は、建物が古くなるにつれて外装や共用部の傷みが酷くなり、メンテナンスの頻度や対象が多くなるからです。

つまり、築年数が進むほど修繕積立金が高くなっていくのが一般的です。

修繕積立金と管理費の違い

管理費とは、マンションの管理や運営のために支払う費用です。

例えば、実際に管理業務を行う管理会社に支払う費用や共用部の光熱費などに充てられます。

修繕積立金は上がるケースが多いのですが、管理費は上がること前提で金額設定は行われていません。

しかし、管理費等の収支悪化や物価高騰などの要因により、管理会社から値上げの要請があった場合、管理費が上がる可能性もあります。

長期修繕計画書とは

長期修繕計画とは、マンションの大規模修繕や定期点検などの予定を長期間にわたり先を見据えて計画するものです。

これらをまとめたものが、長期修繕計画書となります。

長期修繕計画書は、一般的に30年先を見据えて計画されており、今後発生する修繕箇所や見積もり金額をもとに、修繕積立金として集める金額を設定しています。

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マンションの修繕費とは?修繕積立金・修繕一時金・大規模修繕工事費の違い

マンションの修繕費は、建物を直すためにかかるお金の総称です。

実務では3つに分かれていて、この違いを押さえていないと購入前の判断を間違えます。

1つ目が修繕積立金です。

区分所有者が毎月支払い、管理組合が将来の工事に備えて積み立てていくお金を指します。

2つ目が修繕一時金です。

積立金だけでは工事費が足りないときに、臨時で徴収されるお金を指します。

金額は数十万円単位になることもあり、徴収のタイミングもマンションによって違います。

3つ目が大規模修繕工事費です。

実際に工事会社へ支払われる工事の総額で、原則として積み立ててきた修繕積立金を取り崩して充てます。

「マンションの修繕費はいくら?」と調べる方の多くは、1つ目の毎月の修繕積立金を知りたいケースです。

ただ、購入前に本当に見ておくべきなのは3つの関係です。

毎月いくら集めているのか、これまでにいくら貯まっているのか、そして次の工事にいくらかかるのか。

この3つが噛み合っていないマンションで、修繕一時金や借入が発生します。

修繕費が足りないマンションで起きること

積立金が工事費に届かないとき、管理組合が取れる手は3つしかありません。

1つ目は修繕一時金の徴収です。

所有者から臨時でお金を集めるため総会での決議が必要になり、住民の反対で決まらないこともあります。

2つ目は借入です。

住宅金融支援機構などからの融資を使いますが、返済は結局その後の修繕積立金から出ていきます。

3つ目は工事の先送りです。

一番よく起きるのがこれで、本来やるべき工事を次回に回すため、建物の傷みが進んで次の工事費がさらに膨らみます。

購入前に「積立金が安くて助かる」と感じたマンションで、入居後に一時金の話が出てくるのは、この3つ目が限界を迎えたときです。

マンションの大規模修繕工事の費用はどう見ればいいか

大規模修繕工事の周期は、一般に12〜15年、稀に18年程度までです。

マンションの修繕費用そのものは建物の規模や仕様で大きく変わるため、全国平均の総額を知っても購入判断にはほとんど使えません。

私が実務で見るのは、総額ではなく1戸あたりでいくら積み上がるかです。

令和5年度マンション総合調査の全国平均である月13,054円で計算すると、12年で1戸あたり約188万円、15年で約235万円が積み上がることになります(出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」)。

これに対して、次の工事が1戸あたりいくらかかる見込みなのかを長期修繕計画書で確認します。

積み上がる額より工事の見込み額が大きければ、その差は一時金か借入か工事の先送りで埋めるしかありません。

この突き合わせをせずに「積立金が月8,000円だから安くていい」と判断してしまうのが、購入時に一番多い失敗です。

なお、この計算はあくまで目安になります。

実際には駐車場使用料からの充当、これまでの取り崩し履歴、値上げの予定が入るため、正確に見るには長期修繕計画書と直近の決算書を読む必要があります。

この読み解きを購入前に自分で行うのは現実的ではないため、ハウスクローバーでは買っていいマンションかを判定する管理調査を用意しています。
大規模修繕の周期と費用、修繕履歴の読み方については別の記事で詳しく解説しています。

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修繕積立金には相場が提示されている

修繕積立金の目安については、国土交通省が発表する「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」にて示されています。

