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マンションの機械式駐車場は金食い虫?廃止・サイズ制限・災害リスクまで業界17年のプロが本音で解説

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この記事で分かること

  • マンションの機械式駐車場が「金食い虫」と言われる本当の理由
  • 機械式駐車場の主な4タイプ(二段・多段式/ピット式/パズル式/タワー型)の違い
  • 機械式駐車場の維持費・修繕積立金への影響
  • 機械式駐車場のお金問題に対する3つの対応策(平面化/外部貸出/リース+フルメンテ)
  • 対策がしやすいタイプとしにくいタイプ(買う前の重要な判断軸)
  • 車のサイズ・高さ制限とSUV・ミニバンへの影響
  • 災害時のリスク(水没・停電・地震)
  • 機械式駐車場でよくあるトラブル事例
  • 附置義務で簡単に撤去できない理由
  • 機械式駐車場とEV充電設備の現状
  • 業界17年の不動産プロが教える、マンション購入時の確認ポイント

機械式駐車場は「金食い虫だから絶対に避けるべき」と単純に言い切れる存在ではありません。タイプ別の特性と、管理組合の対策しやすさ、そしてあなた自身の車の使い方を踏まえて判断することが大切です。本文では業界17年の現役不動産エージェント目線で、買って後悔しないための具体的な見極め方を解説していきます。

限られた立地に建てるマンションで機械式駐車場は、効率よく駐車スペースを取る手段として有効な方法です。

 

実際、都心部などの好立地に所在する多くのマンションでは、機械式駐車場が採用されています。

一方で、機械式駐車場は雨風にさらされることで経年劣化がしやすく、安全に長く使用するには定期的なメンテナンスや補修作業等が必要です。

これらの費用は、年数が経過するごとに補修箇所が増え、さらに全ての費用は管理組合の負担となるため、機械式駐車場は金食い虫と言われてしまっています。

では、機械式駐車場がある分譲マンションは、将来的に莫大な修繕費等が掛かるなど金銭的なリスクは大きいと言わざるを得ないのでしょうか?

この記事では、マンションの機械式駐車場についての基本的な情報や機械式駐車場の維持管理に掛かるコスト削減に関する対応策、機械式駐車場があるマンションを購入する時に見ておくべきポイントについて解説します。

この記事をお読みいただくことで、機械式駐車場があるマンションを検討するときの注意点等を理解しながら、検討や購入を前向きに進められるようになります。

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マンションの築年数が新しいほど機械式の割合が多くなる

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マンションの築年数が新しいほど、機械式の割合が多くなる傾向があります。

その理由は、マンション用地自体が高騰し続けており、住戸をたくさん造らなければマンションデベロッパーの採算が合わないケースが多くなってきているからです。

さらに、限られた土地で駐車台数を多く取る方法としては、機械式駐車場を設置するほうが都合が良いということもあるでしょう。

実際、都心部など好立地の分譲マンションでは、住戸の広さをコンパクトにして戸数を稼ぎ、駐車場は機械式、駐輪場もラック式などで省スペース化を図っているケースが多くあります。

