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低層マンションとは?メリット・デメリットと高層マンションとの違いをプロが解説

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この記事で分かること

  • 低層マンションとは(何階建てまで)
  • 低層マンションのメリット
  • 低層マンションのデメリット
  • 高層マンションとの違い
  • 低層マンションが向いている人

低層マンションとは、明確な定義はないものの、一般に3階建て以下(高くても5階建て程度まで)の低い集合住宅を指します。

第一種・第二種低層住居専用地域などに建てられることが多く、緑豊かで落ち着いた住環境と高級感が魅力です。

一方で、共用施設や眺望はタワーマンションに劣るといった違いもあります。

この記事では、不動産業界歴17年の現役エージェントである私が、低層マンションのメリット・デメリットと向いている人を解説します。

根強い人気のある低層マンション

低層 マンション

低層マンションは、読んで字のごとく階層が低いマンションのことを指します。

何階建てまでのマンションを低層マンションとするか明確な定義はありませんが、だいたい3〜4階建て以下、場合によっては5階建て以下くらいの建物を指すことが一般的です。

低層マンションの歴史は古く、1923年の関東大震災後、鉄筋コンクリート造の近代的な集合住宅が供給されたのが始まりでした。

しかし低層マンションが根強い人気を集める理由は、単に高層マンションより早く供給されるようになったからだけではありません。

実は低層マンションには住環境の良さや災害に強いことなど多くのメリットがあり、そうした点が根強い人気を集めている理由なのです。

高層マンションにはない低層マンションのメリット

低層 マンション

ここからは、低層マンションの6つのメリットについてご紹介します。

緑豊かな環境

低層マンション周辺は、緑が豊かな環境であることがほとんどです。

その理由は、低層マンションが「第一種低層住居専用地域」や「第二種低層住居専用地域」と呼ばれるエリアに建っているからです。

日本では市街地を形成する際、街の雰囲気や環境を乱さないために土地を住居向け・商業向け・工業向けと分類し、その目的に応じた建物を建設するよう定める13種類の「用途地域」があります。

それぞれの用途地域には建物を建てる際のルールがいろいろ設けられていますが、このうち第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域は、高さが10mまたは12mまでの建物しか建てられない「絶対高さの制限」があります。

この制限がないと日当たりや風通しが悪い家ばかりが建ち、とても住みやすい街とはいえません。

しかし絶対高さの制限を設けることで、日当たりや風通しがいい家が増えて住みやすい環境が形成されます。

10mまたは12mといえば、ちょうどマンションの3〜4階建てに相当する高さです。

他にも第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域は、住宅以外に建てられる建物の種別にも厳しい制限を設けているため、緑豊かで静かな住環境を形成しやすいのです。

災害リスクに強い

低層マンションは高層マンションと比べると、災害リスクに強いといわれます。

なぜなら高層マンションは、大きな地震が発生するとエレベーターが停止し、移動には階段を使うしかありません。

住んでいる階が高層階であるほど往復する階段の段数も増え、かなり辛くなります。

一方、低層マンションは最上階でも3〜5階くらいなので、移動手段が階段のみでもさほど往復が辛くなりません。

また低層マンションが災害リスクに強いことを示す理由は、他にもあります。

マンションは柱と梁で建物を支えるラーメン構造と、壁で支える壁式構造の2種類に分かれますが、地震の揺れに強いのは壁式構造です。

壁式構造は柱と梁より建物を支える面積が広くなるので、大きな揺れが起きてもほとんどびくともしません。

1981年6月以前に建てられた旧耐震基準のマンションでも、壁式構造であれば今の新耐震基準を満たしていると診断されるケースも多く見られます。

そしてこの壁式構造が多く採用されているのが、低層マンションなのです。

また低層マンションは、丘の上や山など地盤が固い地域に建っていることが多いことも特徴です。

地盤の固さ・建物の構造・階層の低さが、低層マンション=災害リスクに強いといえる理由なのです。

良好なコミュニティが形成されやすい

低層マンションは高層マンションと比べると、戸数が少ない点が特徴です。

そのため住人同士はどんな人が住んでいるのか把握しやすく、ご近所付き合いが増えて良好なコミュニティが形成されやすいメリットが生まれます。

また日頃から良好なコミュニティが築けていると、災害が起きた時や家族に万が一のことが起きた時などに助け合いやすく安心です。

相場の変動を受けにくい

マンションの維持管理や将来の大規模修繕には、管理費や修繕積立金が欠かせません。

管理費や修繕積立金は各世帯で平等に負担するものですが、戸数が少ない低層マンションは1戸あたりの負担金が割高になりやすいのが一般的です。

ただしこれは、裏を返すと投資目的でマンションを購入する方が少なく、自らが住むことを目的に購入される方がほとんどともいえます。

マンションを購入する不動産投資家は、自分が買った部屋を第三者に貸して収入を得ることが目的ですが、管理費や修繕積立金が割高だとあまり利益が出ません。

そのため不動産投資家は、戸数が多く管理費や修繕積立金の負担が少ない高層マンションなどをターゲットにして利益を多く出そうとします。

そして不動産投資家が多いマンションは、投資マネーによって価格が上下しやすく、本来の相場が分かりにくくなるデメリットもあります。

その点、自らが住む目的(実需)で購入する方が多い低層マンションは価格が安定し、相場も大きく変動しません。

低層ならではの利便性

低層マンションが建つ第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域は、高さの他にも日影や建ぺい率の制限なども厳しく定められています。