このガイドラインは、マンション購入者や所有者が修繕積立金に関する基本的な知識や金額の水準などについて、目安となる水準が分かります。

修繕積立金と長期修繕計画については、一般の消費者では分かりづらい部分となります。

設定されている修繕積立金が適正か否かの判断がつきにくいため、このようなガイドラインの存在は重要と言えます。

修繕積立金の目安と算出方法

ここからは、修繕積立金の目安と算出方法について解説します。

修繕積立金の額の目安

修繕積立金の目安と算出方法について、国土交通省のガイドラインを参考にご紹介します。

まず修繕積立金は、建物の階数や戸数などの規模感や共用部としての施設や設備の多さにより変わってきますが、ガイドラインでは目安的な金額を示しています。

マンション修繕積立金 相場

「マンションの修繕積立金に関するガイドライン(国土交通省)」

修繕積立金は、基本的にマンションの戸数が少ないと高くなる傾向があります。

その理由は、総戸数が少ない分、1世帯あたりにかかる負担額がどうしても多くなってしまうからです。

そのような背景もあり、5,000㎡未満のマンションについては、他の規模のマンションと比べて修繕積立金の平均値は高くなっています。

また、20階以上のいわゆる高層住宅については、修繕工事自体に特殊な作業が多く、修繕積立金は高くなってしまいます。

このように修繕積立金の目安がガイドラインで示されることで、現在設定されている金額が適正か否かの判断材料になるでしょう。

次に、修繕積立金の算出方法は、以下のとおりです。

マンション修繕積立金 相場

「マンションの修繕積立金に関するガイドライン(国土交通省)」

上記計算式をもとに修繕積立金の金額について、計算してみましょう。

なお、これらの計算式はあくまで参考です。

ここで計算する金額よりも高ければ「安全」、安ければ「リスクが高い」というわけではありません。

修繕積立金の運用の良し悪しは、管理組合の運営によって、かなり差が出ます。

つまり毎月の修繕積立金が高くても、それでも足りないマンションもあれば、毎月の修繕積立金が安くても十分運営ができているマンションもあるということです。

なぜそのような違いが出るかが気になる方は、こちらの記事も合わせてご参照ください。

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機械式駐車場がある場合の加算額

機械式駐車場があると、設備自体の保守メンテナンスがあるため、修繕積立金はさらに加算されます。その目安は、以下のとおりです。

マンション修繕積立金 相場

「マンションの修繕積立金に関するガイドライン(国土交通省)」

例えば、2段(ピット1段)昇降式が3つ(6台分)あった場合、機械式駐車場の修繕工事費は1台あたり6,450円です。

マンションの総床面積が3,000㎡の場合の加算額は、以下のように計算できます。

【機械式駐車場がある場合の加算額=6,450円×6(台)÷3,000(㎡)=12.9円】

つまり、既存の修繕積立金に12.9円を加算した額が修繕積立金の目安です。

機械式駐車場の個別性や、将来お金が足りなくなった時に取ることができる対応策など、詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

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修繕積立金の全国相場(令和5年度マンション総合調査)

国土交通省が5年ごとに実施している「マンション総合調査」の令和5年度版を参考に、修繕積立金の全国相場を整理します。

1戸あたりの平均月額

令和5年度マンション総合調査によると、1戸あたりの修繕積立金の平均は月額13,054円(駐車場使用料等からの充当額を除く)です。

価格帯別に見ると、最も多いのが月額10,000円超15,000円以下の価格帯になります。中古マンションを検討するときの「ざっくりした目安」として、月10,000〜15,000円が一つの基準と考えてよいでしょう。

注意点としては、部屋の広さは考慮されておらず、積立金が上がり出す前の築浅物件も含まれてしまっている点です。

㎡単価ベースの目安

修繕積立金は専有面積によって金額が変わるため、より正確な目安として1㎡あたりの単価で比較すると判断しやすくなります。

全国の平均的な水準としては、おおむね1㎡あたり月250〜300円で推移しているケースが多いです。70㎡換算で計算すると、月額17,500〜21,000円が平均的な目安となります。

国土交通省ガイドラインでは、専有面積あたりの目安として規模別に1㎡あたり月252〜335円前後(平均値)を提示しており、70㎡で換算すると月額およそ17,600〜23,500円が平均的な水準の目安となります。

検討中のマンションの修繕積立金が、この範囲を大きく外れている場合は注意が必要です。安すぎる場合は将来の値上げリスク、高すぎる場合は管理運営に問題がある可能性を疑ってください。

だたし、1戸あたりの平均月額と同じように、積立金が上がり出す前の築浅物件も含まれてしまっている点には注意が必要です。

タワーマンション・小規模マンションの修繕積立金は高い?

国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定)では、修繕積立金の目安が建物の階数と建築延床面積で区分されています。

区分ごとの計画期間全体の平均額の目安は次のとおりです(機械式駐車場を除く。カッコ内は事例の3分の2が包含される幅)。

  • 20階未満・建築延床面積5,000㎡未満 平均335円/㎡・月(235〜430円)
  • 20階未満・5,000㎡以上〜10,000㎡未満 平均252円/㎡・月(170〜320円)
  • 20階未満・10,000㎡以上〜20,000㎡未満 平均271円/㎡・月(200〜330円)
  • 20階未満・20,000㎡以上 平均255円/㎡・月(190〜325円)
  • 20階以上 平均338円/㎡・月(240〜410円)

はっきり出ているのは、小規模マンションと20階以上のタワーマンションで単価が高くなることです。

同ガイドラインは20階以上を分けて示している理由として、外壁等の修繕のために特殊な足場が必要になること、共用部分の占める割合が高くなることを挙げています。

70㎡の住戸で計算すると、20階以上の平均338円は月23,660円、20階未満で5,000〜10,000㎡の平均252円は月17,640円です。

同じ広さでも、建物のタイプが違えば月6,000円の差が出ます。

タワーマンションを検討している方は、購入時点の積立金が周辺の一般的なマンションと同じ水準だった場合、むしろ将来の値上げ幅が大きくなる可能性を見ておいてください。

小規模マンションの場合は、単価が高いこと自体は正常です。

気をつけたいのは、単価が高くなるべき建物なのに、分譲時から低いまま据え置かれているケースです。

築年数別の修繕積立金の推移

築年数別に見ると、新築直後は月額が低く、築年数が進むにつれて値上げされていく傾向があります。具体的な目安としては次のとおりです。

  • 築5年以内:月額7,000〜10,000円程度(70㎡換算)
  • 築10〜15年:月額10,000〜13,000円程度
  • 築20〜25年:月額13,000〜16,000円程度
  • 築30年以上:月額15,000〜25,000円程度(マンションによって幅が大きい)
  • 築40〜50年:月額20,000〜35,000円程度のケースも

