【2023年7月】中古マンション・中古戸建の価格推移

2023年7月までのレインズに登録された成約データから、最新のマーケット情報をお届けします。

各エリア毎のレインズデータの加工にバラツキがあるため、この記事においてもエリア毎に表示形式が違っております。ご容赦ください。

またレインズの成約データは、物件掲載数と比較して登録率は決して高いものではありません。

よって都市部ではそれなりの母数があるので、ある程度正確な傾向が捉えられますが、地方になるとマンションなどでは母数が少なくなり、正確な傾向を捉えられていない場合があります。

エリアは大きく分けて、以下の５つです。

1. 関東圏（東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県）
2. 札幌市、仙台市
3. 近畿圏（大阪府、京都府、兵庫県、京都府、奈良県、和歌山県、滋賀県）
4. 中部圏（愛知県、岐阜県、三重県、静岡県、富山県、石川県、福井県）
5. 西日本（中国、四国、九州）

下の目次を開いて、目的のエリアをクリックするとジャンプすることができます。

１、関東圏（東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県）

中古マンションの価格推移

東京都区部の相場（㎡単価）は前月比、前年同月比の両方で上昇しています。

成約単価の増加は20年5月から39カ月連続となります。

エリア別に見ても、全てのエリアで上昇をしており、上昇トレンドは継続中の気配です。

エリア別の過去1年の増減率です。

次に成約件数です。

成約件数は、埼玉県のみ先月に続き微減でしたが、その他の地域では増加しています。

2022年末頃までは、コロナ需要により前年同月比でマイナスであったことが多かったのですが、2023年に入ってからは、バラツキはあるものの前年同月比でプラスになる月が増えてきました。

成約件数、成約価格ともに上昇ということで、購入者の意欲は引き続き高いと言えます。

中古戸建ての価格推移

一方で中古住宅の成約単価は、埼玉県、京都多摩、横浜・川崎市、神奈川県他では上昇しましたが、千葉県、東京都区部エリアで減少しています。

2022年12月までどこのエリアも一貫して上昇していましたが、2023年に入ってからは落ち着きを見せています。

土地の広さなどによって大きく価格が変わる中古戸建の特性も考慮すると、概ね中古戸建についてはどこのエリアにおいても相場は微増かもしくはほぼ変わらないと言えるのではないでしょうか。

成約件数は、東京都区部で前月の大幅減少の振り戻しで大幅上昇。

横浜市・川崎市でも微増でした。

その他エリアでは減少しています。

過去一年を通じてマイナスが多いが、中古マンションでも見られていたコロナ特需の揺り戻しの可能性もあり、しばらく推移を見る必要があります。

２、札幌市、仙台市

中古マンションの価格推移

成約件数は札幌市が173件で前年比で大幅なマイナスとなり、10ヶ月連続で前年度月を下回っています。一方で仙台市では、前年同月比でプラスに転じ、4ヶ月ぶりのプラスとなりました。

成約単価は、札幌市が6ヶ月連続で前年同月を上回っていますが、仙台市でも前年同月、前月比でプラスになりました。

先月に仙台市は、2022年4月以来14ヶ月ぶりに現年同月を下回り「トレンドなのか、突発的なデータの揺れか、もう少し判断に時間がかかります」としていたが、一時的なデータの揺れである可能性が高い。

中古戸建ての価格推移

成約件数は札幌市が前年同月比で３ヶ月連続の上昇。中古マンションの購入層が戸建てに流れていることがうかがえます。

仙台市は6月に続き、前年同月比で大幅減でした。仙台では逆に中古戸建から中古マンションに購入層が流れていることがうかがえます。

成約価格は札幌市が大幅なマイナスとなり、仙台市では前年同月比で上昇となりました。

３、近畿圏（大阪府、京都府、兵庫県、京都府、奈良県、和歌山県、滋賀県）

中古マンションの価格推移

近畿圏の中古マンション成約件数は1,453件と前年比で3.5％増加し、4ヶ月ぶりに前年同月を上回わりました。

成約件数は22年から増減を繰り返していますが、7 月は再び増加に転じました。

コロナ禍前の19年7月と比較するとマイナス0.3％と、概ね同水準となりました。

しかし、取引数が増えたといえど、近畿圏の新規登録件数は5,493 件で前年比プラス17.0％と、7ヶ月連続で 2 ケタ増を記録しています。

新規登録件数の増加率は成約件数を大幅に上回っており、依然として売り圧力の高い状態が続いています。

近畿圏の中古マンション成約㎡単価は、42.39 万円/㎡と前年比で9.1％上昇しています。前月比も8.3％上昇しています。

関東の少し前の状況に近く、いずれ元に戻るのか、そのまま売り圧力が強まるのか、中止が必要な状況です。

• 大阪府北部（大阪市以外の淀川以北）：池田市・箕面市・豊中市・吹田市・摂津市・茨木市・高槻市・三島郡・豊能郡
• 大阪府東部（大阪市以外の淀川以南～大和川以北）：門真市・守口市・枚方市・寝屋川市・交野市・大東市・四條畷市・東大阪市・八尾市・柏原市
• 大阪府南部（大和川以南）：堺市・高石市・河内長野市・松原市・羽曳野市・藤井寺市・富田林市・大阪狭山市・南河内郡・岸和田市・泉大津市・貝塚市・泉佐野市・和泉市・泉南市・阪南市・泉北郡・泉南郡
• 阪神間：尼崎市・西宮市・芦屋市・宝塚市・伊丹市・川西市・川辺郡（猪名川町）
• 兵庫県他：神戸市と上記の阪神間を除く兵庫県内

