「中古マンションを売りに出しているけど、どれだけ待っても売れない!」
「うちのマンションだけ、なんでずっと売れないの?」
という悩みを抱える人は多くいらっしゃいます。
売れない原因はさまざまですが、売却が長期化すると資産価値が下がる、余分なランニングコストが発生するといったリスクが生じます。
目安として、6ヶ月以上売れない場合には、現在の売却活動を見直すタイミングといえるでしょう。
しかし、表面的には見えないものが原因になっていることもあるため、原因を特定することは一般の消費者には難しいといえます。
そこで、この記事では
- 中古マンションの平均的な売却期間
- 中古マンションがずっと売れないとどうなるか?
- 中古マンションがずっと売れない7つの原因と解決策
などを、不動産業界歴15年のプロが解説します。
中古マンションがずっと売れないとお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの不動産売買希望者の相談があり、実際の売買もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅売買に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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ずっと売れない中古マンションの販売期間の目安は?
ずっと売れない中古マンションの販売期間の目安は、6ヶ月以上といえるでしょう。
LIFULL HOME’Sのデータでは、不動産会社に最初に連絡を取ってから3ヶ月未満で売れた人は23.2%、3ヶ月~6ヶ月未満で売れた人は23.6%という結果が出ています。
つまり、およそ2人に1人が6ヶ月経つまでに売却できているということを意味します。
また、売主と不動産業者との媒介契約の期間は原則3ヶ月であり、買主が物件を探すサイクルも3ヶ月で一巡するといわれています。
そのため、6ヶ月経っても売れず価格等の条件面を見直しても売れない場合、「ずっと売りに出ているのに売れていないのは何か理由があるのでは?」と思われてしまい、さらに売れなくなるという悪循環に陥る傾向があります。
中古マンションの平均的な売却期間はどれくらい?
中古マンションは戸建や土地に比べると売却期間が短い傾向がありますが、平均どれくらいの売却期間がかかるのか、過去5年間の統計を見てみましょう。
公益財団法人東日本不動産流通機構が公開した「首都圏不動産流通市場の動向(2023年度)」によると、首都圏における中古マンションの売却登録(「レインズ」への登録)から成約までに至った過去5年間の日数は以下の通りです。
年 | 成約に至る日数 |
2019 | 81.7 |
2020 | 88.3 |
2021 | 74.7 |
2022 | 71.4 |
2023 | 80.1 |
過去5年間における平均日数は「約79日」となっています。
2020年には「88.3日」と過去10年間でも最長の日数を記録しましたが、2022年には「71.4日」と大きく短縮しています。
しかし、昨年の2023年には10日近く伸びているため、振れ幅が大きいことが分かります。
このことから、現在の売却活動を見直すタイミングの目安としては、過去10年間でも最長の日数となる「88日」(約3ヶ月)を指標とするといいでしょう。
中古マンションがずっと売れないとどうなる?
中古マンションがずっと売れないからといって、そのまま放置していても状況は好転しないでしょう。
それどころか、以下のようなリスクを引き起こすことにつながります。
資産価値が下がる
代表的なリスクとしては資産価値の低下があります。
一般的に築年数が経過するほど外壁や共用設備の劣化が進むことで、マンションの資産価値は下がります。
中古マンションといえど、買主からすると築年数は浅いに越したことはありません。
また、築29年や39年といった築年数で売却する場合には注意しましょう。
その年に売れずに築30年や40年となるとポータルサイトでの検索数が減り、問い合わせすらなくなってしまうということも実際にあるためです。
その他にも、ずっと物件情報サイトに出続けることで、中古マンションを探している人からどんどん敬遠されていき、実際の売却が安くなるという資産価値の目減りも考えられます。
余分なランニングコストが発生
売却期間が長くなると、余分なランニングコストが発生することも見逃せません。
具体的には管理費、修繕積立金といったものが挙げられます。
なお、「戸数が少ない」「維持コストが高い共用設備がある」「管理組合の収入が少ない」といったマンションは、ランニングコストが高額となる傾向にあります。
期間が長引くほどかかるコストも雪だるま式に増えていくため、早急に対策を講じる必要があるでしょう。
住み替えの場合、住宅ローンが二重に発生することも
