マンション売却

マンション売却に時間がかかっている7つの理由と、悩み別の具体的な対策

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マンションを売却しようとしても、思ったより時間がかかることに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

なぜご自身のマンション売却が長引くのか、その理由を理解し、適切な対策を講じることで、早期売却の可能性を高めることができます。

この記事では、売却が進まない7つの理由と、その解決策を具体的に解説します。

現在マンションを売却中の方はもちろん、これからマンション売却をお考えの方にも参考になる内容となっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

マンション売却の平均的な期間はどれくらい?

マンション売却 時間がかかる 理由

まずはご自身のマンション売却が平均的な期間と比べて、時間がかかっているのかどうかを確認しましょう。

首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」によれば、マンションの平均的な売却期間は、首都圏で76.8日となっております。

この売却期間は、実際に売却を開始して売買契約が締結されるまでの期間です。

これを参考にするのであれば、首都圏では3ヶ月以上、その他エリアでは半年以上、売却期間がかかっているのであれば、平均的な期間よりも時間がかかっていると考えて良いでしょう。

他のマンションと比較して自身のマンションは売れにくい?

エリアだけでなく、マンションの個別性によって売却期間が長期化する特徴があります。

一般的に、売却期間が長期化しやすいマンションの特徴として、

  1. 築年数が30年以上
  2. 駅から遠い
  3. 室内の状態が悪い
  4. 管理費や修繕積立金などのランニングコストが高い
  5. 眺望や日当たりが悪い

のような条件があげられます。

それぞれの条件を詳しく解説していきます。

1. 築年数が30年以上

築年数が30年以上経過しているマンションは、築年数が新しいマンションと比較して売れにくくなります。

これは実際のデータでも確認できます。

築年数 成約件数 前年同月比(%)
~築5年 465 24.0
~築10年 834 3.6
~築15年 690 10.4
~築20年 776 7.9
~築25年 628 15.2
~築30年 422 29.1
築30年~ 1,443 2.2

この表は、2024年1月から3月における、首都圏の中古マンションの築年帯別成約状況から抽出したものです。

中古マンションの取引量は全体として増えているものの、それぞれの築年数ごとの伸び率を見てください。

築30年を超えるマンションの伸び率は、他の築年数別のマンションよりも低いことが分かります。

新築マンションの供給量が減り続け、築年数が古いマンションが増えている現状を踏まえて、この伸び率は低いと言えるのではないでしょうか。

このように築年数が30年を超えるマンションは、そもそも物件的な特徴として、売却期間が長期化しやすいと言えます。

2. 駅から遠い

利便性はマンションの大きな特徴の一つとなります。

よって駅から遠いマンションは需要が減り、売却期間が長くなりがちです。

目安として最寄駅からの距離が10分以上となるマンションは売却期間が長くなる傾向があります。

3. 室内の状態が悪い

室内の状態が悪いと、購入希望者としては多額のリフォーム費用が必要となることから、敬遠されることが多く、結果として売却期間が長くなります。

4. 管理費や修繕積立金などのランニングコストが高い

管理費や修繕積立金は、住宅ローン以外に必ず発生するランニングコストです。

これらの費用が高いと、購入希望者としては住宅支出が増えるため、敬遠されがちとなります。

筆者はマンション購入のお手伝いも相当数の経験がありますが、修繕積立金が3万円を超えると二の足を踏む方が多いと感じています。

また管理費においては、マンションによってはコンシェルジュや管理人、共用施設の維持費などのバランスや、改定が頻繁に行われるものではないため、購入の阻害要因にはなりませんが、管理費と修繕積立金を合わせて5万円を超えると、二の足を踏む方が多くなってきます。

よってランニングコストが高いマンションは、売却期間が長期化しやすくなります。

5. 眺望や日当たりが悪い

眺望や日当たりは、そこまで売却価格に影響はしませんが、売却に時間がかかる大きな原因になります。

実際に私の経験でも、このことを断る理由としているケースはかなり多くあります。

ここまでに挙げた特徴があるマンションは、平均的な売却期間よりも長くなる傾向があります。

 

