この記事は、Youtube動画の解説記事になります。
動画でお伝えし切れなかったことや、補足も含め、より詳しく解説します。
相場が大きく上昇しているのは東京都
現在、都心部を中心に相場が上昇しておりますが、都市圏ごとに見ると少し様子は変わります。

こちらのグラフは、レインズのデータから成約平米単価の推移を示したものです。
2012年から比較すると、どこの都市圏も上昇はしていますが、ここ1〜2年を見ると、上昇しているのは東京都のみで、大阪や愛知県についてはほぼ横ばいになっています。
このような市況の中、2026年の中古マンション市場がどうなるのか、様々な予測をするのに役立つ指標を紹介しながら解説していきます。
中古マンション相場を形成する7つの要因
まず元も子もないことを言いますが、相場についてはあくまで結果論です。
正確に予測することはできません。
ただし、中古マンション相場に影響を与えている要因を知ることで、ご自身でもある程度予測はできるようになります。
そこで相場を推測することに役立つ、中古マンション相場を形成する7つの要因について解説していきます。
①住宅ローン金利
住宅ローン金利と中古マンション相場については、密接な関係があります。
住宅ローン金利が上がれば相場は下がり、金利が下がれば相場は上がります。


上のイラストにもあるように、毎月支払うことができる返済額が変わらないとすると、金利が上がれば、支払の利息分の内訳が増え、物件価格に回る元本が減りますので、相場は下がるというメカニズムです。
一方で金利が下がれば、元本(物件価格)に回せる金額が増えるので、相場は上がります。
2012年以降、相場が大きく上昇した要因に、日銀による金融緩和によって、金利が大きく下がったことが大きいと言われています。
そして2025年12月の日銀会合では、0.5%から0.75%に利上げがされました。
本来であれば、ここで相場は下がる方向に向かいますが、現在のところ、そのような傾向はまだ見られません。
②所得
次の指標は「所得」になります。
日銀は金利を上げる際に気にしていたのが、物価と所得です。
物価が上がればセオリーとして、金利を上げますが、人々の所得が追いついていないと、逆に景気が悪くなってしまうからです。

日銀は、春闘で企業のベースアップを確認してマイナス金利政策をやめ、金利を上げ始めていきました。
しかし、インフレ率の方が高く、表面的な所得は増えていても、実質所得は長らく減少を続けているのが実際のところです。
③景気
3つ目の指標が景気です。
景気が良くなれば、相場は上がりますし、悪くなれば下がります。
この指標については、割とシンプルですが、住宅不動産については「不景気に強い」と言われています。
なぜなら、景気が悪くなれば、景気刺激策として、住宅不動産に減税や補助金をつけることが多いからです。
住宅不動産が動くと、リフォーム業者や建築業者、外構工事業者、その他にも家具や家電の買い替え、引越し業者など、波及する効果が大きいと言われています。
2026年の住宅ローン減税で、中古住宅を中心に拡充されたのも、この景気対策の一環です。
住宅不動産が、どれだけ不景気に強いかがわかるデータがあります。

