この記事で分かること
- 1年以上売れていない家はどれくらい値引きできるか(目安と限界)
- 値引きしやすい物件・しにくい物件の見分け方
- 1年以上売れない家によくある原因
- 売れ残り物件を買うときに確認すべきリスク
- 値引き交渉の進め方
家を買おうと考えて、長くインターネットで物件情報を収集していると、いつまで経っても掲載される物件が少ない割合ではあるものの存在していることに気がつくと思います。
特に掲載期間が1年くらいになってくると物件情報サイトでも定番となっていて、多くの人がその物件の存在を把握している状況になります。
そんな状況ですから、購入するときに値引きはどれくらいしてもらえるのだろうかと気になる方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では1年以上売れていない家がどれくらい値引きができるかについて解説していきます。
また合わせて1年以上売れていない理由の分析方法についても解説していきます。

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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1年以上売れていない家の値引きはどれくらい可能か?

長い間、売れ残っているのであれば、売主としても早く売りたいだろうから値引き交渉も可能ではないかと考えるのではないでしょうか。
確かにその可能性はありますが、全ての物件に対して共通して言えることではありません。
これまでの販売履歴や売却理由も考慮する必要があります。
大幅な値引き交渉ができるケース
理由があって売却の期日が近づいていたり、販売時から値段が変わっていない物件であったりする場合に大幅な値引き交渉ができる可能性があります。
ただし、販売時から値段が変わっていないケースでは、売主がそもそもその値段でないと売りたくないと考えているケースもあるため、ほとんど価格交渉ができないこともあります。
あまり値引き交渉ができないケース
一方で、販売時から段階的に値下げをしていて、販売時から比較してそれなりに値下げをしているケースは、すでにそれなりに値下げをしているので、大幅な値下げ交渉は困難なことが多いです。
またローンの残債の関係でそこまで下げることができないケースもありますが、1年も残っていることを考えるとこの可能性は低いように思えます。
これまでの販売履歴は、不動産業者に確認するか、マンションの場合だとインターネットでも販売履歴を確認することができますので、そういったサイトも合わせて参照していただくと、値段交渉の戦略が立てやすいのではないかと思います。
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値引き幅の目安と限界、交渉の進め方
「結局どれくらい値引きできるのか」という金額の目安と、交渉の進め方を整理しておきます。
値引き幅の目安
中古住宅の値引きは、一般的には売り出し価格の端数調整から1割程度に着地することが多く、これが一つの目安になります。ただし1年以上売れていない家の場合は、売主側も「そろそろ手放したい」という心理が働くため、通常より大きな値引きに応じてもらえる余地があります。
特に、これまでに何度も値下げを繰り返している物件は、売主が価格にこだわらなくなっているサインです。値下げの履歴は物件情報サイトやマンションデータベースで確認できることがあるので、交渉前にチェックしておくとよいでしょう。
一方で、値引きには限界もあります。売主にも住宅ローンの残債や、買い替え先の資金計画があり、これを下回る価格では売れないというラインが存在します。あまりに相場とかけ離れた指値は、そもそも相手にされません。
なお、売主が業者の場合や、最終手段としての「買取」では、相場の7〜8割程度が目安になります。買取は確実に早く売れる代わりに、仲介で売るより安くなるのが一般的です。
値引き交渉の進め方
買主側が値引きを希望する場合は、購入の意思を示す「購入申込書(買付)」に希望価格(指値)を記載して交渉します。
このとき大切なのは、根拠を持って交渉することです。近隣の成約事例や、その物件が売れ残っている原因を踏まえ、「だからこの価格が妥当」という形で示すと、売主も納得しやすくなります。単に「安くしてほしい」だけの交渉は通りにくいものです。
また、交渉は信頼できる不動産担当者を通して行うのが基本です。売主の事情や売却期間を把握している担当者ほど、どこまで引けるかの勘所を押さえています。
1年以上も売れ残っている理由

もう一点、1年以上売れ残っている物件を検討するときに気をつけなければいけないことは、その物件が「なぜ、1年以上も売れ残ってしまっているのか」です。
そもそも適切に販売されている物件であれば1年も売れ残るというのはなかなかありません。
そこでこのような物件を検討するときは、なぜ販売期間が長引いてしまっているのか、その原因分析は欠かせません。
この分析をしっかり行わないと、本来は買ってはいけない物件を買ってしまったり、損をしてしまうこともあるからです。
ここからは、なぜ1年以上も売れ残っているのか。
その考えられる理由について解説していきます。
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販売戦略のミス