今後も、土地や建築費の高騰も重なり、機械式の割合が多くなる傾向が続くことになるでしょう。

マンションの駐車場は主に2種類

マンションには、主に2種類の駐車場があります。

各々の特徴やメリット・デメリット等について、以下にご紹介していきましょう。

自走式駐車場

自走式駐車場とは、車を運転して駐車枠まで移動させる駐車場のことです。

マンションによって平面の駐車場のところもあれば、立体駐車場となっているものもあります。

立体駐車場とは、多層構造の駐車場で、車が自走すると地上階から屋上階まで移動ができるものがあります。

主に郊外型の大規模分譲マンションによく見られ、身近なところでは大型商業施設などの立体駐車場も自走式になっているケースが良くあります。

利用者は、指定の駐車枠に車を停めたら、エレベーター若しくは階段を利用して地上階にアクセスします。

駐車場用としてマンション敷地内にまとまった土地を確保でき、且つ立体構造にすることで平置きよりも効率よく駐車台数を増やせることが自走式のメリットです。

また、屋上階以外には屋根があり、雨等で車が汚れにくいこともあります。

一方でデメリットは、駐車スペースが広いので移動が大変なことがデメリットと言えるでしょう。

荷物が多い時などは、運搬等にて不便さを感じることがあるかもしれません。

機械式駐車場

機械式駐車場とは、主に階層式に車を収容していく機械装置の駐車場のことです。

機械式には、パレットが上下移動や横行昇降するタイプなどがあり、駐車できる車の台数により機械装置の規模感が変わります。

機械式駐車場のメリットは、機械装置内に駐車すれば車に悪戯されるリスクがないことや地下に潜るタイプであれば、車が汚れないなどです。

一方でデメリットは、メンテナンス・補修に費用が掛かることや機械装置自体が故障するリスク、パレットが車幅ギリギリで駐車自体が難しいなどがあります。

機械式駐車場にはどんな種類がある?

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次に、機械式駐車場の種類について解説します。

地上二段・多段式

地上二段・多段式とは、駐車している車の上に別の車を駐車できる方式を言います。

平置きであれば1台しか駐車できないところ、この方式であれば2倍の駐車容量を持てるメリットがあります。

また、車を昇降させる方法には、油圧式、ロープ式、チェーン式があります。

ピット二段・多段式

ピット二段・多段式とは、駐車している車の下(地下)に別の車を駐車できる方式です。

一般的にマンションの場合は、地上1段と地下2段のパレットで車を収容するスタイルが一般的となっています。

これにより、地上1段の車は平置き駐車場のように車を出し入れできる手軽さと、地下1・2段については風雨にさらされずに車が汚れづらいことや悪戯されないなどのメリットがあります。

一方で、機械式駐車場の支柱が車幅ギリギリであることや乗り降りのしづらさ、機械装置の隙間に物を落としてしまうおそれがあるなど、デメリットがあります。

パズル式(昇降横行式)

パズル式とは、主に車を乗降するためのゲートが1か所あり、操作盤で駐車したいパレットを操作することでパズルのようにパレットが横や縦に動きながら、ゲートを目指して移動してくるタイプの機械式駐車場です。

パズル式は、収容する車の台数により地上や地下部分を利用しての多段式になることが一般的となります。

二段式やピット式より、段数や列が多いので駐車台数を増やせることがメリットです。

一方でデメリットは、パレットの横行昇降に時間が掛かることやゲートが限られているので、他の利用者が使用中の場合に待ち時間が長くなる可能性があります。

タワー型(垂直循環方式・エレベーター方式)

タワー型には、垂直循環方式やエレベーター方式があります。

エレベーター方式は、複数のパレットを垂直方向に複数配置し、搬送装置により車を特定のパレットに配置する方法です。

一方で垂直循環方式は、パレット自体がタワー内を循環して空きパレットに常時車を駐車できる方式となっています。

これらは、都心部で土地を効率よく使う方法としては、最適な方法と言えます。

タワー型のメリットは、駐車場に使用する土地を最小限に留められることと狭い土地でも複数台の駐車スペースを設けられることです。

一方で、デメリットは構造物の規模が大きいことで、補修やメンテナンス等に莫大な費用が掛かり続けることです。

機械式駐車場は金食い虫

機械式駐車場は、青空の下にあるケースが多いため、雨風や高温多湿な気候に一年中さらされ続けることや機械装置が都度稼働することで、機械部品の摩耗や消耗による故障等が起きやすい状況となっています。

