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東京の湾岸エリアのタワマンって本当に買いなの?

ここ最近、東京都の中でも特異なマーケットを形成してきているエリアがあります。

それが湾岸エリアです。

湾岸エリアとは、中央区・江東区・港区・品川区の湾岸部で構成されるエリアのことで、主に東京湾の埋立地で構成されるエリアです。

ここ最近の値上がり率が、湾岸エリアが結構えげつないことになっています。

東京都内の格差

東京都は、他の主要エリアが踊り場を迎えているような状況においても、そんなのどこ吹く風な状態で、上昇を続けています。

しかし東京都全体で上がっているように見えても、実は東京都内でも格差が出てきています。

例えば、東京都の成約単価の推移は、2023年9月に 94.12万円/㎡ であったものが、2024年の9月には 104.64万円/㎡ まで上昇しています。

この間の上昇率は、約111%にもなります。

一方で、中央区を含む都心3区(千代田区・中央区・港区)では、2023年9月に 153.02万円/㎡ であったものが、2024年の9月には 185.27万円/㎡ まで上昇しています。

この間の上昇率は、約121%にもなります。

また江東区を含む城東エリア(台東区、江東区、江戸川区、墨田区、葛飾区、足立区、荒川区)では、2023年9月に 80.34万円/㎡ であったものが、2024年の9月には 89.98万円/㎡ まで上昇しています。

この間の上昇率は、約112%にもなります。

城東エリアについては、東京都と同じように感じるかもしれませんが、おそらく江東区がかなり数値を引っ張っているのではないかというのが、私の取引をしている上での実感覚です。

おそらく、江東区のみに限って言えば、中央区を含む都心3区とほぼ同じような上昇率ではないかと思います。

なぜ湾岸エリアがここまで相場が上がっているのか

「いや、もう上がりすぎでしょ」という溜め息混じりのツッコミが入りそうな相場ですが、そもそもなぜこのような状況になっているのか?

考えれられる理由は、主に7つあります。

大規模マンションが次々に

まず一つ目の理由が、「晴海フラッグ」や「パークタワー勝どき」などを始めたとして、超大型新築マンション・タワーマンションの大量供給です。

それに伴い。再開発も行われ、投機の対象となっている側面もあり、相場の上昇要因となりました。

人口が増加している

そして、次の要因は人口動態です。

日本は人口減少が深刻の状況となっていますが、東京都はそんな中にあっても人口が増え続けている都市です。

また東京都の中でも、例えば中央区の人口推移を見てみましょう。

2024年から10年で1.5倍近く人口が増えています。

特筆すべきなのは、生産年齢人口(15〜64歳)の増加と、全人口における比率です。

人口動態予測と、不動産相場は強い相関性がありますので、人口が増えるということは、相場が上がるということになります。

広さなどにゆとりがある

なぜここまで生産年齢の人が集まっているのか。

それは、東京駅や新橋などのオフィス街へのアクセスがよく、さらに都心部と比較して、部屋が広いことも挙げられるのではないでしょうか。

特に子育て世代にとっては、部屋の広さは重要な要素の一つになります。

同じ広さのマンションでも都心部と比較すると安価で、尚且つ職場へのアクセスが良いというのも、人気が出ているポイントでしょう。

シービューの人気の根強さ

また湾岸エリアという名称にもその人気は伺えます。

埋立地としての歴史も1930年代頃からで、元々は工業地帯であったところが開発されてきたことで、街並みにが新しく、ごちゃごちゃとした感じがなく、スッキリとしています。

またマンションの敷地が広いということもあり、都心部のマンションと比較しても眺望が良いものが多く、特にシービューの部屋ともなると、人気はかなり高く、値段にも反映されています。

実際に都心でありながら、自然に触れながら暮らすことができるというのも人気が出る理由の一つです。

駐車場が確保しやすい

その他にも、マニアックな理由かもしれませんが、駐車場が確保しやすいという理由もあります。

実際私は、どちらかといえば都心部のマンションで暮らしており、自動車も保有しておりますが、通常よりも大きいサイズのおかげで、自宅マンションにはサイズ的に諦め、近くの機械式駐車場をやっとの思いで探して借りています。

都心部ではかなり制限のある自動車サイズも、湾岸エリアのマンションでは悩むことも少ないと聞きます。

実際車好きは、湾岸エリアによく住んでいると聞きます。

投資マネーが流入している

このような様々な要因と、世界的な金余り、そして円安などの要因によって、日本の投資家だけでなく、世界中から投資マネーが流入しています。

それらの投資マネーも、相場を押し上げている大きな要因です。

物件流通量が減っている

湾岸エリアの人気度・人口流入による需要・投資マネーなどが原因で、市場に出回っているマンションは2024年になってから供給不足が顕著になってきています。

そして需給バランスの結果、さらにマンション相場が上昇している。

これが今の湾岸エリアが東京都内でも有数の相場上昇エリアとして市場を牽引しているカラクリです。

実際、投資としてどうなの?

そもそもこの記事を書くきっかけになったのは、この動画を見たことがきっかけです。

パークタワー勝どきのタイアップ動画のように見受けられるのですが、色々思うところがありました。

二つのタワーで約2,800戸にも及ぶ超大規模マンションで、新築の部屋で現時点でのSUUMOの情報を確認すると、47平米の1LDKの部屋で1億3,000万円。

70平米を超える部屋となると、2億円を超え、2億2,500万円とかなりお高め。

動画を見る限り、室内は至って普通で、中央区アドレスとはいえ、かなりお高いなという印象です。

しかも件の動画では、このエリアは1年で30%ほど値上がりしていて、「住みながら投資」なんて謳い文句まで飛び交っています。

「住みながら投資」という考え方自体は賛成ではあるものの、投資としてはどうなのかなと思います。

おそらく、5年10年と経ってくるごとに売り物件が増えてくるでしょうし、晴海フラッグなど周辺のマンションも同じ時期に多数売りに出てきます。

これだけの戸数が一斉に売りに回った時の市況を想像してみてください。

今とも様相が一変する可能性もあります。

今は円安で世界経済も安定しているものの、いつまでもこのまま安泰ということはありませんので、短期的な調整は何らかの形で入る可能性は高いですし、他にも修繕積立金の値上げや、災害リスクなど、私からすると結構ハイリスクな気がしてなりません。

確かにここ数年の相場上昇には、目を見張るものがありますが、この状況がもうあと数年も続くかと言われると流石にそうはならないような気がします。

また急激に上がったということは、言い方を変えると下がる時もガッツリ下がりますので、甘いセールストークに惑わされえず、ご自身でもしっかり調べて慎重に判断した方がいいような状況ではないかなと思っています。

ただし、物件そのものを否定するつもりはなく、人によっては住んでいる時の価値も高いと思います。

私もパークタワー勝どきなんかは、住んでみたいなと思いますが、私であれば賃貸で住むかな。

P.S

ちなみに今の状況って、2024年10月に大幅下落をしたビットコインの状況に似ている気がしなくもありません。

みんなが儲かる儲かるとなって買いが集まってきた時に、ドカンと下落するというパターンです。

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