マンション売却に時間がかかっている7つの理由

マンション売却 時間がかかる 理由

次に物件の特徴以外で、マンション売却が長引いてしまっている7つの理由について、これまで筆者が相談を受けた事例や、取引に実際に関わった事例をもとに解説してきます。

1. 売り出し価格が市場価格とかけ離れている

マンションが売れない主な原因の一つは、売主が設定した希望価格が市場価格よりも高いことです。

「自分のマンションだから、できるだけ高く売りたい」という気持ちは理解できますが、購入希望者は市場価格をベースに判断します。

相場とかけ離れた価格設定では、よほど、ご自身のマンション自体に強い特色がない限り、購入者が見つかりにくく、売却期間が長くなってしまいます。

2. 需要が少ないエリアに所在する物件

マンションが需要の少ないエリアにある場合、売却が進まないことがあります。

特に駅から離れていたり、そもそもマンションよりも戸建てのニーズが強いエリアは、どうしてもマンションのニーズが下がりますので、売却が長期化しやすくなります。

また車社会であるようなエリアでは、駐車場代がかかるマンションは敬遠される傾向にあります。

3. 競合物件が多い

周辺に競合する物件が多い場合、売却が進みにくくなります。

特に、再開発が行われ、一気にマンションがたくさん建てられたようなエリアに起こりがちな現象です。

周辺に競合するような類似物件があると、価格の競争になってしまいがちで、売却価格をある程度確保したいと考えると、どうしても売却期間が長くなります。

4. 購入希望者のローン審査が通らない

購入希望者が見つかっても、住宅ローン審査が通らない場合は契約が解除になってしまい、再び買い手を探さなければならなくなることがあります。

売却が長引く理由の一つです。

一般的に住宅ローンの事前審査を通してから、売買契約を締結し、その後に買主が本審査に進みます。

しかし事前審査が通っていても、本審査で落ちてしまうことがあります。

本審査に落ちる原因は、事前審査の精度が低い銀行で事前審査に通していたことや、買主の健康問題で団体信用生命保険に加入できないなど、買主側の問題と、マンション自体に担保価値としての問題があるという売主側の問題の2種類があります。

5. 室内の状態や印象が悪い

内覧時に室内の状態が悪いと、購入希望者の興味が薄れてしまいます。

汚れや古い設備が目立つ場合、購入意欲が低下し、売却が長引く可能性があります。

また住みながら売却をする場合、室内が煩雑としていて、購入者に良くない印象を与えていることがあります。

人は最初の3秒で、買うか買わないかの判断をしていると言われており、最初の印象が良くないと、他の条件が良かったとしても、成約に至らないことがあります。

内覧はそれなりの件数がくるものの、なかなか成約に結びつかない場合は、室内の状態や印象が良くないことが考えられます。

6. 不動産業者の販売戦略が不十分

不動産業者の販売戦略が弱いと、購入希望者へのアプローチが不十分になり、売却が進まないことがあります。

不動産業者がどのような媒体に広告を行っているか、どのような内容でアピールしているかを確認することが大切です。

また販売状況によって戦略を変えずに、ただ同じように売却しているだけの不動産業者もいます。

販売状況を見て、どのような対策をしているのかどうかの確認も必要です。

例えば販売状況を確認して、問い合わせの自体が少ない時は、価格の問題であることが多く、内覧は入っているものの、成約に至らないのは、内覧時の印象が良くないことが原因であることが多いです。

7. 不動産業者が「囲い込み」をしている

仲介業者が「囲い込み」をしている場合も、売却期間が長期化することがあります。

「囲い込み」とは、不動産仲介業者が売主だけなく、買主からも仲介手数料を得ることを目的として、他の仲介業者の紹介依頼や内覧希望を受け付けずに、自社の顧客のみにしか紹介、内覧をしない行為のことを言います。

当然ながら、これは違法行為であり、仲介業者が得をするだけで、買主や売主にとっては機会損失や、高値の早期売却を拒む行為です。

また仲介手数料無料や半額業者は、レインズに掲載義務がない「一般媒介契約」を締結し、合法的な囲い込みをしています。

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筆者の経験からしても、自社での集客より、他社が連れてきた買主候補で成約することの方が圧倒的に多く、データを取ってみたところ、8割が他社の仲介業者が連れてきた買主候補で成約をしています。

人気物件で囲い込みをされても、売れないことはないですが、もっと高値で売れる機会を逃していますし、売却期間も長期化しやすい傾向があります。

悪質な業者に当たってしまうと、囲い込みをすることで、意図的に売却期間を長期化し、売却価格を下げさせて、自分の息のかかった買取業者に卸すようなことをする業者もいます。

また買取保証付きの仲介においても、仲介よりも買取の方が売上・利益ともに大きくなるため、積極的な販売活動をしないこともあります。

 

