中古マンションを探していると、管理形態が「自主管理」となっているところがあります。
「自主管理=良くない」というイメージが先行していますが、なぜ自主管理に良くないイメージがついているのか。
正しい知識を持つことで、本当に価値がある物件探しにも役に立ちます。
そこでこの記事では自主管理マンションの住宅ローンや資産価値における注意点やポイント、またメリット・デメリットについて解説していきます。
知りたいことが明確な方は、目次を開いて目的の内容をクリックしていただくと、その箇所へジャンプができます。
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宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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自主管理マンションとはどういう管理形態か
一般的にマンションでは、所有者による管理組合が形成され、管理組合から管理会社へ管理業務が委託されます。
しかし管理会社に管理業務が委託されずに、管理組合が自分たちで管理業務を行うことを、自主管理と言います。
国土交通省による「平成30年度マンション総合調査」によれば、自主管理のマンションは全体のおよそ7%になり、10棟に1棟あるかないかの割合ですが、比較的物件情報サイトなどで目にする方も多いのではないでしょうか。
「本来なら管理業務は管理会社がやってくれるものなのに、自分たちで管理業務を行えるものなのか」
「管理会社が入らなくて管理は大丈夫なの?」
「そもそも買っても大丈夫なの?」
などなど、私のところには、数は少ないものの一定の割合で定期的に自主管理マンションに対する質問があります。
立地や間取りも気に入ったのに、管理形態が自主管理となっていて、買ってもいいのかどうか迷ってしまったり不安に感じる方も多いのだと思います。
結論から言えば、自主管理のマンションを買ってもいいかどうかの判断はケースバイケースで、全てが買ってはいけないマンションではありません。
実際私も過去に自主管理のマンションを扱ったことがありますが、自主管理であっても優良なマンションは存在します。
この記事では、そんな自主管理マンションの見極め方や、過去に実際に仲介をした自主管理マンションの事例などをご紹介していきます。
自主管理マンションのメリットとデメリット
自主管理の全てが悪いわけではなく、上手く運営をしてメリットを最大限享受できているマンションもあれば、デメリットでもある悪い面が出てしまっているマンションも多くあります。
まずは自主管理マンションのメリット・デメリットについて解説していきます。
自主管理のメリット
自主管理のメリットの一番は費用の削減ではないでしょうか。
管理会社に委託するときは、管理会社の利益なども含め、それ相当の費用が発生しますが、自主管理の場合は基本的には実際にかかる費用だけで運営することができます。
また管理活動をする中でマンション内のコミュニケーションも密になりますので、住民との関係が良好になることが多いです。
管理会社がいないことで住民たちに管理に対する意識が芽生え、管理会社による利益搾取が行われず、比較的安いランニングコストで修繕などの維持保全活動を行うことも可能です。
マンションによっては日常の清掃業務など、管理業務の一部を委託しているところもあります。
自主管理マンションのデメリット
自主管理のデメリットは、マンション管理の全部のことを自分たちで考え、決定し、実行していくことへの負担ではないでしょうか。
総会での議案に対する賛成の数などの法的な知識、維持修繕に関わる建築や設備の知識や業者とのやりとりなど、基本的な知識がないとマンション管理はなかなか難しいのですが、これらを全て自前でやらなければいけません。
またマンションの管理における業務の多さが日常生活にとって負担になる人もいるかもしれません。
メリットに挙げた住人同士の関係性も人によっては億劫に感じる人もいるのではないでしょうか。
費用は安く済むものの、その分住人の負担が重くなる。
メリットとデメリットは表裏一体になります。
買ってはいけない自主管理マンション
ここからは買っても大丈夫な自主管理マンションと、買ってはいけない自主管理マンションの見極め方と注意点について解説していきます。
まず初めに、買ってはいけない自主管理マンションの特徴について解説していきます。
ハイリスク!管理組合が存在しないマンション
マンションについてある程度勉強された方であれば「マンションに管理組合が存在しないことなんてあり得るの?」という声が聞こえてきそうですが、実際にあります。
管理組合が組成されていないマンションでは、特定の住人が管理運営を取り仕切っていたりすることがあります。
その方が、管理に関わる知識や経験が豊富であれば問題ありませんが、そうでない場合、維持管理に必要な修繕が適切なタイミングで行われなかったりすることがあります。
また特定の人が管理組合の運営を担っていて問題となるのが、管理費や積立金の使い込みです。
これは時々ニュースにもなっていますが、特定の住人に決定権やお金の管理など重要な業務が集中してしまうことの弊害です。
そもそも通常であればマンションのお金はマンションの管理組合の名義の口座で管理しますが、管理組合がない場合、特定の住人の名前で口座を作るしかありません。
そんなマンションのお金の管理で問題がないことの方が少ないのではないでしょうか。
管理組合の有無についての確認は外から見ただけではわかりませんが、管理規約がなかったり、管理に関わる重要事項の調査報告書を請求しても発行されない場合は管理組合がない可能性が高いです。
ちなみに自主管理で管理組合がない場合は、住宅ローンの審査に通る可能性は非常に低いでしょう。
戸数が少ない
もう一つ注意したいのが、マンションの戸数です。