新築時に月額5,000円程度だったマンションが、築20〜30年で月額20,000〜30,000円まで上がるケースは決して珍しくありません。中古マンションを購入するときは、「今の金額」だけでなく「将来上がる予定」を必ず長期修繕計画書で確認してください。

修繕積立金や管理の状態まで調べられるかは、担当者によって差が出ます。ハウスクローバーでは、審査を通過した担当者を自分で選べます。
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マンションの管理費の相場と、修繕積立金と合わせた毎月の負担

購入後に毎月かかるのは修繕積立金だけではありません。

管理費と合わせた金額が、住宅ローンの返済に上乗せされる固定費になります。

令和5年度マンション総合調査によると、月/戸当たりの管理費の額の平均は11,503円です(駐車場使用料等からの充当額を除く場合。形態別では単棟型11,580円、団地型10,394円。出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果〔概要編〕」)。

駐車場使用料等からの充当額を含む管理費の総額で見ると、平均は17,103円になります。

同じ調査の修繕積立金の平均が13,054円ですから、管理費と修繕積立金を合わせた毎月の負担は、全国平均でおよそ24,557円という計算になります。

ただし、この平均額を「高い・安い」の判定に使うことはできません。

調査時点のすべてのマンションを一度に集計した数字なので、修繕積立金がまだ低く設定されている新しいマンションも含まれているからです。

同じ令和5年度調査の完成年次別では、平成27年以降に完成したマンションの修繕積立金の平均は全体の平均を下回っており、最も新しい区分では月10,539円でした(出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」月/戸当たり修繕積立金の額・完成年次別)。

修繕積立金は築年数とともに上がっていく費目ですから、築20年、築30年と経過した物件が平均を上回るのは自然なことです。

実務では「管理費と修繕積立金の合計が5万円」という物件も珍しくありません。

平均と比べて高いかどうかではなく、同じ築年数・同じ規模の物件と比べるか、㎡単価に直して国交省ガイドラインの目安と照らすほうが確実です。

同じ調査では、総戸数規模が大きくなるほど1戸あたりの管理費は低くなる傾向があると示されています。

戸数が少ないマンションは、エレベーターの保守や管理員の人件費といった固定費を少ない世帯で分け合うため、1戸あたりの負担が重くなる傾向が見られますが、絶対ではありません。

管理費と修繕積立金は性質がまったく違う

管理費は、管理員の人件費、清掃、エレベーターや消防設備の保守など、日々の運営で使い切るお金です。

修繕積立金は、10年以上先の工事のために貯めておくお金です。

購入時に管理費と修繕積立金の合計だけを見て安い物件を選ぶと、管理費を削って見かけの合計を下げているマンションを掴むことがあります。

管理員の勤務時間を短くしたり、清掃の回数を減らしたりすれば、管理費は下げられます。

その結果として共用部の荒れや建物の傷みが進めば、資産価値に跳ね返ります。

合計額ではなく、管理費と修繕積立金それぞれが妥当かを分けて見てください。
管理費が何に使われ、いくらが適正かについては別の記事で詳しく解説しています。

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修繕積立金は3万円だと高い?安いと危ない?