そのため、当然機械式駐車場の維持費は平置き駐車場と比べてコストがかかり、「金食い虫」と言っても過言ではないでしょう。

特に、故障してしまうと駐車場自体が使えずに日常生活に影響が出てくることや、機械装置自体の安全対策を維持するには定期的なメンテナンスが必要です。

また、大雨が起きるとピット内に排水ポンプはあるものの、排水能力を超える雨水であれば冠水するリスクがあります。

冠水後には復旧工事が必要となるので、何かとお金がかかることが想定されます。

また、機械装置の経年劣化が進めば、機械装置の撤去や新設に莫大な費用がかかります。

よって、機械式駐車場は維持管理や建て替えで莫大な費用がかかるため、金食い虫と言われています。

都心部で進むクルマ離れ

都心部では、車を持たない人が増えています。

その理由は、購入費用に加えて、駐車場代やガソリン代などの維持コストが重いと感じる人が多いからです。

また、電車やバスなど交通インフラが発達する都市部では、車がなくても十分に移動手段が確保できるということもあるでしょう。

他にも、所有に拘らずカーシェアなど必要な時に必要な分を利用するという考え方が浸透しているという理由もあります。

以上のような理由から、都心部では車を所有しない世帯が増え続けています。

お金がかかる機械式駐車場の対応策

マンション 駐車場 機械式

何かとお金がかかる機械式駐車場には、コスト削減等に関する対応策があります。

以下に3つの対応策をご紹介します。

機械式駐車場の平面化

機械式駐車場を廃止して、平面駐車場に変更する方法があります。

例えば、築年数が進んだマンションでは、住民の高齢化で徐々に駐車場の需要が少なくなるケースがあります。

このとき、駐車場の区画が余るようであれば、そもそもの機械式駐車場を撤去して平置きにするということです。

もちろん、撤去工事自体に莫大な費用が掛かることや、住民の中には反対する人が出てくる可能性があるなどのデメリットはありますが、負の遺産を無くし維持管理が簡単な平面駐車場への変更は、先々を見据えたマンション管理組合の運営を考えればメリットとなるケースが多いでしょう。

外部への貸出

外部の第三者に駐車区画を貸し出す方法があります。

この方法は、空いている駐車区画を外部に貸し出すことで賃料収入を得られ、将来的なメンテナンス費用等に充当できます。

なお、機械式駐車場がマンションのセキュリティ内にある場合には、貸出自体が難しいケースもあります。

よって、外部への貸し出しは空き区画の賃料収入を得られることで将来的なメンテナンス等の費用に充てられるメリットがあるものの、貸し出しには住民の同意などが得られるかが重要なポイントとなります。

リース+フルメンテナンスにする

機械式駐車場をリース契約+フルメンテナンス契約にする方法があります。

この方式にすることで、都度の補修やメンテナンス毎に発生する多額の費用を抑えられます。

まず、フルメンテナンス契約とは、毎月機械式駐車場の保守費用を払っておくことで、突発的な修理や点検により発生する費用を保守サービスの範囲内に納められ、別途費用を支払う必要がなくサポートを受けられます。

