「マンションって結局、何階のどの部屋を選べばいいの?」——中古マンションを探し始めると、多くの方がこの疑問にぶつかります。
なんとなく「南向き・高層階・角部屋」が正解だと思っている方も多いのではないでしょうか。確かに人気条件としてはその通りです。でも、人気があることと、実際に住みやすいことは、実はイコールではありません。
不動産業界で15年以上、数多くのマンションを見てきた私(宮田)が自信を持っておすすめするのは、前面が抜けた4階〜8階の東〜東南向きです。
この記事では、人気条件の落とし穴と、本当に住みやすい部屋の選び方を詳しく解説していきます。
時間がない人向け:要点解説
- 人気条件と住みやすさは別物 — 南向き・高層階・角部屋は人気だが、住んでみると不便な点も多い
- おすすめは前面が抜けた4〜8階の東〜東南向き — 朝の光・温度・防犯・災害対策のバランスが最も良い
- 角部屋より中部屋の方が住みやすいケースが多い — 家具配置のしやすさ、光熱費の安さ、住宅ローン減税のメリットも
- 向きよりも「前面が抜けているか」が重要 — いくら南向きでも目の前に建物があれば意味がない
- 予算を抑えつつ住みやすさも手に入る — 人気条件を外すことで1〜2割安くなることもある
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「南向き・高層階・角部屋」が正解とは限らない理由
マンション選びで多くの方が重視するのが、南向き・高層階・角部屋という3つの条件です。
人気の理由はシンプルで、日当たりが良い、眺望が良い、開放感がある、風通しが良い、希少性があるから資産価値が高い、というものです。実際、物件情報サイトで見ても見栄えが良いですし、売るときにも評価されやすい条件ではあります。
ただ、だからといって「この条件なら無条件で正解」と思考停止してしまうと、住んでから「思っていたのと違った」という後悔につながることがあります。
人気だから自分にも合う。この考え方は、実は危険です。
おすすめの向きは「東〜東南向き」
朝の光で生活リズムが整う
東〜東南向きの最大のメリットは、朝の光が自然に入ることです。朝日を浴びて目が覚め、1日のリズムがスタートする。この心地よさは、実際に住んでみると大きな価値だと実感します。
南向き・西向きほど暑くならない
南向きや西向きに比べると、日の入り方がマイルドです。特に最近の夏は異常な暑さが続いていますから、午後から夕方にかけて部屋が灼熱になるというストレスが少ないのは大きなメリットです。
実際、私は東南向きの18階に住んでいますが、夏にカーテンを閉めずに過ごしていたら、MacBookのトラックパッドが熱で反応しなくなったことがあります。東南向きですらこれですから、南向きの高層階だったらどうなるか——想像がつくのではないでしょうか。
タワーマンション高層階の南向きの部屋が、夏場に売りに出る件数が増えるという話は、不動産業者の間ではよく聞く話です。住んでみて初めてわかる暑さの問題は、見落とされがちなポイントです。
マンションは何階がおすすめ?「4〜8階」がベストな理由
低すぎる階のリスク
1階〜2階は以下のようなデメリットがあります。
- 外からの視線が気になる
- 防犯面で不安がある
- 虫が入りやすい
- 浸水リスクがある
- 湿気が気になりやすい
高すぎる階のリスク
逆に高層階になると、別の問題が出てきます。
- エレベーターが止まったとき、部屋に戻れない
- 風が地上より強く感じる
- 忘れ物をしたときの往復が非常に面倒
- 直射日光で想像以上に暑い
- 電波が悪くなることがある
私は18階に住んでいますが、共用部の電気点検でエレベーターが止まったとき、階段で登ったことがあります。10階あたりで足が生まれたての子鹿のようになり、一度休憩を挟まないと登りきれませんでした。震災や停電のことを考えると、高すぎる階は日常生活にリスクを抱えることになります。
4〜8階がちょうどいい理由
4〜8階は、低層階のデメリットを回避しつつ、高層階のリスクも避けられるバランスの良い階数です。
- 視線や防犯の心配が少ない
- 前面が抜けていれば十分な眺望と日当たりが得られる
- エレベーターが止まっても、ギリギリ階段で登れる
- 暑さや風の影響が比較的穏やか
南向きを選ぶならここに注意
