中古マンションのリノベーションは、家族にとって元の状態以上に価値がある住まいへと生まれ変わる大切なステップです。
成功すれば夢のマイホームで思い描いていた快適な暮らしを送れますが、失敗すると簡単にやり直しができないため、中古マンションのリノベーション計画は慎重に考えなくてはいけません。
今回は、中古マンションのリノベーションにおける重要なキーワードとして「ワンストップサービス」についてご紹介します。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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中古マンション+リノベーションが増えてきている
昨今は中古マンションを購入してリノベーションする方が増えてきています。
昔は新築マンションを好む方が多かったのに、なぜ今は中古マンションの人気が高まっているのか、その理由の一つとして考えられるのがマンションの供給戸数の違いです。
国土交通省が公表した資料によると、1996年(平成8年)の新築マンションの供給戸数は20万戸、中古マンションの供給戸数は295.7万戸でした。
しかし1997年(平成9年)からは、新築マンションの供給戸数は増減を繰り返しながら徐々に減少し、逆に中古マンションの供給戸数は一貫して上昇していきました。
その結果、2018年(平成30年)には、新築マンションの供給戸数が10.7万戸だったのに対し、中古マンションの供給戸数は654.7万戸と大きく差が開きました。
※参考資料:国土交通省 平成30年度住宅経済関連データ <2>住宅建設の動向 3.マンションの推移(1)マンションの供給戸数(竣工ベース)
新築マンションの供給戸数が減っている理由は、駅前や市街地などの立地が良い場所には既に中古マンションが建っていることが多く、新しい用地を確保しにくくなっていることが挙げられます。
そうなると、利便性を求める方が新築マンションより選択肢が多い中古マンションを候補として探すことは、自然なことと考えられます。
また近年は、人口減少によってマンションを含む住宅供給が飽和状態にあって空き家が増えていて、それに危機感を募らせた国が中古住宅の流通やリフォーム市場の拡充を図るためのさまざまな施策を打ち出しています。
これらの施策は、これまで「中古住宅は古くて安全性も不安」と考えていた消費者のマイナス要因を緩和していきました。
利便性が良く、多少手を加えると問題なく住めて理想の家も実現できるのであれば、新築マンションではなく中古マンション購入とリノベーションをセットで選択する方が増えるのも納得です。
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人気と同時に増えたワンストップサービス
そんな中古マンション購入とリノベーションの選択肢の人気が高まると同時に増えてきたのが、ワンストップサービスです。
ワンストップサービスとは、物件探しからリノベーションの施工までを、1社の不動産会社、もしくはリノベーション業者が請け負うサービスのことです。
中古マンション購入とリノベーションを希望する方にとって選択肢の一つとなる方法ですが、ワンストップサービスのメリット・デメリットはしっかり把握しておきましょう。
ワンストップサービスのメリット
ワンストップサービスのメリットは、物件探しからリノベーションの施工までの工程が1社で完結するため、煩雑な手続きが1ヶ所の窓口で済む点です。
実は中古マンション購入後にリノベーションを行う場合、物件探しと並行して工事を請け負ってくれるリノベーション業者も探さないといけません。
住宅ローンには、住宅購入費用とリフォーム・リノベーション費用をまとめて借りられるリフォーム一体型のタイプがあります。
住宅購入用とリノベーション費用の借り入れがまとめられるのは便利ですが、リフォーム一体型の住宅ローンを申し込む場合は、銀行側が行う事前審査時にリノベーションの工事見積も提出しなければいけません。
もし物件探しを依頼する不動産会社と工事を依頼する事業者が別々の場合、審査に間に合うようにそれぞれとやり取りをする手間が発生します。
その点、ワンストップサービス対応の不動産会社であれば、やり取りする窓口が1ヶ所のみなので手続きの煩雑さを減らすことができるのです。
他にも、物件探しの段階から希望のリノベーションを行える中古マンションを探しやすいというメリットもあります。
ワンストップサービスのデメリット
窓口が一本化されている点が大きなメリットのワンストップサービスですが、その一方でリノベーション費用が優先されてしまうというデメリットに注意しなければいけません。
ワンストップサービスを行っている業者は、リノベーション分の予算も含めて物件探しができますが、物件価格よりリノベーションに多く予算を割り当てられるような物件をすすめることがあります。
というのも、業者が中古マンションを紹介(仲介)して売買契約が成立した際に受け取る仲介手数料は、(物件価格×3%+6万円)+消費税で計算される金額を上限とすると決められています。