このグラフは、2008年に発生したリーマンショック前後の、中古マンション市場の動きになります。
赤枠がリーマンショックが発生した時期ですが、その後少し値段を下げる局面があったものの、1年ほどで元の水準に戻っています。
リーマンショック発生後、利下げや住宅ローン減税の拡充、住宅エコポイントといった補助金などが、矢継ぎ早に実施されたことが大きいです。
このように相場が下がる局面で、景気刺激策を行うことで、賃貸から人が流れてきて、相場を下支えをしたのです。
賃貸は相場が下がってもすぐに下がりません。毎年2年更新が一般的で、それまでは賃料が変わらないことから、賃貸よりも買った方が「得」と感じる人が増えることから、このような動きになります。
ただし、今回の中古マンション相場の上昇は、リーマンショック前よりも遥かに大きいので、下がるときは流石にもう少し下がるのではないかと思います。
④為替
4つ目の指標は為替です。
現在の日本は、各国の通貨に対して一人負けのような状態で、円が非常に安くなっています。
日本から見れば、中古マンション相場は上がっていますが、海外から見ると円が安くなっているので、非常にお値打ちな状況なのです。
11月くらいに、私のバンコクに住んでいる友人が日本に来た際に、いろいろ観光に行ったり、ご飯に行ったりしたのですが、終始「日本って安いね」と言っていました。
それくらい、海外から見た日本は安いのです。
そしてこの円安が海外の投資マネーを呼び込み、東京都の中古マンション相場を押し上げています。
金利を上げても円安は収まらず、日本としても非常に苦しい状況が続いています。
⑤物価
物価も、現在はインフレ傾向となっており、先ほどの為替とも大きく連動しています。
基本的にインフレの時は、不動産も上がります。
理由として、建材の値段が上がることにより、新築価格が上がるからです。
中古マンションは新築マンションの価格と強い相関性がありますので、インフレ時に相場が下がることはありません。
さらに日本では、材料費以外にも、建築現場の人手不足の問題も大きく、新築マンションの価格が下がる要素は乏しいです。
⑥政策
6つ目の指標が製作です。
政策は、先ほど解説した住宅ローン減税や補助金なども含まれますが、私が注目しているのは、外国人による不動産取得規制や、投資への規制です。
高市政権が誕生してから、外国人による不動産取得の実態調査が進められ、千代田区や、大手ディベロッパーにおいても、新築マンションの転売規制などを始めました。
今後、このような規制や政策がどこまで進むかは分かりませんが、実際にマーケットに影響が出てくるのには、時間がかかると思います。
しかし、ロンドンの高級住宅市場では、今の日本と同じように都心部の不動産相場の上昇が止まらず、税制の改悪や、外国人居住者への税制優遇を廃止するなどをして、相場が大きく崩れたという事例もあり、軽視はできない影響です。
また政策とは少し異なりますが、現在の中国との摩擦についても、実際に日本での中国人の購入が減っているという話も聞きますので、今後の国際情勢にも注意が必要かと思います。
⑦日経平均株価
マンション相場と大きく相関性があると言われているのが、7つ目の指標である、日経平均株価です。
現在のマンション市場は、投資マネーも多く流れてきているので、株価と似たような動きをします。
ここまで解説してきた6つの指標を見る限り、現在の中古マンション相場が下落するような感じはしませんが、私が唯一下がるきっかけになり得るのが、この株価です。
そして私が注目しているのが、日米のAIバブルの行方です。
株式市場では、AIバブルが囁かれていて、いつ調整が入るかという議論が活発にされています。
実際、アメリカの「S&P500」という、日本でいうところの日経平均のような指標がありますが、このS&P500のうち、時価総額の40%がAI関連銘柄の7社が占めていると言われています。
AI関連以外の493社の株価については、実はそこまで変わっていません。
日経平均においても、AI銘柄であるソフトバンク・アドバンテスト・東京エレクトロンの3社が、2025年初来から10月までの上昇幅11000円強のうち、3社の寄与度は71.26%にものぼると言われています。
つまりアメリカも日本も、株価の上昇分は大半がAI関連であることから、AIバブルが弾けたときに、株価全体がどのような影響を受けるかが、非常に注目されています。
AIバブルがいつ弾けるかも分かりませんし、そもそも弾けないかもしれませんが、今の市況を総合的に見ている限り、下がるきっかけになりそうなのは、このAIバブルの崩壊になるのではないかなと、個人的には予想しています。
2026年の中古マンション相場の行方は
最後に、2026年の中古マンション相場を予想したいと思います。
いろいろな指標を紹介しましたが、2026年も現在とそこまで大きく変わらないと予想しています。
しかしながら金利は、さらに上がる可能性が高く、海外の投資マネーはともかく、自分たちで住むために購入しようとしている人々にとって、ありがたい状況ではないことも確かです。
冒頭に申し上げましたが、相場は結果論でしかないので、いつ下落するかまで、正しく予測することはできません。
しかし、世の中の定理で、上がったものはいつか下がります。
下がる時に、なるべく投資マネーが入りにくい物件を狙っていくことなどを、戦略として考えておくことも、相場が下がって損をしないために必要な考え方ではないかなと思います。
ちなみに投資マネーの多くは、新築マンション、築浅マンション、タワーマンションに流れています。
エリアで言うと、都心6区などは特に多くの投資マネーが流入しているので、注意が必要になります。
今のご時世、住宅購入が難しい時期ではありますが、その中でも無理なく、納得のいく中古マンション購入をするためには、正しい判断を手助けしてくれる担当者の存在がますます増しているのではないでしょうか。
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