これにより、点検等で部品交換等があってもコストを気にすることなく、メンテナンスを進められます。

特に、築年数の古いマンションでは、機械式駐車場も設置から相当数の年数が経過しており、修理等の頻度も多くなるのでメリットとなるケースが多いでしょう。

また、リース契約にすることで管理組合は建築費を負担することなく、古くなった機械式駐車場の交換も可能です。

管理組合は、既存駐車場の撤去費用は負担するものの、新設の駐車場にかかる費用が削減できることで、駐車場の建て替え工事がしやすい環境を整えられます。

つまり、既存の機械式駐車場ではフルメンテナンス契約、既存駐車場の建て替えではリース契約を採用することで、管理組合の負担軽減につながる可能性があります。

さらに詳しく

機械式駐車場をリースにすると、管理組合としては修繕積立金からの拠出でなく、管理費からの拠出になり、修繕積立金が値上がりしにくいと言われています。

ただし機械式駐車場の空きが多いような状況だと、リース会社の収益性確保のため、毎月のリース料が値上げされることもあります。

対策がしやすいものと対策がしにくいもの

ここまで解説してきたように、機械式駐車場には将来お金の問題が出た時に、対策がしやすいものとしにくいものがあります。

まず地上二段・多段式やピット式などは、部分的に平面駐車場に戻すなどの処置がしやすい形態といえます。

仮に全体の2割が空いていたとしても、その分だけ平面化がしやすいので、対策もしやすいです。

逆にパズル式は、一つの機械に多くの車が駐車されているので、駐車場を借りている所有者との調整が難しいときもあります。

さらにタワー式に関しては、丸ごと潰さないといけないので、将来空きが増えたときに、借りている所有者たちとの調整がかなり難航すると思われます。

このように機械式駐車場で将来お金の問題が発生した時に、対策がしやすいものとそうでないものがあるということを覚えておくとマンション探しの時に役に立ちます。

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マンション購入時に見ておくべきポイント

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本章では、マンション購入時に見ておくべき以下3つのポイントについてご紹介します。

機械式駐車場を含めた修繕計画の確認

機械式駐車場を含めた修繕計画を確認しましょう。

そもそも機械式駐車場は基本的にメンテナンスや補修に莫大な費用がかかるものであるからです。

例えば、機械式駐車場の稼働率の見込みや賃料収入についての見積金額、賃料収入のみでメンテナンスは可能であるのかなどを見るとよいでしょう。

よって、機械式駐車場を含めた修繕の積み立てが計画通りにできているかを購入前に確認しておきます。

管理組合の財務状況

管理組合の財務状況について確認しておきましょう。

管理組合の財務状況次第で、将来的に建物や駐車場のメンテナンスのときに修繕積立金とは別途で費用負担が生じる可能性があるからです。

仮に、管理組合の財務状況が良ければ、機械式駐車場のメンテナンス費用を賃料収入で賄えなくても修繕積立金で補填できます。

また、将来的に機械式駐車場を撤去する場合でも、資金捻出がしやすい状況になるでしょう。

管理組合の財務状況や修繕積立金等の積み立てが計画通りに進んでいるかなどを確認しておきます。

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駐車場の利用率

駐車場の利用率を確認しておきましょう。

実際の利用率を見ておくことで、賃料収入の安定性や修繕積立金等への影響について予測できることがあるからです。

仮に利用率が高ければ、賃料収入は安定的な可能性があり、機械式駐車場の修繕計画自体に問題は出にくいと考えられます。

一方で、利用率が少なければ賃料収入も不安定で、将来的に機械式駐車場の維持管理や更新時の修繕に充当できる金額も当然に少なくなり、修繕積立金からの捻出等も必要となるため、余計な費用負担が生じる可能性があります。

よって、機械式駐車場の現況の利用率についても、購入前に確認しておきましょう。

自分の車が機械式駐車場に入るかを必ず確認する

機械式駐車場のあるマンションを買う前にもう一つ確認しておきたいのが、ご自身の車が機械式駐車場の制限に収まるかどうかです。

機械式駐車場には車のサイズ・高さ・重量に上限があり、これを超える車は物理的に入りません。一般的な制限は次のような数値ですが、機種・設置場所によって大きく変わります。

  • 全長:5,000〜5,300mm前後
  • 全幅:1,850〜1,950mm前後
  • 全高:1,550〜1,700mm前後(1,550mm以下に制限される機種が多い)
  • 重量:2,000〜2,300kg前後

近年人気のSUV・ミニバン・大型セダンは、全高や全幅でこの制限を超えてしまうものが多くあります。「マンションを買ったら、車を買い替えなければならなくなった」「家族用のミニバンに乗り換えたら入らなくなった」というケースは、現場でも珍しくありません。

特に注意したいのは、ハイルーフのミニバン(アルファード・ヴェルファイア・ステップワゴンなど)、大型SUV(ハリアー・X-Trail・CX-8など)、ルーフキャリア装着車です。これらは多くの機械式駐車場で制限に引っかかります。

購入を検討するマンションで、ご自身の車(または将来買い替え予定の車)が入るかどうかは、内覧時に管理会社や仲介担当者を通じて駐車場の仕様書を取り寄せて、必ず確認するようにしてください。