たとえば2,500万円の中古マンションを購入した場合、不動産会社が受け取れる仲介手数料は(2,500万円×3%+6万円)+消費税=89万1,000円が上限です。
※消費税は2020年4月現在の税率(10%)で計算。
しかし、リフォームやリノベーションを請け負った際の工事費用に上限が設けられていないため、プランや追加工事の内容次第では仲介手数料より得る利益が大きくなります。
つまり、中古マンションの仲介をするよりも、リノベーション工事費用を多く受注できた方が、ワンストップサービスを提供する業者としては儲かるわけでう。
詳しく供述しますが、ワンストップサービスの業者は総額予算の中から、なるべく多くリノベーション費用をとりたいと考えています。
これが、ワンストップサービスの大きなデメリットなのです。
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ワンストップサービスには注意が必要
先ほどワンストップサービスのデメリットとして、リノベーション費用が優先されてしまうことを挙げましたが、他にもワンストップサービスを避けた方が良いとアドバイスする理由をご紹介します。
(1)物件価格が安い中古マンション=資産価値が低い
中古マンションの価格は、築年数や立地・管理状況などさまざまな点から価値を判断し、決定します。
その価値が高いほど物件価格も高くなるため、将来売ることになってもある程度の価値を保ったまま売り出せる可能性があります。
しかし物件価格が安い中古マンションは、購入時点で既に価値が低くなってしまっているため、仮に売り出すことになってもほとんど利益は見込めません。
そして中古マンションの価値は、住宅ローンの申し込みにも影響を与えます。特に1981年6月以前の旧耐震基準とよばれる時期の中古マンションは、取り扱いができない金融機関が増えてきています。
なぜなら銀行は、万が一名義人が住宅ローンの返済を滞納した時のために物件に担保をかけますが、資産価値がない中古マンションでは担保がなくリスクがあると判断します。
担保がかけられないということは、いざという時の債権回収ができないため銀行にとってリスクが高い物件と判断され、融資を断られてしまうのです。
(2)仲介手数料無料の実態が分かりにくい
ワンストップサービスを行っている不動産会社の中には、仲介手数料無料と謳っているところがあります。
仲介手数料は上限が決まっているものの下限は決まりがないため、無料にすること自体はできないわけではありません。
ただしこのケースでは、リノベーション費用に仲介手数料分の利益を含めているケースが多く、買主にとっては結局あまり得になっていないのです。
以上の点から、中古マンション購入とリノベーションを希望するのであれば、ワンストップサービスは避けた方が無難でしょう。
バラバラだからこそ、透明性が出る
物件探しを依頼する不動産会社とリノベーション工事を依頼する事業者がバラバラだと、手続きが煩雑化し手間が増えて面倒ではあります。
しかし依頼する会社が別であるからこそ、中古マンション購入とリノベーションにそれぞれどのくらいの予算がかけられるのか、見積の内訳がどうなっているのかなどのポイントが分かりやすくなります。
この透明性は、中古マンション購入とリノベーション工事の損失回避において重要なポイントです。
本当に信頼できるワンストップサービス事業者が見つかって、デメリットを理解したうえで効率を重視されるのであれば、そちらを選択しても良いでしょう。
ですが、中古マンション選びもリノベーション工事の実施も簡単にやり直せないことなので、やはり別々の事業者に依頼し慎重に計画をすすめて検討できる方法をおすすめします。
不動産エージェントとリノベーション業者に連携してもらおう
ワンストップサービスは効率良く理想の家を形づくる方法ですが、その分失敗した時のリスクが大きくなりやすいものです。
しかも不動産の性質上、損失が判明することがそれなりに時間が経ってからであることが多いため、すぐに気がつかず後から悔やむ傾向が強いと言われています。
リスク回避のために物件探しとリノベーションの契約を別々のところにお願いしたいけれど、どこに依頼したら良いか分からない方におすすめなのが、不動産エージェントへの依頼です。
リノベーションの知識に長けている不動産エージェントなら、物件探しから信頼できるリノベーション事業者探しまで相談できるため、安心して中古マンション選びができます。
資産価値があり、なおかつ予算内で希望のリノベーションもできるように配慮してくれる不動産エージェントとともに、納得のいく中古マンションを見つけましょう。
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宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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