私がお客様の中古マンション購入のお手伝いをしている中で、1つの目安となるのが毎月の修繕積立金が3万円というラインです。

3万円を超える中古マンションは、お客様が購入にあたって躊躇する方が多いと感じるのです。

よって、3万円を超えているかどうか、また将来的に3万円を超えそうかどうかで、その中古マンションの良し悪しを判断する目安とするのも良いと思います。

修繕積立金が高い物件を警戒する方は多いのですが、安いこと自体が悪いわけではありません。

私が5,000件以上の管理組合の財務を調査してきて分かったのは、積立金が安いマンションには正反対の2つのパターンがあるということです。

1つは、管理組合が機能していて、工事費を適正に抑えられているケースです。

管理会社が出してきた見積もりをそのまま通さず、管理組合が自分たちでも相見積もりを取って金額を精査しています。

同じような規模で同じような工事内容でも、見積もりの金額に2倍から3倍の開きが出ることは珍しくありません(私の調査実績にもとづく実務値です)。

工事費を抑えられている管理組合は、少ない積立金でも計画どおりに修繕を回せます。

これは、むしろ買っていい優良であるマンションの条件です。

もう1つは、分譲時の販売しやすさを優先して低く設定され、その後も上げられていないケースです。

値上げを先送りしているだけなので、購入後に値上げか一時金が待っています。

建物の規模が大きいほど1戸あたりの負担が軽くなる傾向はありますが、それはあくまで一般論です。

規模が大きいから安心ということはありませんし、小規模でも管理組合がしっかりしていれば適正な水準に収まります。

見るべきなのは規模ではなく、管理組合が工事の金額をチェックしているかどうかです。

安いのが「優良」か「先送り」かを見分ける3つの確認

㎡単価に直して国交省ガイドラインの目安と比べれば、水準そのものは分かります。

専有面積70㎡で修繕積立金が月8,000円なら㎡単価は約114円で、20階未満・5,000〜10,000㎡の目安の下限170円を下回ります。

ただしこれは「危ない」という判定ではなく、どちらのパターンなのかを確かめる合図です。

1つ目の確認は、長期修繕計画に今後の増額がどう書かれているかです。

購入時の金額が「これから上がる前の金額」であることは珍しくありません。

将来の増額が計画に書き込まれていれば、その金額でも家計が回るかを先に確かめてください。

2つ目は、過去の大規模修繕がいくらで実施されたかです。

総会の議事録や決算書に、工事の発注先と金額が残っています。

相見積もりを取った形跡があれば、管理組合が機能している裏付けになります。

3つ目は、積立金の残高が長期修繕計画の予定額に追いついているかです。

金額が安くても計画どおりに貯まっていれば問題ありません。

安くて残高も足りていなければ、先送りされている可能性が高くなります。

気になる物件がどちらのパターンなのかを購入前に確かめたい方は、買っていいマンション診断で長期修繕計画と積立の状況を調べられます。

修繕積立金はどこまで上がるか?

修繕積立金がどこまで上がるかは、長期修繕計画にその予定額が示されています。

ただ、長期修繕計画書はあくまで管理会社が作成したものであり、必ずその通りになるとは限りません。

実際どの程度まで上がるかは、マンションの管理組合がどれだけ機能しているかにかかっています。

私が調査してきたマンションでは、将来的に毎月の積立金額が6万円以上になると予測されるものもありました。

一方で毎月の積立金額が1万円程度で運営できているマンションもあります。

修繕積立金は、仮に同じ管理会社であったとしても、管理組合の運営次第で大きく変わるということを覚えておきましょう。

マンションの管理組合と管理会社の違いや、マンションを購入するのであれば必ず知っておくべきポイントをまとめた記事も合わせてご参照ください。

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修繕積立金の積立方式

マンション修繕積立金 相場

ここからは、修繕積立金の積立方式について解説します。

段階増額積立方式

段階増額積立方式とは、一定の時期ごとに段階的に修繕積立金を上げていく方式のことです。

徐々に上がっていくことが確定されているわけではなく、その時々でマンションの管理組合の総会で話し合いをしながら決議を採択して金額が上がっていきます。

上げなければいけないタイミングで値上げをしていなかったり、本来不必要な工事まで管理会社主導で進んでしまい、将来的に修繕積立金が不足するなど、問題が出やすい方式といえます。

均等積立方式

均等積立方式は、建物竣工の初年度から一定金額の修繕積立金を集める方法で、期間途中での増額を行わない方式となります。

均等積立になるので築年数が古くなっても、ランニングコストが上がらないことがメリットで、比較的安全性の高い積立方式といえます。

ただし建築費単価やマンションの状況によっては変更をせざるを得ないような状況になる可能性はあります。

段階増額積立方式と均等積立方式はどちらが多いか?

国土交通省が5年ごとに管理組合に対して行っているアンケートによれば、築年数が新しくなればなるほど、段階増額積立方式が多くなっているのが分かります。

マンション修繕積立金 相場

令和5年度 マンション総合調査(国土交通省)

段階増額積立方式が多くなっている理由は、新築マンションの販売時になるべく支払額を安く見えるようにして、売れやすくしたいという販売会社の思惑からです。

特に近年では新築マンション価格が高騰しており、ほとんどのマンションで段階増額積立方式が採用されています。

それだけに、築年数が新しくなればなるほど、修繕積立金のリスクがあると考えても良いのではないでしょうか。

令和5年度調査の割合は、段階増額積立方式が47.1%、均等積立方式が40.5%、その他・不明が約12%です。

2015年以降に完成したマンションに限ると、段階増額積立方式が81.2%を占めます(出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」修繕積立金の積立方式・完成年次別 n=1,522)。

計画に対して積立金が不足しているマンション

同じく令和5年度「マンション総合調査」(国土交通省)」によれば、現在の修繕積立金の残高が長期修繕計画の予定額に対して不足しているマンションは36.6%あるとされています。

つまり、実に3割超のマンションでは、計画どおりに残高が貯まっていない事態に陥っています。

マンション修繕積立金 相場

また積立金がしっかり積み立てられていると答えているマンションの割合は4割を切っている状況で、2割強のマンションでは、そもそも足りるか足りないかが分からないと答えています。

なぜこのような状況が起こってしまっているのでしょうか。

もちろん、近年の物価高騰、資材高騰や工事費の上昇などが要因でもあります。

また、値上げをしなければいけない状況で管理組合の意見がまとまらずに値上げを先送りしてしまっているマンションもあります。

そして何よりも問題なのは、管理会社が本来修繕をまだしなくても良い箇所や、工事費の水増し(キックバックなど)により、管理組合が本来負担すべき積立金を超えてしまっていて、結果として不足しているマンションも実は数多く存在しています。

ここ最近の建築費の高騰もあり、それに便乗した管理会社からの積立金の値上げを国土交通省が問題視するようになりました。
「修繕積立金はいくら貯まっていれば大丈夫ですか」という質問をよくいただきます。

絶対額の目安をお答えすることはできません。

築年数、戸数、直前に大規模修繕を終えたかどうかで、あるべき残高がまったく変わるからです。

判断は、長期修繕計画に書かれた予定積立残高と現在の残高を比べて行います。

令和5年度マンション総合調査では、長期修繕計画を定めて修繕積立金を積み立てているマンションのうち、現在の修繕積立金の残高が計画に対して不足していないと回答したのは39.9%でした(出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」修繕積立金の積立状況 n=1,402)。

