この記事で分かること
- 家を売って利益が出たときにかかる税金の仕組み
- マイホームなら使える「3,000万円特別控除」
- 所有期間で変わる税率(短期・長期・10年超の軽減税率)
- 確定申告が必要になるケース
家を売ったお金には、税金がかかるのでしょうか。
答えは「利益が出た場合だけ、かかる」です。そしてマイホームの売却には、大きな控除の特例が用意されているため、実際には税金がかからないケースも少なくありません。ただ、特例を使うには確定申告が必要で、知らずに放置すると本来払わなくてよい税金の通知に慌てることになります。
私は業界17年のなかで、税金の不安から売却をためらう方を数多く見てきました。この記事では、売却にかかる税金の全体像を、できるだけやさしく整理します。なお、税額の最終判断は税務署や税理士に確認してください。
税金がかかるのは「利益(譲渡所得)」が出たとき
売却で課税の対象になるのは、売れた金額そのものではなく「譲渡所得」=売却の利益です。
譲渡所得は、次の式で計算します。
譲渡所得 = 売れた金額 −(取得費 + 譲渡費用)
取得費とは、その家を買ったときの代金や購入時の諸費用です(建物部分は減価償却分を差し引きます)。譲渡費用とは、売るためにかかった仲介手数料や印紙税などです。つまり「買ったときより高く売れて、経費を引いてもまだ利益が残る」ときに、はじめて課税の話になります。
マイホームなら「3,000万円特別控除」が使える
自分が住んでいた家(居住用財産)を売った場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける特例があります(租税特別措置法第35条)。
つまり、売却の利益が3,000万円以下なら、この特例を使うことで税金はかかりません。多くのマイホーム売却が実質非課税になるのは、この特例のおかげです。
注意点は2つあります。1つ目は、特例を使うには利益の有無にかかわらず確定申告が必要なこと。2つ目は、住宅ローン控除との併用に制限があることです。売却後に新居を住宅ローンで買う予定がある方は、どちらを使うほうが得かを事前に必ず試算してください。
税率は所有期間で変わる
3,000万円を超える利益が出た場合、超えた部分に税金がかかります。税率は、売った年の1月1日時点での所有期間で決まります。
所有期間5年以下(短期譲渡所得)
所得税30%・住民税9%。復興特別所得税を合わせると約39.63%です。
所有期間5年超(長期譲渡所得)
所得税15%・住民税5%。復興特別所得税を合わせると約20.315%です。
所有期間10年超のマイホーム(軽減税率の特例)
所有期間が10年を超える自宅なら、3,000万円特別控除を差し引いた後の利益のうち6,000万円以下の部分に、さらに低い税率(所得税10%・住民税4%、復興特別所得税込みで約14.21%)が適用されます。この軽減税率は3,000万円特別控除と併用できます。
「あと数か月待てば5年超(または10年超)になる」というタイミングなら、売り出し時期の調整も選択肢になります。判定は引き渡した日ではなく「売った年の1月1日時点」なので、年をまたぐ場合は特に注意してください。
損失が出た場合
買ったときより安くしか売れず損失が出た場合、税金はかかりません。
さらに、住み替えなどの一定の要件を満たす場合には、損失を給与所得などと相殺(損益通算)できる特例もあります。損が出たから申告不要、と決めつけずに、使える特例がないか確認する価値があります。
売却の税金チェックリスト
売却前に、次の項目を確認しておきましょう。
- 購入時の売買契約書を探し、取得費を把握した
- 譲渡所得(売れた金額−取得費−譲渡費用)を概算した
- 3,000万円特別控除の対象になるか確認した
- 売った年の1月1日時点の所有期間(5年・10年)を確認した
- 新居で住宅ローン控除を使う予定との兼ね合いを確認した
- 特例を使う場合は確定申告が必要なことを理解した
まとめ
売却の税金は、「利益が出たときだけ」「マイホームなら3,000万円まで控除」「税率は所有期間しだい」という3点を押さえれば、全体像がつかめます。怖がる必要はありませんが、特例の適用には要件と申告が必要なので、早めに把握して動くことが大切です。
税金も含めた売却の段取りを、最初から一緒に整理してくれる担当者がいると安心です。ハウスクローバーは、物件ではなく「担当者」から探せるプラットフォームです。売却のご相談は無料ですので、無料会員登録からエージェントを探してみてください。
よくある質問
Q. 家を売ったら必ず税金がかかりますか。
いいえ。かかるのは利益(譲渡所得)が出た場合だけです。さらにマイホームなら3,000万円特別控除があるため、実際には課税されないケースも多くあります。
Q. 3,000万円特別控除を使えば申告は不要ですか。
いいえ。特例の適用を受けるためには、税金がゼロになる場合でも確定申告が必要です。売却した翌年の申告期間に忘れず手続きしてください。
Q. 購入時の契約書が見つからないときはどうなりますか。
取得費が証明できない場合、売却金額の5%を取得費とみなして計算するのが原則で、税負担が大きく増えることがあります。まずは契約書を探し、見つからない場合の対応は税務署や税理士に相談してください。
Q. 所有期間はいつ時点で判定しますか。
売った年の1月1日時点で判定します。実際の所有年数より短く判定されることがあるため、5年・10年の境目にいる方は特に注意してください。
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