売却理由が住み替えの場合、住宅ローンが二重に発生するリスクもあります。
売りに出している物件と、購入する物件の住宅ローンを一時的に並行して組むことをダブルローンといいます。
新居の購入契約を済ませてから、現在の自宅を売却する「買い先行」で住み替えると住宅ローンが二重に発生する可能性があるため、毎月の返済負担が大きくなるリスクがあります。
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https://houseclouver.jp/sale/ie-baikyaku-roondyu/
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ずっと売れない中古マンションの特徴7つ
売りに出したマンションがずっと売れない場合、以下の特徴に当てはまっているかもしれません。
ここからは、ずっと売れない中古マンションの特徴7つを解説します。
築年数が40年を超える中古マンション
1つめは、築年数が40年を超える中古マンションです。
「首都圏不動産流通市場の動向(2023年度)」によると、首都圏における中古マンションの成約及び新規登録した過去5年間の平均築年数は以下の通りです。
年 | 成約した築年数 | 新規登録した築年数 |
2019 | 21.64 | 25.84 |
2020 | 21.99 | 26.83 |
2021 | 22.67 | 27.23 |
2022 | 23.33 | 28.16 |
2023 | 23.83 | 29.41 |
成約、新規登録ともに年々上昇しており、物件の経年化が進んでいることが分かりますが、どちらも現状築30年以内に収まっています。
このデータから、築40年を超える中古マンションは成約率が低い現状が見て取れます。
では、なぜ築40年を超えると売れないのでしょうか。
経年劣化により外観や設備の状態が悪くなることは想像にたやすいですが、大きな理由として挙げられるのは、築40年を超える中古マンションの多くが旧耐震基準であるからです。
なお、1981年(昭和56年)5月31日までに建てられたマンションが旧耐震基準となりますので、2024年時点では築43年以上のマンションが旧耐震基準に該当します。
旧耐震基準の場合、震度6以上の地震を想定していないため耐震性が低いことに加え、住宅ローンの審査が通りづらくなることも大きな理由です。
老朽化や大地震による倒壊などの危険性から、住宅ローンを融資する金融機関では旧耐震基準のマンションを仮審査の時点で申し込み不可としているケースが増えています。
売り出し価格が明らかに相場よりも高い
2つめは、売り出し価格が明らかに相場よりも高い場合です。
明らかに相場より高い売り出し価格の場合、駅近や築浅のマンションでもすぐに売れない可能性があります。
なお、相場は類似物件の売り出し価格や成約価格から確認できます。
成約価格については不動産業者がアクセスできる物件情報システム「レインズ」に掲載されていますので、担当者の不動産エージェントに確認するようにしましょう。
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https://houseclouver.jp/sale/hudousan-agent/
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不動産の反響は広告を掲載した直後が最も多く、他の売り出しが増えてくるにつれ少しずつ減少する傾向があります。
特に早期売却したい場合は早急に対策を講じる必要があります。
ココに注意
売り出し価格が高いリスクとして、売却期間が長期化することで、購入希望者から「何か問題があるのでは」と勘ぐられてしまい、時間がかかるだけでなく、最終的な売却価格が相場を下回るケースも多々あります。
売却物件によほどの個別性や時間的・金銭的に余裕があれば問題ありませんが、そうでない場合は高すぎる売り出し価格には注意が必要です。
周辺に類似物件が多く売りに出ている
3つめは、周辺に類似物件が多く売りに出ている場合です。
不動産の売却は需給バランスの影響を受けます。
これは、該当物件の周辺マンションの数や、空室在庫数に基づいた需要と供給のバランスを指します。
「買いたい」という需要の方が多ければ売れやすく、逆に「売りたい」という供給の方が多ければ売れづらくなります。
類似物件が多く売りに出ている場合、需要より供給の方が多い「供給過多」の状態となっていることを意味します。
一般の消費者が現状の需給バランスについて知ることは難しいため、疑問に思ったらまずは依頼元の不動産エージェントに確認してみることをおすすめします。
媒介を依頼している不動産業者の担当者がダメ
4つめは、媒介を依頼している不動産業者の担当者がダメな場合です。
マンションに大きなデメリットがないにもかかわらず売れない場合は、担当者が原因の可能性があります。