不足していると回答したマンションは36.6%、不明が23.5%です。

ここで気をつけていただきたいのは、この36.6%が残高の不足を指している点です。

毎月の積立額が足りないという意味ではありません。

計画どおりに積み立ててきたはずのお金が、滞納や想定外の工事などで予定の残高に届いていない状態を表しています。

購入前に確認する3つの書類

残高を判断するために見る書類は決まっています。

1つ目が、管理に係る重要事項の調査報告書です。

この書類は売主側の業者が、管理会社に請求することで取り寄せられる書類で、一般の方が取得するためには、不動産業者経由で依頼するしかありません。

この書類には現在の積立金額や滞納の有無や金額、借り入れの有無など、管理に係る重要な情報が記載されています。

2つ目が長期修繕計画書です。

計画期間、予定している工事の内容と時期、各年度の予定積立残高が書かれています。

令和5年度調査では、長期修繕計画を作成している管理組合は88.4%、計画期間が30年以上のマンションは72.7%でした。

ただし必ずしも長期修繕計画書通りになるとは限らず、あくまで目安として私は活用しています。

3つ目が総会の議事録です。

値上げや一時金の議論が出ていれば、ここに残ります。

他にもマンション内でどんな話し合いがされているかを確認することがあります。

この3つは重要事項説明の段階でも見られますが、それでは契約の直前になってしまいます。

管理会社によっては、長期修繕計画書や総会議事録の提供を行なっていないところもあるので、売主に仲介業者を通して取得を依頼しなければいいけないケースもあります。

なお、集めた書類を自分で読み解くのが難しい場合は、ハウスクローバーのマンション管理調査で、修繕積立金の残高が計画に対して足りているかを判定できます。

また、長期修繕計画の見直し時期を「5年毎を目安に定期的に見直している」と回答したマンションは63.2%でした。

裏を返せば、4割近くは計画が現在の工事費の水準に更新されていない可能性があります。

計画上は足りていても、その計画自体が古ければ意味がありません。

修繕積立金の値上げ実態と「平均約3.6倍」の現実

「修繕積立金は値上げされる」と聞いても、どのくらい上がるのかピンとこない方が多いと思います。国の調査データから、値上げの実態を見ていきます。

修繕積立金は調査のたびに上がり続けている

国土交通省の令和5年度マンション総合調査によると、修繕積立金の全国平均は1戸あたり月13,054円で、前回調査(2018年)から月1,811円上昇しました。これは平成20年度以降の15年間で最大の上げ幅です。25年前と比べると、修繕積立金の平均額はおよそ1.8倍に膨らんでいます。

修繕積立金は調査のたびに上がり続けているのが実態で、これから中古マンションを買う人にとっても、値上げは「起こるかどうか」ではなく「どの程度の幅で起こるか」を前提に考える必要があります。

平均で約3.6倍の値上げ

国土交通省の調査では、段階増額方式を採用したマンション249例を分析したところ、計画当初から計画の最終年までの間に、平均で約3.6倍の値上げになっているという結果が報告されています。

例えば、新築時に月額5,000円だった修繕積立金が、築30年で月額18,000円になっているような水準です。マンションによっては5倍以上に上がるケースもあり、購入時の月額は「将来の負担」を見るための出発点にすぎません。

建設工事費デフレーターの30%超上昇

なぜ修繕積立金がここまで上がっているのか。最も大きな要因は建築コストの上昇です。

国土交通省の建設工事費デフレーターによれば、2012年(アベノミクス開始)から2023年までの建築コスト上昇率は30%を超えています。資材費・人件費・物流費がそろって上昇しており、大規模修繕工事の費用も比例して高騰しています。

この上昇傾向は2024〜2026年も継続しており、過去の長期修繕計画で見込んでいた工事費では足りなくなるマンションが続出しています。

ただし、値上げのすべてが建築コストで説明できるわけではありません。

コストの上昇に便乗した値上げも横行しており、私が調査してきた中では、同じような規模で同じような工事内容でも2倍、3倍の見積もりが出てくることは珍しくありません。

建築コストが上がっているのは事実として受け止めたうえで、出てきた金額が妥当かどうかは別に確かめる必要があります。

国土交通省が修繕積立金に対する新しい指針を公表

マンション修繕積立金 相場

2024年6月、国土交通省は修繕積立金に関する指針「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」の改訂版を発表しています。