建ぺい率が低い建物はその分敷地にゆとりができるため、平置きの駐車場が造られるケースもあります。

平置き駐車場は機械式と違って車の出し入れに時間がかからないため、車利用が多い方にとってはストレスを感じることが少なく利便性が高いといえるでしょう。

また第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域は、住宅以外だと小中学校や公園などの建設が認められているため、子育てファミリーが求める施設が近い利便性もあります。

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低層マンションと高層マンションの違い

低層マンションを検討するなら、高層マンション(タワーマンション)と何が違うのかを整理しておくと、自分に合うほうを選びやすくなります。

主な違いは、次のとおりです。

  • 住環境:低層は緑が多く静か、高層は眺望と都市的な利便性
  • 災害時:低層は階段移動が楽、高層はエレベーター停止の影響が大きい
  • 共用施設:低層は最小限、高層はラウンジやジムなどが充実
  • 修繕費:特殊な工事が必要な高層のほうが高額になりやすい
  • 資産価値:低層は実需中心で安定、高層は投資マネーで変動しやすい
  • コミュニティ:低層は住民の顔が見えやすく、高層は希薄になりやすい

眺望や豪華な共用設備、刺激のある暮らしを求めるなら高層マンションが向いています。

一方で、静けさや日当たり、災害への強さ、資産価値の安定を重視するなら低層マンションが向いています。

どちらが優れているということではなく、何を大切にしたいかで選ぶのが正解です。

低層マンションのデメリット

低層 マンション

先ほどは低層マンションのメリットをご紹介しましたが、反対にデメリットは下記のような点があります。

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共用施設があまり充実していない

低層マンションはオートロックや宅配ボックスなどの共用設備はあっても、ラウンジやフィットネスジム・パーティールームなど、高層マンションのような豪華な共用施設はほとんどありません。

住人専用ラウンジで夜景を眺めながらお酒を飲んだり、雨の日でも子どもを遊ばせられるキッズスペースを利用できたりするような暮らしに憧れる方には、低層マンションは向いていないでしょう。

古い物件ではエレベーターがない物件が多い

近年は3階建てや4階建てでもエレベーターが付いている低層マンションもありますが、以前は5階建て以上でないとエレベーターなしの物件がほとんどでした。

そのため築年数が古い低層マンションだとエレベーターがなく、引っ越し時の荷物運びや子ども連れでの階段の上り下りに苦労するでしょう。

駅からやや離れている物件が多い

緑豊かで静かな暮らしを送りやすい用途地域に建つ低層マンションですが、その分駅からの距離がやや遠くなってしまうことがほとんどです。

駅から距離がある物件は、家族の通勤通学に時間がかかるだけでなく、将来売却する際や賃貸に出す際はウィークポイントになりやすいことを覚えておきましょう。

眺望は高層マンションと比較して劣る

低層マンションの多くは絶対高さの制限がかけられるエリアに建つため、高層マンションと比べるとどうしても眺望は劣ります。

ただし絶対高さの制限がある分、将来も視界を遮るような高層マンションが建つ可能性が低いことや、自然の豊かさに恵まれることがメリットとなります。

眺望より静かで日当たりがいい住環境を求める方であれば、このデメリットはさほど気にならないかもしれません。

リフォーム・リノベーションの自由度が低い

地震の揺れに強いメリットを持つ壁式構造ですが、建物を支えている壁に穴を開けてしまうと耐震性が下がってしまいます。

そのためリフォーム・リノベーションをする際は、壁を取り払って間取りを変更することができません。

将来間取り変更のリフォームやリノベーションをご希望なら、柱と梁で支えるラーメン構造のマンションを選ぶといいでしょう。

近所付き合いが密になりやすい

戸数が少ない低層マンションは、良好なコミュニティが築きやすいことがメリットと述べましたが、場合によっては近所付き合いが密になりやすいリスクも潜んでいます。

同じマンションに住む方同士で仲良くすることはいいことですが、度が過ぎる近所付き合いはストレスになりかねません。

中古マンションの場合は既にコミュニティが形成されているので、あなたや家族がうまくお付き合いできそうな方が多いかどうか、購入前にしっかり確認しましょう。

低層マンションが向いている人・向いていない人

ここまでのメリット・デメリットを踏まえると、低層マンションが向いている人と向いていない人は、はっきり分かれます。

まず、低層マンションが向いているのは次のような人です。

  • 緑が多く静かな住環境で、落ち着いて暮らしたい人
  • 地震や停電などの災害リスクをできるだけ避けたい人
  • 相場に振り回されにくい、安定した資産価値を重視する人
  • 高級感のある住宅地で、ゆとりある暮らしをしたい人
  • 近隣との程よいつながりを大切にしたい人

