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賃貸と持ち家はどっちが有利?それぞれの違いと価値観

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賃貸と持ち家のどちらが得なのか?

このテーマは長年繰り返されてきたもので、おそらく今後も続いていくでしょう。

賃貸が得なのか持ち家が得なのかは何を基準にして家を考えるのかによって変わるので、一概にどちらが良くてどちらが悪いとは言えません。

この記事では、賃貸と持ち家のどちらが自分にとって得なのか悩んだ時、答えを出すためのヒントになるポイントについてご紹介します。

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賃貸も持ち家も支払額はそこまで変わらない

賃貸 持ち家

賃貸と持ち家のどちらが得か、という議論で必ずといっていいほど比較されるポイントが、生涯で支払う金額です。

持ち家は購入後の固定資産税や住宅ローンの返済などの支払いがあるから、持ち家の方が支払うお金が多いと思っている方もいるでしょう。

しかし実際は、賃貸でも持ち家でも家にかける支払総額はあまり差がありません。

以下は、生涯賃貸に住み続ける場合と持ち家を購入した場合を比べた家にかかる費用をシミュレーションした結果です。

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賃貸の場合

  • 32歳~37歳の6年間で家賃8.5万円の賃貸物件に居住した場合の総住居費…629万円(居住中に契約更新した2回分の更新料17万円含む)
  • 38歳~47歳の10年間で家賃12万円の賃貸物件に居住した場合の総住居費…1,488万円(居住中に契約更新した4回分の更新料48万円含む)
  • 48歳~85歳の36年間で家賃9万円の賃貸物件に居住した場合の総住居費…4,041万円(居住中に契約更新した17回分の更新料153万円含む)
  • 32歳~85歳の計52年間で支払う総住居費…6,158万円

 持ち家の場合

  •  32歳で3,000万円の中古住宅を購入(頭金300万円)
  • 住宅ローン返済期間…30年
  • 金利…1.5%
  • 固定資産税(年間)…15万円
  • 購入後にかかる総住居費…4,465万円

上記のシミュレーションを比較すると、持ち家の方が1,693万円も総住居費が安くなっていてお得に思えるでしょう。

持ち家は住宅ローンの支払いが終われば、その後の住居費がぐっと抑えられます。

しかし、この持ち家の総住居費にはリフォーム費用が計上されていません

持ち家は古くなると何かしらリフォームが必要になってきますが、それがどのくらいかかるのかは人それぞれです。

また持ち家がマンションの場合は、管理費や修繕積立金も別途かかります。

リフォーム代や管理費・修繕積立金などの合計金額が、先ほどの差額1,693万円を上回れば賃貸の方がお得で、下回れば持ち家の方がお得ということになります。

これが、賃貸・持ち家の総支払額がそこまで変わらないといえる理由なのです。

 

賃貸と持ち家の違い

賃貸 持ち家

生涯で支払う金額に大差がないのであれば、賃貸と持ち家の違いを考えるにはどこを見たらいいのでしょうか?

その答えは、支払うペース・セーフティネットの有無・資産価値の3つです。

支払うペース

賃貸と持ち家の1つ目の違いは、支払うペースです。

賃貸と持ち家でそれぞれ家にかかるコストの支払うペースを考えた場合、早い段階で金銭的な負担が大きいのは持ち家です。

持ち家は家を買う時の頭金に毎月の住宅ローン返済、毎年納める固定資産税、さらに将来のリフォームや修繕に備えた貯蓄などを計算すると、賃貸より支出額が多くなります。

ただし住宅ローンに関しては、完済したらその後は固定資産税や新たなリフォーム・修繕に備えた費用の貯蓄くらいで、人生後半の支出がかなり抑えられます

一方で賃貸の場合の支出は、家賃と契約更新時の更新料くらいで、早い段階における費用の負担は持ち家ほど大きくありません。

ところが賃貸は支出が一定である分、徐々に支払いがきつくなっていきます。

特に定年退職を迎えて現役時代ほど収入を得られなくなると、とたんに家賃の支払いが重くのしかかって老後の生活が苦しくなってしまうかもしれません。

そうならないためにも、負担が軽い若いうちから老後を見据えた貯蓄をしておくことが大切です。

支払う総額があまり変わらなくても、持ち家の場合は若い時の負担が大きく老後は楽になりやすいこと、賃貸の場合は若い時の負担が小さく老後にしわ寄せが来やすいことを覚えておきましょう。

セーフティネット

賃貸と持ち家の2つ目の違いは、セーフティネットの有無です。

一家の大黒柱が病気や不慮の事故で亡くなる、もしくは高度機能障害を負って収入が途絶えてしまうと、その後の家賃や住宅ローンの返済ができず家族は住処を追われてしまう恐れがあります。

しかし持ち家であれば、団体信用生命保険(団信)が家族を助けてくれます。

団体信用生命保険とは、住宅ローンの名義人が死亡または高度機能障害を負って今後の住宅ローン返済ができなくなった時、名義人に代わって残っているローンを全額支払ってくれる保険です。

