マンションを売却する際、内覧は購入者に物件の良さを直接アピールできる絶好の機会です。
しかし、適切な準備ができていないと、せっかくの内覧が成約につながらない可能性も。
実際、私も売り買いを合わせると、年間100件以上の内覧をしていますが、パッと室内を見た時の印象で、「この部屋は早く決まりそうだな」とか「この部屋は苦労しそうだな」と直感的に分かります。
そこで今回は、これまでの経験をもとに、マンションの売却を成功させるための内覧準備の具体的なコツを10選紹介します。
この記事では、主に現在のマンションに住みながら売却をするケースに限定して解説します。
これからマンションの売却をお考えの方は、ぜひ最後までご一読ください。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの不動産売買希望者の相談があり、実際の売買もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は15年以上。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅売買に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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内覧準備がマンション売却成功に与える影響
内覧時の印象は、あなたが思っている以上に購入者にとって大きな影響を及ぼします。
実際、購入者が実際に購入するかどうかは、「最初の3秒で決まる」と言われているほどです。
だからこそ、内覧に合わせて、きちんと準備を行い、清潔感や広さを強調することで、購入希望者に良い印象を与え、成約につながる可能性が高まります。
逆に、準備不足だと内覧者が物件に興味を失う恐れもあるため、事前準備は欠かせません。
マンション売却を成功させるための内覧準備のコツ10選
それでは、実際にマンションの売却時の内覧に、どんな準備をしておくと良いのでしょうか。
マンション売却を成功に導くための内覧準備を解説していきます。
1. 第一印象を決める玄関の整理整頓
玄関は訪問者に最初の印象を与える「家の顔」と言われる場所です。
購入希望者が真っ先に目にするため、特に玄関の清掃は入念に行いましょう。
床やドア、ドアノブ、照明なども含め、汚れや埃をしっかり取り除いておくことが重要です。
また、靴や傘などが乱雑に置かれていると、玄関が狭く見えるため、必要最低限のもの以外は片付けましょう。
また、玄関マットを清潔にしておくことも大切です。
もうワンランク上の提案として、見せ方にもこだわってみましょう。
例えば、小さな観葉植物や香りの良いアロマディフューザーを置くのも効果的です。
2. 部屋全体の徹底清掃
部屋全体の掃除は、隅々まで行いましょう。特に、ホコリが溜まりやすい場所や目立つ汚れは見逃されがちです。さらに、窓や床もピカピカにしておくと、部屋全体が明るく見えます。
3. 生活感をなくし、広さを強調する
内覧者が物件の広さを感じられるよう、個人的な物は全て片付け、家具の配置もシンプルにしましょう。
内覧者は部屋の広さや使いやすさを確認するため、部屋全体がすっきりと見えることが重要です。
家具の配置を調整し、物が少ない状態を保つことで、広く見せることができます。
例えば、部屋の中央にはできるだけ物を置かず、スペースを最大限に使うことで広く感じさせることが可能です。
4. 不要なものを事前に処分する
引っ越し時に不要なものは、内覧前に思い切って処分しておきましょう。
物が少なくなることで、部屋全体がすっきりとし、内覧者が自由に歩き回れるようになります。
また本や個人的な趣味の飾りも、内覧者がそちらに意識が行ってしまうので、可能であれば片付けてしまった方が良いでしょう。
5. におい対策を徹底する
ペットや料理の匂いは、内覧者にとって大きなマイナスです。
内覧前に窓を開けてしっかりと換気をし、消臭剤やアロマディフューザーを使用して、清潔感のある空気を作りましょう。
6. 収納スペースを整理整頓
収納スペースは、内覧者が「実際の生活」をイメージする重要な場所です。
中身が詰まりすぎていると収納力が乏しく見えるため、整理整頓を徹底し、適度にスペースを空けることがポイントです。
7. 水回りの徹底清掃
キッチン、バスルーム、トイレの水回りは、特に念入りに掃除しましょう。
カビや水垢を取り除き、蛇口の光沢を出すことで、清潔感と管理の良さをアピールできます。
8. バルコニーの清掃と眺望のアピール
バルコニーは、内覧者が物件の「外の魅力」を感じる場所です。
清掃を行い、景色が良ければカーテンを開けて強調しましょう。
観葉植物を置くと、さらに爽やかな印象を与えることができます。
内覧当日のチェックポイント
次に、実際に内覧者が自宅に来るときに、気をつけて起きたいポイントについて解説します。
9. 照明と自然光を最大限に活用する
