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家が売れないときの見直し方|原因の切り分けと対策を業界17年のプロが解説

知識・マインド

この記事で分かること

  • 売却期間の平均と「見直すべき」タイミングの目安
  • 家が売れない主な7つの原因と切り分け方
  • 問い合わせが無い場合・内覧で決まらない場合それぞれの対策
  • 囲い込みの見抜き方(2025年の法改正でできるようになったこと)

売り出してから数か月。内覧は入るのに決まらない。あるいは問い合わせすら来ない。

売却が長引くと、焦りから「とにかく値下げ」に走りがちです。けれども、売れない原因は価格だけとは限りません。原因を切り分けずに値下げだけを繰り返すと、安くなったのに売れない、という最悪の展開もあり得ます。

私は業界17年のなかで、行き詰まった売却の立て直しに数多く関わってきました。この記事では、売れないときに確認すべきポイントを、原因の切り分けから対策まで、順番に沿って整理します。

まず「平均」を知る|見直しのタイミング

見直しの前に、そもそも自分の売却が「長い」のかどうかを、データで確かめましょう。

東日本不動産流通機構(レインズ)のデータでは、首都圏の中古マンションが売り出しから成約に至るまでの平均日数は82.5日(2025年)。おおむね3か月弱です。売却全体では、売り出しから引き渡しまで3〜6か月が目安になります。

つまり、売り出しから1〜2か月反応が無いのは「様子見の範囲」ですが、3か月を超えて申し込みが無ければ黄信号、6か月を超えたら本格的な見直しのタイミングと考えてください。

どこで止まっているかを切り分ける

売却は「広告を見る → 問い合わせる → 内覧する → 申し込む」という買主の行動の積み重ねです。どこで止まっているかで、原因と対策は変わります。

問い合わせがほとんど無いなら、原因は「広告」か「価格」。内覧は入るのに申し込みが来ないなら、原因は「物件の見せ方」か「価格と実物のギャップ」。この切り分けが、立て直しの出発点です。

家が売れない主な7つの原因

私の経験上、売却が長引く原因はおおむね次の7つに集約されます。

1. 売り出し価格が相場とかけ離れている

最も多い原因です。物件への注目は売り出し直後がいちばん高く、ここで「予算外」と素通りされると、貴重な初速を空振りで終えます。

2. エリアの需要が少ない

人口が減っているエリアや、駅から徒歩10分を超える立地は、そもそも探している人の数が限られます。需要が薄い場合は、価格と見せ方でより丁寧に戦う必要があります。

3. 競合物件が多い

同じマンション内や近隣で似た物件が同時に売り出されていると、比較で埋もれます。競合の売り出し状況は定期的に確認し、場合によっては売り出し時期をずらす判断もあります。

4. 買主のローン審査が通らない

見落とされがちですが、申し込みが入ったのに本審査で破談になるケースがあります。詳しくは後述します。

5. 室内の状態や印象が悪い

買主は内覧の最初のわずかな時間で、直感的に「買うか買わないか」を判断すると言われます。散らかり・傷・においは、それだけで候補から外される要因です。

6. 販売戦略が不十分

写真が少ない・暗い、紹介文が魅力を伝えていない、掲載媒体が少ない。物件ではなく「売り方」の問題です。

7. 不動産業者が「囲い込み」をしている

売主の利益を損なう業界の悪習です。私の実感では、成約の8割は他社の仲介業者が連れてきた買主で決まります。その入口を意図的に閉じられれば、売れるものも売れません。

問い合わせが無い場合の対策

写真と広告文を見直す

買主が最初に見るのは写真です。明るい時間帯に撮り直す、部屋を片付けて撮り直す、外観・共用部・眺望まで枚数を増やす。これだけで反響が変わることは珍しくありません。紹介文も、マイナスに見える点をプラスに言い換える工夫(例:駅から遠い→閑静な住環境)で反応率は変わります。

「ずるずる値下げ」の悪循環を避ける

価格を見直すなら、小刻みな値下げの繰り返しは禁物です。

買主は物件情報サイトを半年〜1年かけてチェックしています。ずるずると価格が下がっていく物件は「何か問題があるのではないか」と見られ、さらに問い合わせが減り、値下げを待たれる悪循環に入ります。見直すと決めたら、効果のある幅で一度に。そのほうが新着同様の注目を取り戻せます。

レインズへの登録と紹介状況を確認する

専任媒介・専属専任媒介なら、レインズ(不動産会社間の情報網)への登録は法律上の義務です。登録証明書を受け取り、他社からの問い合わせが入っているかを定期報告で確認してください。

内覧はあるのに決まらない場合の対策

内覧が入るということは、条件と価格はほぼ合っています。決まらない原因は、実物の印象が期待に届いていないことです。

目安として、内覧が10件入っても成約に至らないときは、室内の印象に問題があると考えてください。内覧ごとに担当者を通じて買主の感想を集め、「暗い」「においが気になる」など同じ指摘が繰り返されるなら、それが答えです。

対策に大がかりなリフォームは要りません。費用を価格に上乗せできるとは限らないからです。徹底した換気、照明の追加、物を減らして広く見せる、水回りのハウスクリーニング、傷んだ壁紙の部分的な貼り替え。コストを抑えた改善で、第一印象は大きく変わります。玄関とリビングは特に重点的に。

