物件選び

「任意売却物件」って何だろう?

2019年10月29日

宮田明典(ハウスクローバー株式会社)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。
また同時に業界歴15年以上の現役不動産エージェント。
相談は全国から毎年300組以上、実際の売買もサポートするエキスパート。
多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。 自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。

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オフィスのデスクより、

あなたは「任意売却物件」という言葉をご存知でしょうか?

日本で売られている物件の種類は3つあります。

一つはいわゆる普通の住み替えなどの理由による「一般売却」。

次に、税金や住宅ローンが支払えずが物件が裁判所を通して競売にかけられる「競売」。

そして、ちょうど「一般売却」と「競売」の間に今回のテーマでもある「任意売却」というものがあります。

任意売却になるのはどんな時?

例えば住宅ローンを支払っている人がいました。

しかし何らかの要因があって住宅ローンの支払いが難しくなってきた。

そこで家を売却して、安い賃貸なり分譲マンションなりに引っ越そうか、となったします。

ここで問題になってくるのが、住宅ローンの残債です。

つまり住宅ローンがいくら残っているか?です。

売却したお金で、これが全部返済出来る場合は問題ありません。

一般売却によって得られたお金で住宅ローンを完済し、残ったお金で生活を立て直せれば大丈夫です。

次に住宅ローンを売却価格で返せそうにない時。

この場合が問題になります。

物件価格を不動産仲介業などに査定してもらった時、明らかに残債を下回ってしまうとき、じゃあ残りのお金をどうするか?

本人がその差額を貯金などでまかなえればいいですが、往々にしてこういったケースだと余力がありません。

任意売却は価格決定権は金融機関に

そしてそこで登場してくるのが金融機関もしくは保証会社です。

不動産取引では決済の時までに銀行が抵当権を外してくれないと引渡しが出来ません。

一般的な取引では、物件を売る主体者は売主さんになりますが、こういったケースだと価格決定権などが金融機関に移ります。

これが「任意売却」と呼ばれる取引です。

そしてこの先にあるのが「競売」ですが、金融機関としても「競売」になってしまうと回収できる金額が安くなってしまったり、時間や余分な費用がかかることが多いので、任意売却の方がメリットが多いと言えます。

金融機関が価格決定に関与し、これくらいであれば抵当権を外してあげますよという流れで売買が進みます。

もし問い合わせた物件が任意売却物件だったら?

そこでもし任意売却の物件に当たったら何を気を付けたらいいでしょうか?

まず任意物件は往々にして時間がないことが多いです。

そのタイムリミットを超えてしまうと競売の手続きに入っていってしまうからです。

中には競売と同時に任意売却をしているケースもあります。

そして任意売却には基本的に瑕疵担保責任が免責となります。

その分一般的な売価よりは少し安い傾向があります。

少し特殊な取引なので、事情を分かっている業者でないとスムーズに行かないこともあります。

ちなみに任意売却物件については、ほとんど但し書きもなくポータルサイトに載っているので、見るだけでは判断がつきません。

もしあなたも問い合わせた物件がたまたま任意売却であった場合は、まずどのような状況なのか確認するところから始めましょう。

宮田明典

P.S

ちなみに任意売却や競売は、年々増加の一途をたどっているようです。

「人の振り見て我が振り直せ」ではないですが、あなたが任意売却や競売になったりしないようにしましょうね。

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多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。 自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。

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