実際に散見されるケースです。
不動産業者側のミスリードなのか、売主さんが不動産業者の言うことをあまり聞かずに売りに出してしまったのか、どちらなのかは判断がつきませんが、販売戦略のミスです。
わかりやすいところでいうと、売り出し価格です。
売り出し価格が高すぎると、よほど良い条件の揃った物件でない限り、売れ残ることが多いです。
実際私も購入希望のお客様のお手伝いをしているときに経験したことがあります。
立地もよく、リフォームはそれなりに必要ではあるものの、1年近く売れ残っていた中古マンションがありました。
色々と調べていくと、明らかな販売戦略のミスでした。
相場よりもはるかに高く売り出して、途中で値段交渉のある買い付けが入ったこともあるものの断っていたそうです。
実際私のお客様はそこからさらに値段交渉をして購入しましたが、成約価格は以前、断ってきた買い付け価格よりも遥かに安い値段でした。
このような事例は少ないもののたまにあります。
高い値段でしか売りたくない
物件によほど特徴があったり、売主さんがこれくらいの値段であれば売ってもいいと考えているケースです。
特にお金に困って売りに出しているとか、売る理由があって売りに出しているわけではなかったりすることもあるので、基本的に価格交渉はしにくい条件です。
ただ物件そのものに特徴や強みがあるケースが多いので、時間がかかっても売れていくことが多いです。
需要と供給のミスマッチ
需要と供給のミスマッチで販売期間が長くなるケースもあります。
これも私が実際に売主業者として経験したケースですが、とあるエリアの中古戸建てを預かった時の話です。
その戸建は名古屋市内の比較的相場は高いとされる立地でしたが、建物の間取りが2LDKの2階建ての木造住宅でした。
ファミリー向けのエリアなのですが、ファミリーにはなかなか合いにくい間取りで、尚且つ土地の広さがそこそこあるので、値段もそれなりに張ってしまい、需要と供給のバランスが合いづらい物件でした。
ただこのタイプの物件も、需要と供給のバランスが悪いだけであって、立地などに問題がなければ売れていきます。
ちなみにこのタイプは、売主も理由をわかっているので、値引き交渉は比較的しやすいケースと言えるのではないでしょうか。
そもそも需要がない
1年以上売れ残っている物件で、最も気をつけなければいけないケースがこのパターンです。
大抵の不動産は値段が相場と合っていなくて売れていないケースが多く、値段を下げればそれなりに売れていくケースが大半です。
しかし、そもそも需要がない物件はそれでも売れません。
いくら安く買えそうだからといっても、このような物件はよほどの理由がない限り避けるべきだと考えています。
このパターンは将来売りたくても売れない「負」動産となる可能性が非常に高いため、注意が特に必要です。
1年以上売れない家によくある原因(買う側の見極め方)
値引きできるかどうかは、その家が「なぜ売れていないのか」によって大きく変わります。
原因は大きく分けると、価格や見せ方など後から直せるものと、立地や物件そのものなど直せないものの2種類です。代表的な原因を挙げます。
- 価格が相場より高い:最も多い原因。後から値下げで調整でき、買う側にとっては値引きが狙いやすい
- 築年数が古い:物件固有の要因。値引きでは解決しないが、価格に織り込まれているかを見る
- 室内の汚れや劣化が目立つ:見せ方の問題。リフォーム前提なら、その費用分を交渉材料にできる
- 立地・利便性が悪い:物件固有の要因。需要そのものが弱く、値引きしても売れ残る根本原因になりやすい
- 内覧時の印象が良くない:見せ方の問題。本質的な価値とは別なので、掘り出し物の可能性もある
- 広告・販売活動が不十分:売主側の不動産会社の問題。良い物件なのに埋もれているケース
- 不動産会社・担当者のスキル不足や囲い込み:売主が抱えている会社の問題で売れていないだけのことも
- 競合物件が多い:周辺に似た条件の物件が多く、価格や条件で見劣りしている
買う側として大切なのは、この原因を見分けることです。原因が「価格・見せ方・販売活動」にあるなら、値引きや適切な販売で十分に検討する価値があります。
一方で「立地・需要・物件そのもの」に原因がある場合は、いくら安くても買った後に自分が売る番になったときに、同じように苦労する可能性があります。
つまり、売れ残っている原因が「直せるもの」か「直せないもの」かを見極めることが、値引き交渉の前にやるべき一番のポイントです。
売れ残り物件を買うときに確認すべきリスク
1年以上売れていないという事実の裏に、価格や見せ方だけでは説明できない「隠れた事情」が潜んでいることがあります。安いのには理由がある、というケースを避けるために、購入前に次の点を確認しておきましょう。
- 再建築不可・接道義務を満たしていない:将来建て替えができない土地は、買い手が極端に限られるため売れ残りやすく、住宅ローンも通りにくいです
- 事故・心理的瑕疵がある:過去に事件や事故があった物件は、告知事項として説明される必要があります。長期間売れ残っている場合は念のため確認しましょう
- 管理組合や修繕積立金の問題(マンションの場合):修繕積立金の不足や大幅値上げ予定、管理が行き届いていないマンションは敬遠されます
- 境界・越境などのトラブル:隣地との境界が確定していない、越境物があるといった問題も売れ残りの原因になります
- 旧耐震基準である:1981年6月以前の建物は、耐震性や住宅ローン・税制面で不利になりやすいです
これらは、いずれも値引きで「お得になった」ように見えても、買った後に自分が苦労する要因です。安さに飛びつく前に、重要事項説明や物件調査でこうしたリスクがないかを確認し、判断に迷うときは信頼できる不動産担当者に調べてもらうことを強くおすすめします。
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1年以上売れない家を検討する前のチェックリスト
長く売れ残っている家の購入を検討するときは、次のポイントを確認しておきましょう。
- 売れ残っている原因が「価格・見せ方・販売活動」か「立地・物件そのもの」かを見分けたか
- これまでの値下げの履歴(何回・どれくらい下げているか)を確認したか
- 近隣の成約事例から、その物件の適正な相場を把握したか
- 再建築不可・接道義務・旧耐震など、物件固有のリスクがないか確認したか
- 事故・心理的瑕疵などの告知事項がないか確認したか
- マンションの場合、管理組合の財務状況や修繕積立金の状況を確認したか
- 値引きの希望価格に、近隣事例や売れ残りの原因という根拠を持たせたか
- 買った後に自分が売る側になったとき、売りやすい物件かどうかを考えたか
1年以上売れていない家は、慎重な判断が欠かせない