【悩み別】マンションを早く売却するための効果的な対策

マンション売却 時間がかかる 理由

ここからは、これまで解説してきた、マンション売却が長期化する理由をもとに、よくあるマンション売却の悩み別に、どのような対策を行えば良いのかを解説していきます。

1. 内覧者が少ない、問い合わせが少ない

売却活動をしていて、内覧者や問い合わせが少ない時は、この価格設定に問題があることが多いです。

この問題を解決するためには、競合物件や地域の相場を定期的に確認し、現実的な価格設定を行うことが重要です。

不動産会社に依頼して最新の市場データを取得することで、適切な価格調整が可能になります。

またこちらで、ご自身のマンション名を入力をして検索をすると、過去の販売事例などが確認できますので、目安の確認としてご活用ください。

過去の販売事例と合わせて、市場動向によるタイミングや、金利情勢を適切に把握して、適切な売却価格を設定することも大切です。

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2. 内覧はあるものの、具体的な話に進まない

物件の第一印象は購入希望者にとって非常に重要です。

もし内覧はそれなりにあるのに、なかなか成約に至らない場合は、室内の印象に原因があることが考えられます。

目安として、内覧が10件入っても、成約に至らない時は、室内の印象に問題があると考えても構いません。

空き家の場合、室内の印象を良くするために、リフォームやリノベーションの必要性を考えるかもしれませんが、大規模なものは必要ありません。

多額のリフォーム費用をかけたところで、リフォーム価格分を販売価格に転嫁はできないことの方が多いです。

またご自身でリフォームやリノベーションをしたい層も一定数いますので、マイナスになることの方が多いです。

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もしどうしても印象を良くしたいのであれば、コストを抑えながら購入者に好印象を与えるポイント(例えば壁紙の貼り替えやハウスクリーニング)に重点を置きましょう。

住みながら売却している人は、玄関やリビングを中心に清掃を心がけましょう。

また売却して引っ越すときに捨てるようなものがあれば、この時点で捨てておき、なるべく室内をスッキリさせるようにしましょう。

3. 広告戦略や販売戦略が適切なのかを確認したい

実際の売却においては、SUUMOやAthomeなどの物件情報サイトを利用しますが、その際の広告が適切なのかどうかを確認するポイントをお伝えします。

広告の種類

不動産広告には、紙媒体やネット媒体、そして最近はSNSなどの媒体があります。

現在の不動産広告のメインとなるのは、ネット媒体となるため、どのような物件情報サイトに掲載されているか、確認しましょう。

数は多いに越したことはありませんが、最低限SUUMOには掲載されていた方が望ましいと言えます。

広告に写真は多数掲載されているか

物件情報サイトを見ていると、写真が外観と間取りだけでというような物件も見かけます。

外観だけでなく、周辺環境や共用部、可能であれば室内や眺望の写真など、数が多ければ多いほど、反応は良くなります。

魅力的なコピーになっているか

コピーとは、キャッチコピーや紹介文などの文章のことを言います。

このコピーは非常に大切なのですが、意外としっかり対策をしていない業者が多いように感じています。

よくありがちな文章ではなく、物件の魅了を閲覧する人に伝えられているか。

これは販売戦略にも通じるところですが、例えば駅から離れているマンションであれば、駐車場の付与率が高く、駅近のマンションよりも駐車場代が安いため、その部分をアピールすることもできます。

また管理費や修繕積立金が他の物件よりも安ければ、なぜそこまで安くても問題ないのかの理由も添えてアピールすることで、管理の良さをアピールすることもできます。

このマイナスをプラスに転換する発想や、他の物件ではアピールしていない部分を特徴として表現することで、反応率は変わります。

特に本記事の冒頭に挙げた、売却期間が長くなりがちな特徴を持つマンションほど、このような対応がポイントとなります。

4. 不動産業者の対応に問題があるか知りたい

マンション売却 時間がかかる 理由

その他の原因を見直す際に、不動産業者の対応に問題がないかどうかも必ず確認するようにしましょう。

不動産業者の対応を確認する際のポイントを詳しく解説します。

以下に当てはまることろや心当たりがあり、売却が長期化している場合は、不動産業者の見直しをお勧めします。

レインズに掲載をしているか

レインズとは、不動産業者が閲覧できる物件データベースシステムのことで、広く買主候補を集めるために作られたものです。

レインズに掲載されることで、より多くの不動産業者、ひいては不動産業者の先にいる買主候補に情報がより広まりやすくなります。

売主がより早く高い値段で売却できることを実現するためのシステムなのですが、一部業者では「囲い込み」をしたいがために、レインズに掲載しない業者もいます。

媒介契約の種類によって、掲載義務の有無は変わります。

複数社との契約売主が見つけた買主との取引レインズへの登録義務売主への報告義務契約有効期間
専属専任媒介契約××5営業日以内1週間に1回以上3ヶ月以内
専任媒介契約×7営業日以内2週間に1回以上3ヶ月以内
一般媒介契約義務なし任意3ヶ月以内

