住宅ローンの借入期間をどのくらいにするかで、今後の返済計画が大きく変わってきます。
「不動産会社の担当の人が35年を勧めてきたから、それでいいかな。」
「なるべく長くしたほうが返済金額を抑えられて、たくさん借りられるって聞いた。」
このように住宅ローンの期間について、あまりよく考えずに決めてしまう人が多いのも事実です。
たしかに住宅ローンの返済期間は長ければ長いほど、月々の返済金額は低くなります。
しかし一方であなたの将来的な負担を増やすことにもつながってしまうのです。
この記事では住宅ローンの借入期間を決める際の注意点や、どのくらいが妥当なのかについて解説していきます。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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住宅ローンの期間はなるべく退職時までにが基本
住宅ローンの期間を設定する際に気を付けたいのが、完済時の年齢です。
仕事に行き、毎月の給与がある時期であれば月々の返済もできますが、例えば65歳で定年退職した後はどうなるでしょうか。
高齢夫婦の手取り年金は平均で19万円程、平均的な生活費24万円とは5万円ものひらきがあります。
住宅ローンの完済年齢が70歳の場合は5年間、年金収入と老後の預貯金を切り崩しながら支払わなければならないのです。
「じゃあ退職時の退職金を使って一括で返してしまえばいい」と安易に一括で繰り上げ返済してしまうと、一気に手持ち現金が少なくなるため、老後の生活資金が急に減ることになってしまいます。
住宅ローンの期間はあくまで65歳の退職時までに完済するよう、設定したほうがいいでしょう。
借入可能額を増やす目的で借入期間を長くしてはいけない
不動産会社の担当者は、とくに何も考えずに35年の住宅ローンを勧めてくることが多いですが、これは返済負担比率を減らして借入可能額を多くさせようという狙いがあります。
返済負担比率とは年収と年間返済額の割合から算出される割合ですが、借入期間が長くなればなるほど月々返済額、そして年間返済額が減るため返済負担比率が低くなります。
そうすると銀行審査の基準となる返済負担比率を下回るため、銀行から借入できる金額が増えるという仕組みです。
しかし借入可能額を増やしたいからといって安易に借入期間を長くしてはいけません。
借入期間を延ばすことにより、支払う利息金額は多くなりますし、完済時の年齢も高くなります。
後述するライフプランニングをやっていて、老後のシミュレーションもできているのであればともかく、このような借り方は老後破綻の原因にしかなりません。
あえて長く借りるという戦略の立て方
住宅ローンを予算を増やすために借入期間を延ばすことはリスクが伴いますが、住宅ローン返済中のリスクを、あえて長く借りるとことで回避させる方法もあります。
たしかに住宅ローンの返済期間が短くすると、月々の返済金額は高くなりますが、早く完済することができ、老後破綻のリスクを減らすことができます。
しかし、返済時に帳尻(ちょうじり)があったとしても、返済期間中に資金ショートを起こすことがあるかもしれません。
例えば、お子さんの成長とともに教育支出が増大し、大学進学をピークに毎年の収支は苦しくなります。
特にお子さんが一人でなく、二人、三人といる場合は、特にこの傾向が強くなります。
そのときに、住宅ローンの返済が大きすぎて、教育費までお金が回らなくなることも考えられます。
こういった状況を回避するために、あえて長く借りて置いて支払額を安く抑えておき、手元資金を充実させておき生活費が増大する時期に備えることでリスクを低減させるというう戦略をとることはアリだと思います。
しかし、この戦略をとるためには必ずやっておくことがあります。
それはライフプランニングです。
ライフプランニングは将来の収支をシミュレーションし、家計の収支を長い期間でどうなるかを見える化するものです。
ライフプランニングをすれば、将来のどこの時期に家計の支出が厳しくなるかが分かるようになります。
さらに、何年くらいで借りておいたら家計のリスクが下がるのかを見ることができます。
ですから、ライフプランニングをしたうえで、あえて長く借りるというのはアリだと思います。
総額では短く借りるよりも高くなるかもしれませんが、毎月毎年の家計の収支が破綻しないようにコントロールすることの方がもっと重要です。
ライフプランニングでは老後のシミュレーションも行うため、老後の生活が破綻しないように、合わせて計画を立てるようにしましょう。
住宅ローンの適正な借入期間は?
ここまで色々と説明してきましたが、住宅ローンの適正な借入期間は、家計ごとに違うというのが答えです。
一般論として、仕事が終わるまでとか色々なセオリーはありますが、あくまで目安です。
たとえ同じ家族人数や年齢であろうとも、価値観やライフスタイルが違えばライフスタイルが同じになることはありません。
10家族いたら、10通りのライフプランができて当然のことです。
住宅購入は、あなたとご家族のライフプランに向き合う最適なタイミングでもあります。
ぜひ住宅購入をお考えの時は、ライフプランニングを行って、あなたが過ごしたい人生のライフプランニングを立て、最適に住宅を購入するようにしましょう。
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宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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