【2023年6月】中古マンション・中古戸建の価格推移

2023年6月までのレインズに登録された成約データから、最新のマーケット情報をお届けします。

各エリア毎のレインズデータの加工にバラツキがあるため、この記事においてもエリア毎に表示形式が違っております。ご容赦ください。

またレインズの成約データは、物件掲載数と比較して登録率は決して高いものではありません。

よって都市部ではそれなりの母数があるので、ある程度正確な傾向が捉えられますが、地方になるとマンションなどでは母数が少なくなり、正確な傾向を捉えられていない場合があります。

エリアは大きく分けて、以下の５つです。

1. 関東圏（東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県）
2. 札幌市、仙台市
3. 近畿圏（大阪府、京都府、兵庫県、京都府、奈良県、和歌山県、滋賀県）
4. 中部圏（愛知県、岐阜県、三重県、静岡県、富山県、石川県、福井県）
5. 西日本（中国、四国、九州）

下の目次を開いて、目的のエリアをクリックするとジャンプすることができます。

１、関東圏（東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県）

中古マンションの価格推移

東京都区部の相場（㎡単価）は前月比、前年同月比の両方で上昇しています。

成約単価の増加は20年5月から38カ月連続となります。

エリア別に見ると、東京多摩エリアや横浜・川崎市ではやや微減したものの、他のエリアは大幅に上昇しました。

エリア別の過去1年の増減率です。

東京都区部が上昇の他、もともとの価格が比較的安かった千葉県、埼玉県、神奈川県他に購入層が流れたこともあり、成約価格は上昇しました。

逆に東京都多摩や横浜・川崎市では微減する結果となっております。

次に成約件数です。

成約件数は、地域別に見ると埼玉県と神奈川県他のみ減少。

その他の地域では増加しています。

2022年末頃までは、前年同月比でマイナスであったことが多かったのですが、2023年に入ってからは、バラツキはあるものの前年同月比でプラスになる月も出てきました。

成約件数、成約価格ともに上昇ということで、購入者の意欲は引き続き高いと言えます。

中古戸建ての価格推移

一方で中古住宅の成約単価は、東京都多摩がほぼ横ばい、神奈川県他では上昇しましたが、他のエリアで減少しています。

2022年12月までどこのエリアも一貫して上昇していましたが、2023年に入ってからは落ち着きを見せています。

成約件数は、東京都区部で２桁の大幅減少。5ヶ月連続の前年同月比で減少となりました。

一方で東京都多摩では9.5％と大幅上昇となりました。

中古マンションが高騰しているため、戸建へ一定数流れています。

埼玉県でも前年同月比で6.8％減少。

これは2022年1月から18ヶ月連続で成約件数が減少しています。

そのほかのエリアでは概ね成約件数は上昇しています。

２、札幌市、仙台市

中古マンションの価格推移

成約件数は両都市とも前年同月比で減少しました。

成約単価は、札幌市が5ヶ月連続で前年同月を上回っていますが、仙台市では2022年4月以来14ヶ月ぶりに現年同月を下回りました。

トレンドなのか、突発的なデータの揺れか、もう少し判断に時間がかかります。

中古戸建ての価格推移

成約件数は札幌市が前年同月比で２桁の大幅上昇。

仙台市は前年同月比で20％の大幅減でした。

成約価格は札幌市が前年同月比で上昇。仙台市も前年比で大幅上昇となりました。

３、近畿圏（大阪府、京都府、兵庫県、京都府、奈良県、和歌山県、滋賀県）

中古マンションの価格推移

成約件数は対象１２地域中７地域が前年比で減少し、減少エリアは前月と同数でした。

減少エリアのうち大阪府北部と東部、滋賀県は前年比で２桁減となり、大阪府北部は８期連続で前年同月を下回り、北摂エリアなどを中心に中古マンション取引は軟調さが続いています。

また成約価格は１２地域中、６地域が前年比で下落し、下落エリアは前月比で４地域増えました。

下落エリアは大阪市や大阪府北部、南部、神戸市、京都市などで、京阪神の主力エリアを中心に中古マンション㎡単価が弱含みとなる動きが見られました。

• 大阪府北部（大阪市以外の淀川以北）：池田市・箕面市・豊中市・吹田市・摂津市・茨木市・高槻市・三島郡・豊能郡
• 大阪府東部（大阪市以外の淀川以南～大和川以北）：門真市・守口市・枚方市・寝屋川市・交野市・大東市・四條畷市・東大阪市・八尾市・柏原市
• 大阪府南部（大和川以南）：堺市・高石市・河内長野市・松原市・羽曳野市・藤井寺市・富田林市・大阪狭山市・南河内郡・岸和田市・泉大津市・貝塚市・泉佐野市・和泉市・泉南市・阪南市・泉北郡・泉南郡
• 阪神間：尼崎市・西宮市・芦屋市・宝塚市・伊丹市・川西市・川辺郡（猪名川町）
• 兵庫県他：神戸市と上記の阪神間を除く兵庫県内
• 中古戸建ての動向