具体的には以下の特徴に当てはまっている場合、早急に担当者を見直した方がよいといえるでしょう。
レスポンスやフットワークが悪い
まずは、レスポンスやフットワークが悪い場合です。
「問い合わせに対して2日以上連絡がない」、「ポータルサイトに掲載しているキャッチコピーや写真の質が悪く、改善を依頼しても対応しない」といった場合、そのように判断してよいでしょう。
売主へのレスポンスやフットワークが悪いことは、買主に対しても悪いことを意味します。
どんなに魅力的な物件の場合でも、問い合わせや内覧の対応が悪ければ買主は契約を躊躇するでしょう。
家の売買は一生に一度である人も多いからこそ、売主・買主双方にとって担当者の対応は成約に大きく影響します。
囲い込みをしていないかを疑う
仲介業者との契約形態が専属専任媒介契約又は専任媒介契約の場合、囲い込みをしていないか疑ってみるといいでしょう。
具体的には、買主側の仲介業者が問い合わせた際に「契約が決まりそうで・・・」と嘘をつかれ、一般の消費者が問い合わせた際には「ご案内できますよ!」といわれるケースがあります。
なぜなら、仲介業者の紹介では買主側の仲介手数料を得られないからです。
例えば、内覧が自社(売主側仲介会社)の顧客ばかりで、他社業者紹介の内覧がない場合は囲い込みをしている可能性があります。
詳しくは以下の記事も参照ください。
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https://houseclouver.jp/sale/hudousan-cyukai-kakoikomi/
houseclouver.jp
定期報告がない
定期報告がない担当者も稀にいます。
定期報告とは、不動産会社が業務処理状況(レインズの登録や広告などの営業活動や引合いの状況など)を売主に報告する義務のことであり、報告は文書又は電子メールで行います。
専属専任媒介契約の場合は1週間に1回以上、専任媒介契約は2週間に1回以上と宅地建物取引業法に定められています。
(一般媒介契約には報告の義務はありません)
なお、媒介契約書には「契約の解除」について設けた規定があり、定期報告がない場合には契約を解除できる可能性があります。
しかし、悪質な業者の場合はこれまでに要した費用を逆に請求されるなどのケースもありますので、事を荒立てたくない場合には3ヶ月の契約更新のタイミングで更新を拒否することをおすすめします。
室内の印象が良くない中古マンション
5つめは、室内の印象が良くない中古マンションの場合です。
具体的には、
- 部屋の中に不要品が散乱している
- 壁紙や床に大きな傷や凹み、シミなどがある
- 不快に感じる臭いがする(排水溝の詰まりなど)
などがあります。買主の立場で考えたら、そのような物件を購入したいと思えませんよね。
中古マンションは新築と異なり、掲載写真では分かりづらい傷や汚れも多いことから、買主は多くの物件を内覧し、内覧時のチェックも厳しくなる傾向があります。
人は最初の10〜30秒で、その物件が購入の対象になるかならないかを判断していると言われています。
駅からも遠く、利便性が悪いマンション
6つめは、駅からも遠く、利便性が悪いマンションの場合です。
「駅から遠い」とされる定義は明確に決まってはいませんが、最寄り駅から徒歩10分以上かかる場合には駅から遠い物件といえるでしょう。
逆に、最寄り駅から徒歩9分以内の場合は「駅から近い」物件として、大きなアピールポイントになります。
最寄り駅から遠いと、通勤通学や買い物の利便性が悪くなります。
また、高台の土地に建つマンションは、最寄り駅までの移動に負担がかかることから敬遠される傾向にあります。
眺めの良さや災害リスクを下げられるメリットもあるものの、仕事や通学などで頻繁に電車に乗る人にとってはデメリットの方が大きいといえます。
管理状況が悪く、修繕積立金が高騰している
7つめは、管理状況が悪く、修繕積立金が高騰している場合です。
修繕積立金の徴収額は築年数が経つほど増加するため、築年数が古いほど修繕積立金も高騰する傾向にあります。
しかし、築年数が浅くても管理状況が悪い場合には修繕積立金が高騰するケースもあります。
その他にも、ごみ捨て場や、駐輪場、駐車場、エレベーターなど、内覧時にも目に付きやすい共有部分の清掃状況が悪い場合には注意が必要です。
買主としては月々の支払い負担額が高額になることや、そもそも管理状況の悪いマンションで住みたくないということから、敬遠される理由となります。
筆者の実際の中古マンション売買の現場における目安として、毎月の修繕積立金が3万円を超えると二の足を踏むことが多く見受けられます。
ずっと売れない中古マンションで出来る解決策7つ
ここまで、ずっと売れない中古マンションの特徴を7つ解説してきましたが、もし当てはまるものがある場合、何かしらの解決策を講じる必要があるでしょう。
ここからは、ずっと売れない中古マンションで出来る解決策7つについて解説します。