機械式駐車場で起こる災害リスクと停電時の影響

機械式駐車場は、自然災害や停電のときに自走式や平置きにはないリスクが発生します。マンションを長期で持つことを考えるなら、災害時の影響も購入判断に組み込んでおきたい要素です。

主な災害リスクは次のとおりです。

  • 大雨・洪水によるピット冠水:ピット式・地下式の場合、想定を超える豪雨でピット内に雨水が溜まり、車両が水没する事故が報告されています。排水ポンプはあるものの、容量を超えると間に合いません
  • 停電時の出庫不能:機械式駐車場は電力で動くため、停電が発生すると車の出庫ができなくなります。緊急時の移動手段が失われるリスクがあります
  • 地震時の機械装置の損傷:パレットやレールが歪むと、復旧まで全車両が使えなくなる場合があります。地震保険でカバーできる範囲は限られています
  • 復旧費用の負担:機械装置の修理・部品交換・新規据え付けはいずれも高額で、管理組合の修繕積立金や臨時徴収で賄うことになります

近年は集中豪雨や線状降水帯による短時間大雨が増えており、これまで「想定外」とされていた雨量が実際に発生しています。マンションのある地域のハザードマップで浸水想定区域を確認し、機械式駐車場のあるマンションでは特に低層階・地下構造のリスクを織り込んでおくのが安全です。

機械式駐車場でよくあるトラブル事例

実際の現場で頻発しているトラブルを知っておくと、購入後の心づもりがしやすくなります。代表的なものを挙げます。

  • 故障による全車両の出庫不能:機械装置の一部が故障すると、その装置内の全車両が動かせなくなり、修理完了まで車を出せません
  • パレット隙間への落下物:鍵・スマホ・財布などをパレットの隙間に落とすと、機械を止めて作業員に取り出してもらう必要があり、その間は全員の利用が停止します
  • 入出庫時間の長さ:パズル式やタワー型では、平日朝のラッシュ時に出庫待ちの渋滞が発生することがあります。1台あたり1〜3分でも、5台並べば10分以上の待ち時間になります
  • 車両への接触・破損:パレットへの乗せ込み時にバンパー・ホイール・サイドミラーをこすってしまう事故があります
  • 小さい子供や高齢者の動線リスク:稼働中のパレット周辺は危険なので、子供連れ・高齢者世帯では使い勝手が悪い場合があります
  • 大型バイクや自転車との競合:機械式に入らない車種の住民が、共用部に駐輪・駐車してトラブルになるケースがあります
  • 設備更新時の長期使用停止:機械装置の更新工事では、数週間〜数ヶ月にわたって駐車場が使えなくなることがあります。その間は近隣の月極駐車場を借りる必要があり、その費用は基本的に自己負担です

トラブルの頻度は機種・築年数・管理会社の対応力に大きく左右されます。購入前に管理組合の議事録(過去2〜3年分)でトラブルの発生履歴と対応状況を確認することをおすすめしています。

機械式駐車場は簡単には撤去できない(附置義務)

「機械式駐車場が金食い虫なら、住民の合意で平面化すればいい」と思われる方も多いのですが、現実にはそう単純ではありません。

多くの自治体には駐車場附置義務という条例があり、マンションの戸数や床面積に応じて一定数の駐車場を確保することが義務付けられています。機械式駐車場を撤去して台数が減ると、この条例違反になる可能性があるのです。

附置義務をクリアしながら撤去する方法はいくつかあります。

  • 別の場所(敷地内)に平面駐車場を新設する
  • 機械装置を一部だけ撤去して、必要台数は維持する
  • 自治体に「駐車場の需要が減った」と申請して台数の緩和を受ける

ただし、これらの手続きには時間と費用がかかり、住民総会での合意も必要です。「機械式駐車場 廃止」と検索する方が増えている背景には、こうした制度上の壁があります。

購入を検討する物件で「将来的に機械式を平面化したい」と考えるなら、その物件の所在地の附置義務条例と、管理組合の議論状況(議事録)を確認しておくと判断材料になります。

