時事・知識・マインド

住宅ローン控除で気を付けたい、耐火建築物の見極め

2019年9月16日

宮田明典(ハウスクローバー株式会社)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。
また同時に業界歴15年以上の現役不動産エージェント。
相談は全国から毎年300組以上、実際の売買もサポートするエキスパート。
多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。 自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。

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オフィスのデスクより、

住宅ローン控除(減税)には、「築年数」や「床面積」など、気を付けるポイントがあります。

この「築年数」ですが、よく「マンションは25年以内、戸建は20年以内」などと言われています。

厳密にいうとこれは「耐火建築物は25年以内、非耐火建築物は20年以内」となります。

あまり聞きなれない専門用語なので、ピンと来ないかもしれませんが、気をつけておいた方がいいポイントについてお伝えします。

勘違いしやすい軽量鉄骨造

耐火建築物と鉄骨造やRC造などが該当し、非耐火建築物は主に木造が該当します。軽量鉄骨造というて、「鉄骨」という字がついていますので、何となく耐火建築物じゃないかと勘違いしてしまう方もいます。

法令上、軽量鉄骨造は耐火建築物には該当しません。なのでたまに軽量鉄骨造の戸建なんかを見かけますが、木造と同じ築20年以内が要件となるので、気を付けるようにしましょう。

また建築確認申請時に特に区別をしていないケースもあって、実際は「鉄骨造」であっても登記簿謄本上で「軽量鉄骨造」となっている物件もあります。耐火建築物か否かの判断は登記簿謄本によりますので、謄本の記載をしっかり確認しておきましょう。

火災保険では軽量鉄骨造は耐火建築物に?

これがまた非常にややこしいのですが、火災保険でも保険料率を決めるポイントで耐火構造(T構造)と非耐火構造(H構造)に分かれるのですが、保険だと軽量鉄骨造はT構造になります。

面積にも建築基準法と登記簿法のふたつの基準があるように、建物構造にも建築基準法と保険でふたつの基準があるようです。(保険では木造でもT構造になるものもあります)

ややこしいのですが、とりあえず「軽量鉄骨造」の時は「何かあったな」と思い出してください。

耐震診断のハードルが高いRC・鉄骨造・軽量鉄骨造

建築年の条件を満たさない物件については、現行の耐震基準を満たしていることを証明することで、住宅ローン控除が適用できるようになります。そのためには、まずは耐震診断が必要になります。

しかし、RC・鉄骨造・軽量鉄骨造とややこしい構造体の建物は耐震診断のハードルが非常に高いです。

ハードルが高いというのは技術的な面と費用面においてです。中には新車が買えるくらい費用がかかるものもあり、住宅ローン控除の受けるだけのために耐震診断をするのは割に合いません。

1981年(昭和56年)6月以降に建築確認が下りた物件であれば、検査済証があるかどうかがポイントになるので気を付けるようにしましょう。

宮田明典

P.S

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