中古戸建ての価格推移

成約件数は 12 地域中 7 地域が前年比で増加し、増加エリアは前月比で 1 地域減りました。

増加エリアのうち大阪市と大阪府南部、兵庫県他、奈良県 は 2 ケタ増となったほか、大阪市は 11 ヶ月連続で増加し、引き続き堅調な取引エリアが見られます。

成約価格は 12 地域中 6 地域が前年比で下落し、下落エリアは前月比で 2 地域増えました。

下落エリアのうち阪神間と兵庫県他は 2 ケタ下落となり、 神戸市は 8 ヵ月ぶり、滋賀県は 6 ヶ月ぶりに前年同月を下回り、中古マンション㎡単価と同様に弱含みとなるエリアが見られます。

４、中部圏（愛知県、岐阜県、三重県、静岡県、富山県、石川県、福井県）

中古マンションの価格推移

愛知県の中古マンションは成約件数は前年同月比で減少していますが、成約単価については上昇しています。

在庫件数が昨年度月比で843件増加と２割近く増えています。

ただしこの在庫の増え方は一時期コロナ禍による物件不足が解消されてきていると見ることができます。

金沢県は成約件数・成約価格ともに大幅上昇。

岐阜・三重・富山・石川・福井については、サンプルが少ないため、コメントは割愛します。

中古戸建ての価格推移

愛知県の成約件数は上昇していますが、成約価格は減少しています。

しかし前年同時期の成約単価が土地の面積が広く、単発的に高くなった考えられるため、相場のトレンドは横ばいであると考えられます。

岐阜県は件数・成約価格ともに大幅減少。件数については月によってバラツキはありますが、相場のトレンドを見るとやや下降気味のように見受けられます。

三重県は件数が減少、成約価格が上昇。相場のトレンドはほぼ横ばいです。

静岡県は件数は微減、成約価格は大幅下落。ただし相場トレンドは、2022年8月に下落して以降はほぼ横ばいです。

富山県は、件数が上昇で成約価格はほぼ変わらず。相場のトレンドもほぼ横ばいです。

石川県は件数が大幅上昇、価格は前年同月比で大幅減少しています。相場のトレンドで見るとここ最近はやや弱含みと見られます。

福井県は件数は大幅上昇で、成約価格も大幅上昇ですが、サンプル数が少なく、相場トレンドはほぼ横ばいと見ます。

５、西日本（中国、四国、九州）

中古マンションの価格推移

・岡山県

成約件数は 35 件と前年比で 1.0％増加し、10ヶ月連続で前年同月を上回りました。

平均成約㎡単価は30.4万円と前年比で 5.5％上昇しました。

・広島県

成約件数は 94 件と前年比で 7.3％増加し、3 ヶ月連続で前年同月を上回りました。

平均成約㎡単価は33.2万円と前年比で2.6％上昇し、4ヶ月ぶりに前年同月を上回りました。

・香川県

成約件数は25件と前年比で 7.2％増加し、22年3月から16ヶ月連続で前年同月を上回りました。

平均成約㎡単価は21.9万円で前年比プラス 0.8％と、ほぼ横ばいながら5月に続いて前年同月を上回りました。

・福岡県

成約件数は281件で前年比マイナス0.2％とほぼ横ばい。

平均成約㎡単価は33.2万円で前年比プラス0.2％と、ほぼ横ばいながら20年12月から31ヶ月連続で前年同月を上回りました。

・熊本県

成約件数は29件で前年比プラス51.7％の大幅増となり、5ヶ月連続で前年同月を上回りました。

平均成約㎡単価は26.2 万円と前年比で1.6％上昇し、4ヶ月連続で前年同月を上回りました。

中古戸建ての価格推移

・岡山県

成約件数は58件で前年比マイナス10.3％の2ケタ減となり、5月に続いて前年同月を下回りました。

平均成約価格は1,554万円で前年比プラス11.8％の2ケタ上昇となり、5月に続いて前年同月を上回りました。

・広島県

成約件数は63件と前年比で1.1％増加し、8ヶ月連続で前年同月を上回りました。

平均成約価格は1,844万円と前年比で 6.4％下落し、5 月に続いて前年同月を下回りました。

・香川県

成約件数は17件で前年比プラス26.8％の大幅増となり、6ヶ月連続で前年同月を上回りました。

平均成約価格は1,156万円と前年比で3.5％上昇し、7ヶ月連続で前年同月を上回りました。

・福岡県

成約件数は145件で前年比プラス22.2％の大幅増となり、3ヶ月連続で前年同月を上回りました。

平均成約価格は2,061万円で前年比プラス0.8％と、4ヶ月連続で前年同月を上回りました。

・熊本県

成約件数は26件で前年比プラス19.7％の大幅増となり、6ヶ月連続で前年同月を上回りました。

平均成約価格は2,060万円と前年比で7.3％上昇し、3ヶ月連続で前年同月を上回りました。

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