中古マンションが動く時期を狙う
1つめは、中古マンションが動く時期を狙うことです。
中古マンションの物件数は一般的に1~3月に多くなる傾向があります。
理由としては、4月からの新学期や新卒入社、転勤などによるニーズを受け、購入希望者が多くなるためです。
また、ローンの金利が低いタイミングも動く時期といえます。
特に繁忙期(12月〜3月)になると、金融機関も金利優遇の割引キャンペーンをすることがあるので、総じてこの時期は動きやすいと言えるでしょう。
物件に競争力がないのであれば、価格を下げる
2つめは、物件に競争力がないのであれば価格を下げることです。
競争力のある物件とは、駅近や築浅、また物件のあるエリアが人気であるという場合です。
こういった競争力のある物件の場合、多少相場より価格が高くても売れることがあります。
しかし、逆に駅から遠い、築年数が古い、人気のないエリア、周辺にお墓や火葬場といった嫌悪施設がある物件の場合、優位性を出すためには価格を下げる必要があります。
媒介を依頼している業者・担当者の見直し
3つめは、媒介を依頼している業者・担当者の見直しです。
すぐに売れるような競争力のある物件の場合、業者や担当者に関係なく売れることもよくありますが、すぐに売れない競争力のない物件は業者や担当者選びこそ重要です。
先述した担当者の場合はもちろん見直すべきですが、競争力のない物件の売却に特化した業者や担当者を選ぶことも重要です。
そういった業者は大手の業者が断るような物件を専門で扱うことから、1人1人の担当者の営業スキルが高く、売買実績も豊富な傾向にあります。
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https://houseclouver.jp/sale/hudousan-baikyaku-cyukai/
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室内のクリーニング、片付けをして印象を良くする
4つめは、室内のクリーニング、片付けをして印象を良くすることです。
小さいお子さんがいる家庭などでは難しいかもしれませんが、せめて広告に掲載する写真を撮影する際や、内覧時だけでも片付けることをおすすめします。
できれば売却後、引っ越す際に捨てる荷物などは、売却活動をするタイミングで捨てておくことをおすすめします。
その他にも、家庭環境にはよりますが、あまり生活感が出るようなものは目に見えない場所にしまっておくと、室内の内覧に集中できるので良いとされています。
また、下水の臭いなどが強い場合は表面的な掃除だけでは改善されない場合があります。
多少の費用をかけてでも、ハウスクリーニングや専門業者に依頼することで、内覧時の印象が良くなるでしょう。
将来的に管理の問題が出る前に売却を検討する
5つめは、将来的に管理の問題が出る前に売却を検討することです。
中古マンションを購入後、最も多いトラブルは管理の問題とされています。
将来的に管理の問題が出やすいマンションの例としては、管理組合の財務状況が悪い、管理費や修繕積立金の滞納額が多い、長期修繕計画が作成されていない、管理形態が自主管理のマンションなどが挙げられます。
これらは、管理組合の総会議事録などで分かることもあります。
そのようなマンションは将来的に修繕積立金が高騰したり、根拠のない高額な一時金を請求されるリスクがあるため、そうした問題が出る前に売却を検討することをおすすめします。
競合となる中古マンションと売り出し時期をずらす
6つめは、競合となる中古マンションと売り出し時期をずらすことです。
例えば、同じマンション内で同時期に他の住戸が販売されている場合、競合する物件の価格の方が安ければ売れづらくなるといえます。
なぜなら、立地条件が同じである同一物件は住戸単体でのアピールが難しく、単純に価格のみで比較されやすいからです。
そのため、競合物件が売れた後のタイミングで売り出すなど、売り出し時期が被らないように調整することで売れやすくなる可能性があります。
最終手段としての買取業者
7つめは、買取業者に依頼することです。
こちらは、上記の解決策を講じても難しい場合の最後の手段といえます。
買取は、相続や転勤など急を要する事情により「多少安くても良いので早く手放したい」という場合に適しています。
買取の場合は不動産会社が直接購入するためすぐに現金化でき、内覧に対応する手間もかかりません。
また、契約不適合責任を負わないとする特約を設けることも多いため、その場合は契約後に何らかの不具合が発生するリスクがないというメリットがあります。
デメリットとしては、仲介で売却する場合に比べると、売却価格が安い傾向にある点です。
また、実際に買い取ってもらえるかどうかは物件によります。不動産業者が買い取る理由としてはリノベーション再販が多いため、再販需要が見込めない物件は難しいでしょう。