これはマンションの修繕に関する問題意識を政府が改めて示し、既存マンションに住む居住者の快適で安全な住まいを確保するために定められています。

国土交通省がガイドラインを示すことで、長年放置されていたマンション修繕に関する問題の露呈と管理組合の意思決定の後押しになるような位置づけを目指しています。

マンションの修繕積立金の値上げが払えない問題を問題視

マンションの修繕積立金が値上げになると支払いができない世帯が今後出てくることが予想されます。

その理由は、マンション価格の高騰と歴史的な低金利により、世帯年収のギリギリまで夫婦でペアローンを組むケースが多いからです。

ランニングコストの上昇を考慮せずにローンを組んでいるため、修繕積立金が値上げになると支払いが厳しい事態に陥るケースが出てくる可能性があります。

また、ローンを組んだ時よりも世帯年収が下がってしまった場合や子供の教育費の増加でも、支払いが難しくなるケースも当然に考えられるでしょう。

これら修繕積立金の支払いができなくなると、修繕計画自体に狂いが生じ、必要な個所の修繕が必要な時期にできないおそれが出てきます。

修繕積立金の値上げ幅を、当初の1.8倍を上限に

このような状況を問題視した国土交通省は、2024年2月、修繕積立金の値上げ幅を当初の1.8倍を上限にする方針を示しました。

例えば、当初の修繕金が10,000円であれば、18,000円が上限となります。

ちなみに当初というのは、マンションが建築された時点のことをいい、今後のマンションは大幅な積立金の値上げができないようになります。

だからといって、それで安心ではなく、上げられないのに積立金が足りないという状況も来る可能性があることに注意が必要です。

新築時の積立金は基準額の0.6倍以上

段階増額積立方式で、新築時の修繕積立金は基準額の0.6倍以上としています。

基準額とは、計画期間全体における月あたりの修繕積立金の平均額です。

つまり、基準額を下回る修繕積立金の初期設定はできないこととなっています。

新築マンションの分譲業者のなかには、初期の修繕積立金を安くし月々のランニングコストを安く見せることで販売を進捗させる手法が一部で横行しているため、これらを防止する役目も果たしています。

引き上げの上限は1.1倍以内を推奨

現在存在している既存のマンションについては、本ガイドラインでは修繕積立金の引き上げ上限は、平均値の1.1倍以内を推奨しています。

これは修繕積立金の引き上げを実現性の高い範囲で早期に完了し、その後均等積立方式へ誘導することを目的としているためです。

ガイドラインでは、新築当初から5年おきに3回程度の引き上げを行い、その後の修繕積立金については均等に集めていくことを推奨しています。

これにより、将来的な修繕に支障が出ないように早めの引き上げと、安定的な修繕金の確保ができるようになります。

なお、実際の引き上げ幅はマンションにより異なります。

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修繕積立金が払えなくなった時の対処法と相談窓口

家計が厳しくなり、修繕積立金の支払いが難しくなった場合の現実的な対処法をお伝えします。

まずは絶対に滞納しない

修繕積立金の滞納は、最終的に物件の差押え・競売につながるリスクがあります。管理組合は滞納者に対して、督促状送付・支払督促・最終的には強制執行(区分所有権の競売)まで法的手段を取ることができます。

支払いが厳しくなったら、滞納する前に必ず管理組合・管理会社に相談してください。早めに相談すれば、分割払いや一時的な減額の交渉が可能な場合があります。

売却を検討する

支払いが今後も継続的に厳しい見通しであれば、売却を選択肢に入れるのが現実的です。修繕積立金の値上げに苦しんでいる世帯が増えており、買い手側もこれを警戒しているため、値上がりがさらに進む前に売却したほうが市場価値を維持できます。

売却時は信頼できる不動産エージェントを選び、買い手に対して修繕積立金の現状と将来見通しを正直に伝えることが、トラブル防止につながります。

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公的な相談窓口

修繕積立金に関するトラブルの相談窓口は次のとおりです。

  • マンション管理士(独立した第三者の専門家)
  • マンション管理センター(公益財団法人。電話相談無料)
  • 各都道府県の宅地建物取引業協会
  • 国民生活センター(消費者ホットライン188)
  • 自治体のマンション管理担当窓口(東京都・横浜市など独自の支援制度あり)

値上げを抑制する管理組合の取り組み

「修繕積立金を下げる」のは現実的には難しいですが、「これ以上値上げしない」「適正な水準に抑える」ための取り組みは可能です。代表的なものを挙げます。

管理会社の見直し

管理会社を変更することで、管理委託費用を下げて修繕積立金の値上げを抑制できる場合があります。5年に1回程度の頻度で複数社から相見積もりを取ると競争原理も働くため、管理費の抑制につながります。

ただし、管理会社の質には大きな差があり、安いだけの会社に変更すると後で対応の悪さに悩むケースもあります。価格だけでなく実績・対応力を含めて判断してください。

大規模修繕工事の競争入札

大規模修繕工事は、管理会社が指定した1社だけで進めると、工事費が割高になりがちです。複数の施工会社から相見積もりを取り、競争入札で発注することで、工事費を10〜20%程度削減できるケースが多くあります。

ただし管理会社から提出してくる見積もりだけで競争入札をするのは避けましょう。管理会社から出てくる見積もり業者は、談合が問題になっており、出来レースが問題視され、近年では公正取引委員会の調査も入るほどです。

あくまで大規模修繕工事の見積もりは、管理会社ではなく、管理組合が主体となって取るようにしてください。第三者のコンサルタント(マンション管理士・建築士)に入ってもらうと、より公平な競争入札ができます。

修繕計画の妥当性検証

長期修繕計画書は管理会社が作成しているため、自社(または下請け)に有利な内容になっていることがあります。第三者の建築士やマンション管理士に計画の妥当性を検証してもらうことで、不要な工事を削減できる場合があります。

「築20年で外壁全面塗装」が本当に必要か、「設備の交換時期」が現実と合っているかなど、計画の細部を点検することが大切です。

駐車場収入・店舗賃料収入の最大化

機械式駐車場の空き区画を外部に貸出したり、共用部のスペースを店舗・自販機・通信アンテナ等に貸し出すことで、副収入を増やせます。これらの収入は修繕積立金の補填財源となります。

修繕積立金が高いマンションは売れにくい?