南向き自体が悪いわけではありません。以下のようなニーズがある方には、南向きも十分選択肢になります。
- 冬場の暖かさを重視したい
- 洗濯物をしっかり乾かしたい
- 日当たりの良さを最優先にしたい
ただし、いくら南向きでも目の前に建物が被さっていたら意味がありません。向きよりも重要なのは「前面が抜けているかどうか」です。
逆に言えば、東向きや北向きでも、前面の眺望が良く開放感がある部屋であれば、新築時の価格が安かった分、中古で見直しが入ってお得に購入できるケースもあります。
角部屋vs中部屋 — 実は中部屋の方が住みやすい
角部屋の魅力と落とし穴
角部屋は1棟あたりの数が限られるため、希少性があり、資産価値の面では有利です。2面採光で明るく、風が抜けやすく、開放感もあります。
しかし、実際に住むと意外な問題が出てきます。それが家具の配置です。
角部屋は窓が多い分、壁面が少なくなります。家具は基本的に壁につけて配置するものですから、窓が多いと「テレビをどこに置こう」「ソファーの配置に困る」「棚を置く場所がない」といった問題が起きやすくなります。
テレビの後ろに窓がある配置になってしまい、逆光でテレビが見にくい。これは角部屋に住んだことがある方なら、心当たりがあるのではないでしょうか。
中部屋の隠れたメリット
中部屋は地味な印象があるかもしれませんが、住みやすさという点では優れた面がいくつもあります。
家具の配置がしやすい
窓が少ない分、壁面が長く確保できます。ソファー、ベッド、テレビボード、棚など、基本的な家具を無理なく配置できます。
光熱費が安くなりやすい
中部屋は両隣が他の住戸で囲まれているため、外気の影響を受けにくい構造です。夏は比較的涼しく、冬は暖かい。つまりエコ性能が高いということです。
住宅ローン減税で有利になる可能性がある
これはプロでもほとんど知らない話ですが、中古マンションの住宅ローン減税は通常2,000万円が控除限度額です。しかし、省エネ基準適合住宅になると3,000万円に上がります。
住宅性能評価書を取得していなくても、中部屋という条件があるだけで省エネ基準の適合証明書が取得しやすくなります。これにより、戻ってくる金額が最大70万円変わる可能性があります。
担当者にこの知識がないと、そのままスルーされてしまうケースもあるため、覚えておいて損はありません。
プロがおすすめする部屋の組み合わせランキング
第1位 前面が抜けた4〜8階・東〜東南向き
明るさ、温度、防犯面、災害時の対応、家具配置——すべてのバランスが最も良い組み合わせです。暮らしやすさを最優先に考えるなら、この条件を軸に探すことをおすすめします。
第2位 前面が抜けた4〜8階・南向き
冬場の暖かさや日当たりを重視する方には、南向きも良い選択肢です。ただし、夏場の暑さ対策は必要になります。
第3位 2〜5階・東または南の中部屋(予算重視)
予算をなるべく抑えたい方におすすめの組み合わせです。角部屋や高層階の部屋と比べると価格が安く収まりますが、住みやすさが大きく損なわれることはありません。
価格差の目安
マンションによって異なりますが、たとえば10階建てマンションの場合、最上階・角部屋・南向きの部屋が1億円だとすると、4〜8階の中部屋であれば1〜2割ほど安くなる傾向があります。タワーマンションになるほど、この差はさらに大きくなります。
人気条件を外すことで予算を抑えつつ、住みやすさも手に入る——これがプロの選び方です。
まとめ
・マンションの人気条件(南向き・高層階・角部屋)と住みやすさはイコールではない
・おすすめは前面が抜けた4〜8階の東〜東南向き。暮らしやすさのバランスが最も良い
・中部屋は家具配置、光熱費、住宅ローン減税の面で隠れたメリットがある
・向きよりも「前面が抜けているか」が重要。目の前に建物があれば南向きでも意味がない
・人気条件を外すことで1〜2割安くなることもある。スペック重視と住みやすさ重視は分けて考えることが大切
マンション選びで「何階がいいのか」「どの向きがいいのか」は気になるポイントです。でも、人気だから正解とは限りません。実際に毎日暮らすことを想像しながら、自分にとって本当に住みやすい部屋を選んでいただければと思います。
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