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中国恒大集団のアメリカでの破産法申請が与える日本の住宅市場への影響について

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2023年8月18日、日本時間の朝のニュースで、中国の大手不動産会社「中国恒大集団」がアメリカで破産法を申請したとのニュースが流れました。

この「中国恒大集団」の経営危機に関するニュース自体は、2年くらい前からあり、その流れでアメリカでの破産法を申請したとのことで、日本のみならず、世界がざわついたニュースでした。

ただ今回のアメリカでの破産申請はチャプタ−15と呼ばれるもので、日本でいう倒産とは事情が違います。

アメリカ連邦破産法のチャプターをおさらい

日本では民事再生や破産などの言葉で表現されるものを、アメリカでは「チャプター〇〇(〇〇には数字が入る)」と呼ばれています。

内容をおさらいすると、

チャプター11(イレブン):日本でいうところの「民事再生法」に類似

チャプター7(セブン):日本の「破産法」に類似

この2つがよく使われます。

再生が前提のチャプター11と、法人の清算が前提のチャプター7であれば、今回のニュースはかなりインパクトが違っていましたが、今回の「中国恒大集団」が申請したのは、チャプター15となります。

チャプター15はアメリカ国内の資産を保全するために行う申請で、債権者の一部が勝手に中国恒大集団の資産を処分して、資金を回収してしまうことを防ぐためのものです。

これは中国恒大集団が債権者と債務交渉を行う上で、必要性があるとのことでの申請であろうと思われます。

ただこれから債権者と債務交渉を行うということですが、おそらくまとまることは考えにくく、中国恒大集団は遅かれ早かれ破綻するのではないかと考えています。

中国恒大集団の破綻はリーマンショックの再来になるか?

2008年9月に発生した、特大の金融危機「リーマンショック」の再来かという意見も散見されますが、おそらく私はそうはならないのではないかと考えています。

理由として、リーマンショックのきっかけとなったのは、サブプライムローンと呼ばれる低所得者向けの住宅ローンを証券化した商品を、あたかも優良な投資対象として世界中に売り出し、それを世界中の金融機関が大量に購入したことでした。

結果としてサブプライムローンの信用不安が、全世界に波及し、お金の流れが逆流したことにより起こった金融危機です。

しかし今回、中国恒大集団の債権を初め、中国の不動産会社の債権は、世間的な評価は投機的なもので、まともな金融機関であれば投資対象としていません。

よって、今回の中国の不動産業界が吹っ飛んだとしても、即金融危機には繋がらないと考えています。

日本のバブル崩壊に近い?

どちらかといえば、日本のかつてのバブル崩壊に近い印象を受けています。

今回の中国の不動産業界の危機の発端となったのは、中国政府の不動産会社に対する規制で、日本のかつてバブル崩壊となった「総量規制」の流れに非常によく似ています。

総量規制とは、投機による不動産市場の高騰を抑えるため、政府が銀行に対し、融資姿勢の厳格化を求めたもので、今回の発端となった中国政府の性格もそれに似たものでした。

ただし、中国は日本のバブル崩壊を非常によく似ていて、日本のようなハードランディングではなく、ソフトランディングを狙って政府が介入し、市場の混乱は少なくなると予想されること。

また日本のバブル崩壊が世界の経済に与えた影響は実はほとんどなく、日本の経済が停滞しただけであって、今回の中国の不動産バブルの崩壊も同じような道を辿るのではないかと考えられています。

日本の住宅市場への影響

そこまで大きな影響はないものの、日本のバブル崩壊時よりも、中国マネーは至る所に入り込んでいるため、そのお金が逆流することによる影響が考えられます。

特に日本の場合、京都や都心部のタワーマンション、また北海道のニセコの土地などが、中国資本に多く買われているため、それらのエリアや物件が影響を受けることは考えられます。

しかし住宅系の不動産に関していえば、多少影響があったとしても軽微なものになるのではないかと予想しています。

P.S

リーマンショックを知らない社会人の方も増えてきていますが、私はこの金融危機をど真ん中の業界(リーマン・ブラザーズもメルリンチも取引先でした)で経験しており、こんな危機は2度と来て欲しくないと、心から思っています。

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