この記事を読むとわかること
- 不動産売却で失敗しないためのポイント
- 担当者選びのポイント
- 仲介業者との付き合い方
- 仲介手数料無料や半額業者の注意点
不動産売却をする時にパートナーとなる仲介業者の役割は欠かせません。
仲介業者の役割は値段の決め方のアドバイスから始まり、集客から契約書の作成や、トラブルがないように引渡しを進めていくことなど、多岐に渡ります。
この記事では、不動産売却の時にどうやって仲介業者を選べばいいのか。
仲介業者の選び方のポイントや注意点について解説していきます。
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不動産売却は仲介業者ではなく担当者次第
まず一番初めに最も大切なことをお伝えしますが、不動産売却がうまくいくかどうかは、仲介業者(会社)というよりも担当者次第です。
これは不動産取引全般に言えることですが、個別性が強く、同じものが二つとない不動産という商品は、担当者のスキルや経験名などによって非常に大きく結果が変わると言われています。
いくら大手であっても、経験が浅い担当者も多く、大手の看板で選んだものの、あまりいい対応をしてもらえず、納得がいかない結果に終わってしまったということもあります。
ですので、不動産業者を選ぶというよりも「担当者を選ぶ」という感覚を持つとうまくいきやすいのではないでしょうか。
不動産売却の仲介業者・担当者の探し方
まず不動産売却にあたって、どうやって仲介業者や担当者を探していけばいいか。
よく利用されているのは一括サイトですが、業者は選ぶことはできても担当者を選ぶことはできません。
一社ずつ訪問してもらって、一人一人と会話をして見極めていくしかありません。
しかも取引経験がほとんどない一般の方に、不動産仲介業者や担当者の良し悪しを見極めるのは困難です。
そこでお勧めしたいのが、全国の優良な担当者(不動産エージェント)が探せるサイト「HOUSECLOUVER」です。
担当者が探せる日本で唯一のプラットフォームで、運営元は現役の不動産のプロです。
不動産のプロが運営するサイトだからこそ、掲載されている担当者は運営元の審査に通過した人のみとなっているので、純粋に人柄や相性で選んでいただけます。
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不動産売却や住み替えは、不動産エージェント探しから|ハウスクローバー
全国の優良な不動産エージェントが探せるサイトです。一定の基準と運営による面談をパスした担当者のみ掲載しています。また掲載後も囲い込みに対するペナルティーなど、消費者が損をすることがないように厳格なルー ...
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担当者の選び方のポイント
ここからは担当者選びのポイントについて解説していきます。
レスポンスは早いか
不動産取引においてスピード感はとても大切になります。
ですから質問や問い合わせが入った時に、レスポンスの良い対応ができるかどうかは、取引をスムーズに進めていく上で、非常に大切なポイントです。
不動産のやり取りや言葉使いなど、あなたが感じることは買主候補も感じることになりますので、不安や違和感がないかを見るようにしてください。
住み替えの場合、買いの経験も豊富か
今の自宅を売却して、新たに自宅を購入する「住み替え」の場合、特に担当者選びには注意する必要があります。
住み替えについては、売りと買いの両方の知識も必要になるだけでなく、住み替え特有のタイミングや交渉など、高いレベルの業務スキルが求められます。
それだけに担当者選びで失敗してしまうと、住み替えが上手くいかないだけでなく、無駄な出費が発生してしまうかもしれません。
住み替えについての注意点は、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご参照ください。
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https://houseclouver.jp/sale/sumikae-kaisenkou-urisenkou-timing/
houseclouver.jp
業界歴や保有資格
経験だけが長くても、決してそれが良い担当者になるわけではないですが、それでもそれなりの経験は不動産売却がスムーズにいくためには欠かせません。
宅地建物取引士についても、あればあるに越したことはないですが、不動産業界では営業は飛び抜けてできる人でも、宅地建物取引士を保有していないこともありますので、無くてもそれだけでダメという判断にはなりません。
経験や保有資格はあくまで目安として、こちらの質問に対する回答は明確かなどで見極めていくようにしましょう。
値付けに対する根拠は明確か
問い合わせをして一番最初に行うのは、売却対象物件の査定となります。
査定での数字の根拠は明確か。
過去の成約事例だけでなく、現在の市況やエリアの状況に詳しいかを確認しましょう。
対象物件の取引実績は豊富か
対象物件の取扱実績についても確認しましょう。
物件の取扱難易度は、中古マンション<中古戸建<土地という順番で上がっていきます。
中古マンションは管理会社が入って修繕や清掃を定期的に行っており、管理の内容なども管理会社を通じて行うことができるので、比較的取扱いやすい物件です。
しかし中古戸建てになると、所有者によって管理や修繕もまちまちで、売却後のトラブルにならないよう、建築関係の知識も必要になってきます。
また土地に関しては、多くの購入者がそこに建物を建てる目的で購入するので、法令上の制限や建築できる建物の種類や広さなど、高度な知識と経験が必要になります。
都心部の仲介業者や担当者はマンションの取扱量は多くても、戸建てや土地に関してはほとんどないというケースもありますので、売却対象物件での取扱実績も確認するようにしましょう。
対象物件に合いそうな買主のイメージができるか
意外に大切な項目ですが、売却戦略に必要な要素です。
売却不動産がどんな方が買いそうか、そのイメージができるかどうかで、広告の内容も変わってきます。
そのイメージが物件の実際にもつイメージと乖離していると、本来はもっと高く売れたはずのものが、安くなってしまうこともあります。
対象物件に合いそうな方がどんな方かを質問してみて、ご自身の考えとずれがないかを確認してみてください。
ご自身が考えている以上のイメージができる方であればなお良いです。
不動産売却にピッタリな媒介契約は?