明るい部屋は内覧者に好印象を与えます。
カーテンを開けて自然光を取り入れ、照明も全て点灯して、部屋全体が明るくなるように演出しましょう。
特に、曇りや雨の日は照明を効果的に使うことが重要です。
10. スリッパやコート掛けを用意しておもてなし
内覧者に快適に物件を見てもらうため、スリッパやコート掛けを準備しておきましょう。
小さな心遣いが、物件全体の印象を高めるポイントになります。
内覧者から聞かれる質問への対応
購入者にとって、長らくマンションに住んできた売主は情報の宝庫です。
色々聞かれることがありますが、基本的には質問にそのまま回答すれば問題ありません。
ただし、実際内覧をしている中で感じた注意点についても解説しておきます。
正直な対応を心掛ける
物件の欠点を隠さず、正直に答えることが信頼につながります。
万が一、後で問題が発覚すると内覧者の信頼を失ったり、最悪の場合、トラブルにもなりかねないので、誠実な対応を心がけましょう。
メリットを説明するのはもちろん、デメリットも説明した方が内覧者は安心することが多いです。
管理組合の健全性をアピールする
マンションの場合、管理組合がしっかり機能していることは安心材料です。
積立金や修繕計画など、管理の良さを伝えると購入者に安心感を与えられます。
また管理組合の話をすると、「管理組合の活動がめんどくさいと思われるのではないか」と考え、管理組合の活動の楽な面ばかり伝えようとする方もいますが、基本的に組合の活動が活発であれば、それはメリットの面もあります。
管理組合の活動や話し合いが活発なマンションは、総じて管理が良くなることが多く、管理組合やお金事情の健全性のアピールになります。
売り急いでいる印象を与えない
「早く売りたい」と内覧者に感じさせると、価格交渉で不利になることがあります。
余裕を持った態度で接し、内覧者にリラックスしてもらいましょう。
よくある質問
最後に、マンション売却のお手伝いをする中で、よくある質問について、ご紹介します。
内覧は何回くらいありますか?
売却までの内覧の回数は物件によってピンキリです。
売り出し価格の妥当性や、マンションのポテンシャルから問い合わせが多いものの、室内の雰囲気から、購入の申し込みが入りにくくなっている状況であれば、内覧の回数は多くなります。
あまり頻繁に内覧をすることが、時間的な理由で気になる方は、不動産業者の担当者に、ある程度日々を固めてもらったり、購入希望者のスクーリングをかけて、本気度やローンの問題がなさそうな人に限定することもできます。
物件の魅力や売り出し価格によって、戦略の立て方も変わりますので、担当者と良く打ち合わせをするようにしましょう。
もし内覧の依頼自体が少ない時は、売り出し価格に問題があるか、マンションそのものに需要が少ないか、不動産業者が囲い込みをしているかが考えられます。
どのパターンに当てはまるのか慎重に判断しましょう。
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内覧には立ち会うべきですか?
立ち会いは必須ではありませんが、内覧者の質問にすぐ答えられるので、立ち会うことをおすすめします。
また室内に貴重品などもあると思いますので、立ち会った方がいいと思います。
内覧者への室内の説明などは、話に自信があればご自身でしてしまっても構いません。
この辺りは人によって様々ですので、事前に不動産業者の担当者と打ち合わせをするようにしてください。
子供がいる場合は、どうしたらいいですか?
小さなお子様であれば、在宅でも問題ありませんが、可能であれば、内覧時には、可能であれば子供を外出させるか、静かな環境を保つよう工夫しましょう。
ペットがいる場合は、どうしたらいいですか?
ペットの匂いや毛は、内覧者にとってネガティブに感じられることがあります。
特に他人が入ってくると、よく鳴いたりするようなワンちゃんは、声がうるさくて話に集中できない場合もあります。
ペットは別の場所に預けるか、内覧者に見えないようにして、掃除も入念に行いましょう。
洗濯物は干さない方がいい?
洗濯物が干してあると生活感が出てしまうので、内覧時には片付け、すっきりとした印象を保つことが大切です。
マンション売却を成功に導く内覧準備のポイント
マンションを売り出した際の売却の成否は、内覧時の準備にかかっています。
内覧者に物件の魅力を最大限に伝えるため、事前準備を徹底しましょう。
掃除や整理整頓、照明の活用など、細かい工夫が成約のカギとなります。
その他のマンション売却時のポイントなどは、以下の記事も合わせてご参照いただくと、より理解が深まると思います。
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https://houseclouver.jp/sale/mashion-baikyaku-nagare/
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