実は自主管理でマンションの戸数が少ない物件は、いくら管理組合があって機能していても、そもそも住宅ローンの審査対象外となってしまう可能性が高いです。
例えば某メガバンクでは、自主管理かつマンションの戸数が20戸以下のマンションは審査対象外となっています。
理由としては、大規模な自主管理マンションと比較してリスクが高く、担保価値に難があると考えているからです。
住宅ローンが出にくいということは、将来売りたいときに売りにくくなるということですので、資産価値の面においても非常に大きな影響がありますので、もし自主管理マンションで戸数が少ない場合は、極端な話、検討対象から除外してしまってもいいかもしれません。
逆に言えば、戸数が少ないマンションではなく、管理組合が存在していれば住宅ローンの対象となるところが多いので、一概に「自主管理マンションは住宅ローンが出ない」というわけではありません。
ちなみに検討対象から外すのは、あくまで「自主管理マンション」かつ「戸数が少ない」物件です。
戸数が少ないマンションについても心配される方がいますが、こちらもケースバイケースです。
買っても大丈夫な自主管理マンション
それでは次に買っても大丈夫な自主管理マンションについて解説していきたいと思います。
管理組合が機能していて、戸数がそれなりにある
買ってはいけないマンションの反対で、自主管理でも管理組合があり、機能しているマンションは特に問題はありません。
また戸数もそれなりにあれば、あとは管理の調査の結果が良ければ購入しても構わないと考えています。
管理組合の調査は、ハウスクローバーのエージェントかこちらのサービスの利用を検討してみましょう。
スーパー住人がいる
ここからは管理の調査について、私の実体験も踏まえ、少し掘り下げて解説していきます。
「スーパー住人」という言葉は私が勝手にそう呼んでいるだけなのですが、管理にやたらと詳しく主体性のある方のことをそう呼んでいます。
スーパー住人は自主管理マンションに限らず、一般的なマンションであってもいるところにはいて、スーパー住人が一人でもいるだけで実はマンションの管理や財務状況は劇的に良くなります。
私もいろんなマンションの管理組合の調査をしてきましたが、全体の1割にも満たない超優良と判断した物件には、大体こういうスーパー住人がいることが多かったです。
過去に実際に取引した事例ですが、愛知県名古屋市にある自主管理マンションで稀に見るくらいの管理の良さだったので、色々売主さんにヒアリングしたところ、スーパー住人が存在していました。
そのスーパー住人の方は、仕事は全く違う仕事をされていましたが、マンション管理士という難関資格を取得し、そのマンションの管理業務に活用していました。
築年数も40年近く経っていましたが、一般的には安いと感じる毎月の積立金(数千円)にもかかわらず、非常にキャッシュリッチで、尚且つ解体費までその積立金の中から別建で積み立てられていました。
再開発が進む金山(かなやま)エリアで総合駅から徒歩5分ほどの好立地ですので、建て替え後はさらに大きなマンションを建てることもでき、もともとの所有者はかなりお得に新築マンションに住み替えることができるという計画まである超優良マンションでした。
(ここに出てきた金山という駅は東京都内で例えると池袋が最もイメージが近いです)
またお金の管理も不正が発生しないような工夫がされており、自主管理マンションとしてまさにお手本のような物件でした。
予算が限られていた方だったので、旧耐震のマンションでありながら、お客様に迷わずOKサインを出した数少ないマンションです。
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自主管理マンションで重要なのは見極めをするプロの存在
ここまで自主管理マンションの買ってもいい、買ってはダメな判断基準を解説してきましたが、理屈はわかってもなかなか調査するとなると難易度が高いことが多くあります。
そんなときにあなたの役に立ってくれるのが、不動産エージェントと呼ばれる、高度な知識と経験、そして高い倫理観を兼ね備えた担当者の存在です。
マンション購入の成功の可否は、立地と管理で決まります。
立地は一般の方でもネットを駆使することで判断できることが多いですが、管理になると一般の方に公開されない情報も多く、プロでないとできないことが多くあります。
さらに不動産業者であれば誰でも出来るかというと、全くそんなことはなく、知識と経験が必須です。
会社の決算書を読んで、その会社の良し悪しを判断をすることに近く、慣れた人でないと難しいというのはなんとなくイメージできるのではないでしょうか。
そんな不動産エージェントを探せるのが、ハウスクローバーというサイトです。
私が面談をして合格した担当者しか載せていないので、人数は多くはありませんが、担当者選びで失敗するリスクはかなり低くなります。
他にも無理のない予算をシミュレーションできたり、物件探しを自動化できるシステムも全て無料で利用できますので、気になる方はぜひこちらの詳細をご覧ください。
まとめ
自主管理マンションは確かに一般的な管理会社が入っているマンションに比べて不安に思う方も多いと思います。
しかし個別で調査をしていけば、一般的な管理会社が入っているマンションよりもはるかに管理状態の良いマンションに出会えることもあります。
自主管理のマンションだからと一括りに検討対象から外してしまうよりも、ハウスクローバーの不動産エージェントに気になる物件があれば意見をもらい、その上で判断することでより良い買い物ができるのではないでしょうか。
ぜひあなたもマンションを探すときは、まずは担当者選びから始めるようにしてください。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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