機械式駐車場とEV充電設備の現状

近年急速に普及しているEV(電気自動車)ですが、機械式駐車場ではEV充電設備を設置するのが技術的に難しいという現実があります。

主な課題は次のとおりです。

  • パレットが移動するため、固定式の充電ケーブルを設置できない
  • 充電用の電源を各パレットまで引くには大規模な改修が必要
  • 機械装置の安全基準(防水・防火)と充電設備の規格が両立しにくい
  • 改修費用は高額で、管理組合での合意形成が困難

近年は複数のメーカーが「機械式駐車場用EV充電システム」の実用化を進めており、対応する機種も少しずつ増えています。ただし、平面駐車場に比べると設置のハードルは依然として高いのが現実です。今後EVへの乗り換えを考えている方、または将来の資産価値(EV普及時の物件評価)を気にする方は、機械式駐車場のEV対応状況を購入前に確認しておくことをおすすめします。

最近では、機械式駐車場の一部を平面化してEV充電付き区画を新設するマンションも出てきていますが、これも管理組合の判断と費用負担を要します。

リスクを見極めるためには管理組合の調査必須

本記事では、分譲マンションにはよくある機械式駐車場についての解説を進めてきました。

機械式駐車場は、限られた土地で駐車台数を確保する方法として効果的な方法です。

一方で、機械装置自体には経年劣化があり、使用を繰り返すたびに消耗していくので定期的なメンテナンスや補修が必要となります。

そのため、機械式駐車場を維持し続けるには、莫大な費用が掛かります。

また、これら費用の捻出には、駐車場の賃料収入は欠かせないものであることから、駐車場自体の利用率も適切な維持管理には重要なポイントとなります。

よって、機械式駐車場がある分譲マンションを購入するときには、機械式駐車場の利用率や修繕計画に必要な積立金の状況、管理組合の財務状況についてしっかりと確認しておくことで将来的なリスク軽減につながります。

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機械式駐車場のあるマンション購入前チェックリスト

機械式駐車場のあるマンションを買う前に、必ず確認しておきたい項目をチェックリストにまとめます。

物件・駐車場のスペックを確認

  • 機械式駐車場のタイプ(二段・多段/ピット式/パズル式/タワー型)を確認した
  • 駐車場の設置年・更新履歴を確認した
  • 車両サイズ制限(全長・全幅・全高・重量)を確認し、自分の車が入ることを確認した
  • 将来買い替えを検討している車種が入るかも確認した
  • EV充電設備の有無と、将来設置の見通しを確認した

管理組合の状況を確認

  • 機械式駐車場を含めた長期修繕計画を確認した
  • 駐車場の利用率(空き状況)を確認した
  • 賃料収入と維持費のバランスを確認した
  • 管理組合の財務状況(修繕積立金の残高)を確認した
  • 過去2〜3年の管理組合議事録でトラブル履歴を確認した
  • 機械式駐車場の廃止・建て替え議論があるか確認した

リスクへの備えを確認

  • マンション所在地のハザードマップで浸水リスクを確認した
  • 災害時・停電時の対応マニュアルが管理組合にあるか確認した
  • 設備更新時の代替駐車場の案内があるか確認した
  • 駐車場附置義務(条例)の状況を確認した

これらすべてを一般の購入者が自力で確認するのは難しいため、管理組合調査ができる経験豊富な不動産エージェントに同行を依頼するのが最も確実です。

買ってはいけない物件の見極めは不動産エージェントに依頼しよう

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マンションを購入する際は、機械式駐車場の状況や管理組合の財務状況などを調査できる担当者選びが重要なポイントとなります。

一般の消費者がこれらの情報を入手したり、管理会社にヒアリングして、リスクを正しく判断することは難易度が高いため、これらの調査をプロの視点で正しく行うことが必要だからです。

不動産売買のプラットフォーム「HOUSECLOUVER(ハウスクローバー)」では、全国の優良な担当者が探せます。

またハウスクローバーの不動産エージェントには、マンション管理の調査を行うツールが用意されていて、誰もが一定の水準以上のレベルで調査ができるような仕組みになっています。

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よくある質問(機械式駐車場のFAQ)

Q1. 機械式駐車場のあるマンションは買わない方が良いですか?