中古戸建ての価格推移

近畿圏の中古戸建住宅成約件数は999件で前年比プラス13.9％の 2 ケタ増となり、3 ヶ月連続で前年同月を上回っています。

取引は増加が続き、19年7月と比較するとプラス1.5％と、引き続きコロナ禍前の水準を上回っています。

一方で、近畿圏の新規登録件数は 3,713 件で前年比プラス26.9％の大幅増となり、7ヶ月連続で前年同月を上回りました。

中古マンションと同様に取引が増加する中で、 新規登録件数の増加率は相対的に高く、中古戸建住宅の売り圧力は強い状況が続いているといえます。

成約価格は2,249万円で前年 比プラス 0.4％と、ほぼ横ばいとなりました。

中古マンション㎡単価と同様に、中古戸建価格もプラスに転じています。

４、中部圏（愛知県、岐阜県、三重県、静岡県、富山県、石川県、福井県）

中古マンションの価格推移

愛知県の中古マンションは成約件数は前年同月比で増加していますが、成約単価については減少しています。

在庫件数が昨年度月比で794件増加と２割近く増えています。

ただしこの在庫の増え方は一時期コロナ禍による物件不足が解消されてきていると見ることができます。

石川県と静岡県については成約件数・成約価格ともに上昇。

岐阜・三重・富山・福井については、サンプルが少ないため、コメントは割愛します。

中古戸建ての価格推移

愛知県の成約件数は上昇、成約価格は大幅に上昇しています。

土地面積も前年度期よりも狭くなっているので、土地価格が上昇していると見ることができます。

岐阜県は件数が大幅に上昇。成約価格は減少。件数については月によってバラツキはありますが、相場のトレンドを見るとやや下降気味のトレンドは変わっていません。

三重県は件数が上昇、成約価格は大幅に上昇。相場のトレンドはほぼ横ばいかやや上昇です。

静岡県は件数は上昇、成約価格は大幅下落。ただし相場トレンドは、2022年8月に下落して以降はほぼ横ばいかやや下落です。

富山県は、件数が大幅上昇で成約価格はほぼ変わらず。相場のトレンドもほぼ横ばいです。

石川県は件数が大幅上昇、価格は前年同月比で減少しています。相場のトレンドで見るとここ最近はやや弱含みと見られます。

福井県は件数は大幅上昇で、成約価格も上昇ですが、サンプル数が少なく、相場トレンドはほぼ横ばいと見ます。

５、西日本（中国、四国、九州）

中古マンションの価格推移

・岡山県

成約件数は39件で前年比プラス 19.2％の2ケタ増となり、11ヶ月連続で前年同月を上回りました。

平均成約㎡単価は31.0 万円で前年比プラス19.0％の2ケタ上昇です。

・広島県

成約件数は92件と前年比で7.8％増加し、4ヶ月連続で前年同月を上回りました。

平均成約㎡単価は34.1万円で前年比プラス 10.7％の 2 ケタ上昇です。

・香川県

成約件数は24件と前年比で9.0％増加し、22年3月から17ヶ月連続で前年同月を上回りました。

平均成約㎡単価は21.9万円で前年比プラス0.8％と、ほぼ横ばいながら3ヶ月連続で前年同月を上回りました。

・福岡県

成約件数は288件で前年比マイナス0.5％と、ほぼ横ばいながら6月に続いて前年同月を下回りました。

平均成約㎡単価は33.8万円と前年比で 5.4％上昇し、20年12月から32ヶ月連続で前年同月を上回りました。

・熊本県

成約件数は34件で前年比プラス72.9％の大幅増となり、6ヶ月連続で前年同月を上回りました。

平均成約㎡単価は25.2万円と前年比で5.5％上昇し、5ヶ月連続で前年同月を上回りました。

中古戸建ての価格推移

・岡山県

成約件数は 64件と前年比で1.0％減少し、3ヶ月連続で前年同月を下まわりました。

平均成約価格は1,636万円で前年比プラス 20.3％の大幅上昇となり、3ヶ月連続で前年同月を上回りました。

・広島県

成約件数は66件と前年比で1.0％増加し、9ヶ月連続で前年同月を上回りました。

平均成約価格は1,863万円と前年比で 8.8％下落し、3ヶ月連続で前年同月を下回りました。

・香川県

成約件数は13件で前年比マイナス18.4％の2ケタ減となり、7ヶ月ぶりに前年同月を下回りました。

平均成約価格は1,018万円と前年比で 9.3％下落し、8ヶ月ぶりに前年同月を下回りました。

・福岡県

成約件数は146 件で前年比プラス 17.7％の2ケタ増となり、4ヶ月連続で前年同月を上回りました。

平均成約価格は2,019万円で前年比マイナス 0.3％と、ほぼ横ばいながら5ヶ月ぶりに前年同月を下回りました。

・熊本県

成約件数は25件で前年比プラス20.6％の大幅増となり、7ヶ月連続で前年同月を上回りました。

平均成約価格は2,051万円と前年比で6.9％上昇し、4ヶ月連続で前年同月を上回りました。

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