「不動産屋に行ったら、希望していない物件を強引に勧められた」
「こちらの話をあまり聞いてくれず、とにかく契約を急かされる」
「質問をしても、的を得た回答が返ってこない」
家探しにおいて、不動産の営業マンに対する、このような不満や不安の声を耳にすることは少なくありません。「不動産屋は信用できない」「営業マンの質が悪い」というイメージは、なぜこれほどまでに根強く残っているのでしょうか。
私は不動産業界に15年以上身を置き、これまで数多くの経験を積んできました。そして今もなお、私に相談をしてきてくれるお客様の中には、他の不動産屋の経験として、冒頭のようなお話を聞きます。
これまで経験から断言できるのは、この問題は「たまたま態度の悪い営業マンに当たった」という個人のモラルの問題だけではない、ということです。
日本の不動産業界には、担当者が「顧客第一」で動くことを阻害する、根深い構造的な欠陥が存在しています。この記事では、家を買う前に絶対に知っておくべき「不動産業界の裏側」と、失敗しないためのポイントについて解説します。
「両手仲介」が生み出す利益相反と囲い込み
最大の要因は、不動産業界特有の「両手仲介」という仕組みです。
日本の法律では、ひとつの不動産会社が売主と買主の両方から仲介手数料を受け取ることが認められています。自社で買主を見つければ、利益は単純に2倍になります。
すると何が起きるか。「他の不動産会社からの問い合わせを拒否し、自社の顧客だけで契約をまとめようとする(囲い込み)」という行為が横行しやすくなります。
この構造下では、「お客様にとって一番良い物件」よりも、「自社が両手で儲かる物件」へ誘導するインセンティブが強く働いてしまうのです。
ノルマ第一の「売り切り」ビジネスモデル
不動産営業マンの多くは、依然として厳しい歩合制や毎月のノルマに縛られています。
本来、家探しは数ヶ月、時には年単位でじっくり行うものですが、営業マンには「今月の数字」が求められます。
そのため、顧客のペースに合わせた丁寧なコンサルティングよりも、手っ取り早く契約を取るためのプッシュ型営業や、都合の悪い情報を隠してでも売り切るスタイルが評価されやすいバックグラウンドが醸成されています。
圧倒的な「情報の非対称性」
今の時代、ネットで物件情報を検索できるようになりましたが、不動産市場の根幹を支える「REINS(レインズ)」という物件共有システムは、原則として不動産業者しかアクセスできません。
消費者が市場全体を透明性を持って見渡すことができないため、「本当にこの価格は適正なのか」「他にもっと良い物件があるのではないか」を自分で検証するハードルが非常に高く、業者側の情報優位性は変わりません。
購入後の「見えないリスク」を軽視する風潮
不動産取引が「売ったら終わり」のビジネスモデルであるため、多くの営業マンは購入後のランニングコストや資産価値の維持に対する意識が希薄です。
例えばマンションの場合、建物の資産価値を左右するのは「管理組合の財務状況」です。
しかし、将来的な「修繕積立金」の不足リスクや、現在の管理状況まで徹底的に調査し、ネガティブな情報も含めて提案できる営業マンは、実は極めて少数です。
目先のローン審査には熱心でも、10年後、20年後の家計を脅かすリスクについては「専門外」とばかりにスルーされてしまうのが現実です。
消費者はどうやって身を守ればいいのか?
業界の構造がすぐに変わることはありません。しかし、知識を持つことで、自分自身の利益を守ることは十分に可能です。
家探しで失敗しないための最大の鉄則は、「物件」を探す前に、まずはあなたの代理人(エージェント)として動いてくれる「信頼できる担当者」を探すことです。
信頼できる担当者を見極めるポイント
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物件のメリットだけでなく、欠点や将来のリスクを先回りして伝えてくれるか。
- ライフプランから、予算や希望する物件を一緒に考えてくれるか
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目の前のローン返済額だけでなく、将来の修繕積立金の増額リスクなども見越した、長期的な資金計画をアドバイスしてくれるか。
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「売りたい物件」ではなく、市場全体からフラットに物件を提案してくれるか。
- 時には、買わない方がいい物件を「買わない方がいい」と止めてくれるか。
- こちらの質問にも面倒くさがらずに答えてくれるか、調べてくれるか。
- とにかく契約を急かしてこないか
不動産は一生に一度の大きな買い物です。だからこそ、業界の都合で動くのではなく、本当の意味で顧客の利益を第一に考え、将来の資産価値や見えないリスクまでしっかり調査する仕組みが必要です。
物件は誰からも買えますが、誰からでも「安心」は買えるわけではありません。
こうした業界の構造的な課題を解決し、誰もが安心して家探しができる環境を作りたい。その思いから、私は「ハウスクローバー」というサービスを立ち上げました。
「担当者ガチャ」に怯えることなく、心から信頼できる不動産エージェントと出会い、後悔のない家づくりを進めたい方は、ぜひ一度ハウスクローバーを覗いてみてください。
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