将来売却するときに修繕積立金の高さがどう影響するかを気にされる方も多いです。

買主は物件価格だけでなく、住宅ローンの返済額に管理費と修繕積立金を足した「毎月いくら出ていくか」で予算を組みます。

管理費と修繕積立金の合計が周辺より月2万円高ければ、その分だけ物件価格を下げないと同じ支払額になりません。

金利1.5%・35年・元利均等で計算すると、毎月2万円の返済は借入約650万円分に相当します。

つまり毎月2万円の差は、買主から見れば数百万円規模の価格差と同じ意味を持ちます。

ただし、安ければ売れるという単純な話でもありません。

積立金が明らかに低い物件は、購入検討者側の調査で将来の値上げが確実だと判断されます。

近年は買主も管理状況を見るようになり、修繕積立金が安いことがそのまま有利には働きにくくなっています。

売却時に評価されるのは、金額の高い安いではなく、計画に対して積立が追いついていて、直近の大規模修繕が予定どおり実施されている状態です。

国土交通省のマンション管理計画認定制度の認定を受けているマンションであれば、その事実自体が管理の良さを示す材料になります。

中古マンション購入前の修繕積立金チェックリスト

中古マンションを購入する前に、修繕積立金について必ず確認すべき項目をチェックリストにまとめます。

現状の金額を確認

  • 現在の月額修繕積立金を確認した(管理費と別か併算かも確認)
  • 現在の㎡単価を計算した(70㎡換算で約17,600〜23,500円が目安)
  • 同じマンションの過去の値上げ履歴を管理会社に確認した
  • 現在の修繕積立金残高(管理組合の総資産)を確認した

長期修繕計画書を確認

  • 長期修繕計画書を受領した(売主・管理会社経由)
  • 計画書の見直し時期(一般的に5年に1回)を確認した
  • 30年先までの修繕積立金の予定額を確認した
  • 大規模修繕工事の予定時期と工事費を確認した
  • 計画書の作成日が古すぎないか確認した

管理組合の運営を確認

  • 管理組合の総会議事録(過去2〜3年分)を確認した
  • 滞納者の有無・滞納率を確認した
  • 管理会社が頻繁に変わっていないか確認した
  • 修繕積立金の値上げ議論の経緯を確認した

将来リスクを評価

  • 5年後・10年後・20年後の月額予定を試算した
  • 将来「3万円」を超える可能性があるか確認した
  • 一時金徴収の予定があるか確認した
  • 機械式駐車場・タワー型などコスト要因設備の有無を確認した

これらをすべて自分で確認するのは難しいため、管理組合財務調査の経験豊富な不動産エージェントに同行を依頼するのが最も確実です。

マンションの管理調査ができる担当者を選ぼう

マンションの修繕は、そのマンションの資産性を維持するためには重要な要素です。

しかし、修繕積立金が当初の修繕計画通りに集められていないケースが多く、このようなマンションでは修繕積立金の不足や将来的な修繕工事自体に影響が出てくるおそれがあります。

マンション購入時には、修繕積立金が適正に徴収されているかや実際に設定されている金額、将来的に修繕金が足りない事態などに陥る心配がないかなどを、管理調査できる担当者を選ぶことが必要です。

マンション購入時には、金額や広さ、築年数や眺望だけでなく、居住後の管理や修繕計画についても目を向けることが重要となります。

管理の財務状況の調査は、不動産のプロであっても正しく出来る人はほとんどいません。

私は8年以上、棟数にして5,000件以上の管理組合の財務調査をしてきており、ロジックも開発して将来のシミュレーションができるようにしています。

ハウスクローバーでは、このロジックをシステム化し、ハウスクローバーの不動産エージェントであれば誰でもこのロジックを利用して、マンションの管理組合の財務調査ができるようになっております。

マンション購入は、ぜひハウスクローバーを活用して進めていきましょう。

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よくある質問(マンション修繕積立金のFAQ)

Q1. マンションの修繕積立金の全国平均はいくらですか?

国土交通省の令和5年度マンション総合調査によると、1戸あたりの修繕積立金の平均は月額13,054円(駐車場使用料等からの充当額を除く)です。

最も多い価格帯は月額10,000円超15,000円以下で、中古マンション検討時の「ざっくりした目安」として参考にしてください。

Q2. 修繕積立金は1㎡あたりいくらが目安ですか?

全国の平均的な水準は1㎡あたり月250〜300円程度です。国土交通省ガイドラインでは地上20階未満で規模別に252〜335円程度、地上20階以上のタワーマンションでは338円程度(いずれも平均値)の目安が示されており、70㎡換算で月17,600〜23,700円程度なら平均的な水準と評価できます。

この範囲を大きく外れている場合は、安すぎる場合は将来の値上げリスク、高すぎる場合は管理運営の問題を疑ってください。

Q3. 築年数が古いマンションの修繕積立金はどのくらいが相場ですか?

築年数別の目安は次のとおりです(70㎡換算)。

  • 築5年以内:月額7,000〜10,000円
  • 築10〜15年:月額10,000〜13,000円
  • 築20〜25年:月額13,000〜16,000円
  • 築30年以上:月額15,000〜25,000円
  • 築40〜50年:月額20,000〜35,000円(マンションにより幅大)

築年数だけでなく、マンションの規模・設備・管理組合の運営状況によって大きく変わります。

Q4. 修繕積立金が3万円を超えるマンションは買わない方が良いですか?