通常、融資した金融機関は住宅ローンの返済ができなくなった方に対して債権を行使し、強制的に家を売ってその代金をローンの残額返済に充てます。

金融機関が強制的に家を売るということはその家に住む家族も出て行かなければならず、頼れるところがなければ路頭に迷うことになりかねません。

しかし団体信用生命保険に加入していれば、保険金を使って住宅ローンを完済するため家を強制的に売られず、家族の暮らしを守ることができます。

団体信用生命保険は、金融機関が融資する際の必須条件にしていることが多く、保険料を金利に上乗せして徴収しているケースが一般的です。

また生命保険と名が付いているため、民間の生命保険と同じく支払われた保険金を返還する義務もありません。

一方で賃貸の場合は、団体信用生命保険のように残された家族が住処を追いだされないようにするためのセーフティネットがありません。

そのため賃貸派の方は、貯蓄や民間の生命保険への加入などできる範囲で、万が一の事態に備える必要があります。

なお団体信用生命保険に加入するには、名義人の健康状態を告知して規定の既往歴などに問題がないかどうかを調べます。

そして最近は、がんと宣告された段階でも加入できる団体信用生命保険や、脳卒中・心筋梗塞など三大疾病と呼ばれる病気になっても保険金が下りるタイプのプランも登場しています。

時々、団体信用生命保険と民間の生命保険を比べて、民間の生命保険だけでカバーできるのではないかと考える方もいらっしゃいます。

団体信用生命保険は債務者(住宅ローンの名義人)を団体とみなして保険料を計算するため、民間の生命保険と比べると安価な保険料で済むケースもあるのです。

災害時や突然の不況時のセーフティネット

ちなみに、持ち家の賃貸にはないセーフティネットとして、災害時における住宅ローンの減免制度や、不況時などで会社の倒産などで一時的に職を失い、収入が途絶えたときの住宅ローンの支払い条件の変更などがあります。

住宅ローンの減免制度は、その名の通り一定の条件のもと、家を失ってしまった際の住宅ローンの残債をチャラにする制度です。

住宅ローンの支払い条件変更は、銀行に状況を相談の上、期限を決めて支払いを延期してもらうなどの対応をすることです。

リーマンショック時に金融円滑法という特別法のもと、金融庁は全国の金融機関に支払い条件変更などの相談に応じるよう要請をしました。

今ではその特別法は期限を迎え、無くてなっていますが、それ以降も金融庁はそのスタンスを変えないように金融機関に要請し、金融機関もそのスタンスを変えていません。

賃貸の場合、家賃の減額交渉などは、かなり難易度が高くハードルは高いです。

これらのセーフティネットは、持ち家ならではないでしょうか。

ちなみに条件変更はあくまで条件の変更なので、遅延などにはあたらず個人信用情報に掲載されるような金融事故にはあたりません。

資産価値

賃貸と持ち家の3つ目の違いは、資産価値があるかどうかです。

よく言われるのは、「賃貸はどれだけ家賃を払っても自分のものにならないが、持ち家は住宅ローンの支払いが終われば自分のものにできる」ということです。

賃貸は大家さんに所有権があるので、いくら長年きちんと家賃を支払っていてもその部屋があなたのものにならず、資産を確保できません。

一方、持ち家は住宅ローンを返済し終われば名実ともにあなたの家となり、資産を確保できます。

住宅ローンの返済額は金利と元金で構成されていますが、このうちの元金が家の資産として換算され、将来売ることになった時でもある程度手元にお金が戻ります。

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賃貸と持ち家はそもそも比べる基準が違う

ここまでご紹介したように、賃貸と持ち家はそもそも比べる基準が違うので、どちらがお得かを簡単に判断できません。

賃料は経費なので、評価する基準はそもそも支払う家賃に対して見合った効果があるかどうかです。

持ち家は資産を買うことになるので、賃貸とは違い投資的な観点で評価する必要があります。

支払った費用に対して、どれだけ資産に反映されているかとう視点がポイントになります。

また資産ですので、それを賃貸などに回すなどして、収入を得ることもできます。

いずれにせよ住まいは一生必要なものですから、さまざまな視点から見て両者のメリット・デメリットを考慮し、後悔のない家選びをしましょう。

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持ち家は将来の資産価値がなければ意味がない

賃貸 持ち家

最後に、とても重要なポイントをお伝えします。

先ほど「賃貸はいくら家賃を払っても自分の資産にはならないけれど、持ち家は住宅ローンを完済すれば資産にできる」と説明しました。

ただし、持ち家の全てに資産価値があるわけではありません

人口が減少し空き家が増えている今、これからの不動産の価値は上昇または現状維持か、緩やかに下落するか、急激に下落するかのどれかに分かれると予測されています。

もし頑張って住宅ローンを返済した持ち家が、将来の資産価値が急激に下落するタイプの物件だった場合は資産価値があるとはいえません。

高いお金を出してまで買う家に資産価値が見込めなさそうであれば、賃貸のままで暮らす方がマシという判断にもなります。

持ち家のメリットを享受するためには、資産価値がある物件を選ぶことが何よりも重要です。

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価値観やライフスタイルで正解は変わる

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賃貸のままで暮らすか家を買うかは、多くの方が悩む問題です。

生涯の支払総額にあまり差がない以上、どちらを選ぶのが正解なのかと迷うと思いますが、あなたや家族が家に対して重視する価値観やライフスタイル次第で正解は変わります。

それでもどちらとも決められない方や、悩んだ末に持ち家を選択した方は、ぜひ中古住宅の取り扱いを得意とする不動産エージェントにご相談ください。

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