見落としがちな「買主のローン審査」

申し込みが入り、売買契約まで進んだのに、買主の住宅ローンが本審査で否決され、契約が白紙に戻る。実際にある破談パターンです。

ローン特約により手付金は買主へ返還され、売主は数週間〜1か月あまり新規募集を止めていた機会損失だけが残ります。事前審査の精度は金融機関によって差があり、簡易な審査だけで本審査に進むと、こうした事故が起きやすくなります。

売主側の防衛策は、購入申し込みを受ける段階で「事前審査の内容と精度」を担当者に確認してもらうことです。複数の申し込みが入ったときに、価格だけでなく買主の資金の確実性で選ぶ、という視点も持ってください。

囲い込みと担当者の見直し

打てる手を打っても動きが無く、報告も提案も乏しいなら、任せる相手を見直す段階です。

囲い込みについては、2025年1月から制度が強化されました。不動産会社はレインズに物件の取引状況(公開中・購入申込あり・紹介一時停止)を登録する義務を負い、レインズの登録証明書にはQRコードが記載され、売主が自分でステータスを確認できるようになっています。「公開中のはずが紹介一時停止になっていた」といった囲い込みは、指示処分の対象です。登録証明書を必ず受け取り、ステータスを自分の目で確認してください。

また、大手だから安心とは限りません。売れにくい物件は、大手では優先順位を下げられてしまうこともあります。会社の看板ではなく、あなたの物件に本気で向き合う担当者かどうかで判断してください。専任媒介・専属専任媒介の有効期間は3か月以内。更新のタイミングが、活動を総括して切り替えを判断する機会です。

それでも売れないときの最終手段

住み替えの期限が迫っているなど、時間を優先せざるを得ない場合は、不動産会社による「買取」という選択肢もあります。

ただし買取価格は相場の7割前後が一般的です。確実さと引き換えに価格を大きく譲る手段なので、安易に選ばず、仲介での立て直しを尽くしたうえでの最終手段と位置づけてください。

売れないときの見直しチェックリスト

  • 売り出しからの期間を平均(成約まで約3か月・全体3〜6か月)と比べた
  • 「問い合わせが無い」のか「内覧で決まらない」のかを切り分けた
  • 広告の写真を明るく・多く・魅力的に見直した
  • 小刻みな値下げではなく、効果のある幅での価格見直しを検討した
  • 競合物件の売り出し状況を確認した
  • 内覧の感想を担当者から収集し、指摘された弱点に対策を打った
  • レインズ登録証明書のQRコードで取引ステータスを自分で確認した
  • 買主のローン事前審査の精度を確認する視点を持った
  • 媒介契約の更新時期に、担当者の活動を総括した

まとめ

売れないときにやるべきことは、やみくもな値下げではなく、原因の切り分けです。平均と比べて現在地を知り、どこで買主が止まっているのかを見極め、広告・見せ方・価格・担当者の順に手を打つ。2025年からは、レインズのステータス確認という売主自身の武器も増えました。

そして、この分析と提案を一緒にやってくれる担当者がいるかどうかが、立て直しの成否を分けます。いまの売却活動に不安があるなら、他のエージェントの意見を聞いてみるのも一つの手です。ハウスクローバーは、物件ではなく「担当者」から探せるプラットフォームです。売却の相談は無料でできますので、無料会員登録からセカンドオピニオンを求めてみてください。

マンションの売却期間について、さらに詳しくはマンション売却に時間がかかる7つの理由と対策もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 売り出してどれくらい売れなければ「長い」のでしょうか。

首都圏の中古マンションで、売り出しから成約までの平均は82.5日(2025年・東日本レインズ)です。3か月を超えて申し込みが無ければ見直しを検討し、6か月を超えたら本格的な立て直しのタイミングです。

Q. 値下げすればすぐ売れますか。

原因が価格なら効果はありますが、写真や見せ方に原因がある場合は、値下げしても決まらないことがあります。また小刻みな値下げの繰り返しは「問題がある物件」という印象を与え逆効果です。先に原因を切り分けてから、効果のある幅で見直してください。

Q. 内覧は何件くらいが判断の目安ですか。

内覧が10件入っても成約に至らない場合は、室内の第一印象に問題があるサインです。買主の感想を集め、清掃・照明・においなど、コストを抑えた改善から手を打ちましょう。

Q. 囲い込みされていないか、自分で確認できますか。

できます。2025年1月からレインズへの取引状況(ステータス)登録が義務化され、登録証明書のQRコードから売主自身が「公開中」「購入申込あり」などの状態を確認できます。証明書は必ず受け取ってください。

Q. 買取はどんなときに検討すべきですか。

住み替え期限が迫っているなど、価格より時間を優先せざるを得ないときの最終手段です。買取価格は相場の7割前後が一般的なので、まずは仲介での立て直しを尽くすことをおすすめします。

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ハウスクローバー Founder&CEO

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。 ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。 また同時に業界歴15年以上の現役不動産エージェント。 全国から毎年300組以上の相談を受け、実際の売買もサポート。 マンション管理調査において、独自のノウハウとロジックを確立し、失敗しないための住宅購入エキスパートとして多くの指名買いを集める。 実際の業務の中で、多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。 自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。 2012年〜 不動産会社スタイルイノベーション株式会社を名古屋にて設立 2021年〜 ハウスクローバー株式会社を東京都港区にて設立 2023年〜 拠点を東京に移す ▶︎▶︎ このエージェントに相談する ◀︎◀︎

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