業界17年の経験では、月額3万円を超える中古マンションは購入をためらう方が多くいらっしゃいます。

ただし、機械式駐車場やタワー型などコスト要因設備がある物件では3万円を超えることが珍しくなく、必ずしも「悪い物件」とは限りません。長期修繕計画書と管理組合の財務状況を確認した上で、納得できれば購入可能な水準です。

逆に、月額3万円以下でも管理がずさんで将来一時金徴収のリスクがある物件は、3万円を超える優良管理のマンションよりリスクが高いケースもあります。

Q5. 修繕積立金は将来どこまで上がりますか?

国土交通省の調査では、段階増額方式のマンション249例で、計画当初から計画最終年までの値上げ幅が平均約3.6倍になっているという結果が報告されています。

例えば新築時に月額5,000円だった修繕積立金が、築30年で月額18,000円程度になる水準です。マンションによっては5倍以上、月額6万円以上になるケースもあります。

2024年6月の国交省ガイドラインでは、値上げ幅は当初の1.8倍を上限とする方針が示されていますが、強制力はないため必ずしも全マンションで守られているわけではありません。

Q6. 修繕積立金が払えなくなったらどうすれば良いですか?

滞納する前に必ず管理組合・管理会社に相談してください。早めに相談すれば、分割払いや一時的な減額の交渉が可能な場合があります。

継続的に厳しい見通しなら、売却を選択肢に入れることをおすすめします。マンション管理士・マンション管理センター・各都道府県の宅地建物取引業協会・国民生活センター(188)などの公的相談窓口も活用してください。

絶対に滞納したまま放置しないでください。最終的に物件の差押え・競売につながるリスクがあります。

Q7. 段階増額方式と均等積立方式、どちらのマンションを選ぶべきですか?

均等積立方式の方が将来の予測がしやすく、安全性が高いとされています。

ただし、近年の新築マンションは販売促進のために段階増額方式を採用しているケースがほとんどで、選択の余地がない場合も多いです。

段階増額方式のマンションを買う場合は、長期修繕計画書で将来の値上げ予定を必ず確認し、無理のない予算で購入することが大切です。

Q8. マンションの修繕費と修繕積立金は何が違いますか?

修繕費は建物を直すためにかかるお金の総称で、修繕積立金はそのうち毎月積み立てていくお金を指します。ほかに、積立金で足りないときに臨時徴収される修繕一時金と、工事会社へ実際に支払う大規模修繕工事費があります。

Q9. 修繕積立金はいくら貯まっていれば大丈夫ですか?

絶対額の目安はありません。長期修繕計画に書かれた予定積立残高と現在の残高を比べて判断します。令和5年度マンション総合調査では、残高が計画に対して不足していないマンションは39.9%にとどまっています。

Q10. タワーマンションの修繕積立金は高いですか?

国土交通省のガイドラインでは、地上20階以上の目安は平均338円/㎡・月で、20階未満の中規模(平均252円/㎡・月)より高く設定されています。外壁の修繕に特殊な足場が必要になることなどが理由として挙げられています。

Q11. 修繕積立金が安いマンションは買わない方が良いですか?

戸数が多くて1戸あたりの負担が軽いなら問題ありません。避けたいのは、分譲時の設定が低いまま据え置かれている物件です。㎡単価に直して国交省ガイドラインの目安の幅に入っているかを確認してください。

Q12. 管理費と修繕積立金の合計はいくらが目安ですか?

令和5年度マンション総合調査では、管理費の平均が11,503円、修繕積立金の平均が13,054円で、合計するとおよそ24,557円になります。月4万円を超える場合は、なぜ高いのかを管理内容と建物の規模から確認してください。

Q13. 修繕積立金が上がるタイミングはいつですか?

多いのは、長期修繕計画で定めた改定の年、大規模修繕工事の前後、長期修繕計画を見直したときの3つです。

段階増額方式のマンションでは、計画書に「何年目に月額いくらへ」という改定予定が書かれています。

大規模修繕で残高が減ったあとや、計画を見直して工事費の上昇が反映されたときにも、値上げが議論されます。

いずれも総会の決議で決まるため、直近2〜3年の総会議事録に値上げの議案や検討の記載がないかを見てください。

Q14. 検討中のマンションで、修繕積立金がいくらまで上がるかを調べる方法は?

まず長期修繕計画書の改定予定と、重要事項調査報告書の改定予定の欄を見ます。

そこに書かれている最終額が、少なくとも計画上の到達点です。

ただし計画は工事費の上昇を織り込んでいないことが多いため、現在の残高と月額で次の工事がまかなえるかを、実際の工事費と突き合わせる必要があります。

自分で試算するのが難しければ、私が運営しているハウスクローバーの「買っていいマンション診断」で、現在の積立水準を続けた場合の30年間の残高推移と、健全に回すために必要な値上げ額を、今すぐ・3年先送り・5年先送りの3パターンで試算できます。

無料会員なら月額9,800円(税込)で何件でも診断できます。

Q15. 修繕積立金の将来の値上げを、代わりに試算してくれるサービスはありますか?

あります。

マンション管理士などの専門家による個別診断は1物件ごとに費用がかかり、数万円になるものが多いです。

ハウスクローバーの「買っていいマンション診断」は、重要事項調査報告書と長期修繕計画書のアップロードで、A〜E判定と30年シミュレーションを原則すぐに返します。

なお、いずれも宅地建物取引業法に基づく重要事項説明を代替するものではありません。

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