反対に、次のような人には低層マンションは向いていないかもしれません。

  • 高層階からの眺望を何より楽しみたい人
  • ラウンジやジムなど、充実した共用施設を使いたい人
  • 駅直結など、とにかく駅近の利便性を最優先したい人
  • 壁を抜く大規模なリノベーションで間取りを変えたい人

なお、低層マンションが高級なイメージを持たれるのは、高さ制限のある良好な住宅地にしか建てられず、供給数が限られて希少性が高いからです。

立地の良さと希少性が、低層マンションのステータス性と資産価値の安定を支えているのです。

低層マンションの資産価値と売却のしやすさ

低層マンションを買うなら、将来の資産価値や、いざ売るときに売りやすいかどうかも知っておきたいところです。

低層マンションは、投資目的より実際に住む人が中心に購入するため、投資マネーで価格が乱高下しにくく、相場が安定しているのが特徴です。

さらに、高さ制限のあるエリアにしか建てられず供給数が限られるため、希少性が価値を下支えしてくれます。

将来も周囲に高い建物が建ちにくく、日当たりや住環境が守られやすいことも、長く価値が落ちにくい理由のひとつです。

一方で、売りやすさという点では注意も必要です。

駅から遠い物件や、極端に戸数が少ない物件は買い手が限られ、いざ売るときに時間がかかることがあります。

低層マンションを高く・スムーズに売るコツは、緑豊かで落ち着いた住環境という強みを求めている層に向けてアピールすることです。

子育て世帯やシニア世帯など、静けさや高級感を重視する買い手に響くように伝えると、低層ならではの価値が評価されやすくなります。

つまり、立地と管理が良い低層マンションを選んでおけば資産価値は底堅く、売るときもターゲットを押さえれば十分に売却できるということです。

低層マンション選びでチェックすべきポイント

低層マンションで後悔しないために、購入前に次の点を確認してください。

  • 用途地域(第一種・第二種低層住居専用地域か)で、日当たりや住環境が将来も守られるか
  • 駅からの距離など、利便性が許容できる範囲か(低層は駅からやや離れがち)
  • エレベーターの有無(特に古い物件や上の階)を確認したか
  • 共用施設やセキュリティの水準が、希望に合っているか
  • 管理組合の財務状況・修繕積立金が健全か
  • 容積率に余裕があり、将来の建て替えや資産価値に有利かを確認したか

デメリットもあるが魅力のある低層マンション

低層 マンション

低層マンションは、駅から距離があることや共用設備が多くないこと、リフォームやリノベーションの自由度が低いことなど、いくつかのデメリットがあります。

しかし緑が多く静かな環境で暮らせたり、災害リスクが低かったりと安心して住める魅力も多いです。

今後マンションを購入予定の方は、ぜひ不動産エージェントに相談のうえ、低層マンションの魅力をチェックして検討してみてください。

よくある質問

Q1:低層マンションとは何階建てまでを指しますか?

明確な定義はありませんが、一般的には3階建て以下、高くても5階建て程度までの低い集合住宅を低層マンションと呼びます。建築基準法上、第一種・第二種低層住居専用地域では建物の高さが10mまたは12mまでに制限されるため、こうした地域に建つマンションが低層マンションの代表例です。

Q2:低層マンションのメリットは何ですか?

緑豊かで落ち着いた住環境、地震や停電などの災害リスクに強いこと、住民同士の良好なコミュニティが形成されやすいこと、相場の変動を受けにくく資産価値が安定しやすいこと、平置き駐車場など低層ならではの利便性が代表的なメリットです。高級住宅地に多く、ステータス性が高い点も魅力です。

Q3:低層マンションのデメリットは何ですか?

共用施設が充実していないこと、古い物件ではエレベーターがない場合があること、駅からやや離れた立地が多いこと、高層階のような眺望が望めないこと、壁式構造でリフォームの自由度が低い場合があること、近所付き合いが密になりやすいことなどが挙げられます。

Q4:低層マンションと高層マンション(タワーマンション)の違いは何ですか?

低層は緑豊かな住環境・災害への強さ・相場の安定が魅力で、高層は眺望・共用設備・利便性が魅力です。修繕費は、特殊な工事が必要なタワーマンションのほうが高額になりやすい傾向があります。住み心地や資産性の考え方が異なるため、何を重視するかで選びましょう。

Q5:低層マンションはどんな人に向いていますか?

静かで落ち着いた住環境や緑を重視する人、災害リスクを避けたい人、高級感のある住まいを求める人、近隣との程よいつながりを大切にしたい人に向いています。低層マンションが高級なイメージを持たれるのは、高さ制限のある良好な住宅地に建てられ、希少性が高いことが理由です。

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