またレインズへの掲載は、売主自身でも確認することができます。

レインズ登録後に発行される証明書を必ず発行してもらいましょう。

この証明書に記載されているIDとパスワードで、レインズの記載内容や販売状況が確認できます。

よくあるご質問 | REINS TOWER
よくあるご質問 | REINS TOWER

www.reins.or.jp

もしもらっていない場合は、不動産業者に催促しましょう。

ただ、そもそも証明書を渡していない不動産業者は問題ありです。

また一社だけにしか依頼していないのに、一般媒介契約書となっている場合は、レインズの掲載義務を逃れ、囲い込みをする合法的な手段をとっている可能性もありますので、注意してください。

定期的な業務報告をしているか

先述の表にもあったように、専属専任媒介契約と専任媒介契約には定期的な報告義務があります。

そもそもこの報告すらしてこない業者もいます。

定期的な報告によって、適正な販売戦略になっているのかを確認することができますので、定期報告がない業者は取引を改めた方がいいと思います。

仲介手数料無料や半額業者ではないか

仲介手数料無料や仲介手数料の半額業者の仕組みは、一般媒介契約をすることで、レインズの掲載義務回避、そして囲い込みの合法化によって成り立っています。

レインズの掲載義務は、一般媒介契約にはありません。

また囲い込みの禁止規定は、レインズに掲載されている物件に限られています。

つまり一般媒介契約でレインズに掲載しないことで、自社で募集する買主候補に絞っていて、仲介手数料は買主から受け取るのが、仲介手数料無料・半額業者のビジネスモデルです。

先ほども触れましたが、自社で購入者を見つけるよりも、他者が購入者を連れてくる割合の方が圧倒的に多く、筆者のデータではそれぞれ2:8という割合です。

内覧者が多い方が、交渉などにおいても、心理的に売主が優位に立てるので、結果として売却価格が高くなります。

逆に自社の集客した購入者に限定してしまうと、集客できる人数が限られるので、物件によっては売却期間が長期化することがあります。

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内覧には、他の不動産業者も購入希望者を連れてきているか

囲い込みは年々、手口が巧妙化してきています。

なかなか消費者が、囲い込みを見つけるのも難しくなってきています。

囲い込みを見つける方法として、2つの方法があります。

一つは知り合いや、他にやり取りをしている不動産業者がいれば、売却を依頼している不動産会社に連絡をしてもらうことです。

最も確実な手法ですが、頼める不動産業者がいなければ出来ない方法です。

そこでもう一つの判断基準として、他の不動産業者が購入者候補を内覧に連れてきているかどうかです。

繰り返しになりますが、いくら広告を出していても、他社が購入者希望を連れてくるケースの方が圧倒的に多いです。

他社の購入希望者かどうかは、内覧者と一緒に別の不動産会社が同行しているかどうかで判別できます。

他社の内覧者が極端に少ない、もしくはいない場合は囲い込みが疑われます。

売却だけでなく、購入の実績も豊富か

売却の依頼を受ける業者は、売却の実績をアピールしますが、購入の実績も豊富にあった方が、実は売却に強いと考えています。

なぜなら、購入をたくさん経験しているからこその視点があるからです。

例えば、販売戦略におけるターゲティングや、マイナスをプラスに転換する発想などは、購入者の心理をわかっていた方が得意だからです。

ベストなのは、売却と購入の両方の経験が豊富にあることです。

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買取業者を検討するべきか?

