「中古マンションを買いたいけど、築何年くらいのものを選べばいいんだろう?」
これは営業の現場でも本当によく聞かれる質問です。築浅がいいのか、それとも少し古い方がお得なのか。正直、迷いますよね。
ただ、15年以上この業界にいて数多くのマンションを見てきた私(宮田)から言わせていただくと、「築年数」よりも「いつの時代に建てられたか」で判断した方が、圧倒的に正しい選択ができます。
この記事では、私が考えるおすすめの築年数TOP3と、逆に避けた方がいい築年数を、その理由とともにお伝えしていきます。
先に結論だけお伝えすると、こうなります。
・第1位:築15年前後(2009〜2013年築) — リーマンショック後の不況期に、良い立地×高品質で建てられた物件が多い
・第2位:築20〜25年(2001〜2006年築) — ITバブル崩壊後で建築コストが安く、品確法施行で性能も一気に向上した世代
・第3位:築35年前後(1989〜1991年築) — バブル期の豪華仕様。価格も下げ止まり、資産価値が安定
・避けるべきは、築44年以上(旧耐震)と築10年以内(2017年以降)
それでは、詳しく見ていきましょう。
この動画は、Youtubeでもご覧になれます。
そもそも、なぜ「築年数」だけで判断してはいけないのか
中古マンション選びで多くの方がやりがちなのが、「とにかく築浅ならいい」という考え方です。
気持ちはわかります。でも、マンションの品質や資産価値って、単純に新しい・古いでは決まらないんですよね。
私はよく「マンションは建てられた時代背景の鏡だ」という言い方をするんですが、その時代の景気、土地の相場、建築費、法改正——こうした要素が、マンションの品質を大きく左右しています。
だからこそ、「築何年か」よりも「どんな時代に建てられたか」を見る。この視点が大事なんです。
第3位:築35年前後(1989〜1991年築)
「え、築35年? 古くないですか?」
そう思いますよね。でも、この年代のマンションには明確な強みがあるんです。
バブル期の「豪華絢爛」な仕様
1989〜1991年は、日本がバブル景気に沸いていた時代です。この頃のマンションは、転売して売却益を上げることが目的で作られていたので、とにかく豪華なんです。
・部屋が広い
・建物のグレードが高い(今では考えられない仕様のものも)
・立地が良い物件が多い
業界では「バブル期のマンションは今後二度と作られないだろう」と言われるほどです。
管理の「答え合わせ」ができる
築35年というと、マンション管理で最もお金がかかるタイミング——2回目の大規模修繕工事、機械式駐車場の交換、エレベーターや給水管の更新——を、もうすでに超えています。
つまり、管理がうまくいっているかどうか、結果が出ているということ。これは大きな安心材料です。
さらに、この時代のマンションは均等積立方式(修繕積立金を長期間一定額で徴収する方式)が多かったので、最近ありがちな「修繕積立金が突然大幅に上がる」「一時金を請求される」といったトラブルが起きにくい傾向もあります。
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価格が下げ止まっている
データを見ても、築30〜35年あたりで価格の下げ止まりが確認できます。買った時と売った時の差が開きにくいので、結果として資産価値が高い。古くてもおすすめできる理由はここにあります。

ただし、注意点もあります
・内装はさすがに古いので、リフォーム前提で考える必要がある
・断熱性能は現在の基準に比べて低め
・突貫工事で建てられた物件も混在しているので、物件ごとの見極めが重要
第2位:築20〜25年(2001〜2006年築)
続いて第2位。この年代も、時代背景を知ると「なるほど」と思っていただけるはずです。
不況期だからこそ「良いものが安く」建てられた
2000年にITバブル(ドットコムバブル)が崩壊して、景気が悪化していた時代です。
不況期は土地も建築費も安くなります。さらに、景気が良い時はホテルやオフィスビルがマンション用地の競合になるんですが、不況期はその競合が弱い。だからマンションが良い立地を確保しやすかったんです。
結果として、比較的安いコストで、部屋が広くて作りもしっかりした物件が多く建てられました。
2000年の「品確法」がターニングポイント
もうひとつ見逃せないのが、2000年に施行された品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)です。この法律を境に、マンションの性能は一気に上がりました。
【品確法の前後で変わったこと】
バリアフリー :段差が多い → 段差が少ない
室内の配管 :室内にむき出し → 外に出す設計に
床の構造 :直床が多い → 二重床が普及
設備 :基本的なもの → 床暖房・宅配ボックスなど
私は2000年以降が「現代型マンション」の完成形だと考えています。ここ以降の物件は、住み心地という面でも大きく進化しているんですよね。
管理調査の精度が高い
この年代だと1回目の大規模修繕工事が終わっているので、過去の工事費の実績データが豊富にあります。管理の状態を調べる時の精度が高く、将来のリスクも見えやすい。安心して購入判断ができます。
【注意点】
・築25年ほどになると、室内にやや古さを感じることがある
・当時のトレンドで焦げ茶色の床やドアが多く、好みに合わなければリフォーム費用がかかる
第1位:築15年前後(2009〜2013年築)
そして第1位です。正直、2位とはかなり迷いました。
リーマンショック後——「最高の条件」が揃った時代
2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災。日本経済が大きく落ち込んでいた時期に建てられたマンションです。
「不況の時に建てたマンションって大丈夫なの?」と思うかもしれません。でも、実は逆なんです。不況だったからこそ、こんな好条件が揃っていました。
・土地が安い → 良い立地を確保できた
・建築費が安い → 高品質な建物を低コストで建てられた
・超円高(1ドル=80円前後) → 輸入する建築資材が安く手に入った
・ホテル・オフィスの競合が少ない → マンションが一等地を取れた
今から考えると信じられないような環境ですが、これが当時の現実でした。
地震に強い構造が多い
東日本大震災の影響で、この時期は免震構造や制震構造など、地震に強い構造のマンションが多く建てられました。安全面の安心感が大きいのも、この年代の特徴です。
なぜ2位ではなく1位なのか
実は数年前まで、私は2位の築20〜25年を1位にしていました。
理由はシンプルで、築15年前後の物件は当時まだ大規模修繕工事を終えておらず、管理調査の精度が低かったからです。
でも今は違います。この年代のマンションもほぼ1回目の大規模修繕工事を完了しています。工事費の実績をもとに管理の状態を正確に調べられるようになった。
品質・立地・価格のバランスを総合的に見て、今はこの年代が一番おすすめだと判断しています。
【注意点】
・まだ価格が落ち切っていない物件もある
・品質が良い分、部屋が広く立地も良いので、価格はやや高め
・予算との兼ね合いは、しっかり考える必要がある
逆に、避けた方がいい築年数は?