担当者を決めたら次に所属する仲介業者と媒介契約を締結します。
その時の媒介契約には3種類あり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがありますので、ポイントを押さえておくようにしましょう。
専属専任媒介契約
専属専任媒介契約とは、仲介業者には一社しか依頼することができず、複数社に依頼することはできません。
また買主を自身で直接見つけた場合であっても、必ず仲介業者を通す必要があり、直接の取引であっても仲介手数料が発生します。
レインズの登録義務は契約締結日の翌日から5営業日以内となっていて、報告義務も1週間に1度以上となっています。
専任媒介契約
専任媒介契約とは、仲介業者は一社しか依頼することができないのは、専属専任媒介契約と同じですが、直接買主を見つけた場合は、仲介業者を通さずに取引することができます。
レインズの登録義務は契約締結日の翌日から7営業日以内となっていて、報告義務は2週間に1度以上となります。
一般媒介契約
一般媒介契約とは、仲介業者は一社だけでなく複数者に依頼することができます。
もちろん自身で買主を見つけた場合に、直接取引をすることも可能です。
レインズの登録は任意となっており、報告義務もありません。
また他の契約では有効期間は3ヶ月となっていますが、一般媒介契約は期限が無くても構いません。
不動産売却にベストな媒介契約は?
どれがベストかはプロでも意見が分かれるところですが、私個人的には一般媒介契約をおすすめしています。
不動産仲介業者からすれば、仲介手数料が確実にもらえる「専属専任媒介契約」もしくは「専任媒介契約」が理想ですが、高く売るためには「一般媒介契約書」がベストと考えています。
専属もしくは専任媒介契約をおすすめする仲介業者の言い分は、「広告宣伝にお金がかかるので確実に仲介手数料が入らないと費用がかけられない」とか「専任物件が優先される」など、もっともらしいといえばもっともらしいです。
しかし、一般媒介契約であっても、もらえるかもしれない仲介手数料をみすみす逃すようなことはしませんし、囲い込みなどの売主が損をする不正行為を防ぐことができます。
囲い込みを防ぎ、健全なサービス競争を業者間ですることになりますので、不動産業者から言わせれば嫌がられる契約であっても、消費者からするとベストな契約形態だと考えています。
ちなみに物件を購入するときは、不動産業者から嫌われると弊害が多いですが、売るときは物件を持っている方が強いので、嫌われるくらいでちょうど良いです。
囲い込みについてはこちらの動画がわかりやすいので、ご参照ください。
囲い込みによる損失を防ぐ方法
熟慮の結果、専属専任媒介契約や専任媒介契約となった場合でも、囲い込みが行われていないかどうかは最低限確認しましょう。
レインズに掲載しているかどうかを確認できるサイトとID・パスワードを必ず受け取り、掲載がされているかどうかを確認するようにしてください。
ただこれはあくまでレインズに掲載されていることの確認であって、公開中であっても色々な理由をつけて他の業者の内覧を断ることはできます。
実際に囲い込みが疑われる案件もたくさんあります。
そうならないためにも一般媒介契約で複数社に依頼しておけば、広く買主を募集できるレインズには掲載しますし、他の業者に取られたくないので、業者の問い合わせへの対応も丁寧になりますし、レスポンスも早くなります。
私も現役のプロなのでわかりますが、不動産業者としては競争にさらされるので嫌なのですが、消費者としてはメリットの方が多いと考えています。
担当者選びに失敗してしまった事例
今度は担当者選びに失敗してしまった時に、どんな事例があるのか、解説していきます。
事例① 売ることは慣れていたが、購入に慣れていなかった
住み替えを考える時に、購入の手続きに慣れていない担当者もいます。
同じ仲介であっても売りと買いでは全く必要とされる知識や経験は違ってきます。
売りの仲介で必要となるのは、税金や契約時や重要事項説明書に記載するための調査内容であったり、少しでも高く売るための交渉力です。
一方で買いの仲介で必要となるのは、住宅ローンの知識や買ってはいけない見極め、リフォームやインスペクションなど建築関係の知識、少しでも安く買うための交渉力です。
両方の知識と、実際に住み替えの経験が必要になるため、難易度も高くなります。
タイミングが特に重要になってくるので、担当者選びを間違えてしまうと、余分な賃料や引越し費用がかかってしまったり、希望の売却に届かなかったり、経済的な損失を被ります。
事例② 税金の知識がなく、多額の税金を払うハメに
宅建業者は税金のプロではないので、税金の具体的な相談や手続きについては税理士免許への越権行為となりますので、受けることはできません。
しかし、一般的な不動産売却における税金の知識は持っているべきです。
事前に売却時の税金がある程度イメージできているかいないかで、その後の資金繰りにも影響します。
また住み替えの場合、自宅を売却するときは様々な優遇策もあり、中にはどちらかを選択しなければいけないものもあり、知らないと後から予定しなかった税金を払わなければいけなくなることもあります。