一概に「買わない方が良い」とは言えません。

機械式駐車場の維持費は確かに重い負担になりますが、立地の良い都心マンションは機械式が大半なので、機械式を避けると選択肢が極端に狭くなります。

業界17年の経験から見ると、ポイントは「機械式駐車場のタイプ」と「管理組合の対応力」です。地上二段・多段式やピット式で利用率が高く、管理組合の修繕計画と財務状況が良好なマンションであれば、過度に恐れる必要はありません。

逆にタワー型で利用率が低下しており、修繕積立金も不足しているマンションは、長期的に重い負担を覚悟する必要があります。

Q2. 機械式駐車場の維持費は年間いくらかかりますか?

機械式駐車場の維持費は、機種・規模・築年数によって大きく変わります。

参考までに、一般的な30台規模の機械式駐車場の場合、保守・点検費用が年間100〜300万円、定期的な大規模修繕(10〜15年に1度)で1,000〜3,000万円程度かかるケースが多いです。

タワー型の大規模なものでは、年間維持費が数百万円、機械装置の更新で1台あたり100〜200万円を要するケースもあります。

これらの費用は管理組合が負担するため、月々の管理費・修繕積立金に反映されます。

Q3. SUVや大型ミニバンは機械式駐車場に入りますか?

ハイルーフのミニバン(アルファード・ヴェルファイアなど)や大型SUV(ハリアー・X-Trailなど)は、多くの機械式駐車場で制限を超えます。

特に全高1,550mmを超える車は、地上二段の上段やピット式・パズル式の多くの段で入庫不可となります。

購入予定のマンションの機械式駐車場の仕様書を取り寄せて、全長・全幅・全高・重量の制限を必ず確認してください。

Q4. 機械式駐車場は廃止して平面化できますか?

技術的・制度的には可能ですが、簡単ではありません。

主な障害は、(1)撤去工事費用が高額(数千万円規模)、(2)住民総会での合意形成、(3)駐車場附置義務(自治体条例で台数確保が義務付けられているケース)、の3点です。

地上二段・多段式は部分的な平面化がしやすいですが、タワー型は丸ごと撤去が必要で、最も難しい部類になります。

Q5. タワー式の機械式駐車場は特に避けた方が良いですか?

「絶対に避けるべき」とは言えませんが、慎重な判断が必要です。

タワー式は構造物の規模が大きく、補修・メンテナンス・更新に莫大な費用がかかります。

また、将来空きが増えても丸ごと撤去するしか選択肢がないため、対策がしにくいタイプです。

タワー式のあるマンションを検討する場合は、長期修繕計画と修繕積立金の積み立て状況を特に厳密に確認してください。

Q6. 機械式駐車場で災害(水没・停電)が起きるとどうなりますか?

大雨でピット冠水が発生した場合、車両が水没して全損になるケースがあります。停電時は機械が動かず出庫できなくなります。

水没した車両の補償は、ご自身の自動車保険(車両保険)の対象になります。マンション側の責任問題になることもありますが、基本的には個人で備える必要があります。

近年は線状降水帯による集中豪雨が増えているため、機械式駐車場のあるマンションを選ぶ際は、所在地のハザードマップで浸水リスクを必ず確認してください。

Q7. 機械式駐車場のマンションでEV充電はできますか?

現状、機械式駐車場でのEV充電は技術的に難しく、設置事例も限定的です。

理由は、(1)パレットが移動するため固定式ケーブルが付けにくい、(2)各パレットへの配線改修が大規模、(3)安全基準(防水・防火)との両立が難しい、などです。

EV対応の機械式駐車場システムは実用化が進みつつありますが、既存マンションへの後付けはハードルが高いのが現実です。

EVへの乗り換えを予定している方は、購入前に管理組合・販売会社にEV対応の見通しを確認することをおすすめします。

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