ここ最近のマンション相場を牽引している象徴として、人気を誇っているタワーマンション。
1995年には、全国で126棟だったタワマンが、2024年には1,561棟に増加するなど、都心部を中心に増加の一途を辿り、まだその勢いは衰えることを知りません。
価格も高騰していることから、「タワマン=成功者の証」のようなステータス感もあり、まだまだ人気は続きそうです。
その一方で、「アンチ」と呼ばれる層も多く、タワマンの話題になると、色んな意味で盛り上がる現象も起こっています。
そんな中で、プロの視点から見るタワマンとは。そして、タワマンは買いなのか。
不動産業界で15年以上、お客様の住宅売買に携わる中で、得られた知見だったり、実際に私も賃貸ですが、タワマンに住んでいるので、資産価値的な観点と、住み心地になどについて、プロの視点で解説していきます。
タワマンの住み心地
私は現在、23区内のタワマンに住んでいます。
実際、タワマンは資産価値のことよりも、住み心地に対してのアンチが多いような気がします。
少し例に挙げると
- エレベーターの混雑
- 地震や強風時の揺れ
- 電波状況の悪さ
- 子供や妊婦への影響
などなど、色々あります。
私が住んでいるのは、18階になるのですが、実際にタワマンに住んでいる感想としては、ここに挙げたようなデメリットはほとんど感じない。むしろ、住み心地はいいです。
18階という高くも低くもない、中途半端な階数ではありますが、そこまで世間で言われているような不便は感じません。
エレベーターもたまに遅いなと感じることもありますが、そこまで気になりません。
地震もそこまで揺れるような感覚はないですし、電波の悪さも気になりません。
子供や妊婦への影響は、私が独身であるため、よく分かりません。このことについては、統計はあるみたいなのですが、化学的根拠があるわけでもないとも言われています。
実際住んでいて、各フロアにゴミステーションがあって、ゴミ捨ても楽ですし、ジムもあるので、自宅で仕事をすることが多い私にとっては、非常にありがたい存在です。
景色や夜景についても、よく「3日で飽きる」と言いますが、慣れはあっても、飽きるというのとは違う気がします。
デメリットに感じるのは、夏場が暑いのと、忘れ物をした時に取りに帰るのが面倒くさいのと、エレベーターが止まった時の階段は悲惨(一度、自宅に昼間戻った時に、共用部の電気点検でエレベーターが止まっていて、階段で登った時に、足が小鹿のように震えました)ですが、そんなデメリットを上回るメリットがあります。
コンシェルジュが、朝出かける時は「おはようございます。行ってらっしゃませ」と声をかけてくださり、帰ってきた時は「お帰りなさいませ」と迎えてくれる。
よく言われる、ステータス感は確かにあります。
実際に住んでみて「そりゃ、人気も出るよね」というのが、正直な感想です。
資産価値としてのタワマン
それでは、タワマンの資産価値はどうでしょうか。
都心部を中心に、上昇相場を牽引しているだけあって、不動産が安かった2011年頃と比べると、数倍になったタワマンもザラで、ここまでの上昇率を見ていると、資産価値は高いと言えると思います。
これについては、実際にそういう結果になっているので、資産価値は高いと考えていいと思います。
しかし、どうしても懸念が払拭できないことがあります。それは、管理についてです。
管理といっても、内容は様々ですが、ここでいう管理とは、大規模修繕工事をはじめとした資産保全維持活動全般のことを対象とします。
私は、マンションの管理組合の財務調査ができる不動産エージェントとして、自分で言うのも何ですが、右に出るものはほとんどいないと自負しております。
これまでに数千棟もの管理組合を調査し、独自のノウハウを築いてきました。
調査にあたっては、過去の工事実績を見る必要があり、築年数が浅いマンションは、どうしても精度が落ちるのですが、最近は建築されて20年くらい経つタワマンも増えてきたので、調査件数もそれなりに増えてきて、データも溜まってきました。
その視点で言わさせていただきますが、タワマンの修繕費はマジでヤバいと思います。
私のシミュレーションでは、毎月の積立金が6万、7万円となるような物件がザラに出てくると予想しています。
修繕工事費が高すぎるタワマン
マンションには、魔の35年と呼ばれる(勝手に私が読んでいる)時期があります。
2〜3回目の大規模修繕工事のタイミングに、機械式駐車場、エレベーター、給排水管などの交換時期が重なり、お金が非常にかかる時期です。
私の調査は、この魔の35年をどれくらいの値上げで乗り切れるのかを見るのですが、今のところ私が調査をしてきたタワマンは、1回目の大規模修繕工事で、ほとんど積立金を使ってしまっています。
また次の大規模修繕工事に加え、通常のマンションと比較して何倍になるのか、想像もつきにくいような工事が重なるタイミングが来た時に、どうやって乗り切るのか。
毎月の積立金が6万とか7万になりますと管理会社から提案され、管理組合でそもそも話がまとまるのでしょうか。
短期で築浅タワマンを狙うのはあり
このようなリスクを感じていることから、私はタワマンに関して、築年数が経っているものを狙ったり、長期保有を考えるのであれば、基本的にはお勧めしません。
ただ、築浅のタワマンを、5年とか10年住んだら、住み替えるくらいの感覚で買うのであれば、良いと思います。
しかし、相場がいつか下がるかもしれないことを考えると、今この相場で狙うのにも、リスクがあるのかなと個人的には考えています。
大きく上がったものは、下がる時にも大きく下げやすい特徴もあるので、慎重さが求められます。
タワマンなら、賃貸の方が無難
タワマンに実際に住んで、マンションの財務調査をしてきた私の視点でタワマンを評価するのであれば、「住むには最高、ただし買うのは怖い」です。
買うのは怖いので、タワマンに住むなら今のように賃貸の方が、無難かなというの正直なところです。
もちろんタワマンの全てが悪いわけでもなく、ごくごく少数ですが、タワマンでも財務調査の結果が悪くないものもありました。
タワマンでは比較的珍しい「均等積立方式」という、将来かかる費用を均等に徴収する方法を採用しているタワマンもありました。
それでも、毎月の積立金は4万円を超えていました。
ちなみに通常のマンションだと均等積立方式は、2万円前後です。
タワマンを購入する際は、かなり慎重さや、将来の戦略が求められるのではないでしょうか。
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