オフィスのデスクより、
免震住宅というものを聞いたことがありますか?
数は少ないものの、戸建やマンションで免震装置を採用している住宅があります。
震度7が連続して襲った熊本地震でも、免震装置を採用した住宅の被害は非常に軽微なものでした。
この時の免震装置を備えた建物では、テーブルの上に置いてあった花瓶も倒れなかったと言われたほどでした。
ちなみに観測史上初めてといわれた震度7クラスの地震が連続して起こったことで、新耐震の建物も多く倒壊しました。
現行の耐震基準では、震度6強から7の大規模地震でも倒壊しないこととされています。
しかし、地震によって建物自体はダメージを受けます。
熊本地震で新耐震基準の建物が多数倒壊したのは、震度7の大地震で傷んだ状態のところに連続して震度7クラスの地震があったからと言われています。
「耐震」から「制震」「免震」へ
過去の大地震からの流れを受けて、地震の時に建物が倒れないようにする「耐震」から、ダンパーを使った「制震」構造の建物が台頭してきました。
さらに2000年代後半からは建物と地盤の間に免震ゴムを挟み建物自体の揺れを軽減する「免震」という構造の建物が増えてきました。
今現在、免震住宅は名古屋でもタワーマンションをはじめとする高層マンションに取り入れられていたします。
他にも商業施設や、病院などでも採用される建物が多くなってきています。
普及の問題はコスト
これだけの防御力を誇りながらなかなか普及が進まない原因の一つがコストと言われています。
マンションでは工事費用が約1割ほどアップします。
戸建でも、「制震」だとプラス50万~100万円。「免震」となるとプラス250万円~400万円と言われています。
これだけの追加コストがかかると、どうしても豪華な設備にお金をまわしたくなってしまいます。
ちなみにマンションでは毎年国内で免震装置が採用されるのは150~200件ほどだそうです。
資産面でプラスの側面も
素晴らしい防御力とコストの問題は抱えているものの、中古市場では免震建物であることは、価格面でプラスになることが分かってきました。
他にも地震保険も割引が免震住宅であれば5割にもなります。
そういった資産面などからも評価される仕組みが広がれば、免震建物の拡大に繋がるのかもしれないですね。
一時、免震で東洋ゴムの偽装問題が発覚し、イメージが悪くなったこともありますが、それでも東日本大震災や熊本大地震で残した実績を考えるともっと普及してもいいように感じます。
また近年では劣化で交換の必要が出るゴムに変わり、鉄製の免震装置も出てきているそうです。
あなたも不動産サイトを見る時などに、免震物件かどうかも確認してみたらいいかもしれませんね。
宮田明典