ここまで色々解説してきましたが、不動産取引において、売りに出して1年以上たっている家というのは、何らかしらの原因があります。
販売戦略のミスであれば買う側とすれば特に問題になることはありませんが、需要がない、価値のない物件である場合もあるので、安さや値段交渉のしやすさだけで判断しないようにしましょう。
またこのような判断は、ご自身だけで行おうとすると判断を誤ってしまうこともあり得ますので、必ず信頼のおけるプロの担当者にアドバイスを受けるようにしてください。
不動産業界には、お客様の利益よりも、どんな物件でもとにかく売れればいいと考えている業者や担当者も多く、そのために買ってはいけない物件を買ってしまっているケースも多々あります。
不動産売買においては、物件選びと同じくらい担当者選びが重要になります。
全国の担当者が探せるサイト「HOUSECLOUVER」では、同じプロが面談して合格した担当者しか掲載されていません。
こういったサービスを活用していただくことで、買ってはいけない物件を買ってしまうリスクを大幅に減らすことができますので、住宅売買をお考えの方は、ぜひご活用していただければと思います。
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宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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よくある質問
Q1:1年以上売れていない家はどれくらい値引きできますか?
物件によりますが、中古住宅の値引きは売り出し価格の端数〜1割程度が一つの目安です。1年以上売れ残り、何度も値下げしている物件は売主の手放したい心理が強く、それ以上の値引きに応じてもらえる余地もあります。ただし売主の残債などの下限もあり、無理な指値は通りません。
Q2:1年以上売れない家にはどんな理由がありますか?
価格が相場より高い、築年数が古い、室内の劣化、立地・利便性が悪い、内覧の印象が悪い、広告・販売活動が不十分、不動産会社のスキル不足や囲い込み、競合が多い、などが代表的です。価格や見せ方が原因なら値引きで検討の価値がありますが、立地や物件そのものが原因の場合は注意が必要です。
Q3:売れ残っている家は買っても大丈夫ですか?
原因次第です。価格・見せ方・販売活動が原因なら掘り出し物のこともあります。一方、再建築不可・事故・管理の問題・旧耐震など物件固有の事情が原因の場合は、安くても買った後に苦労するため慎重な判断が必要です。重要事項説明で確認しましょう。
Q4:値引き交渉はどうやって進めればいいですか?
購入申込書(買付)に希望価格(指値)を記載して交渉します。「近隣の成約事例」や「売れ残っている原因」といった根拠を示すと売主も納得しやすくなります。売主の事情を把握している信頼できる不動産担当者を通して進めるのが基本です。
Q5:中古マンションが1年売れないのはなぜですか?
戸建てと同じく価格や立地が主な原因ですが、マンション特有の理由として、修繕積立金の不足や大幅な値上げ予定、管理状態の悪さ、管理組合の問題が敬遠されることがあります。購入前に管理組合の財務状況を確認することが大切です。








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