おすすめだけでなく、「やめた方がいい」年代についてもお伝えしておきます。
築44年以上(1981年以前)——旧耐震基準のマンション
1981年に耐震基準が大きく改正されました。それ以前に建てられたマンションは、いわゆる「旧耐震」です。
基本的にはおすすめしません。
1. 安全性の問題:現行の耐震基準を満たしていない
2. 住宅ローンが組みにくい:借りられない金融機関が増えている。将来売る時も買い手がつきにくい
3. 寿命の問題:コンクリートの厚みが薄い物件が多い
マンションの寿命は、簡単に言うとコンクリートの中の鉄筋が錆びたら終わりです。コンクリートはアルカリ性なので、鉄筋を酸性の雨水などから守ってくれているんですが、年月とともに「中性化」が進みます。コンクリートが薄いと、その中性化が鉄筋に届くのが早い。つまり、寿命が短くなりがちです。
壁やスラブ(床板)が薄いことで騒音トラブルが起きやすいという問題もあります。
ただし例外もあって、耐震診断や耐震改修工事を実施済みの物件、敷地に余裕があって将来の建替えが現実的な物件などは、検討の余地があります。
築10年以内(2017年以降)——最近の新築・築浅マンション
これは意外に思われるかもしれませんが、最近の新築・築浅にも注意が必要です。
2017年以降は、土地の相場も建築費もどんどん上がっていった時代。マンションを普通に建てると売り出し価格がとんでもなく高くなってしまうので、部屋を狭くしたり、グレードを落としたりして、なんとか価格を抑えているケースが目立ちます。
新築のうちはまだいいんですが、中古になった時にどうなるか。中古市場では築年数よりも、部屋の広さ・駅からの距離・設備のスペックで勝負になります。狭くてグレードが低い物件は、中古になった瞬間に価値が下がりやすい。
さらに気になるのがランニングコストです。
・管理費が高い(昔の物件から値上げしにくい分を、新築で回収している構造)
・修繕積立金も高め(2024年の国交省ガイドラインで、月3〜4万円スタートの物件も)
・第三者管理方式のリスク(管理会社やデベロッパー寄りの運営になる可能性)
駅直結や再開発のランドマーク的な物件は別ですが、全体的な傾向として、私は最近の新築・築浅をあまりおすすめしていません。
予算が合わない時は? 築年数は「一番妥協していい」
ここまで読んで、「おすすめの年代はわかったけど、予算的に厳しいかも……」と感じた方もいるかもしれません。
そんな時にお伝えしたいのが、築年数はマンション選びの中で一番妥協していいポイントだということです。
皆さん「新しいほどいい」という感覚をお持ちだと思います。でも、ある程度年数が経ってくると、築年数による価格差ってそこまで大きくないんですよ。
それよりも、駅からの距離・間取り・部屋の向き・管理の状態の方が、価格にも住み心地にも、実ははるかに大きく影響します。
ランニングコストが安く収まっているマンションは、少し古くてもちゃんと売れるんです。逆に、修繕積立金が上がりすぎてしまったマンションは、新しくても売りづらくなる。
見た目のキラキラに惑わされず、中身をしっかり見て全体のバランスで判断する。これが中古マンション選びで失敗しないコツです。
まとめ:おすすめ築年数TOP3と避けるべき築年数
【おすすめ築年数TOP3と避けるべき築年数】
1位 |築15年前後 |2009〜2013年|リーマンショック後で高品質・好立地。管理調査も可能に
2位 |築20〜25年|2001〜2006年|品確法以降で性能向上。不況期で良質な物件が多い
3位 |築35年前後 |1989〜1991年|バブル期の豪華仕様。価格が下げ止まり資産価値が安定
避ける|築44年以上 |1981年以前 |旧耐震基準。ローン・寿命・売却に難あり
避ける|築10年以内 |2017年以降 |コスト高で部屋が狭く、管理費も高めの傾向
中古マンションは「築何年か」ではなく「どの時代に建てられたか」で判断する。この視点を持つだけで、物件選びの精度は格段に上がります。
ただ、不動産は個別性が非常に強い商品です。同じ築年数でも、管理がしっかりしている物件とそうでない物件では、まるで別物。最終的には、信頼できる担当者と一緒に個別の物件をしっかり見ていくことが大切です。
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