ずっと売れない中古マンションの抜本的失敗は売り出し戦略のミス
ここまで、ずっと売れない中古マンションの特徴とその解決策7つを解説しましたが、「ずっと売れない」原因は売り出し戦略のミスである場合が大きいといえます。
売り出す際には、主に以下の3点について注意が必要です。
売り出し価格は、相場や個別性を慎重に判断
売り出し価格は、相場や個別性により慎重に判断しましょう。
売り出し価格は売却の可否に大きく左右します。
売り出す際の相場や不動産の個別性を見極め、適切な売り出し価格を設定することで、売れにくい不動産でも広告掲載後すぐに売れるケースもあります。
一般的に広告掲載後すぐの反響が最も期待できることからも、売り出し価格の設定は重要といえます。
なお、売り出し価格は売主ではなく、一般的には依頼する業者や担当者が相場や個別性を判断して設定するため、業者や担当者選びが重要ともいえるでしょう。
詳しくは、この後の項目で解説しています。
一括指定サイトの高額査定には注意が必要
不動産業者に査定を取る際は一括査定サイトを利用する方も多いかと思います。
売り出し価格や相場の妥当性を判断するには、複数社から査定を取ることが推奨されることから、一括査定サイトの利用自体は問題ありません。
しかし、高額査定には注意が必要といえます。
一括査定を取ると、稀に明らかに高額な査定が届くことがあります。
その場合、単に媒介の取得だけを目的としている可能性があり、高く売れた方が嬉しいと思う人間の心理を悪用したものです。
売る側としては、少しでも高い方が嬉しいですし、そのような心理を利用して巧妙な甘い言葉をかけてきますが、実際の売却相場をご自身でもよく調べて、あまりにも高額な査定をしてくる不動産業者には注意するようにしましょう。
自社の利益だけ追求する業者を選ばない
不動産業界には残念ながら、自社の利益だけを追求する業者も多く存在します。
そういった業者は内覧時に判断できることがあります。
具体的には、内覧の際は媒介業者が買主候補の方を案内しますが、買主側の業者ではなく、売主側の業者ばかりが案内している場合、先述した囲い込みをしている可能性が高いでしょう。
つまり、売主・買主双方からの仲介手数料の受領を目的としており、自社の利益だけを追求しているといえます。
囲い込みをしている場合、他の業者から内覧の依頼があっても「売主の都合が悪い」などといって断るため、せっかくの売却のチャンスを逃すことになります。
囲い込みが疑われる場合、業者や担当者を見直した方がよいといえるでしょう。
またレインズに掲載されているかどうかも、しっかり確認するようにしましょう。
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http://www.reins.or.jp/pdf/info/gaiyo/annaisho.pdf
www.reins.or.jp
中古マンションの成功の可否は担当者によって決まる
中古マンションの売却に成功するか否かは、担当者によるところが大きいといえます。
特に、先述した「ずっと売れない中古マンション」の特徴に当てはまるような物件ほど、担当者の腕が成功の鍵を握っているといっても過言ではありません。
なお、大手の業者といって担当者が優秀とは限りません。
担当者1人1人には能力の差があり、新人の担当者がつく可能性もあるためです。
また、大手の業者は知名度ゆえに購入や売却の依頼が多く、支店ごとに課せられたノルマもあります。
その分、営業効率を重視する傾向があるため、売れやすい物件ではないと判断された場合、優先順位を下げられて対応が雑になるというケースも見受けられます。
一度優先順位が下がってしまうと、売れるまでに時間を要することにつながります。
もし、対応が雑だと感じた場合は、業者や担当者を見直した方がよいでしょう。
大手の業者でなくとも売主のことを一番に考え、売却のために奔走してくれる担当者は必ずいます。
なお、信頼できる担当者の見極め方は以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
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最悪の場合、自社や担当者の利益のみを考え、強引に契約を進めることで大きなトラブルに発展する可能性もあるでしょう。
しかし、担当者の善し悪しを一般の売主が見破ることは非常に難しいものです。
そこで、当社では担当者(不動産エージェント)を探すことのできる唯一のプラットフォームを運営しています。
当社の理念に賛同し、一定の業務経験のコンサルティングができる質の高い担当者のみ、面談を経て掲載をしています。
なお、エージェントを活用してかかる費用は、住宅売却時に不動産エージェントに支払う仲介手数料のみとなっており、その他の費用は一切かかりません。
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