マンション売却 時間がかかる 理由

マンションの売却が長期化すると、買取業者を検討すべきかどうか、迷うこともあるのではないでしょうか。

買取業者による売却は、現金化までのスピードが早く、契約不適合責任といった、引き渡した後の補修責任も免除されることが多く、売却の選択肢の一つとなります。

ただし、買取業者は買い取ったマンションをリフォームをして、さらに利益をそこに乗せるので、買取価格は物件にもよりますが、相場の7割前後となることが多いです。

買取業者を検討する目安は、室内の状況です。

フルリフォームが必要となるような状況であれば、一般の消費者よりも買取業者の方がいい時もあります。

しかし安易に買取業者に依頼するよりも、よほど期限が迫っていない限りは、上記の対策を先に検討した方がいいと思います。

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売却に時間がかかった実例と教訓

マンション売却 時間がかかる 理由

最後に、売却に時間がかかってしまった実例と教訓について解説します。

1. 売り出し価格が高すぎて、1年以上売れなかった事例

売却が長期化する最も多い要因が、売り出し価格です。

よほどエリアの市況が活況であったり、物件に希少性の高い特色がない限り、売り出し価格が相場を大きく上回っていると、売却期間が長期化する傾向が見られます。

長期化すると、売却価格をずるずると下げていくことになります。

この売却価格をズルズル下げていくというのが、実は問題なのです。

仮に価格を下げて売却ができた時は良いのですが、まれにそれでも売ることができず、最終的に相場よりも安い価格でしか売れなかったというケースも数多く見てきました。

売却が長期化する物件は、購入希望者も物件情報サイトでチェックしており、ずるずると価格が下がっていると、中古マンションを探している人は「この物件は何か問題があるのではないか」と考えるようになり、より問い合わせが入りにくくなります。

購入希望者は、時間をかけて情報収集をしながら、購入準備を進めていきます。

一般的に購入を考え始めてから、実際に購入するまでの期間は半年から1年と言われていますので、あなたが思っている以上に物件情報は見られているのです。

結果として、1年ほど時間が経ち、大きな価格交渉が入って、仕方なく安い価格で売却するということがあります。

筆者の体験としても、購入のお手伝いをしている時に、売り元の仲介業者に「なぜ一年も残っているのか」と質問をしますが、多くの場合は売り出し価格の失敗です。

筆者は売却のお手伝いでこのケースになることはないのですが、購入者の仲介でこのようなケースに出会うことがあり、購入者としては相場よりも安い価格で購入できたので良かったのですが、売主サイドとしては残念としか言いようがありません。

このケースは一括査定サイトを利用した時に起こりやすい現象です。

一括査定サイトの利用には利便性はありますが、不動産業者が媒介契約欲しさに、明らかに高い査定を出すことがありますので、注意が必要です。

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2. 住宅ローン審査に通らず、契約破棄になった事例

売却期間の長期化につながりやすい、もう一つの要因として、買主が住宅ローン審査に通らず、せっかく売買契約をしたのに、ローン特約による解除になってしまうことがあります。

ローン特約による解除とは、買主の責任によらず、本審査に落ちてしまい、無条件解約となることです。

ローン特約による解除に該当すると、売買契約時に受領した手付金も変換しなければならず、何も得るものがない上に時間だけ無駄に浪費してしまうということになります。

しかも売買契約をしたら、新規募集をストップしてしまうため、その期間そのものが機会損失となってしまいます。

このようなことの原因となるのは、買主に原因がある場合と、物件の担保価値に問題があるケースの2つに分かれます。

マンションの場合、物件の担保価値に問題がある場合は、ほとんどないので、買主の原因に絞って対策を解説します。

住宅ローンの本審査に通らず、時間を浪費しないためには、売買契約前に行う事前審査の精度が高い金融機関を利用することです。

ネット銀行や都市銀行でのインターネットによる事前審査は、AIを活用するため、人に比べるとやや精度が落ちることがあり、事前審査の承認が下りていても、本審査で否決になることがあります。

またフラット35も、本審査と事前審査で審査機関が変わるため、事前審査の精度が低いと言われています。

このようなケースに当てはまる場合、銀行の窓口での申請や、ローンセンターによる審査、フラット35であれば事前に本審査まで通しておくことで、このような事態を回避することができます。

基本的に、不動産業者や担当者がこのことを理解していれば防げるトラブルです。

マンション売却に時間がかかっている理由と対策のまとめ

マンション 売却 時期

マンションの売却に時間がかかっているかどうかの基準として、首都圏であれば3ヶ月以上、それ以外のエリアであれば半年以上を一つの目安とすると良いでしょう。

また売却が長期化しやすい物件の以下の特徴に当てはまっているかどうかの確認も合わせて行います。

  1. 築年数が30年以上
  2. 駅から遠い
  3. 室内の状態が悪い
  4. 管理費や修繕積立金などのランニングコストが高い
  5. 眺望や日当たりが悪い

その他にも、マンション売却に時間がかかっていると考えられる、以下の理由に当てはまっていないか確認をしていきます。

  • 販売価格が市場価格とかけ離れていないか
  • 需要が少ないエリアに所在する物件ではにあか
  • 競合する物件の数が多くないか
  • 購入希望者のローン審査が通らないケースを回避できているか
  • 広告戦略や販売戦略は適正か
  • 不動産業者や担当者の対応に問題はないか
  • 囲い込みは行われていないか

その上で、販売価格や戦略、そして不動産会社の見直しをしていきましょう。

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