事例③ 買取業者に買ってもらったが、もっと高く売れたかもしれない
仲介業者の中には、買取業社を勧めてくるところもあります。
買取業社は、現金化までの時間が早く、後腐れもなく取引することができるのでメリットはあります。
しかし買取業社は買い取って、さらにリフォームをして利益を載せて再販売するので、それなりに安く買わないと商売になりません。
つまり仲介で売りに出す時と比較して、買取業社の方が手に入るお金は少なくなります。
仲介と買取業社のどちらが良いのかは状況によって変わりますが、冷静に判断しましょう。
ちなみに買取業社を勧めてくる業者の心理として、もちろん売主にとって最適な提案であることもありますが、仲介業者は売主だけでなく買取業社からも仲介手数料をもらえます。
さらに再販売をするときに、専任契約をもらえることも多く、一つの取引で何倍も売り上げが上がる「美味しい取引」であるということも頭の片隅に置いておきましょう。
事例④ 媒介契約を締結したが、全く問い合わせや内覧が入らず値段を下げて売ることに
仲介業者の中には、媒介契約を取ることが目的となってしまっているようなところもあります。
媒介契約を欲しいがばかりに、査定を他社よりも高めに出し、甘い言葉で媒介契約を取ります。
不動産には相場というものがあり、よほどの好条件の物件でない限り、相場から大きく外れた売り物件は売却期間が長期化します。
売り出し価格は不動産売却の中でも特に大切なポイントの一つで、ここを間違えると、問い合わせが入らず、ダラダラと値段を下げていき、最終的には相場よりも安い金額でしか売れないこともあります。
このような状況に陥らないためにも、ある程度相場を押さえておきましょう。
相場は物件情報サイトなどで、売却対象物件と同じような物件を探し比較することである程度つかめます。
仲介手数料半額や無料の仲介業者の注意点
不動産仲介業者の中には、仲介手数料半額や無料の仲介業者もいます。
これは一見、売る側から見ると諸費用が削減されるため、メリットがあるように見えます。
しかし実は損をしやすい形態と言えるの注意が必要です。
具体的に、これらの業者は一般媒介契約を指定してきます。
理由はレインズへの掲載義務がないからです。
レインズに載せないということは、他の業者の問い合わせや内覧を断ることもできますので、合法的に囲い込みができます。
むしろこれらの業者としては自社で買主を見つけないと、売り上げが立ちません。
業者としては、SUUMOやアットホームなどの物件情報サイトや自社サイトに全て載せるので集客できるといいいますが、そんなことはありません。
多くの人が思っている以上に、不動産業者が独自で持っているお客様は多いです。
私も売却のお手伝いをするときは、レインズも含め全ての物件情報サイトや自社サイトに掲載しますが、実際成約をしたのは、自社で集客するよりも他社の業者が連れてきた買主であることが圧倒的に多いのです。
自社のみの集客では限界があります。
たくさんの問い合わせや内覧が入れば、それなりに強気で売却活動ができますが、反対に少なければ弱気になります。
それこそ、本来だったらそこまで下げなくても良いような価格交渉に応じてしまうこともあるかもしれません。
囲い込みの弊害はまさにこのポイントで、仲介手数料という諸費用を削減したいと思うがあまり、本来得られるはずだった売却価格よりも安くなってしまっては、本当にお得だったのか疑問が残りますよね。
仲介手数料は金額で見ると大きく見えますが、物件価格の3%にしかすぎません。
払うものは払い、その代わり担当者にしっかり仕事をしてもらった方が結果として手元に残る金額は増えるのではないでしょうか。
不動産売却 仲介業者の選び方のポイントや注意点 まとめ
不動産売却で失敗しないためには、業者選びよりも担当者選びが重要であることが、ご理解いただけたかと思います。
また日本の不動産業界の問題点も把握することで、その対策も合わせて行っておきたいところです。
大きな金額が動く取引になりますので、後悔しないよう、事前準備をしっかり行うようにしましょう。
不動産売却にあったての流れやそれぞれの注意点などをまとめた記事もありますので、そちらも合わせてご参照いただければと思います。
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https://houseclouver.jp/sale/mashion-baikyaku-nagare/
houseclouver.jp
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宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの不動産売買希望者の相談があり、実際の売買もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅売買に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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